たびたび神社

ライターあかりの神社ブログ

供物とトーテム

2018-08-11 09:18:32 | 阿波・忌部氏2

<諏訪大社前宮 すわたいしゃまえみや>

 

「鹿」のトーテムと聞いてまず思い出すのは、

鹿を象徴として崇める藤原氏という氏族です。

現在も、藤原氏の氏神である春日大社をはじめ、

鹿島神宮、厳島神社などでは

鹿を神様のお使いとして大切に扱っており、

境内に鹿が放たれている光景は、

各神社を象徴する代表的な絵面となっています。

 

一方、鹿の頭を神前に供える、

諏訪大社の御頭祭(酉の祭)が示すように、

「鹿」は生贄として扱われる側面もありました。

また、鹿だけでなく鶏などの鳥類も同様に、

神前に捧げる風習が残っていることを考えると、

「供物」の背景にはどことなく

きな臭いが漂ってくるのも確かです。

 

ちなみに、古代ユダヤ教には、

生贄の動物を祭壇上で焼き、供物として差し出す、

燔祭(はんさい)と呼ばれる儀式があったのだとか。

大陸に留まったイスラエル部族の中には、

牛を生贄として捧げる文化を持つ人々も存在し、

忌部氏や賀茂氏が関わったとされる神社にも、

これらの風習が残っているところがあります。