<諏訪大社前宮 すわたいしゃまえみや>
「鹿」のトーテムと聞いてまず思い出すのは、
鹿を象徴として崇める藤原氏という氏族です。
現在も、藤原氏の氏神である春日大社をはじめ、
鹿島神宮、厳島神社などでは
鹿を神様のお使いとして大切に扱っており、
境内に鹿が放たれている光景は、
各神社を象徴する代表的な絵面となっています。
一方、鹿の頭を神前に供える、
諏訪大社の御頭祭(酉の祭)が示すように、
「鹿」は生贄として扱われる側面もありました。
また、鹿だけでなく鶏などの鳥類も同様に、
神前に捧げる風習が残っていることを考えると、
「供物」の背景にはどことなく
きな臭いが漂ってくるのも確かです。
ちなみに、古代ユダヤ教には、
生贄の動物を祭壇上で焼き、供物として差し出す、
燔祭(はんさい)と呼ばれる儀式があったのだとか。
大陸に留まったイスラエル部族の中には、
牛を生贄として捧げる文化を持つ人々も存在し、
忌部氏や賀茂氏が関わったとされる神社にも、
これらの風習が残っているところがあります。