「真剣で私に恋しなさい!!」を見ていたら、少々、共感する台詞回しがありました。
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■直江大和
父さんは日本を捨てたんだよ。
(中略)
この国は腐りきった政治家が食い物にした腐りきった国なんだってさ。国と癒着してる大企業もやりたい放題。何も知らない庶民は馬鹿を見るばかり。父さんが見限ったのもよく分かるよ。
■謎の男
そうか、残念だな。あいつも負け犬に成り下がったか。直江ももうちっとは根性あると思っていたが、尻尾巻いて逃げちまうとは情けねえ。
■直江大和
逃げたんじゃない。父さんはこの国を捨てたんだ。
■謎の男
同じことだろう。
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この部分、100%謎の男に同意です。
どんなにカッコイイことを言ったところで、「国を捨てた」というのは、逃げたと一緒でしょう。真に強さを備えた者ならば、どんなに腐りきっていようが、どんなに絶望的な状況だろうが、その国に留まって困難に立ち向かっていくはずです。大和の父親は、幾分知恵が働き、自分のことを「何も知らない庶民」ではないと思っているのでしょう。そして、確かに賢い人なのかもしれません。しかし、困難に立ち向かうことができない中途半端な知恵者など、所詮、三流と言わざるを得ません。
自分も子を持つ父親として、自分の子供に、このような言葉を言わしめるような情けない親にはなるまいと肝に銘じておきたいと思います。
さらに会話は続きます。
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■謎の男
分かっちゃねえな。あいつが馬鹿にしたのはよ、直江大和、お前自身だぜ。お前、大事な人はいるか?
(中略)
大事な人が集まって家族。家族が集まって町。町が集まって、集まって、そんで国だ!国ってのは、そんな大事な人の集まりだ。お前の親父はよ、その大事な人を捨てたんだよ。
■直江大和
違う!親父が捨てたのは腐った連中だ。
■謎の男
その腐った連中を選んだのも国民だ。
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国の定義、まさにその通りです。そして、国を捨てたということは、その国に住んでいる子供や子供にとっての大事な人たちをも捨てたことになるという点、極めて的確な指摘だと思います。「父親は背中で語る」などと言いますが、父親がこんな生き様であるが故に、息子もこの程度のことしか言えないのだろうという感じがしてなりません。
私は、自分なりに子供たちのための社会を作っていこうと考えています(「子供たちへのバトンタッチ」等参照)。それを子供たちに理解してもらおうとか、そういうことではありません。ただ少なくとも、この物語に出ているように、自分の子供たちから「父はこの国を捨てた」などと言われぬよう、子供たちが住む国、あるいは世界を守っていくという父親としての責務は、きちんと果たしていきたいと思います。
人生は多くのものを背負ってこそ、厚みや重みが増すものだと考えます。それが良い悪いの話ではないですが、私なりに多くのものを背負った方が、より豊かな人生になるのではないかと思えてなりません(「過去への感謝、未来の創造」参照)。私はより豊かな人生を求めて進んでいきたいと思います。そのことは、自分自身のためでもあり、同時に子供たちに父親としての生き様を示すためでもあります。
生き様などというのは、100人いれば100通りのそれがあるのでしょうから、何が正しいなどという言い方をするつもりはありません。ただ、こうした台詞を通じて、子供から見た父親像なるものを考えさせられた時、少なくとも、自分は常に子供たちに対して、堂々と胸を張っていられる生き方をしてきたいと思うし、世界中の他の父親たちにもそうあって欲しいと願うのでした。
世のパパたち、ファイトです。
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