たびたび神社

ライターあかりの神社ブログ

麁妙と鹿皮

2018-08-26 09:03:26 | 阿波・忌部氏2

<山崎・忌部神社 やまさきいんべじんじゃ>

 

祖谷地方に伝わるわらべ歌の中に、

祖谷の空から降ってきた御龍車から、

「諸国の宝」が降ろされたという歌詞が出てきます。

これまでの妄想を元に考えれば、これらの宝は、

淡路島を目指してやってきた各地の部族が、

天皇への恭順を示すために忌部氏に託した、

先祖代々伝わる神宝だったのかもしれません。

恐らく、各部族のトーテム動物に関わる何かを、

天皇の祭祀族である阿波の忌部氏に手渡すことは、

自らの神を差し出すことと同等だったのでしょう。

 

特に、日本の先住民の血を濃く引き継ぎ、

渡来系部族以上の祭祀力を有していた

海人族(鹿の皮を身にまとった人々)を

天皇一行の味方につけることは、

避けて通れない関門だったのだと思われます。

優れた霊力を宿す海人族の鹿皮を身に着け、

海人族の神と一体になってはじめて、

「真の天皇」が誕生したというわけですね。

そののち、鹿皮は「麻」の反物に変わったものの、

「麁妙」という名称だけは、

今に引き継がれのたかもしれません。