みちのくの山野草

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「感謝記念 菅木友次郎之碑」

2022-03-11 12:00:00 | 賢治関連
 過日、「継枝弥平太顕彰碑」に出会い、先日は「北上市更木の頌徳碑」に出会い、花巻周辺には農業に関わることに尽力した人たちに対しての、地元の人たちが建てた顕彰碑や頌徳碑等が少なからずあることを知ったわけだが、本日(3月9日)もそのような碑の一つに出会った。それが、北成島毘沙門堂の参道入口脇に建つこのようなでっかい石碑の、
《1 「感謝記念 菅木友次郎之碑」》(2022年3月9日撮影)

 なお、この書は新渡戸仙岳のものだと刻してある。
《2 菅木友次郎経歴》(2022年3月9日撮影)

 直ぐ近くには「成島和紙工芸館」があったので、行って見ると、
《3 「成島和紙の説明板」》(2022年3月9日撮影)

が掲げてあった。どうやら、
 花巻市東和町の成島は和紙の産地だが、その再興に尽力したのが菅木友次郎であり、明治~大正時代にかけて成島和紙の製造を工場生産へと切り替え、その生産拡大 に尽力したという。最盛期(明治中期)には成島地区の主産業として栄え、地域住民の多くが手すき和紙の生産にかかわり、分業化しその役割を分担して生活の生業としていた。
ということになりそうだ。
 よって、賢治と菅木は時代が重なっている。となれば、継枝弥平太の顕彰碑や菅木友次郎の感謝記念碑があるのだから、例えば中島健蔵が、「東北地方の冷厳な自然力に対抗して、人間の生活を少しでも豊富にしようと努めて一生を終わつた技師であつた」と讃えるような賢治であったならば、このような感謝碑等が地元の人たちによって建てられていたのではなかろうか。
 しかし、賢治についての頌徳碑等は佐々木多喜雄氏の指摘通りで、地元花巻のどこを探しても見つからない。そこで、この菅木の感謝記念碑に出会ってなおさらに、
 賢治の稲作指導等は残念ながら、賢治研究者等が高く評価しているほどには地元の農民からは評価はされていなかったということを、言い換えれば、賢治は地元の農民に対してそれほどの貢献をしていたわけではないし、研究者等からの高評価(例えば、「羅須地人協会」の農民運動に賢治の生涯の頂点があるというようなそれ)は、単に賢治作品を安易に還元しているにすぎない。
ということを私はそろそろ受け容れる覚悟をしなければならないようだ。

 なお、『花巻まなびガイド』の『郷土の偉人を探す』
  https://www.manabi-guide.jp/senjin/?Se=160
によれば、菅木友次郎については、
”成島和紙再興”
 明治13年(1880年)、成島和紙を生産する家に生まれる。生産量の減っていく成島和紙を再興する為、大正3年(1914年)製紙工場を建て東北一の製紙工場とし、地域の活性化にも大きく貢献した。北成島に謝恩記念碑が建てられている。
と紹介されている。

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