狼魔人日記

沖縄在住の沖縄県民の視点で綴る政治、経済、歴史、文化、随想、提言、創作等。 何でも思いついた事を記録する。

「故人献金」、五大紙がコラムで競演!

2009-10-14 09:23:58 | 県知事選

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「首相の犯罪」ともいえる「故人献金」については、テレビメディアは相変わらずスルーが続いている。

鳩山首相がテレビに登場する時は、やれ服装が夫人選定で高価なものであるとか、鳩山御殿が凄いとかおべんちゃら番組だけ。

麻生首相が自分の金でホテルのバーで飲んだのを庶民感覚がないと、叩きまくったのとは大違いである。

ところが、検察が関係者の事情聴取を始めるや、活字メディアが活発に動き出した。

「故人献金」をスクープした朝日を先頭に、全国五大紙のコラムが遂に全紙揃って「故人献金」を取り上げた。

各紙とも代表的コラムの筆者には優秀な記者をあてると聞く。

寸鉄人を刺す風刺の効いたコラムは記者の腕の見せ所。

大上段に構えた「社説」で取り上げるより、各紙の看板コラムで看板記者に斬られたほうがある意味インパクトは強い。

各紙の工夫を凝らした切り口で「故人献金」の問題性をえぐってみよう。

さて、思わぬ導入部からどのように核心に迫るか。

中には導入部に強引過ぎるこじつけも見られるが・・・。

                  ◇

読売新聞 10月6日付 よみうり寸評
 〈71%〉――奇(く)しくも同じこの数字が別々の二つの設問で出た。読売新聞社が2~4日に実施した全国世論調査が示した結果だ◆一つは鳩山新内閣の支持率で前回調査の75%からはやや下降だが、なお高い水準を維持して堅調だ。鳩山さん、大いに喜んでいい。もう一つは首相の資金管理団体を巡る偽装献金問題だ◆これについての首相の説明に「納得できない」が支持率と同じ数字なのだ。こちらは前回の69%より上がった。東京地検特捜部が捜査を始めた折でもあり、同じ高水準でも、これは無論喜べない◆国連総会に、両国国技館に、IOC総会にと大忙しで舌も滑らかに滑り出した首相だが、この問題となると歯切れが悪い◆「私の知る限りはもう話してある」「個人献金が少なく、分かったら大変だと秘書が思ったのではないか」というが、これを71%の人が納得していない◆「捜査に影響するから話さない」も通らない。むしろ率先して説明を果たすべきだ。今後、二つの71%はそれぞれどう推移するだろうか。

(2009年10月6日13時46分  読売新聞)

 

読売新聞 10月9日付 編集手帳
 詩人の薄(すすき)田(だ)泣菫(きゅうきん)はフランスの日刊紙「フィガロ」に風変わりな広告を見つけた。「飼っているオウムの発音が悪いので、正確なフランス語の話せる人を家庭教師に雇いたい」。大正年間のことである◆鳥の言葉にさえ敏感なお国柄を称(たた)えたあと、詩人は随筆を辛口の一文で結んでいる。〈多くの代議士に狗(いぬ)のような日本語で喋舌(しゃべ)らしておいて、黙ってそれを聴く事の出来る日本人の無神経さがつくづくいやになる〉と◆岩波文庫「茶話」の一節だが、泣菫が今の世にあれば筆勢を緩めただろう。好き嫌いは別にして、鳩山首相はこの上なく丁寧な言葉遣いで知られる◆その丁寧な人が自身の献金疑惑では情理を尽くして語らないのはなぜだろう。東京地検は捜査に着手したが、首相は口をつぐんでいる。「疑惑はこうしてぬぐえ」と説明の手本を示すことで政権交代の意義を訴えることもできように、不可解である◆詩人が“狗のような”と形容した乱暴な物言いの政治家が当節、見当たらないのはありがたい限りだが、代わりに「セツメイズミ、セツメイズミ…」と繰り返す“オウムのような”首相が現れても困る。

(2009年10月9日01時11分  読売新聞)

 

 

