常識について思うこと

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独自コンテンツの創作

2011年11月15日 | 会社

会社の事業として、アニメ制作を始めました。まだまだ素人のレベルではありますが、それでもやる気のある若者たちに支えられつつ、小さいながら一歩を踏み出したかたちです。そして、この自作アニメには、新しいメディアシステムを構築するための重要な意味が込められています。それは、新しいメディアを構築するためには、システムだけでなく、それに合わせた独自コンテンツが必要であるということです(既に、自分でできることとしては、野球コンテンツ作りのための準備を始めています(「軟式野球のメンバー募集」参照))。

インターネット関連のビジネスが活性化するに伴い、新しいメディアのかたちは大きく変わろうとしています。一部の世界企業では、まさにテレビに変わるメディアになろうとする試みもなされています。しかし、今なされている試みでは、社会に対してテレビに変わるほどのインパクトを与ええないであろうと考えます。その理由には、いろいろな表現が可能ですが、それを一言で述べるならば著作権です。

現時点で、最も人気のあるコンテンツが集まるのはテレビです。したがって、インターネット、あるいは通信ビジネスで大きくなった企業は、テレビ局を買収しようとしてみたり、テレビ業界に収益を還元する仕組みを整えてみたり、テレビに集まるコンテンツをインターネットに引き込むための方策をいろいろと考えているようです。

しかし私は、こうした手法では真のインターネットメディアは立ち上がらないと考えます。

そもそも、インターネットとテレビとでは、通信と放送という特性の違いから、著作権の扱いがまったく異なって然るべきなのです。その違いやギャップを埋めるための努力を否定するつもりはありません。しかし、今のやり方では、あくまでもテレビを主、インターネットを従とした力関係のなかでの仕組みしか育たないと思うのです。

テレビのような放送は、常に発信者と受信者が決められている「片方向」であるのに対して、インターネットのような通信は、それらが常に入れ替わりうる「双方向」のやり取りになります。当然、著作権のルールは違わなければいけませんし、「双方向」でできるもの(あるいは動いているもの)に対して、「片方向」のもののルールを主として適用させようとしたら、あちこちに歪みが出て当たり前でしょう。そうした観点から、テレビ(あるいはテレビ業界が関わっている)コンテンツを、やみくもにインターネットに持ち込もうとする事業者は、そこらへんの本質が見えていないのではないかと思えてなりません(3次元DBと著作権)。

要は、システムだけではダメなのです。新しいメディアを構築するためには、システムというハードだけでなく、それに見合ったコンテンツというソフトも必要ということです。そのコンテンツは、新しいシステムに適合した著作権ルールで流通していくものでなければなりません。

これは、テレビの黎明期では当たり前のようにやられていたことです。以下、本ブログ「「映画連携」の効果と限界」からの抜粋です。

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テレビというのは、今でこそマスメディアの王様ですが、テレビが登場した当時、テレビ(受像機)を売るのも、コンテンツ(番組)を制作するのも、本当に大変だったといいます。例えば、コンテンツを制作するにしても、当時の俳優というのは、基本的に映画会社の所属になっており、なかなかテレビコンテンツの制作には関わってもらえなかったようです。当時のテレビ業界の方々は、そうした既存の映画俳優、いわゆる「銀幕スター」を起用しない独自の制作体制でコンテンツを生み出してきました。テレビの受像機というハードウェアの普及はもちろんですが、コンテンツ制作に纏わるこうした苦難の道は、既存メディアが新しいメディアを乗り越えるためのひとつの試練だったのでしょう。そしてテレビ業界は、見事にそうした試練を乗り越えて、今のような「マスメディアの王様」としての地位を確立したと思うのです。
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別の言い方をすれば、インターネットを真の社会メディアとして立ち上げようとする人々が、独自コンテンツを作るという、かつてテレビ業界を立ち上げた方々が味わった苦労をせずに、システムだけ作って、ちゃっかり既存コンテンツを持ってくるというのはあまりに虫のいい話だと思うのです。

こうした意味合いから、今回、私は新しいコンテンツ作りを始めました。コンテンツだけでなく、システムの方も徐々に枠組みが見えてきました。参加する仲間、一緒に育んでいく人の繋がりもはっきりしてきました。進むべき行程からすると、とても僅かではありますが、それでも今は、少しでも前に進めていることを喜びたいと思います。

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