たびたび神社

ライターあかりの神社ブログ

渡来の姫

2018-08-06 09:26:10 | 阿波・忌部氏2

<高鴨神社 たかかもじんじゃ>

 

奈良の葛城山のふもとに鎮座する高鴨神社は、

葛城の鴨族の重要拠点のひとつです。

全国の「賀茂神社」の総本宮であり、

鴨氏一族の発祥の地とされるこの神社には、

土佐神社のご祭神・味耜高彦根神だけでなく、

古くはその妹神である下照比売神

(したてるひめのみこと)を含めた二柱が、

主祭神としてお祀りされていたと聞きます。

 

「和歌の神様」として知られる

下照比売神は、あかる姫とも呼ばれ、

またの名を高姫、あるいは高比売命

(たかひめのみこと)とも言うそうです。

全国の「倭文神社(しとりじんじゃ)」は、

主に下照比売神をご祭神として祀る神社で、

「倭文織」に従事した倭文氏の氏神でもあります。

 

絹と麻の交織物である倭文織(しづおり)は、

忌部氏が得意としていた技術でして、

被葬者の霊を鎮めるために制作された供物でした。

「和歌」「織物」は紛れもなく呪術であり、

「高」の文字が示すのは「渡来系」ですね。

恐らく、下照比売神という神様は、

忌部氏との強いつながりを持つ、

古代のシャーマンだったのかもしれません。