温故知新~温新知故?

音楽ネタが多いだろうけど、ネタのキーワードは、古きを訪ねて新しきを知ると同時に新しきを訪ねて古きを知るも!!

3Dプリンターって欲しくなった

2013-03-27 20:01:24 | プロダクトで文化を
Cube 3D printer

上の映像を見て欲しい。これ値段は$1543。欲しくなる値段だ。
Cube 3D Printer | A home 3D printer to turn your ideas into real objects
こんな動画もあった。
3Dプリンターでヨーダを作って見た(全体編)


現在このような低価格の3Dプリンターはいっぱいあるようだ。家庭用3Dプリンタを買うならどれ?特徴別3Dプリンタリスト  | Social Design News【ソーシャル・デザイン 公式サイト】
各種家庭用3Dプリンタの特徴を表現し、リストアップてくれているサイトがありましたので、拙訳でご紹介。

そもそもは以下の記事を読んだのがきっかけ。
広がる3Dプリンター、「誰でもメーカー」時代到来  :日本経済新聞
 自分がデザインしたオリジナルの小物や部品を手軽に造形できる、「3Dプリンター」がにわかに注目を集めている。3Dプリンターは従来、さまざまな産業分野で使われてきたが、昨今の低価格化を契機に個人にも急速に広がっている。「誰でもメーカー」を実現する3Dプリンターの最新動向を追った。
企業だけではなく、個人にも3Dプリンターの理解や利用を促す拠点も誕生した。JBCホールディングス傘下のイグアスが、東京・道玄坂にオープンした3Dショールーム「CUBE」だ(図5)。土曜・日曜には、同じ建物内にあるデジタルものづくりカフェ「FabCafe」とコラボして、3Dプリンターのワークショップを開催し、人気を博している(図6)。

この記事でも書かれているけど、確かに、ものを作るという常識や文化が変わるかもしれない。そんな予感がする。そして、自分自身も10台だけ作ってみて実際売ってみたいと思うようなアイデアはいくつかあるけど、10台あるいは100台のために型を作るほどのお金を集めるあてはないし、それを回収する自信もない。リスクが大きすぎる。でも、10万くらいの3Dプリンターを買えば、やってやれないことはない。時間をかければ100台だって作れそうだ。今までものづくりは、少なくとも100台から1000台くらい売れる見込みが無いと実際作るということは難しかったけど、そんな常識が変わる予感がする。ものづくりの常識が変わるわけだから、色々不可能なことが可能になりそう。一番最初に紹介したCUBEという製品にはオプションで3Dデータを作れるソフトも有るらしい。形状には制約があるだろうけど、その制約が面白いものが生まれるきっかけにもなりえそうだ。

下の記事では、その課題みたいなことも言及されている。でも、可能性がある。
3Dプリンターは何でもできる“魔法の箱”じゃない:日経ビジネスオンライン
クリス・アンダーソン氏が執筆した『MAKERS~21世紀の産業革命が始まる』(NHK出版)によって3D(三次元)プリンターというデジタルツールが市民権を得た。3Dプリンターを使えば個人のアイデアを手軽に形にでき、誰でもがメーカーになるチャンスがある。

下に引用した部分はまさに日本の家電メーカーなどが韓国や中国に抜かれる原因を言っているような気がする。日本はあきれるほど、リスクを取らないんだよね。そう、この3Dプリンターを活かした新しいものづくりで日本再生だ!。
少し愚痴っぽくなりますが、特に今の日本のメーカーは、どんなに面白いアイデアがあっても「それは実績があるんですか」と聞かれて「まだない」と答えるとそこで商談はストップ。一方、海外、特に韓国などのメーカーは「実績がまだないんだったら、世界初ということで是非やりましょう」と言われることが多い。イノベーションを起こそうという気概を、日本のメーカーに今一度奮起して持って欲しいですね。


NHKでもやったようですね。
3Dプリンターで変わる“モノづくり” - NHK 特集まるごと
鈴木
「こちら、私のデータを元に作られたフィギュアなんです。」
阿部
「かなり精巧に出来てますよ。」

