私は、今インターフェースに大変興味がある。もう10年ぐらい興味があるかな。だから、中国から戻って、色々本を読んだり情報に敏感だ。
下の記事は、そんな中で、「なるほど、なるほど、そうなんだよね」と思うところがあったのでいくつか引用する。
iPhoneが示唆する,機器開発のジレンマ《動画あり》 - 家電・PC - Tech-On!米Apple Inc.の携帯電話機「iPhone」のユーザー・インタフェースを,デザインの専門家の視点で分析した。これまでも本誌では,米国のデザイン会社2社によるiPhoneの分析を掲載している1)。ただし,それらはユーザーの視点で見た評価だった。今回は,作り手の立場から分析を試みた注1)。 結論を言えば,iPhoneのユーザー・インタフェースの優れた点は,タッチパネルを使った直接的な操作と,動的なグラフィックス表示の高度な融合にあると考えている。重要なのが,「高度な」という点である。タッチ・パネルを使った製品や,動的に変化するアニメーションを用いた表現はこれまでにもあったが,iPhoneほどの完成度に至った例はあまりない。
現時点で、アンドロイドはあんまり触ったことがないけど、先日サーフェスを触った感じでは、私にとっては全く別物というくらいお粗末な完成度だった。
iPhoneが示唆する,機器開発のジレンマ《動画あり》 - 家電・PC - Tech-On!その違いは,操作感をどこまで高めたかにある。具体的には,タッチ・パネルを使った操作で複数の確定方法を使い分けるなどして,ユーザーが意図した通りに間違いなく操作できるように仕上げた点で,iPhoneは優れている。
キュー万インターフェースに関しては、ヒューメインインターフェース
Amazon.co.jp: ヒューメイン・インタフェース―人に優しいシステムへの新たな指針: ジェフ ラスキン, Jef Raskin, 村上 雅章: 本という本がバイブルのような存在だが、それにも書いてあったと思うが、人間と機会の関わりは基本普通あるいは自然でないといけないと思う。無理やりシンプルにしたり、人が使う時の昨日以外デザイン的な意図や技術的な意図があったらその時点でNGである。
iPhoneが示唆する,機器開発のジレンマ《動画あり》 - 家電・PC - Tech-On!個々の画面の構成や,画面がどのように遷移するのかといったユーザー・インタフェースの構造は,驚くほど普通といえる
ボタンもボタンとする必然性がなければいけない。人のアクションとして、たくさんあるボタンを押すより画面をなぜるという方が自然だろう。ケース・バイ・ケースだけど。
iPhoneの画面を静止画で見ると,少し小ぎれいにできたGUI(graphical user interface)という程度である。後述するように,ウインドウを上下にスクロールさせるバーや矢印といった要素がないことが,すっきりした印象を与えている。
下の部分はそのとおりなんだけど、実は私はタッチするというアクションは手持ちの機器ではいいけど、カーナビなどの体から離れた機器では不自然だと思う。私はその改善のアイデアを目下あたためている。
iPhoneが示唆する,機器開発のジレンマ《動画あり》(page 3) - 家電・PC - Tech-On!タッチ・パネルを用いた直接操作はユーザー・インタフェースの設計上,大きな利点がある。画面に表示した要素を触るだけで操作できるので,ユーザーにとって分かりやすい。実際,カーナビの操作がリモコンからタッチ・パネルに変わったとき,使い勝手が大きく改善された。GUIとタッチ操作はもともとなじみが良いのである。そもそも,パソコンなどで当たり前になっているマウスで画面上のオブジェクトを選択するというGUIの手法自体が,手で触る行為の代替手段だったとも解釈できる。
下のアップ確定かダウン確定かは、実によく分析されているし、よく作りこまれていると感心させられる。
iPhoneが示唆する,機器開発のジレンマ《動画あり》(page 4) - 家電・PC - Tech-On!例えば,iPhoneのメニュー階層の最上位に位置するHome画面では,ダウン&アップ確定を用いている(図4(a))。すなわち,同じ場所で指を押して離さないと確定しない。このため,間違って押しても,他の場所で指を離せば何の機能も起動しない。
この記事では下のようなチューニングこそ、アップルのインターフェースを他の製品と差別化している大きなポイントとしているが、その通りである。機能をパテントなどで抑えることに眼がいきがちだが、ユーザーが自然と思えるようにとことんチューニングするのはインターフェースでは大変重要だと思う。
