温故知新~温新知故?

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「2030中国自動車強国への戦略」読了

2021-04-08 18:19:14 | 

2030中国自動車強国への戦略という本を読了した。
最後に謝辞の中で筆者の湯進氏が「愚直に汗をかいて真実を求める「現場」学者という姿こそ筆者が個人的に理想とする姿であり、本書は筆者らしい書物に仕上がったと自負しています。」との記述がありますが、全くそのとおりだと思います。昨今はワイドショーのMCGは臆面もなく、今日の朝日新聞にこうかいてあったと紹介するように、机に座ったままでネットで検索したことをそのまま伝えるような世の中で、自分の足で稼いだ情報という感じがする内容です。
2030 中国自動車強国への戦略 世界を席巻するメガEVメーカーの誕生 | 湯 進 |本 | 通販 | Amazon
EV革命で自動車産業のパラダイム転換を企む中国政府。本書を読めば、中国政府の自動車産業政策の変化、CASE、電池・新興EVメーカーの動向など、中国EV革命を俯瞰できる。2030年の中国モビリティ社会に備えて、完成車メーカーや部品メーカーのとるべき戦略がわかる。

2030中国自動車強国への戦略 世界を席巻するメガEVメーカーの誕生/湯進/著 本・コミック : オンライン書店e-hon
EV革命で自動車産業のパラダイム転換を企む中国政府。本書を読めば、中国政府の自動車産業政策の変化、CASE、電池・新興EVメーカーの動向など、中国EV革命を俯瞰できる。2030年の中国モビリティ社会に備えて、完成車メーカーや部品メーカーのとるべき戦略がわかる。
目次
序章 誰も語らなかった中国EV革命の背景
第1章 「中国の夢」と自動車強国
第2章 中国の自動車強国入りを阻む足かせ
第3章 EV革命の正体
第4章 破壊者と追随者
第5章 電池をめぐる覇権争い
第6章 中国製自動運転車の脅威
第7章 「世界のEV工場」となる中国
第8章 日本企業はEV革命の荒波を乗り越えられるか

印象に残ったキーワードなど紹介します。
125ページで紹介されているNIOの記述。私はNIOを知らなかったので、中国版テスラがここまで来ているのかを驚いた。
NIO ES8 walkaround – DrivingElectric

下のサイトでも詳しく説明しているの紹介しているので参考にしてください。日本でこのレベルの車あるのかな、ないんじゃない?。
中国のEVメーカー、NIOの電動SUV「ES8」に乗った!──金子浩久の上海自動車事情レポート | GQ Japan
カセット式バッテリー交換を目撃
用意ができたと地下の駐車場に案内されると、そこには充電されたES8が何台も並んでいた。他のEVと同じように建物側の電源と車体をコードでつなぎ、急速充電や通常速度での充電が行われているほか、注目のカセット式バッテリー交換システムも稼働していた。「NIO POWER」と呼ばれるそれは、現在のEVが宿命的に抱えている充電時間の長さを解決するためにNIOが独自に実用化したものだ。

乗り込んで「アラ」を探す
インテリアの造形と仕上げレベルもとても高い。予備知識が一切なくて乗り込んだら、ヨーロッパのプレミアムブランドの最新型だとしか思えないだろう。2014年から始まったスタートアップ自動車メーカーが初めて量産したSUVであろうとは誰も想像できない。

世界最大のEV市場を制するのは? Nio ES8とテスラ モデルXを比べてみた | Business Insider Japan
中国は世界最大の電気自動車(EV)市場。2018年、世界のEV販売数の56%を占め、120万台が売れた。
中国市場でのシェア獲得に向け、テスラは上海に工場を建設している。テスラは中国に完全所有の工場を持つ最初の外国自動車メーカーとなる。テスラは現状、中国の顧客向けに完成車をアメリカから輸出している。
中国のラグジュアリーEV市場におけるテスラの最大のライバルは、Nio。同社は2018年、最初のEVとして、EV SUV「ES8」を発表した。航続距離は220マイル(約350キロメートル)、最大7人乗り、価格は約6万7000ドル(約740万円)〜。


電池市場はCATLという中国メーカーが、トップであるのはよく知られた話。
ガソリン車ゼロ時代: EV用バッテリーで世界シェアトップ 「中国・CATL」の知られざる正体 | 週刊エコノミスト Online
新技術と高品質生む人材
CATLは中国の大手自動車メーカーと車載電池の合弁会社を設立して供給する一方、米テスラ、ドイツのBMW、ダイムラー、フォルクスワーゲン(VW)、仏PSA、そしてトヨタ自動車、日産自動車、ホンダなど世界中の自動車大手に「全方位」で供給する。


中国製自動運転車の脅威という章で紹介される「虎視眈々のBAT(バイドゥ、アリババ、テンセント)」というタイトルの記事も興味深い。
192ページのBYDのバスの運転者や従業員の勤怠や健康管理のタブレットによるシステムも、ここまでのものがあるのかと驚かされる。

197ページではモジュール化の発展形としての2030年のスマートファクトリープラットホームなるものが紹介されている。
200ページでは中国4大自動車メーカーとドイツ自動車メーカーとの協業によるモビリティサービスグループの表が紹介されている。
まあ、日本はもっとこの上を行く戦略を企業や政府で構築しないと、完全に中国にはおくれるというか負けるというかという感じだけど、もうすでに勝負はついているのかもしれない。日本メーカーはどうするのかな?トップに立とうとするのか、技術や市場でリーダーシップを取るには、トヨタのウーブンシティの数倍のプロジェクトが必要な気がする。
以下にアマゾンの書評をのせます。
Hanna
5つ星のうち5.0 2030年に向けて日本企業も戦略が必要。
とても勉強になりました。
中国の自動車強国への戦略について、さまざまな角度から分析・究明されていて、中国のEV革命と未来のモビリティ社会を見据えて何を考察するべきか、私には情報とアドバイスが多くありました。
杏仁豆腐
5つ星のうち5.0 中国自動車の全てが分かる本
常に注目されている中国自動車の過去現在それから今後が分かる貴重な一冊です。個人的には現在メガ企業化に成長した中国企業の創業者に関する内容や今後日系企業が取るべき戦略について大変参考になりました。
ITコンサルタント
5つ星のうち5.0 現状が良く分かった
中国の自動車産業の細かなデータをベースに分かり易く説明してくれている秀逸な一冊

その他の書評
(短評)2030 中国自動車強国への戦略 湯進著: 日本経済新聞
中国自動車市場に関する本は多いが、本書のように伝聞ではなく、実際に歩いて得た情報で書かれた本は実は少ない。特に日本や欧米自動車産業が最も注目する中国巨大電池メーカーについての記述が興味深い。めったに人前に姿を見せないとされる創業経営者と何度か接触し、施設内部の調査も許可されたようである。自動運転や電気自動車に関する中国当局の政策を理解する上でも資料的な価値がある。(日本経済新聞出版社・1800円)



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