毎日新聞 10月8日 

余録:
 プラボ・ヤズディーはアイルランドの交通警察には天敵といえる名前だった。何しろスピード違反や駐車違反を懲りもせず繰り返す。違反の記録は50件以上にのぼった。警察が追及に乗り出すと、その意外な正体が判明した▲「プラボ・ヤズディー」とはポーランド語で「運転免許証」を意味したのだ。交通警官はポーランドの免許証に書かれたこの言葉を人の名前と勘違いしてせっせと違反切符を切っていたのである。先週発表されたイグ・ノーベル賞で文学賞に選ばれたアイルランド警察の“業績”だ▲今年はパンダのフンの菌の研究で田口文章北里大名誉教授も受賞したイグ・ノーベル賞だ。そんな人を笑わせ、考えさせる研究に与えられる一方、アイルランド警察のようなおかしくも「イグノーブル=不名誉な」業績にも授与されてきた▲アイスランド金融危機をもたらした銀行経営陣の経済学賞選出もイグノーブル系だ。過去の経済学賞授賞例には資金操作にまつわる怪しい発明発見もあった。そう聞けば、もしや初の政治学賞に選ばれはせぬかと心配になってくる鳩山由紀夫首相の資金団体の「故人」献金問題だ▲何しろ亡くなった人の献金が報告されていたり、それら虚偽報告を削除したら中に実際の寄付者がいたりというこの間のドタバタだ。しかも虚偽報告の理由説明は何とも不可解である。だが告発を受け地検が参考人聴取を始めると、首相は捜査を理由に説明の口を閉じてしまった▲こと政治とカネをめぐる問題ではかつて秘書に責任を押しつける政治家を批判した首相である。国民の抱く不審には自らの言葉で答えるところに、一国の指導者の名誉はあろう。

 

産経新聞 【産経抄】10月7日
2009.10.7 02:36
 強敵を破って南米初の五輪招致に成功した美酒に酔ったのだろう。ブラジルのルラ大統領は、3代続けて1年で首相が交代した日本の政治状況をこう皮肉った。「おはようとあいさつした首相とは別の人に、午後にはこんにちはとあいさつすることになる」。

 ▼記者たちは爆笑したそうだが、まったくもって恥ずかしい。鳩山由紀夫首相には「明日もまた会いましょう」とジョークで反論してもらいたいところだが、高支持率でスタートした鳩山首相に早くも暗雲が漂い始めた。

 ▼亡くなった人が首相の資金管理団体に寄付するという世にも不思議な「故人献金」問題が明るみに出たのは、衆院選前だった。選挙に影響が出てはいけないと東京地検は捜査を手控えていたようだが、ようやく参考人聴取に踏み切った。

 ▼首相は「公設秘書が個人献金数を多く見せかけるためだった」と釈明しているが、どうも釈然としない。有識者とおだてられている人の中には、虚偽献金の賄賂(わいろ)性は薄く、そんなに大した問題ではないとかばう向きもおられるが、これが自民党の首相だったら口を極めて罵(ののし)っていたことだろう。

 ▼首相は6年前、自らのメールマガジンで、「政治家は金銭に絡む疑惑事件が発生すると、しばしば『あれは秘書のやったこと』とうそぶいて自らの責任を逃れようとしますが、とんでもないことです」と言い切っている。因果は巡る糸車とはこのことだ。

 ▼ルラ大統領にまたバカにされないよう首相には、短期間で政権を投げ出さずにがんばってほしいが、間違っても捜査当局に圧力をかけないよう願いたい。人権擁護に熱心な千葉景子法相が、「政治主導」を錦の御旗に指揮権を発動し、捜査を中止させるシーンは想像するだにおぞましい。

 

日本経済新聞 春秋(10/7)
 ツグミという鳥は、ほとんど鳴かないのだそうだ。秋からはとりわけ無口になるらしい。ひたすら口をつぐむ鳥だから付いた名がツグミ、と物の本にある。ひょっとしたら、今をときめく官邸のハトもそれをまねているのかもしれない。

▼鳩山首相の政治資金管理団体をめぐる献金問題について検察が捜査を始めた。亡くなった人からのカネまで収支報告書にぞろぞろ、という選挙前からの疑惑である。首相にはこのさい情理を尽くして説明してほしいものだが沈黙を決め込んでいる。「捜査に影響する発言は避けなければならない」との申し開きだ。

