たびたび神社

ライターあかりの神社ブログ

人間の思惑

2019-12-25 09:03:42 | 神社と災害

 

***** 神社と災害 No.9 *****

もし仮に、「新しい神社のほうが津波被害を受けやすい」

という調査結果が事実であるとすれば、

その理由のひとつとしてあげられるのが

「人間側の都合が優先されたから」かもしれません。

恐らく、比較的創建の新しい神社

(詳細な由緒が残る神社)というのは、

「天災」を意識して建てられたものではなく、

「土地開発の際に邪魔になったから」

「山麓だと遠いので沿岸に引っ越したから」……など、

あくまでも住民側の都合により

別の地に移されたケースも多いのでしょう。

 

そのため、本来は「津波の来ない場所」

に建てられていた神社も、必然的に危険な

浸水域へと移転せざるを得なくなり、

結果的に被害に遭う確率が高まって

しまったのだと思われます。

数百年、あるいは数千年というスパンで発生する

「巨大地震」の記憶が住民の頭の中から薄れるに従い、

貴重な「災害モニュメント」でもあった神社までが、

その機能を失ってしまったわけですね。

 

神社があるから神が宿るのか、

それとも神が居るから神社が生まれたのか……、

もう一度神社の在り方を見直すべき時期なのかもしれません。