落ち葉が散り終わって
すっかり素っ裸になってしまった樹木が目立ちます。
あれほど豊かな緑を茂らせたのに
何ごとも散り際は本当にあっけないものです。
帰り道の電車の中で
隣のオジサンが読んでいるスポーツ新聞に
日馬富士引退のニュースがデカデカと載っていました。
そうかやっぱり引退か・・・
天下の横綱が暴力事件を起こしてしまったのですから
仕方のない選択だったのかも知れません。
相撲には詳しくない私ですが
角界でも一、二を争う軽量の彼が全身バネのようなパワーで
大きな力士を投げ飛ばす姿は印象に残っています。
記者会見を見る限り物静かな思慮深い印象で
酒に酔って若い力士をボコボコにするような人間には見えず
ちょっと意外な印象でした。
よほど腹に据えかねるものがあったのでしょう。
訥々とした記者会見で
彼の口から出た「礼儀」と「礼節」という言葉も意外でした。
今どきそんなアナクロな言葉を口にする日本人が
果たして相撲界に限らずいるでしょうか。
彼はモンゴル人でしたが根っからの日本人だったのでしょう。
今やすっかり滅びつつある古いタイプの日本人。
確かに近頃は礼儀や礼節という言葉さえ知らない若者が多く
目上の人間をナメたような言動に
ムカついて思わず殴りたくなることもあります。
まあ、そういう時代ですから年上の人間は諦めの心境ですが
日馬富士はそんな日本人の美徳を踏みにじる
バカ者が許せなかったのでしょうか、
引退は残念ですが
そんな日本人より日本人らしい
気骨のモンゴル人がいたことがちょっと誇らしくもあります。
でも、暴力はいけませんよ、暴力は!〈笑〉