▼野党になった自民党は手ぐすね引いて待ち構えているという。このままでは臨時国会がスキャンダル追及で混乱しかねないし、せっかくの政策論戦もかすんでしまう。鳩山さんもそれは本意ではあるまい。逃げる黙るの政治家に世間が抱く思いは「よほど都合の悪いことでも隠しているのか」という疑心であろう。

▼かつて勢いあまって、検察の動きを「国策捜査だ」と難じたこともある首相だ。それがこんどは「捜査への影響」をタテに口を閉ざすとはいかにも苦しい。ちなみにハトは「クークー」と鳴くという。ツグミになったハトの心境は「苦苦」だろうか。そろそろ真相を洗いざらい打ち明けてラクになったほうがいい。

                          ◆  

 

朝日新聞が欠けているが、これについたはここ。⇒天声人語が「裏切り」?「首相の犯罪」小口献金も虚偽記載

 

【番外編】

岐阜新聞              ぎふ寸評 2009年10月 8日(木) 
 

 コラムは権力者や世相を、上手にやゆしたり茶化したり冷やかしたりするから受ける。それが民主党中心に政権交代してからは、何だかやりにくい。

国民の大きな期待を受けて誕生した政権だし、支持率も高いから下手な批判はできない。読者を敵に回すことになりかねない。誕生間もない政権の揚げ足取りも大人気ない。

◆ああ、読み間違いやら失言やらで、次々とネタを提供してくれた前首相の時代が懐かしい。(輝)
 

 
                       ◇

岐阜新聞については「博士の独り言」さんが、報道「民主党不問」の闇 (10/12) で批判されているのでここでは省略します。

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コメント (10)

中国が沈黙するわけ、北朝鮮ミサイル発射、韓国は非難

2009-10-14 06:55:37 | 普天間移設

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北朝鮮ミサイル発射、韓国「決議違反」と非難 (10月13日 11:33)

 【ソウル=前田泰広】北朝鮮は12日、短距離弾道ミサイル5発を日本海に向けて発射した。


 韓国外交通商省は13日、弾道ミサイルの発射を禁じた国連安全保障理事会の対北朝鮮制裁決議1874などに違反すると非難し、北朝鮮に決議の順守を求めた。

 北朝鮮のミサイル発射は7月4日以来。複数の韓国政府当局者によると、発射されたのは射程約120キロの地対地弾道ミサイル「KN―02」。東部の咸鏡南道(ハムギョンナムド)・新浦(シンポ)付近から午前に2発、午後に3発、移動式発射台を使って発射された模様だ。北朝鮮は20日まで、日本海と黄海で船舶の航行禁止区域を設定していることから、さらに発射する可能性もある。

 「KN―02」は旧ソ連製短距離弾道ミサイル「SS―21」を改良したもので、核や化学兵器を搭載でき、約5分間で発射態勢に入れるため、韓国軍や在韓米軍にとっての最大の脅威とされる。

 金正日(キムジョンイル)総書記は10月4~6日に訪朝した中国の温家宝首相との会談で、米朝対話を求め、核問題をめぐる6か国協議復帰の可能性に言及。日本や韓国との関係改善の意向も示したとされる。こうした情勢から、韓国政府や北朝鮮問題の専門家の間では、通常訓練の一環との見方が支配的だが、北朝鮮が、国際社会の関心をひくため、硬軟織り交ぜた戦術を再開したとの指摘もある。

 韓国近海では、米韓の海軍が現在、合同訓練を行っており、北朝鮮がこれに反発した可能性もある。

(2009年10月13日11時33分  読売新聞)

                      ◇

日中韓首脳会議に冷や水をぶっ掛けるような北朝鮮の暴挙に韓国が抗議声明を出したのは主権国家としてごく当たり前の行為。

一方の鳩山首相は「友愛の日本海」にミサイルをぶち込まれても抗議の一言も発しない。

まるで他人事のように、「報道は聞いている。これが事実としたら、大変遺憾なことだと思うが、今、それ以上のコメントをする状況にない」(産経新聞)と、あくまでも相手の嫌がることは言わないつもり 以前も北朝鮮大好きの東門沖縄市長が、北のミサイル乱射にコメントを求められ「コメントできない」と言っていたことと重なる。

