常識について思うこと

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預言者の振る舞い

2010年05月21日 | 歌詞&台詞

閃光のナイトレイド」を見ていたら、こんなやり取りがありました。

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《軍人》
あんたには見えているのか?この先の行方やこの国の進む道筋が。

《預言者》
(コクリ)

《軍人》
ならば答えよ。我々の成すべきことを。

《預言者》
それは聞いてはなりません。

(中略)

《軍人》
預言者は具体的には道を示さず、可能性を語るだけだと聞く。
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これは、大変興味深いやり取りです。

預言者を超能力者のように捉える人もいるかと思いますが、私は、必ずしもそうではないと考えます。預言者の能力というのは、本来、誰にでも備わっているものでしょう。つまり、無我や滅私の境地を経て、「神と呼べる存在」と一体化した者には、ビジョンが見えるということです。ここで言う「神と呼べる存在」について、「コードギアス 反逆のルルーシュR2」に登場するC.C.の言葉を借りるならば、「集合の意識、人の心と記憶の集合体、輪廻の海、大いなる意思、神と呼ぶものもいる」ということにでもなるのでしょう(「既にある結論」参照)。

いずれにせよ、預言者なる存在は、それほど特別なものではなく、自分を滅して全体に向けられた目を見開いている者であり、そうした大局を眺めているからこそ、未来を見通すことができるのだろうと考えます。

ただ一方で、世界の未来が、それを構成する一人一人の振る舞いによって決定するということも、またひとつの事実です。だからこそ、預言者は、その未来に対して無責任な断定をするのではなく、(たとえそれが見えていても)世界の構成員である人々の力こそが、それを決めるという意味も込めて、上記の通り、「具体的には道を示さず、可能性を語るだけ」ということになるのだろうと思うのです。

-具体的に言及しないのは、外れた時の予防線を張っているだけだ-

こう決めつけてしまうのも結構です。しかし、それは預言者の本質、世界の仕組みを理解していないだけかもしれない点、注意が必要です。

そうしたことを思いつつ、他者の具体的な言動に対して、「それは聞いてはなりません」と答えるあたり、これこそが本物の預言者の振る舞いだろうという気がするのでした。

《おまけ》
預言者とは、ビジョンが見えていても、ただ「言葉を預かる者」ということになります。一方で、たとえ預言者と言えども、世界の構成員の一人であり、能動的に動くことができる存在でもあります。このことを意識した預言者は、ビジョンを持ちつつも、能動的に動くことができる「リーダー」ということになるのだろうと考えます。私なりには、預言者も結構ですが、これからの世界では、どうせなら一人一人がビジョンを持って、能動的に動ける「リーダー」になるくらいが、ちょうどいいのではないかと思っています(「全員が真のリーダーたれ」参照)。

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