まろの陽だまりブログ

顔が強面だから
せめて心だけでもやさしい
陽だまりのような人間でありたいと思います。

バラ園はポカポカ陽気なり。

2017年11月12日 | 日記

公園はどこもかしこも紅葉一色です。
でも、紅葉に負けず劣らず目立っている花がありました。
ハイ、公園の「バラ園」です。

バラ園は冬は閉園するものと思いこんでいました。
でも、こんなに寒いのに元気なバラたちがいっぱい咲いてます。
もっと繊細で気温の変化にも弱いと思っていたのに
すごい生命力ですねえ。

風は冷たいのに
木漏れ日の中で秋のバラを楽しむ人が何人もいました。
乳母車を放り出して足り回る元気な子供も・・・
ん、あれは何ですか?

おお、カカシが服を着てますよ!
まさに収穫のですねえ。
ついこの間まではハロウィーンのカボチャが並んでいたのに
いろいろディスプレイも工夫していますね。
いつも熱心にバラの世話をしておられる女性を見かけますが
あの方のアイティアでしょうか。

いい香りが漂ってきます。
薄紫の気品のある花は「しのぶれど」という名前です。
確か百人一首にありましたね。

   しのぶれど 色に出にけり わが恋は

   ものや思ふと 人の問ふまで

人間はポーカーフェイスを気取っていても
恋をするとつい顔に出たり態度がソワソワしたりするもので
それを人に指摘されたときはドキッとするものです。
映画の「寅さん」はその典型ですが
今どきそんなウブな若者はいるのでしょうか。

この深紅のバラは「イングリッド・バーグマン」です。
素晴らしい美貌と知性で一世を風靡したハリウッド女優の名前ですねえ。
ハンフリー・ボガードと共演した「カサブランカ」は
あの時代を代表するラブロマンス映画でした。
その他にも「誰が為に鐘は鳴る」とか「ガス燈」とか
数々の名画がありましたが
バーグマンには深紅のバラがピッタリのイメージですね。

バラ園の各所にこんなコーナーがあって
来園者が気軽にバラの「香り」を楽しめるようになってます。
ちなみに「しのぶれど」はちょっと柑橘系で
胸がすくようないい香りでした。

私も園内のベンチでちょっと一服。
風がやむとポカポカと小春日和のような陽気です。
手前にあるマフラーのようなものは実は「ひざ掛け」でした。
さりげなく「ご自由にお使い下さい」とあって
なるほど、ここらあたりがいかにも女性らしい心配りでしょうか。
心までポカポカとなるような日曜の昼下がりでした。

さあ、今日からまた仕事です。
気持ちだけでもポカポカと頑張りましょう!


バカボンのパパが愛した店

2017年11月12日 | 日記

西武新宿線中井駅。
駅からちょっと歩いた裏通りの一角に
一軒の洋食屋がある。

ひょっとこのお面をかぶった小太りのシェフが
にこやかに呼び込みをしている。
洋食「ぺいざん」は昔から地元で大人気の店である。
昼時はめったに座れたことがない。
ようやく空いてきた来た午後二時過ぎに入店。



小太りのシェフは
しばらく見ない間にさらに膨張して
大太りになっていた。(笑)
以前は父親と思しき初老のシェフが一緒だったが
後継を任せて引退されたのだろうか。

とんかつ「ぺいざん」は
漫画家・赤塚不二夫がこよなく愛した店である。
天才バカボンのパパはこの店のとんかつが大のお気に入りだった。
地元の人は酩酊した赤塚さんが
駅周辺をフラフラと歩き回る姿を何度も見かけたと言う。
赤塚さんは「トキワ荘」の住人だったが
ここ中井に引っ越してからは
朝な夕な周辺に出没しては地元の人と交流を重ねたらしい。

とんかつではなく「スタミナ定食」を注文。
うーん、すごいボリュームだった!
デミグラスソースたっぷりの粗挽きハンバーグに
やわらかいヒレカツの奥には衣がサクサクの特大エビフライ。
まさに洋食の王道ともいえるラインナップで
大・大・大満足であった。

店の前を流れる神田川。
東京に出て来て初めてこの川を見たときは
正直「これが神田川かよ~」とガッカリしたものだった。
まあ、理想と現実はそんなものだが・・・

    一緒に出ようねって言ったのに
    いつも私が 待たされた 
    洗い髪がしんまで冷えて
    小さな石鹸カタカタ鳴った

今では気恥ずかしくなるような歌詞だが
こういう涙ぐましくも貧乏くさい青春があったことを
私はむしろ誇りに思うのだが・・・

そんな「神田川」のイメージにぴったりの
古ぼけたアパートがあった。
三畳一間かどうかは知らないけれど
若いカップルが住んでいるかどうかも知らないけれど
バカボンのパパが愛した中井の町は
そんな懐かしくも限りなく貧乏くさい街だった。