たびたび神社

ライターあかりの神社ブログ

海を渡る鹿

2018-08-17 09:48:02 | 阿波・忌部氏2

<南あわじ市>

 

淡路島での遊猟の最中、応神天皇が見た「海を渡る鹿」は、

諸県君牛(もろのあがたのきみうし)という日向の豪族でした。

諸県君牛は、娘である髪長媛(かみながひめ)を

天皇に差し出し、一族の帰順の意思を示すため、

鹿の皮をかぶって応神天皇のもとへ参上します。

実は、天皇が「縁の土地で遊猟をする」という行為は、

国土を平定した証とも言われており、

猟の対象として選ばれた動物のほとんどが「鹿」でした。

 

諸県君「牛」が鹿の皮をかぶるという奇妙な光景には、

何らかの裏事情があった気配も漂わせますが、

古代の大陸には「牛」をトーテムとする部族も存在し、

日本に渡来していた可能性が囁かれています。

三韓とも呼ばれる古代朝鮮半島の三国

「百済」「新羅」「高句麗」うち、

主に新羅を中心に殺牛祭祀という儀礼が伝えられ、

新羅の民・ワイ族の影響を受けた秦氏などが、

日本に「牛祭祀」を持ち込んだ痕跡があるそうです。