11月24日、またぞろスズサイコを見に胡四王山に出掛けてみた。
宮澤賢治の童話「鹿踊りのはじまり」の中で、嘉十が忘れていった手拭いに対して鹿たちがその正体を探る際に、次のように登場するのが”ごまざい”
…
「おう、柔つけもんだぞ。」
「泥のやうにが。」
「うんにゃ。」
「草のやうにが。」
「うんにや。」
「ごまざいの毛のやうにが。」
「うん、あれよりあ、も少し硬ぱしな。」
「なにだべ。」
…
<『校本 宮澤賢治全集 第十一巻』(筑摩書房)より>
だが、それはガガイモのことだ。
<註>『はなまきことば集 せきざくら』(花巻教育委員会)によれば、花巻ではガガイモのことを「ゴマンゼァ(ゴマンジェァ)」と呼んでいるとのことである。
因みに次が
《1 ガガイモの果実》(平成21年11月12日撮影)
であり、中から綿毛が出ていることがお判りかと思う。
「ごまざいの毛のやうにが。」
とはこの
「ガガイモの綿毛のようにか。」
となろう。
ところで、これに似ているのが
《2 シロバナカモメヅルの果実》(平成21年11月6日撮影)
であり、ガガイモと同様これもガガイモ科、ガガイモ属のつる性の多年草だという。
一方次が、
《3 スズサイコの果実》(平成22年11月25日撮影)
《4 〃 》(平成22年11月25日撮影)
《5 〃 》(平成22年11月25日撮影)
であり、お察しの通りスズサイコもガガイモ科、ガガイモ属である。ただしこちらはつる性ではない。
私が見る限り、「ごまざいの綿毛」よりは「シロバナカモメヅルの綿毛」あるいはそれ以上に「スズサイコの綿毛」の方が手拭い探索の際の表現としてふさわしいような気がする。繊細で柔らかそうで暖かそうだからである。そのせいかもしれない、スズサイコにしばし引きつけられていたのは。
まあ、とはいってもスズサイコでは表現としてはぎこちなくなるだろうけれども。それにガガイモの場合と違って、スズサイコの方言は花巻には存在しないようだし。
では、少しだけ胡四王山の木の実を報告する。
《6 マルバアオダモ》(平成22年11月25日撮影)
上の写真に見られる赤い木の実は、何という木のものなのだろうか。
《7 おそらくバラ科の実》(平成22年11月25日撮影)
《8 〃 》(平成22年11月25日撮影)
《9 〃 》(平成22年11月25日撮影)
途中、イギリス海岸に寄ってみた。
《10 瀬川合流地点》(平成22年11月25日撮影)
《11 〃 》(平成22年11月25日撮影)
かつてここは海岸線が繋がっていたというのだが、河川工事でわざわざここに瀬川の合流点が移されイギリス海岸は真っ二つに切断されてしまったのだそうだ。今後ますますこの個所は年々削られてゆくことになるだろう。
《12 川面に白鷺》(平成22年11月25日撮影)
《13 イギリス河岸の土手》(平成22年11月25日撮影)
から北上川を見るといつもより水量が少なく
《14 川中に白い岩》(平成22年11月25日撮影)
《15 泥岩のようだ》(平成22年11月25日撮影)
《16 北上川と遠く早池峰》(平成22年11月25日撮影)
続きの
”胡四王報告(11/27その1)”へ移る。
前の
”胡四王のスズサイコの実”に戻る。
”みちのくの山野草”のトップに戻る。
宮澤賢治の童話「鹿踊りのはじまり」の中で、嘉十が忘れていった手拭いに対して鹿たちがその正体を探る際に、次のように登場するのが”ごまざい”
…
「おう、柔つけもんだぞ。」
「泥のやうにが。」
「うんにゃ。」
「草のやうにが。」
「うんにや。」
「ごまざいの毛のやうにが。」
「うん、あれよりあ、も少し硬ぱしな。」
「なにだべ。」
…
<『校本 宮澤賢治全集 第十一巻』(筑摩書房)より>
だが、それはガガイモのことだ。
<註>『はなまきことば集 せきざくら』(花巻教育委員会)によれば、花巻ではガガイモのことを「ゴマンゼァ(ゴマンジェァ)」と呼んでいるとのことである。
因みに次が
《1 ガガイモの果実》(平成21年11月12日撮影)
であり、中から綿毛が出ていることがお判りかと思う。
「ごまざいの毛のやうにが。」
とはこの
「ガガイモの綿毛のようにか。」
となろう。
ところで、これに似ているのが
《2 シロバナカモメヅルの果実》(平成21年11月6日撮影)
であり、ガガイモと同様これもガガイモ科、ガガイモ属のつる性の多年草だという。
一方次が、
《3 スズサイコの果実》(平成22年11月25日撮影)
《4 〃 》(平成22年11月25日撮影)
《5 〃 》(平成22年11月25日撮影)
であり、お察しの通りスズサイコもガガイモ科、ガガイモ属である。ただしこちらはつる性ではない。
私が見る限り、「ごまざいの綿毛」よりは「シロバナカモメヅルの綿毛」あるいはそれ以上に「スズサイコの綿毛」の方が手拭い探索の際の表現としてふさわしいような気がする。繊細で柔らかそうで暖かそうだからである。そのせいかもしれない、スズサイコにしばし引きつけられていたのは。
まあ、とはいってもスズサイコでは表現としてはぎこちなくなるだろうけれども。それにガガイモの場合と違って、スズサイコの方言は花巻には存在しないようだし。
では、少しだけ胡四王山の木の実を報告する。
《6 マルバアオダモ》(平成22年11月25日撮影)
上の写真に見られる赤い木の実は、何という木のものなのだろうか。
《7 おそらくバラ科の実》(平成22年11月25日撮影)
《8 〃 》(平成22年11月25日撮影)
《9 〃 》(平成22年11月25日撮影)
途中、イギリス海岸に寄ってみた。
《10 瀬川合流地点》(平成22年11月25日撮影)
《11 〃 》(平成22年11月25日撮影)
かつてここは海岸線が繋がっていたというのだが、河川工事でわざわざここに瀬川の合流点が移されイギリス海岸は真っ二つに切断されてしまったのだそうだ。今後ますますこの個所は年々削られてゆくことになるだろう。
《12 川面に白鷺》(平成22年11月25日撮影)
《13 イギリス河岸の土手》(平成22年11月25日撮影)
から北上川を見るといつもより水量が少なく
《14 川中に白い岩》(平成22年11月25日撮影)
《15 泥岩のようだ》(平成22年11月25日撮影)
《16 北上川と遠く早池峰》(平成22年11月25日撮影)
続きの
”胡四王報告(11/27その1)”へ移る。
前の
”胡四王のスズサイコの実”に戻る。
”みちのくの山野草”のトップに戻る。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます