「太陽にほえろ!」当直室 仮設日誌 PART2

6年半ご愛顧いただいた『太陽にほえろ!当直室』(since2002年5月)復活ブログ、引っ越しました。(2014年7月)

キャラの縛りに挑戦?1983

2016-11-01 07:05:04 | ファミ劇日誌
ファミ劇日誌です。

後期の太陽キャラはボギーまでは比較的ニュートラルな感じでソフトでもハードでも順応できる部分があったのですが、トシさん以後はキャラ設定の縛りがあって、なかなか当初のイメージから脱する作品が生まれなかった部分はあったと思います。
妻子持ちや未亡人というのが、思ったよりキャラを描くのに大きくなってしまった感じはありました。
(それまでは独身ばかりでしたからね・・・。)

ただ、今回の2作はキャラクターの新たな可能性を示した部分が有ったように思います。
ブルースにはロマンスを、マミーにはプロ刑事らしさとアクションを・・・という感じで。


第582話 犯罪ツアー 

事件はそれなりに入り組んだ感じながら、やっぱり「水原ゆう紀」劇場なので、ブルースと一緒に事件なんてソッチノケです(^_^;)
水原さんとしては太陽3回目にして、なんとも本領発揮的な印象があります。
対するブルースは妻子持ちと孤独さをベースにしているので、賛否両論あるかと思いますが、本作はブルース版「民芸店の女」、というかブルースが何気に山さんを継承する部分があるのかもしれないという「香り」を感じます。
とはいえ、あの作品の色気までは継承しているわけではありませんが、かと言いながらブルースらしいブルースの誠意が感じられる部分(たとえば、レストランで美沙子に手錠をうつシーンなど)があったりして、何とも言えない雰囲気を醸し出しています。
って、何を言っているのか。。。。

ただ、今回のテーマである「過行くものを止めたい」というのは、なんかわかります。

ブルースの淡いロマンス編と思わせておいて、実は新人刑事ながらオリジナルメンバーが持っていた要素を持ち合わせているというブルースの新人らしからぬ部分が結構強調された作品じゃないかとも思います。
というか、ブルースのロマンス編というのがこれぐらいしかないので(^_^;)
もうちょっとあっても良かったような気がしますが・・・。
というところで、女性人気が掴めなかった部分はあるのは否めない部分であります。

ただ、「ロマンス編」ということでボン楽曲群が使用されているのは、なかなかオツでございます。


第583話 三人の未亡人 

1983年最後の作品は、長野洋さんが太陽らしい厳しい作品で締めくくりました。
いくら凶悪な犯罪者でも、家族や愛する者が居るから、その点での苦悩というのは同じではありながら、結果的には三人の未亡人が残されてしまったという不条理さは、年末の隙間風を強調させるのには十分でした。

この作品あたりから、マミーの印象が変わってきます。
これまでは女性で刑事としては新人というところで、刑事の手腕という部分よりは、マミー自身の人間性に重点を置いた作風でしたが、今作はマミーをプロの刑事としての葛藤を主題にしています。夫のロッキーですら経験しなかった「直接的な射殺」という非常にシビアな場面に遭遇して、それに耐え抜こうとする姿、これまでにないキビキビとした行動(アクション)など、本来の長谷さんらしさが垣間見られた部分もあったのではないかと思います。

この作品、マミーの葛藤が見どころなのですが、カーアクションに加えBGMの選曲も豪華で、年末作品らしく気合が入った感じがします。BGMについては「名人」あたりから過去楽曲の使用が顕著ですが、聞き込みシーンに「ナイト・アンド・デイ」「行動のテーマ」という嬉しい選曲もあったりします。

さて、木内マキさん演じる婦警も今作で終わり。
一時期はセミレギュラー的にご出演でしたが、今回は「刑事・山さん」の女子大生役を経てのご出演なので、別役と考えるか同じ役と考えるかは、あなた次第です(^_^;)

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