公開フォーラム「ヒューマトロニクス ― 安心感の獲得をめざして、人工物と人間の関わりかたを探る―」

2008-06-01 14:28:12 | プロダクトで文化を
先々週の自動車技術会のフォーラムで、一度研究室や起業した会社へ訪問したことのある中津良平先生の講演が面白かった。
公開フォーラム「ヒューマトロニクス ― 安心感の獲得をめざして、人工物と人間の関わりかたを探る―」レポート~自動車技術展 人とくるまのテクノロジー2008にて
ロボットもライフスタイルを変えて、はじめて社会に入ってくるのではないか、という。
 「技術というものは最終的に、これまでなかった体験を作り出すことで世の中に受け入れられる。市場に出して、一般の人に評価してもらい、新しい使い方を作り出してもらうという手もあるのではないか」と述べた。

ここで述べられている2点が共感を感じた。
1.ライフスタイルとプロダクトの関係
ここではロボットとライフスタイルという論手であったが、これはなにもロボットに限ったことではないと思う。
以前にも書いたように私はエンジニアでかつ文化を変える(人々のライフスタイルを変える)ような商品を作りたいと思ってきた。
よって、先生の指摘するポイントは全く同感だ。
2.市場に出して一般の人に評価してもらう
そして2点目は、これだ。
ライフスタイルを変えてしまうようなプロダクトは、市場に認知されるには高いハードルを越えかつ、ある程度時間をかけて認知してもらう必要がある。
過去のそのような商品は開発者の情熱と思いで、その困難さを乗り越えてきている。
市場に出して、実際のユーザーに試していただける場あるいは機会がもう少し手軽にあれば、世の中には完成度が高く画期的なプロダクトがもっと市場に出ると思う。
そのなかでユーザーがエンジニアのアイデアを具現化したプロとを自湯に試すことができるR&D遊園地(研究所併設遊園地)のようなものの設置は私の長年の夢である。

そんなことを改めて思い出させてくれる中津先生の講演であった。

プロダクトで文化を創る その3 T型フォード

2007-11-04 14:02:32 | プロダクトで文化を
プロダクトで文化を創るのその3である。
9月末のその2からずいぶん経ってしまった。
温故知新~温新知故? プロダクトで文化を創る その2
その3は、超ビッグなプロダクト!T型フォードである。
なぜ超ビッグかは、以下のウィキペディアの記述にもあるように、文化を創ったどころか、世界史を変えたプロダクトであるからだ。
フォード・モデルT - Wikipedia
自動車技術はもとより、労働、経済、文化、政治などの各方面に計り知れない影響を及ぼし、誇張ではなく「世界史を変えた自動車」と言える。

改めて、上のウィキペディアの記事を読み直すと、驚かされることが一杯ある。
1.ベルトコンペアー~流れ作業~
2.総生産台数1500万台はワーゲンの2100万台に次ぐ第2位。
これはモデルチェンジなしの19年間の総生産台数というのも驚きだ。
3.規格化による互換性確保
4.材料の開発
5.他が1000ドル以上なのに、600ドルという低価格設定企画
しかも、1925年には290ドルにに至るまでコストダウンされた。
6.普通の工具で修繕できるように考えられていた
7.運転操作系もユニーク
「甲種運転免許」と別に”T型フォード専用免許”というべき「乙種運転免許」が設けられていたほど他社より簡単だったようだ。

これらが、1907年頃に計画されて実行されたのだ。
驚き以外の何ものでもない。

おまけに道路まで整備!
第14回 首都圏から渋滞が消える!? - ECO JAPAN〈エコジャパン〉 - nikkei BPnet 環境ポータル
T型フォードの普及に合わせて、米国では大陸を横断するフリーウェイ(リンカーンハイウェイ)が西海岸のサンフランシスコから東海岸のニューヨークまで完備された。これをきっかけに無料の高速道路網が全米に整備され始めたのである。もちろん道路は連邦政府の責任で完備されていった。