iPhoneが示唆する,機器開発のジレンマ《動画あり》(page 5) - 家電・PC - Tech-On!多くのユーザーがこれらの操作を自然と感じるようにするには,意図の判定に使うアルゴリズムや数値を,念入りにチューニングしなければならない。例えばApple社は,「ユーザが指を押してから離すまでに0.何秒たっていれば確定と判断する」といった数字を設定しているはずである。この時間をどれだけに設定するかが問題で,一つの操作に重きを置きすぎると,他の操作が悪影響を受けやすい。
下に書かれている弾力性みたいなものは、はじめから、この一見無駄に思うような機能をもたせた作り込みのレバルは、もしかしてジョブズのこだわらいではないかと思う。私など、この無駄なみたいな機能を楽しむために、何度もこのアクションをしてしまうほど私には魅力的なプラスアルファのポイントだ。
iPhoneが示唆する,機器開発のジレンマ《動画あり》(page 6) - 家電・PC - Tech-On!iPhoneでは1画面に収まらないページやリストがあった場合,指でなぞったりはじいたりすることで,ページやリストをスクロールして閲覧できる。その動きは滑らかで,物理的な慣性や弾性を持っているかのようだ(図6)。例えば,リストが上端まで来ているにもかかわらず,ユーザーがさらに下にスクロールさせようとすると,あたかもリストに弾性があるかのような動きを示す。こうしたアニメーションを自然に見せるために,Apple社は操作を表示に反映させるまでの反応速度や,画面表示のフレーム速度に気を使っているはずである。
リストが上端まで来たときにさらに下にスクロールしようとすると,リストの余白部分が現れ,あたかもゴムを引っ張ったときのように動きが鈍くなる。指を離すと,引っ張ったゴムが元の状態に戻るように,リストの上端まで戻る。
パソコンのGUIなどでは,ウインドウをスクロールさせるバーや矢印,ウインドウの拡大/縮小に使う領域などを明示的に表示する。iPhoneにはこのような要素がほとんどない。
開発の難しさがあることも指摘している。
iPhoneが示唆する,機器開発のジレンマ《動画あり》(page 7) - 家電・PC - Tech-On!開発の初期段階で操作感などを記述するには,パソコンなどで動作する,ユーザー・インタフェースのシミュレーション・モデルをよく使う。これまでなら紙芝居をぱらぱらとめくるようなもので十分に役立った(図7(b))。しかし動的な操作感を表現するには,最初の段階からかなり綿密に作り込んだ動作モデルが必要になる。
我々が請け負う仕事でも,最近はこのようなモデルが多くなりつつある(図7(c))。
下も思わず、「そう、そう」と言いたくなるほど、私もよく経験した。
iPhoneが示唆する,機器開発のジレンマ《動画あり》(page 8) - 家電・PC - Tech-On!もう一つの大きな問題は,開発段階で試作機の使い勝手(ユーザビリティ)を調べたときに,新規のユーザー・インタフェースの場合は得てして評価が低いことである。理由の一つは,試作機を使う想定ユーザーが,新しいユーザー・インタフェースに慣れていないこと。比較対象が従来の使い慣れたユーザー・インタフェースであれば,そちらの方が良い結果が出やすい。また,iPhoneのように操作感が重要な製品は初期の試作でチューニングが十分でなく,快適に使えないことが多い。これも,ユーザビリティ・テストで悪い評価をもたらす。つまり,初期段階で評価した結果,後から使い勝手が大きく向上するユーザー・インタフェースの可能性をつぶしてしまうことになる(図8)。
iPhoneが示唆する,機器開発のジレンマ《動画あり》(page 8) - 家電・PC - Tech-On!先進的なユーザー・インタフェースを,ユーザーの習熟度や試作機の完成度を無視して既存のインタフェースと比較すると,当然使いにくいと判断される。
そう、使いやすさのためには割り切りが大事ですね。
iPhoneが示唆する,機器開発のジレンマ《動画あり》(page 9) - 家電・PC - Tech-On!これまでにも指摘されているように,iPhoneには足りない要素がたくさんある。写真などの複数選択ができなかったり,テキストのコピーや張り付けができなかったりする。これは,Apple社が考えたユーザーの体験を実現する上での割り切りとみられる。