たびたび神社

ライターあかりの神社ブログ

鹿と鳥

2018-08-12 09:21:35 | 阿波・忌部氏2

<春日大社 かすがたいしゃ>

 

鹿をシンボルとする藤原氏という氏族が、

同じく鹿をシンボルとしていた

古代中国の扶余族の末裔だったと考えるのは、

ごく自然な流れだと思われます。

同時に、藤原氏の氏神・春日大社の大元が、

物部氏とのつながりも深い

鹿島神宮であることを考慮すると、

物部氏こそが扶余族の出身であったと

捉えるのもまた間違いではないのでしょう。

そしてさらには、「鳥」に象徴される忌部氏も、

「鹿」を重要視していた痕跡が見られるのですね。

 

実は、阿波忌部氏が古代より製作を担ってきた

「麁妙」の「麁」の古い字体は、

鹿という文字が三つ重なってできたもので、

阿波忌部氏が関係する神社のご神宝にも、

鹿の角などが存在するのだとか。

もしかすると、「鹿」をトーテムとした扶余族は、

高句麗(狛族)という新たな国を作ったあと、

さらに「鳥」の逸話を自らの部族の

伝承として加えたのでしょうか……。

恐らく、忌部氏の中には、

「鹿」を神使としていた一派と、

「鳥」を神使としていた一派とが、

混在していた可能性もあるのかもしれません。