温故知新~温新知故?

音楽ネタが多いだろうけど、ネタのキーワードは、古きを訪ねて新しきを知ると同時に新しきを訪ねて古きを知るも!!

歴史の愉しみ方 忍者・合戦・幕末史に学ぶ 著者:磯田道史/ 出版社:中央公論新社 読了

2013-02-12 14:31:37 | 

Amazon.co.jp: 歴史の愉しみ方 - 忍者・合戦・幕末史に学ぶ (中公新書): 磯田 道史: 本

前半は忍者、妖怪、習俗などのいわば歴史のトリビアな話題が中心で、後半からは地震を中心とした話題に移っている。
真骨頂は「関ヶ原見物作法」と題した一文(p192)。新幹線が関ヶ原の古戦場を通っていることから、下りに乗る時は家康になったつもりで、上りに乗る時は石田三成になったつもりで、いつも必ず車窓をチェックしていくという。司馬遼太郎はかつて、見渡すとそこに過去の街並みが見える、といったそうだが、磯田氏もその域に達しているのだろう。

今、中国に来たついでに北方謙三の揚礼伝を読み始めている。
この揚礼伝、別巻も入れると全20巻。現在3巻までは読み終えたけど、途中で他の本も読んでいないとやっていられない。そこで読んだのが先日の「中国人エリートは日本人をこう見る」読了 - 温故知新~温新知故?もそうだ。

この本は、実は下の書評を見て面白そうだと思ってメモしてあった本だ。いかにも面白そうだと感じさせる書評だった。
歴史の愉しみ方―忍者・合戦・幕末史に学ぶ [著]磯田道史 - 青木るえか - 新書の小径(週刊朝日) | BOOK.asahi.com:朝日新聞社の書評サイト
これを読んでいると「うわ、歴史ってこういうコマコマした部分にぐっと近づいてみると、すんごい面白いな!」と思う。それだけじゃない。「この人の文章はなんだかやたらと面白いな!」と思う。面白いのが2倍というか2乗というか。

そして、読んでみると期待にたがわず、忍者の話題のみならず、古文書から歴史的な小さな疑問を探ってくれる。出てくる古文書は記録的なものなので、客観的な事実という感じで興味深い。現実感がある。
中でも
大田垣蓮月という人は絶世の美人で、尼さんなのだが、美人で男がよってくるので歯を抜いてしまった。
大田垣蓮月
蓮月は聡明な美人であったとかで、尼僧となってからも言い寄る男が絶えなかったようですが、自ら釘抜きで歯を抜き、男達の目をそらそうとしたとも伝わる気丈な女性であったりもします。

もともと戦国時代の頃日本の教育は実践的なものだったのが江戸時代以降、四書五経の暗記のような形式主義となった。~この僻遠の地(薩摩)で育まれていた政治的判断力でもって、新政府を作り、迫り来る西洋列強に対処していったのである。
他にも、つちのこの話、庭園美術館のアールデコのペンギンの話、斎藤隆夫の色紙、天皇土葬化のきっかけ、江戸時代の狆飼育、殿様は水で顔を洗ったか?それともお湯かなどの話題が古文書に書かれたことから立証している。まさにトリビアのオンパレードだ。

NHK「ラスト・ニンジャ~古文書発掘ミステリー」 あらすじ - doranyankoの部屋 - Yahoo!ブログ
■ 甲賀忍者のデビュー
 室町時代中期の1487年、
南近江の守護大名→戦国大名・六角氏が抵抗して甲賀の里に逃げ込んだ。
9代将軍・足利義尚(よしひさ)の幕府軍は追い込んで鈎(まがり)の里に本陣を構えた・・・「鈎里陣図」(見取り図)。
戦さ長期化したが、甲賀忍者に夜襲された将軍は手負い、程なく25歳の若さで急死した。
 かくして甲賀忍者が表舞台に登場し伝説が始まった !!

江戸時代になると、忍者の名前が「侍帳(さむらいちょう)」に載るようになり、「これでは誰が忍者かわかってしまう」と書く。
その後に出てくるネタも、「江戸の狆(ちん)飼育」とか(読んでいると、狆の顔がうわっと浮かんできて気持ちが悪くなってくる)、江戸時代の各藩に伝わる“これ食っちゃいかんリスト”など、それを知ったからといって出世の役には立つまいが、知ったことによって「ああ、人生がひとつ豊かになった」と思えるような知識を次々と紹介してくれる。
 震災を体験して、古文書の中の地震を調べる話もある。巨大地震はごくふつうに日本を襲い、ごくふつうに大量の人が死んでいる。しかし昔は放射能漏れなんてものがなかっただけマシか。

そこで、そもそも忍者の名前が載っているというところに大きな興味があったので検索してみた。
本によれば下のデジタル岡山大百科のなかで古文書が読めるということなのだ。
デジタル岡山大百科 | 岡山県立図書館
和装本のうち翻刻があるものの一覧《デジタル岡山大百科》
備前侍帳 (KW/281/1) 表示
侍帳,寛永十年 (KW/281/12) 表示
備前藩侍帳 (KW/281/21) 表示

いろいろ探ってみたけど、残念ながら古文書の文字が読めないのでなかなかわからなかった。
下のところかな?。左に忍の文字が見える。

続くページ

下には伊賀の文字。

古文書が読めるようになりたい。そして、いろいろ自分で読んでみたいものだ。

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