第38期棋聖戦七番勝負第2局は井山六冠(黒番)が勝って、対戦成績を2勝0敗とリードしました。それにしても井山六冠の意欲的な布石には驚かされました。下図①、③の「並び小目」(仮称)は非常に珍しく、過去5年間のトッププロの対局1166局(2013/9/10付け記事(注1)参照)においては、第33期棋聖戦七番勝負第2局で打たれた1局のみ(当方の調べ)でした。黒は挑戦者の依田九段、白は今回と同じく当時棋聖だった山下九段で、その碁は山下九段の半目勝ちでした。山下九段は井山六冠の並び小目を見て、5年前の碁を思い起していたのではないでしょうか。
続いて井山六冠は⑤、⑦と「ミニ高中国流」(仮称)を布きました。このミニ高中国流は昨年の名人戦七番勝負第2局で、当時の山下名人(黒)が井山五冠に対して打った布石です。何か盤上で火花が散ったような気がしました。第3局以降も熱戦を期待したいと思います。