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就任会見で記者の質問に答えるNHKの籾井勝人新会長=25日午後、東京都渋谷区、長島一浩撮影

 

 NHK新会長の籾井(もみい)勝人(かつと)氏は25日の就任会見で、従軍慰安婦について「戦争をしているどこの国にもあった」と述べた上で、日本に補償を求める韓国を疑問視した。従軍慰安婦問題を取り上げた過去のNHK番組に関連し、この問題に関する見解を問われ答えた。尖閣諸島・竹島など領土問題については、国際放送で「明確に日本の立場を主張するのは当然。政府が右ということを左というわけにはいかない」と話した。

 放送法はNHKを含めた放送事業者に「政治的公平性」を義務づけている。NHKの会長がこのような発言をするのは極めて異例。

 籾井氏は従軍慰安婦問題について「今のモラルでは悪いんですよ」としつつ、「戦争をしているどこの国にもあった」としてフランスドイツの名を挙げた。「なぜオランダにまだ飾り窓があるんですか」とも述べた。飾り窓はオランダなどにある売春街を指す。

 さらに「会長の職はさておき」とした上で、韓国についても「日本だけが強制連行したみたいなことを言っているから話がややこしい。お金をよこせ、補償しろと言っている。しかしすべて日韓条約で解決している。なぜ蒸し返されるんですか。おかしいでしょう」と述べた。その後、記者から会長会見の場であることを指摘されると、発言を「全部取り消します」と話した。

 籾井氏は三井物産副社長などを経て、資本関係のある日本ユニシスで社長を務めた。昨年12月の会見では自らについて「語彙(ごい)が不足している」と話していた

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【追記】 11:44

従軍慰安婦問題を取り上げた過去のNHK番組に関連し

 籾井氏は従軍慰安婦問題について「今のモラルでは悪いんですよ」としつつ

「慰安婦問題」に「従軍」が付くと「日本軍による慰安婦の強制連行」の意味になる。

籾井会長は「従軍慰安婦の問題」を理解していない。

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>その後、記者から会長会見の場であることを指摘されると、発言を「全部取り消します」と話した。

どの新聞の記者に指摘されたか知らないが、発言取り消しは残念である。

これも以前の橋下発言同様、戦略なき発言だったのか。

もう一度戦略を練り直し再挑戦してほしい。

元NHK記者の経済学者・池田信夫氏が籾井発言についてエントリーしているので、参考までに以下にリンクしておく。