***** 神社と災害 No.9 *****
もし仮に、「新しい神社のほうが津波被害を受けやすい」
という調査結果が事実であるとすれば、
その理由のひとつとしてあげられるのが
「人間側の都合が優先されたから」かもしれません。
恐らく、比較的創建の新しい神社
(詳細な由緒が残る神社)というのは、
「天災」を意識して建てられたものではなく、
「土地開発の際に邪魔になったから」
「山麓だと遠いので沿岸に引っ越したから」……など、
あくまでも住民側の都合により
別の地に移されたケースも多いのでしょう。
そのため、本来は「津波の来ない場所」
に建てられていた神社も、必然的に危険な
浸水域へと移転せざるを得なくなり、
結果的に被害に遭う確率が高まって
しまったのだと思われます。
数百年、あるいは数千年というスパンで発生する
「巨大地震」の記憶が住民の頭の中から薄れるに従い、
貴重な「災害モニュメント」でもあった神社までが、
その機能を失ってしまったわけですね。
神社があるから神が宿るのか、
それとも神が居るから神社が生まれたのか……、
もう一度神社の在り方を見直すべき時期なのかもしれません。