バリウム日記 がんの早期発見をめざして

医療に関する話題提供をはじめ、日々学んだことを配信できればと思います。

他人の新撮影法 追加撮影なし編

2008年12月17日 | 胃X線を受診される方へ
今日もコツコツと、他人が撮影した写真も所見チェックしました。ちなみにうちは全てデジタルで胃の写真をチェックしています。

うーん正直、他人が撮影した写真のチェックほど難しいものはありませんね。透視観察上で確認できないわけですから。きれいに撮ってくれればわかりやすいのですが…。
今日はひと症例、浅く不明瞭な陥凹性病変らしきものに出会いました。バリウム斑の中に透亮像も認められているような…所見でした。
部位は噴門直下、小彎でした。
残念ながら追加撮影がされていません。
今回の症例では、胃形がねじれていて、高度な萎縮性胃粘膜でありかつ、べたつきもありました。病変の存在がわかりにくくなっていました。

私は異常と疑われる箇所に対して、基準撮影データを拡大させ、それを分割し、あたかも追加で分割写真を撮ったかのように編集し、直しました。

これにより読影時には、基準撮影8枚プラス元データ編集写真1枚の、合わせて9枚で画像が並ぶことになります。
9枚になるため、読影医は必ず目を通してくれます。
ここで読影医が、「確かに悪性を疑う。よしっ、ひっかけよう!」となってくれれば良いのですが、もし…!!
「これはたまたま泡が重なっているだけ!」とか「この程度の所見は異常としてはとれない!」と言われると、スルーされてしまいます。つまり異常なしとなってしまいます。

私の過去の胃がん発見経験から考えると、あの写真は0-Ⅱc様に見えます。
今日は改めて、撮影者の技術格差を痛感する日となりました。

なんとか要精密にしたいです。読影は翌日です。



技師全員がみな、がんに対して追加撮影を行う。
なかなか難しい問題のようです。