住宅断熱の基軸とされるグラスウール断熱材は、断熱先進国の北欧で開発され寒さを防ぐ断熱手法の歴史を積み上げてきました。このグラスウール断熱材に北海道で断熱研究を行う学者達が着眼します。
そして日本独自のグラスウール断熱と気密の手法を構築しました。
当方も昭和50年代は、そのような偉い学者の先生の論文や書物を読み、研修会を受講して家づくりを行ったものです。北欧と北海道は気候がとても似ております。
しかしながら当方が住む道南では、夏場の湿度が高くなり、ふとんと同じメカニズムを持つグラスウール断熱材に湿気を含む場合がありました。
北欧は、日本のように多湿な夏はなく、気温が上がる場合があっても湿度は低いのです。
ふとんやグラスウールは、乾燥した空気を静止させることで得る断熱メカニズムです。
このような空気断熱の場合は、空気を乾燥したまま長期間保持することが必須となります。
私は、既存の断熱手法に疑問を感じて研究開発を行ったのがスプレー発泡断熱工法です。
誰も実践したことのない断熱工法を試すには、容易な事ではありません。
当時ビル工事の結露対策や定温倉庫などにはスプレー発泡断熱が使用されていました。
樹脂断熱材を木造住宅に使用するには、火災や木材呼吸、環境ホルモン、密着強度など課題が山積です。
特に「通気を善し」とした日本建築で木材の呼吸を止める事は致命的です。
何シーズンもの根気比べのような試験を繰り返して構築したのはファース工法でした。
平成5年度明けに申請していた「断熱評定」は、3年がかりで交付され、公になります。
当時のこの発泡断熱工法のシャアは無論0%でしたが、今や年間数万棟も家が建っています。
評議員の先生達とは、引っ張り強度や透水率、木材の呼吸メカニズムなどを色々な実験データを揃えて議論したものです。それが写真右のファース工法用です。
20ミリのスキン層を何枚も積み重ね、100ミリ以上の厚さと、木材や合板への密着強度を確保し、独立気泡率調整で水を通さず、木材に呼吸をさせる機能を持たせました。
ところが弊社が評定交付されると堰を切ったように多数の樹脂メーカーが参入します。
写真左は、膨らす倍率を上げた樹脂断熱材です。強度や湿気阻止機能は殆どありません。
それでも仕上がった表面は、殆ど同じに見えてしまいます。
売らんがための家づくりが蔓延るのは、無知で売る業者と施主がいるからなのでしょう。
お施主様によっての家づくりは一生一代の大事業となります。
価格の差は、相互の幸福度の差になります。売る方も買う方も勉強を!

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