これだけ壮大な規模でプロダクトを企画計画するような話は今後ないだろうと私は思う。
これをすべてヘンリーフォード一人で考えたのだろうとは思わないが、多くの部分は彼の頭の中にあったのだろう。
今のクルマ文化は1910年前後に彼の頭の中にあった(もしかして夢?として?)のだろうし、現在につながっている。
そう、いまの車にまつわるライフスタイルは彼のT型フォードによって、もたらされていると言えるだろう。
よくも悪くもだけど。
途中でチャップリンが揶揄するようなモダンタイムスと言う映画を作ったことも、フォードも凄いがチャップリンも凄いと驚かされる。

たかが、商品が社会にこれほどまでの影響を与えるという最大にして最後の例なのかもしれない。

プロダクトで文化を創る その2

2007-09-24 22:52:42 | プロダクトで文化を
プロダクトで文化を創る その2である。
先回、ウォークマンについて書いた。
温故知新~温新知故? プロダクトで文化を創る その1

そのウォークマンの創り上げた文化は、そう、ipodへとつながる。
ウォークマンは、再生専用機を携帯して移動中もどこでも、ラジオなどではなく、自分のお気に入りの音楽を楽しむという文化を創り上げた。

ウォークマンほど、革命的な文化の変化ではないけど、ipodはその文化をさらに発展させたと思う。
つまり、家にあるお気に入りの音楽を常に携帯して持ち歩いて聞くという文化だ。
最初は最大30GBだったかな?。
現在は80から160GBアップル - iPod classicだ!。
40,000曲。
CD 1枚で20曲としても2,000枚。普通かなりのコレクターでも4~500枚のコレクションがせいぜいだろう。
私も2~300枚だ。
映像というニーズが生まれたので、このような容量も現実的になってしまったのだろう。
そう、映像も持ち歩くという文化も創ることに発展したわけだ。
ipodによる文化の変化はもう一つある。
それは、音源をCDやカセットなどの媒体ではなく、データとして購入するという文化だ。
アナログレコードは、レコード - Wikipediaによれば、LPレコードで考えると1948年に生まれ、これもコンパクトディスク - Wikipediaによれば1986年頃にLPを抜いたようだから、40年くらい、続いたことになる。
CDはipodや音源のデータ販売により、後数年で生産はかなり減るだろう。続いて25年くらいと言うことになるのかな?

電子データもハードディスクから大容量メモリーへと変わっていきそうだ。
PCでさえ、限定された容量ならメモリーへ変わっていくだろう。

このような技術変化と共に音楽を楽しむ、あるいは多様なメディアを楽しむ文化がこれからもどんどん変わっていくだろう。

次の文化を創るプロダクトは、誰が…?

次回は何について書こうかな?

プロダクトで文化を創る その1

2007-09-17 19:01:20 | プロダクトで文化を
プロダクトで文化を創ると題して、これから時々シリーズで書こうと思う。
まずは第1回目。
私は物作りに携わっているが、どんな物作りを目指すかと問われれば、「作ったプロダクトをお客様が使うことにより生活文化が変わる」という変化が起こるようなものを作りたいと答えたい。

例えばどんな商品か?。

まずは、ソニーのウォークマンがいい例だ。
それまで、再生のみの機能のカセットプレーヤーと言う概念はなかった。
また、スピーカーのない音楽再生機というものはなかった。
しかし、現在、多くの人がイヤホンで再生される音楽を聴いている。
電車などに乗れば、ほぼ50%近い人がこのような通勤移動スタイルとなっていると思う。
まさに移動のライフスタイルはウォークマンが存在しない頃と、存在してから以降は生活スタイル・文化が大きく変わったといえるだろう。

そう、ウォークマンというプロダクトが文化を変えたと言えるだろう。

しかも、その後もCDやMDになって変化していった。

さらに…

と続く、その後に現れるプロダクトについてはその2で!