ぱんくず日記

日々の記録と自己分析。

「手芸男子」と「料理男子」

2012-02-12 18:04:47 | 日常
ツイッターのトレンドに「手芸男子」という語句が上がっていたので見てみた。
裁縫とか編み物などが得意で、
服でもバッグでも自分でどんどん作る男性がいるという話で上がったらしい。
へー。
こんなのが話題なのかー。


個人的な印象であるが、
男子の方が手芸も料理も秀でてると私は思うよ。
私が中学高校にいた太古の昔から「手芸男子」と「料理男子」はちゃんといた。


実際、
学校の後輩(男)は小学生の時、転校のお別れにカラフルなフェルトと刺繍糸で
斬新なミニぬいぐるみ作って友達一人一人にプレゼントしたと言って
実際針と糸と何だかわからない布をちくちくやっていたし、
私の中学の時の同級生(男)はクッキー作りが得意だった。
休み時間に部活の仲間達が彼の作ったクッキーをうまいうまいと言って
ザクザク頬張って食べていた。


ちなみに私は
中学高校ともに家庭科五段階評価1で箸にも棒にもかからなかった。
おかげ様で高校は家庭科のために留年しかけた。
担任が家庭科の教師に頭下げて追試か何かやらせて貰って、
お情けで留年を免れたのである。
何で家庭科が1だったかと言うと、
課題のブラウスとかスカートなどがいつまで経っても完成せず
期限に間に合わなかったからである。
ミシンという器械の針と糸の使い方が何度聞いても習得出来ず、
糸の掛け方すらまともに出来ない。
一応説明を聞いて言われた通りにするのであるが、
私が操作し始めると器械がふてくされてスト突入する。
つい数年前まで働いていた職場で術場勤務だった時にも、
中央材料室のミシンで何かの綻びを繕おうとしたら糸が絡んで故障させ顰蹙を買った。
修理業者を呼び復旧するまでに随分時間がかかって私はスタッフから呪われた。
以後「井上はミシン使用禁止」になった。
編み物もからきしダメである。
私は毛糸編みの最初の鎖編みの止め方すら出来なかったが(今も出来ない)、
確か中学の時だったか、同級生のある男子が自分で自習時間に毛糸編んで
部活の道具の何かを入れるちょうどいい形と大きさの袋を完成させたのを見て、
神の次くらいに尊敬し密かに褒め称えた。


料理は少しは出来るんだけどな。
しかし菓子作りが全く出来ない。
作ろうとした事が全く無い訳ではない。
作ろうと試みた事は、あるにはあるよ。
クッキーもケーキもね。
しかし一応完成したにはしたものの、味見して不味くもなかったが、
完成した時点で肝心の食欲が微塵も残っていなかった。
バターを混ぜる段階であの鼻につくバターのくっさい匂いで吐き気がし
粉を振るったり練ったりする時点で嫌気が差して放棄したくなり、
頑張って焼く段階まで進んだ頃には飽きて興味が無くなり、
焼き上がって冷ます頃にはベランダ行き決定。
自分で食う気にはならずまして他人様の口に入れるなど滅相も無い。
バター臭いのでビニール袋に詰めて口を縛り、次の可燃ゴミの日まで放置。
材料を全部無駄にした罪悪感に苛まれ、以来二度と作っていない。


私のような者から見ると、あの時の中学の同級生の男子は大したものだった。
「手芸男子」「料理男子」は私の中学高校時代から既に存在していたが
彼らには共通した長所があり、秀でていたと記憶する。
生活力、つまり実生活の必要性から物を作る目的を見出す想像力がある。
どうすれば実用に耐え得る物が作れるか、どう活用すれば有効に使えるかを
考える事が出来、創意工夫に富んでいる。
そしてたまたま私の出合った人々がそうだっただけかも知れないが、
彼らは対人関係に卓越していた。
同じクラスの中では女子にモテていたし、男子からは一目置かれていた。
何故なら他の同級生達の誰もがまだ親に頼りやって貰っている事を
彼らは誰の手も借りず悠々と楽しんで実践し実用性ある物を作り出すからだった。


例えば中学の時の学校のキャンプでは食事時になっても
そこいらの木の枝振り回して遊び呆ける他の男子達を尻目に
自ら率先して火を起こし、カレーや豚汁を作っていた「料理男子」を
女子達は尊敬の目で見上げていた。
私もその一人であった。
何故なら私は当時まだ豚汁を作った事が無かったからである。


その頃私は
カレーやシチューやパスタ、チャーハンは普段から自分で作って食べていたが
和食のおかずは殆ど作った事が無かった。
親に作り方を聞きもせず、食べたい物だけを自分で作って食べていたので、
一般的な家庭の朝晩の和食として欠かせない「味噌汁」を作った事が無かった。
卵焼き、天ぷら、おでんを作ったのはずっと後の、大学の寮生活時代であり、
中学のキャンプの頃はまだ味噌と言う調味料の扱い方を全く知らなかった。
私は自分の目の前で豚汁の鍋をお玉で掻き混ぜる同級生男子を心底尊敬し、
驚きと共に眺めていたものである。


何かする毎にいちいち「**男子」と名称をつけて呼ばれるが、
中高生の時代に出合った「手芸男子」と「料理男子」は生活力に満ちて有能だった。


で、社会人になってから、
職場でたまたま隣の机にいた人もそれであったと思われるが、
度々私の机の上が散らかっているとか消しゴムのカスが落ちてるとか、
口煩い姑のようで辟易したのであった。