バリウム日記 がんの早期発見をめざして

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バリウム検査の魅力

2008年12月12日 | 早期胃がん発見 Point
今日は胃透視検査の長所をみていきたいと思いますが、その前に胃透視の目的にはおもに二通りあることを説明します。

胃透視には
①スクリーニングといって、多くの受診者を簡便に短時間で、そして高い精度で持って異常の判別を行うパターン
②内視鏡でがんと確定診断された人に対して、がんの形態や、がんの深さ、範囲を詳細に検討する手術前の検査
の二通りがあります。

一般に、①は検診と呼ばれています。
②は精密検査と呼ばれています。

ここでは私が普段、従事している①の検診での長所について触れます。

胃透視、検診での長所は短い検査時間で、正常異常の判別や良性悪性の判断をも可能とすることです。
仮に、日本の成人した全人口に対して、胃の検査を施行しようとした場合、内視鏡検査単独では到底、数をこなせないでしょう。
もし仮に内視鏡検査を集団検診で行っている検査時間に匹敵する早さで施行したら、たちまち内視鏡検査の精度は低下してしまう恐れが考えられます。
そしてもう一点。胃透視が今もなお多くの検診施設で行われている理由は、胃透視は医師だけでなく放射線技師も撮影可能であり、人材確保がしやすい点。医療費人件費のコストが低い点が挙げられると思います。

ずらずらと胃透視の良さを挙げていきましたが、内視鏡検査の長所を最大限に生かすためにも、スクリーニング検査では胃透視の持つ特性を最大限、引き出すことが大切だと考えます。

胃透視の従事する放射線技師のみなさま、これからもともに切磋琢磨しながら、力を伸ばしていこうではありませんか。