70期本因坊戦第3局(北海道対局)が始まりました。対戦成績は井山本因坊の2連勝ですので、挑戦者の山下九段としては何とか一局返したいところです。黒番の山下九段の一手目は右上の小目でした。これに対し井山本因坊の二手目の右下の小目(16-十七)はありそうで非常に珍しい一手です。過去10年間のトッププロの対局((注1)参照)2346局中6局しかなく、しかも最近の5年間では皆無なのです(当方の調べ)。”打ちたい手を打つ”という本因坊の意欲が伺われます。さて序盤は本因坊の実利と挑戦者の厚みの対抗になりそうな気配ですが、いずれ激しい戦いになることでしょう。
(注1)2005年から2014年に日本棋院から発行された囲碁年鑑へ掲載された七大タイトル戦及び挑戦者決定リーグ戦、トーナメント戦の対局2346局のデータ