友愛の海にミサイルを乱射されても、このような脳天気な対応しか出来ないのが、友愛外交の正体である。

北のミサイル乱射は鳩山政権としては初体験だが、今年になってからは既に三回目で、先に大統領に就任したオバマ大統領は、4月に既にその洗礼を受けている。

そのときのオバマは毅然として次のように発言していた。鳩山首相とは大違いだ。

北朝鮮ミサイル発射なら「罰なしでは済まない」…米大統領
 【ストラスブール(仏東部)=黒瀬悦成】オバマ米大統領は3日、北朝鮮が「人工衛星打ち上げ」名目で長距離弾道ミサイル発射を予告通り実施した場合、「北朝鮮は、他国を脅威にさらす行為に及べば罰なしには済まないと知ることになる」と述べ、関係国と連携して対抗措置を取る立場を強調した。(略)(2009年4月3日22時52分  読売新聞)


鳩山外交が腰抜けなのはともかく、何より不可解なのは中国の沈黙だ。

昨日も書いたが、会談の後、温首相は先に訪朝した際の金正日総書記との会談に言及し「金総書記は米国や日本、韓国との関係を改善したい意向だ」と指摘していた。

これに対し、鳩山首相は「その言葉を信頼したい」と応えていた

北朝鮮のミサイル乱射で最も面目を潰したのは中国のはずだが、これに対し一言の抗議も発していない。

しかも中国は北朝鮮にとって特別の国のはずである。

歴史的に中国の朝貢国であったことは措いても、現在の北朝鮮が中国の援助なしでは生きてはいけないことは周知のこと。

その中国が日中韓首脳会議で「北朝鮮は日本との関係改善は良くしたい」と発言し、日本が「それを信頼する」と言った。

その中国の面子を潰すようなことを北朝鮮がするわけはない。

だとしたらあの北朝鮮の暴走は一体何を意味するのか。

韓国聯合ニュースによると、北朝鮮は12日のミサイル乱射の後、さらに短距離ミサイルを発射する準備を進めている可能性があるという。

これでは中国は世界中の物笑いではないか。

だが、外交では強(したた)かさを誇る中国がミスミスこのような恥さらしをしたまま沈黙を守るとは考えにくい。

中国の沈黙の真相はこうだ。

中国は、「対等の関係」だとか「非核三原則の明文化」だとか青臭い発言を連発する鳩山内閣の成立を見て、同盟関係にある日米の信頼関係に楔を打ち込む絶好機と捉えた。

そして首脳会談に先立って行った金総書記との会談をフルに利用して、あのような「金の伝言」を友愛鳩山に伝えた。 勿論金総書記とは、了解済みの話である。

「金の伝言」を聞いた友愛鳩山は舞い上がってしまい、一瞬次のような号外大見出しが脳裏にちらついた。

鳩山首相、電撃北朝鮮訪問!

金総書記、横田めぐみさんの帰国を確約!

そして、友愛鳩山は思わず中国と北朝鮮が望んだ次の一言を口走ってしまった!

今までややもすると米国に依存しすぎていた。日米同盟は重要だが、アジアの一国として、アジアをもっと重視する政策をつくり上げたい

満を持してその一言を待っていた金総書記はミサイル乱射で鳩山の夢を一瞬にして打ち砕いた。

温首相は、オバマ大統領が訪日する前に日米同盟に楔を打ち込むという当初の目的を果たした。

北のミサイル乱射は金総書記から宗主国中国への祝砲であった。

鳩山首相、外交は「友愛」なんて青臭い言葉ではやっていけないと言うことを「日中韓首脳会議」から学ぶべきである。

何にでも「友好」と言う言葉を冠し相手を油断させ、その一方では強かに相手国の資源を収奪している「友好大国」がお隣にいるではないか。

【追記】10:00

日米同盟に楔を打ち込む中国の目論みは、岡田外相がわずか6時間のアフガン視察の後、あっさりと「インド洋の給油活動の中断」を発言をしたことによりさらに前進した。

日本の離脱は、「アメリカへの反逆」を意味し、日米の同盟関係に入った亀裂は、鳩山首相や岡田外相の想像よりもはるかに大きい。

だが、素人内閣がこれに気がつかない。

これは日本の不幸である。

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