常識について思うこと

考えていることを書き連ねたブログ

キャラを育てる時間の力

2008年02月19日 | 独り言

先日から初代プリキュア(無印)を第1回から見始めている。

・・・すんごい。

7話まで、互いに「美墨さん」、「雪城さん」と呼び合って、なかなか相手を友達と認めなかった二人が、8話でケンカをきっかけに「なぎさ」、「ほのか」と、下の名前で互いを呼ぶようになる。7話までの二人の関係は、たしかにぎこちない。それが8話になって、ようやく互いを名前で呼ぶようになるという経緯があるから、その後、当たり前のように名前で呼び合っている二人を見ると、ついつい「うん、いいぞ」等と思ってしまうのだ。こういう何でもない場面で、視聴者に何かを感じさせるというのは、キャラクターを育てる長い時間(8話までストーリーを展開させた時間)があってこそだと思う。

プリキュアシリーズの3タイトル目であるSplashStar(SS)に出てくる「満と薫」については、賛否両論あるようだけれども、僕は個人的に大好き。満と薫のストーリーは、涙なしには見られない。「滅びの力」で生み出された二人が、何話にも渡る長い時間をかけて少しずつ変わっていく様は、やはり感動してしまう(満と薫をテーマにしたブログ記事には、「遅すぎるということはない」があります)。

キャラクターを育てるというのは、長い時間を要する作業であり、本当に大変だと思う。

実は、昨年から始まっているプリキュア5(ファイブ)では、ひとつ心配したことがあった。主人公のプリキュア5人が全員揃うまでに、6話しかかからなかったのだ。ちょっと急ぎすぎではないかと思った。国民的アニメにもなったセーラームーンも同じ5人の戦士だけれど、こちらは5人が揃うまでに33話もかかっている。スピード化が現代の特徴であるとはいえ、ファイブの展開は、少々早すぎるような気がした。ただ、ファイブの場合には、2年目に突入しているから、引き続き5人のキャラクターを育てる時間がある。だから、これはこれで良いと思う。これからの5人のキャラクターとしての成長に、僕は大いに期待している。うん、率直に楽しみなのだ。

うん?何故、突然こんなこと書いたかって???

う~ん、分からんっ!何となく、産業だ何だみたいな堅い話ばかりでは、面白くないから・・・かな?でもさ、正直、産業だ何だ言う前に、みんな面白いものはたくさん見たほうがいいと思うし、そういうものを大切にすることは大事だと思うぞ。楽しむ気持ちがあってこそ、ビジョンや未来も開けていくものだと思う。

眉間にしわなんて寄せてないで、楽しめ、楽しめ!

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ユビキタス社会実現への発想

2008年02月19日 | 産業

「ユビキタス」という言葉は、一般の方々にはあまり馴染みがないのではないかと思います。「ユビキタス」とは、ラテン語で「あらゆるところに存在する」という意味で、「いつでもどこでもコンピューターが使える」という社会の未来像を表すときに使われている言葉です。コンピューターや通信産業に関わっている方々であれば、ほとんどの方がご存知の言葉かもしれません。

ところで、この言葉の意味合い、つまり「どこでもコンピューター」という言葉に惑わされて、「あらゆるところにコンピューターをばら撒こう」という発想をされる方々も多いかもしれませんが、これは非常に非現実的な考え方だということに気をつける必要があります。近年のように、高度にネットワーク化が進んだ社会において、ネットワークに接続していないコンピューターは、機能や役割が限られてしまいます。これからのコンピューターのほとんどは、ネットワークに接続したかたちで、使われることになるでしょうが、これを真剣にばら撒こうとすると、メンテナンス、ソフトウェアのアップデート、セキュリティ等の問題をどのように解決するかという課題をきちんとクリアしなければなりません(詳細については「コンピューターが向かう場所」参照)。それも、現在とは比べものにならないほど、どこにでも存在するほど「膨大な数」にのぼる全てのコンピューターについて、それらの対応をしていかなければならないということになると、その社会的なコストは膨大なボリュームになってしまいます。これは事実上、不可能であると考えるべきだと思います。

私は、ユビキタスを「どこでもコンピューター」と解釈することについて、まったく異論がありません。しかし、そのイメージについては、「コンピューターをばら撒く」のではなく、「私たちがコンピューターの中に住む」という感覚で、未来像を捉える必要があるのではないかと考えるのです。

コンピューターは演算処理をするCPU、一時的なデータを記憶するメモリー、データを保存するハードディスク、その他諸々の機能を果たす構成品から成り立っています。これらの構成品は、すべて「回路」によって繋がっており、ひとつの「コンピューター」としての仕事をするわけです。

私は、従来のこうしたコンピューターシステムを踏襲したかたちでは、既に指摘しているような各課題を解決することは難しく、ユビキタス社会の実現は極めて困難だろうと考えます。そして同時に、こうした各構成品を、ひとつの「コンピューター」という箱のなかに収める必要がない時代に入りつつあるのではないかと思うのです(「ネットとコンピューターの融合」参照)。

この問題を解決するためのひとつの鍵は、モバイルブロードバンドであろうと考えます。モバイルブロードバンドとは、いつでもどこでも高速で繋がる情報通信ネットワークのことで、現在、ブロードバンドの代表格であるADSLが、無線環境でどこでも提供されるようなものをイメージするといいかもしれません。

かつてのモバイルブロードバンドシステムは、通信速度や遅延等の問題もありましたが、近年では、急速に高度化が進み、通信速度や遅延等も大きく改善されてきています。そして、こうしたモバイルブロードバンドが果たすべき役割は、ユビキタス社会における「回路」であり、コンピューターでいうところの各構成品(機能)を繋ぐことであると思うのです。つまり、高度に発達したモバイルブロードバンドシステムにより、情報通信インフラを構築することで、「いつでもどこでも」繋がるネットワークを整備するということは、社会全体が「目に見えない回路」で繋がるということを意味するということです。これが達成できれば、来るべきユビキタス社会において、コンピューターの各構成品は、ひとつの「コンピューター」という箱の中に収める必要はありません。各構成品は、物理的・地理的に離れたところに置かれていても、社会全体に張り巡らされたモバイルブロードバンドシステムという「目に見えない回路」を介して、相互に通信し、ひとつの大きなコンピューターとして機能することになるわけです(もう少し具体的な実現イメージについては「シン・クライアントの潜在力」参照)。このことは、私たちが住む社会全体が、物理的に「ひとつのコンピューター」になり、文字通り私たちが「コンピューターの中に住む」ことになるということを意味します。

私は、ユビキタス社会の実現にあたっては、こうしたビジョンや発想が必要であろうと考えます。そして、こうした仕組みを積極的に導入していくことで、従来のコンピューターシステムでは、極めて困難だったユビキタス社会の構築は、十分に実現可能になるでしょう。これまで米国主導で動いてきたコンピューター産業は、大きな壁を乗り越え、次の産業基盤の構築に動き出すことになります。また、もしこれを日本が主導できるのであれば、日本は世界の産業を牽引していく重要な役割を担う存在となっていくことでしょう。

私は、こうした意味から、モバイルブロードバンドの構築は、単なる情報インフラ産業に留まらず、コンピューター産業全体を変えるだけのインパクトを持つことを十分に認識する必要があると思います。そして、これらの産業に関わられる方々には、官民問わず、是非ともそういう意識とプライドを持っていただきたいと思うのです。

ユビキタス社会の実現は、現在の枠組みの延長線上にはないであろうことを忘れてはいけません。

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