「太陽にほえろ!」当直室 仮設日誌 PART2

6年半ご愛顧いただいた『太陽にほえろ!当直室』(since2002年5月)復活ブログ、引っ越しました。(2014年7月)

サンテレビ太陽放送12/12=山さんの影法師的な「用心棒」の末路

2021-12-12 07:40:03 | 放送予定

いつもの月末月始多忙モード継続中のけぶでございます<(_ _)>
あいかわらず、ようつべとかツイッターを観て泥寝へというパターンを繰り返しています。

ネタといえば、#593の覆面車横転アクション。
朝ドラで熱唱していた世良さん・・・もとい、いっつあんが調子に乗って撃たれちゃうわけですが・・・(^_^;)
さらにこれで驚いたのが、セリカGT-TRがチェリーF-Ⅱに化けるという摩訶不思議状態に、放送当時も口あんぐりでした。。。
太陽は後にも先にもこんなに露骨な化け方はなく、車の差し替えは黒いクラウンの新旧、コロナの新旧などで、アクションがなく「その後破壊された・燃えた」などの設定の場合は全くの別筋車両のスクラップがあてられたケースはあったり。(#111のブルUセダン→ブルU事故車スクラップというパターンもありますが)
多分、「もともと用意していた車がエンコした」「もともと横転を想定していなかったがアクションを派手にするために急遽チェリーを用意した」「もともとセリカの上をジプシーがバイクでジャンプし乗り越える設定だったのが、物理的に無理なので急遽チェリーを用意して横転させた」・・・こんな感じでしょうか。

さて、12/12のサンテレビ・太陽放送は、内田良平さん演じる「殺さず屋」の「リベンジ→復習編」#90。
山さんは常に自分が逮捕した人間に対してはアンテナを張っています。特に山さん自身がシンパシーを覚える相手については、再犯を徹底的に阻止するという特徴がありますが、今回の「殺さず屋」坂田には、「ある意味の」自分自身という何かを感じて徹底的にマークするも坂田は「おんな」のために自分の「殺さず屋」稼業の総決算のために危険な賭けに出るのですが、これがまた男の世界というか、40歳過ぎた男ならば大小なにか引っかかるところがある話かと。
確かに内田さんは悪役が多い方でしたが、一方で男の深みみたいなものを醸し出している名優でした。

【地上波】サンテレビ・ジーパン編

12/12(日)
11:30~12:25
ドラマ 太陽にほえろ!(ジーパン編 第34話)
サンテレビ1(地上波)

第90話 49.04.05 非情の一発 (山さん)

レギュラー:藤堂俊介 
        石原裕次郎

      柴田純
       松田優作

      内田伸子
       関根恵子(欠場)

      山村精一
       露口茂
      石塚誠
       竜雷太
      島公之
       小野寺昭
      野崎太郎
       下川辰平

      永井久美 青木英美

セミレギュラー:平田昭彦(ノンクレジット、出演シーンカット、OPダイジェストのみ登場)

SPゲスト:内田良平

ゲスト:神田隆 船戸順
 片山由美子 青沼三朗
 塚田末人 相馬優子 今井英次

脚本:長野洋
監督:児玉進

プロの「用心棒」坂田が出所した。
出所すれば必ず何かやらかす男・・・
山さんは出所した日から、坂田の尾行を続ける。
モデルの絵島マリのマンションに落ち着いた坂田のもとに小包が届いた。中身は拳銃と分厚い札束と一人の男の写真だった。
山さんとジーパンはマンションの張り込みを続けていたが、坂田はなかなか動き出さなかった。
ある日、坂田とマリを乗せた車がマンションを出たが、山さんたちの覆面車をまいた坂田たちはあるレストランへ。
テーブル越しの客はあの写真の男・高利貸しの大町竜造だった。
店内の音楽がひときわ高まった瞬間、テーブルクロスの下で消音器付きの拳銃が火をふいた。
山さんたちが駆けつけた時は既に坂田は凶器を始末した後だった。
山さんの追及に坂田は平然とうそぶいた。
「俺がやったという証拠でもあるのか」・・・・


このあたりの作品は番組改変期の豪華さを背負った形の作品が多く、その4月期首はじめにこんなシブイ作品を持ってくることに、当時の太陽の順調さが垣間見られます。
火葬場での雨が象徴するように、この作品のイメージは「春雨(無論食べる方ではなく・・・)」だったりします。
名優・内田良平氏が演じる用心棒・坂田は、その筋の職人であるから故に愛する婚約者を巻き込んでしまい、死なせてしまいます。
そのストイックさの背景には、自らの不惑的年齢になったという、切実な部分が絡んできます。
つぶしが効かない年齢になってしまった自分が、女を抱えて、自分の職分である用心棒という所から逸脱して一発勝負に出てしまうという不幸。
山さんはそういうアウトローな坂田に自分と似ている部分を感じとり、更に犯罪は憎いものの、坂田の「殺さず屋」というポリシーには感銘を少なからず受けているようで、坂田には決して一発勝負をさせないようにけん制しますが、結果坂田は「踏み込んでしまいます。」

良かれと思ってやったことが、全て裏目に出て、何もかも失ってしまう坂田。
それを別な言葉で犯罪では得る者は無いという事を諭す山さん。

坂田にはやることが一つ、ここまで追い込んだ「依頼主」への復讐となっていきます。

単純ではない深みのある犯罪者像を内田氏が好演。
更に、’70年代の心地よい香り、太陽でも屈指のハードボイルドさを愉しめる傑作だと思います。


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