<高鴨神社 たかかもじんじゃ>
奈良の葛城山のふもとに鎮座する高鴨神社は、
葛城の鴨族の重要拠点のひとつです。
全国の「賀茂神社」の総本宮であり、
鴨氏一族の発祥の地とされるこの神社には、
土佐神社のご祭神・味耜高彦根神だけでなく、
古くはその妹神である下照比売神
(したてるひめのみこと)を含めた二柱が、
主祭神としてお祀りされていたと聞きます。
「和歌の神様」として知られる
下照比売神は、あかる姫とも呼ばれ、
またの名を高姫、あるいは高比売命
(たかひめのみこと)とも言うそうです。
全国の「倭文神社(しとりじんじゃ)」は、
主に下照比売神をご祭神として祀る神社で、
「倭文織」に従事した倭文氏の氏神でもあります。
絹と麻の交織物である倭文織(しづおり)は、
忌部氏が得意としていた技術でして、
被葬者の霊を鎮めるために制作された供物でした。
「和歌」「織物」は紛れもなく呪術であり、
「高」の文字が示すのは「渡来系」ですね。
恐らく、下照比売神という神様は、
忌部氏との強いつながりを持つ、
古代のシャーマンだったのかもしれません。