囲碁は”量の争い”なのですが、1目勝ちでも、100目勝ちでも、同じ1勝ですので勝差の大きさは勝敗に関係ありません。しかし最少の勝差である”半目”で勝負がついた対局は、何か特別な一局であったような印象を受けます。当ブログでも、「半目勝負の鬼」、「半目勝ちは流れを変える?」、「半目勝負の応酬」などと半目勝負に因んだ記事を書いてきました。
しかしながら冷静に考えて見ると、差が大きくなるほど”中押し”((注1参照))の割合が多くなりますので、”数え碁”((注2参照))においては、半目勝負の割合が最も多いと予測されます。下の図はトッププロ同士の2118局の対局について、「勝差」とその出現割合をグラフにしたものですが、”中押し(61.9%)”を除く”数え碁(38.1%)”の中では、勝差が半目(0.5目)の対局が8.22%と最も多く、以下勝差が大きくなるに従ってその出現割合は漸減しています。
と言うような訳で、”半目勝負”は特別なものではないのですが、何かしら”ドラマ”を感じるのは私だけなのでしょうか。
(注1)最後まで打たず、形勢の悪い方が途中で投了すること
(注2)最後まで打って、彼我の地を比較し勝敗を確認すること