梅之芝居日記

歌舞伎俳優の修行をはじめてから15年がたちました。
日々の舞台の記録、お芝居ばなし等、お楽しみ下さい。

義太夫節にひたりました

2009年10月20日 | 芝居
終演後に<伝統歌舞伎保存会>主催の「既成者研修」に参加させて頂き、中村光江師のご指導で舞踊のお稽古。『玉屋』を教えて頂きます。研修生のころ、花柳流の授業で教わり、藤間宗家のお稽古場に通うようになってから、何回か立たせて頂いた(御宗家では人のお稽古にも、一緒に参加させて頂けるので)演目。この度は中村流ですが、本興行でもそうそうでない演目に、こんなにも携わるとは、不思議なものですナ。
立役の振りですが、物売りの踊りは大好きなので、しっかり勉強させて頂きます。

そのあとは歌舞伎座へ。夜の部を通しで拝見させて頂きました。
『渡海屋』『大物浦』『吉野山』『四の切』という狂言立ては、私は初めての体験です。澤瀉屋(猿之助)さんの“忠信編”とも違う構成ですが、落ち延びてゆく義経と知盛の対決と、そのあとを追う静と忠信という2組に焦点をしぼっているのが簡潔ですし、各幕で照応するセリフ、演技があることに、今さらながら「なるほど」と思うこともあり、これでひとつの部におさまるのですから、わかりやすくて面白いですね。