たびたび神社

ライターあかりの神社ブログ

淡路の鳥獣

2018-08-20 09:38:02 | 阿波・忌部氏2

<南あわじ市>

 

淡路島の最高峰である諭鶴羽山の山頂には、

諭鶴羽権現という神仏が祀られており、

一説には「熊野権現の奥の院」と

呼ばれていると聞きます。 山頂からは、

国生みの島である沼島はもちろん、

四国や和歌山、大阪などを一望できるそうですし、

諭鶴羽山に登れば、当時の日本の「大都市」や、

海の向こうからやってくる渡来人の動きなどが、

手に取るようにわかったのでしょう。

 

もしかすると、諭鶴羽山の山頂付近には、

阿波忌部氏が剣山で行っていたように、

鶴の羽つまり「鳥」を崇める部族が、

拠点を構えていたのかもしれません。

そして、海や山麓に散らばる「鹿」の部族や、

のちにやってきた「牛」の部族などを、

高い場所から管理していたのでしょうか……。

 

ちなみにその昔、淡路島には、

大和朝廷の狩猟地である

「淡路宮」が置かれたという話です。

何でもその理由は、この地にたくさんの

「鳥獣」が棲んでいたからなのだとか。

「国土統一の証」ともされる天皇の遊猟が、

本当に鳥や獣を狩る目的だけだったのか、

今となっては真相はわかりませんが、

恐らくこの淡路の地でも、

部族同士の争いや天孫族への国譲りが、

行われていたことは確かなのだと思われます。