<鴨都波神社 かもつばじんじゃ>
阿波国と長国との関係を考察した記事内で、
キーマンとして登場した事代主神は、
賀茂氏の祖神の一柱であり、
味鋤高彦根神や一言主神とも、
深い縁を持つ神様です。
もともとはスサノオや大国主命とも通じる
古代日本の国津神であったと言われますが、
忌部氏の神と習合したのちに、
賀茂氏の祖神となった可能性もあるのでしょう。
これらの古代の神々を、
明確に「仕分け」することは困難でして、
特に忌部氏のように長期間に渡って来日し、
「巨大な集団」を形成した氏族の人々は、
時代背景が変わるとともに、
国津神としての立場を取ったり、
天津神としての立場を取ったりしたため、
複数の神名が与えられ、系統が混乱しました。
あるときは、多種多様な術を駆使する、
「金鷲」「金鶏」「金鵄」として、
あるときは、天皇祭祀を補佐する
「八咫烏」という影の一族として、
一言主神、事代主神、天日鷲命、
天石門別神、味鋤高彦根神……等々、
様々な名前を与えられながら、
原住民と天孫族との間を、縦横無尽に
行き来していたのかもしれません。