梅之芝居日記

歌舞伎俳優の修行をはじめてから15年がたちました。
日々の舞台の記録、お芝居ばなし等、お楽しみ下さい。

<乱歩歌舞伎>体験日記・第十二夜

2009年10月08日 | 芝居
台風18号、すでに太平洋上に抜けたようですが、被害に遭われた地域の一日も早い復旧をお祈り申し上げます。

東京は雨はそれほどではなかったですが、風はすごかったですね~。交通機関の乱れは、予想していたこととはいえ大規模なものでした。大事をとって、楽屋入りの時間を早めて正解でした。
出演者の中にも、運休や途中停車,大混雑に巻き込まれ、ひと苦労もふた苦労もなすった方がいらっしゃるくらいですから、本日の公演、はたしてどれだけのお客様がいらして下さるか、皆々心配しておりましたが、若干(これは来られなくなった人の席かな)と見受けられる空席ができていたくらいで、本当に有難いことでございました。大変ななかご来場下さいました皆様に御礼申し上げますとともに、残念ながらいらっしゃれなかった方々へは、是非後日改めて! とお願い申し上げます。

さて、本日の開演前に、舞台監督さん(国立劇場の公演にはこの職務がございます)から『第1幕上演中は楽屋の窓を閉めるように』というご指示がございました。どういう理由かわかりますか?
国立劇場は舞台も楽屋も1階で、舞台裏からそのまま楽屋へとつながっています。おりからの強風、窓を開けていると、そこから入り込んだ風が全て客席方向へ流れこみ、緞帳や各種の幕があおられて正常な操作ができなくなるおそれがあったのです!
とくに第1幕では,浅葱幕の<振りかぶせ>がございます。一瞬にして舞台全面を隠さないと、演出が台無しになってしまうので、かくのお達しとなった次第。

…終演後にはすっかり晴れ上がった青空!
久しぶりのまぶしい日差し!
こんな天気が続いてくれたらよいのですが…。