八ヶ岳麦草峠で見たアカミゴケ:赤実苔です。苔の名がついていますが地衣類のハナゴケ類に属します。
ハナゴケ類は腐植土を好む樹枝状地衣類で、市街地から高山までいろいろな種類が広く分布します。
ハナゴケ類の特徴は、地衣体が形態の異なる二つの部分から構成されることで、成長の初期にはまず基本葉体と呼ばれる鱗片状の地衣体が生じ、次にその表面から子柄(生殖器官である子器をつけるための柄)がつくられます。
アカミゴケの仲間は、子器に赤い色素(ロドクラドン酸)を含み、鮮やかな紅紫色となります。
地衣類の和名の約70%に○○ゴケとついているそうで、コケ類と混同されることが多いのですが、
地衣類は藻類と共生生活をする菌類であり、コケ類は緑色植物に属するので、両者の生物学的な差は相当に大きいといえます。名前だけで判断すると間違いのもとというわけです。