ファミリーアシスト あすなろ教室(輝く瞳と素敵な笑顔を求めて)

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見通しをもつ

2007-09-03 | 育児
 見通しをもつというがどのくらい先まで見通すことができるのだろう。乳児期の子どもは、体験を繰り返し、失敗したことは繰り返さないように、同じ体験だと判断すると対応を変えていくし、うまくいくと同じ対応を何度もするようになる。
 言葉でこちらが話しても通用しない。失敗したとき、うまくいったとき、喜びを伝えたり、慰めたりと傍に寄り添い子どもの行動に注意をしながら見守ることしかできない。幼児期の子どもは、体験も多くなり、自分で判断して行動することが多いが、判断できないときには、友だちの真似をしたり、指示を待ったりすることが多い。見通しが持てないため、不安を抱いたり、「教えて」とサインを送ったりすることが多い。この場合の見通しは次の自分がすることであり、将来起こりうるであろうことではない。
 この場合は、子どもの行動を見たり、子どもに話を聞き困っていることや抱えている問題を発見したりして、よりよい行動を教えたり、諭したりすることができる。
 幼児期までは、子どもの自由な意思の中で活動が進み、その1つ1つの活動が興味関心に左右されていることが多い。しかし、小学生になってくると、生活が幼児期と異なり、決められたスケジュールの中での生活が始まる。
(最近では、すでに幼児からこれを求められる子どももいる。早くなることがよいかどうかは疑問である。)子どもにとって大きな試練となる。
 小学校では、1日の生活の見通しをもつ生活が始まる。
1年生の始まりは、まだ一人ではできないため保護者や教師の支えを得ながら、1日の生活のリズムを作っていく。
 ここで1日の生活のリズムを作ることで1日の生活を見通すことができるようになっていく。(子どもにとっては、「やりたくてもやれない。我慢しなければならない生活」かもしれない。)
 1つ1つの活動がパターン化されていれば、その活動の見通しももてるようになる。ここまで考えると小学校の低学年では、1時間の活動、1日の生活への見通しがもてるようにすることができそうである。
 中学年になると仲間意識との関わりが深まり、これに係活動などのやや長期的な見通しが必要となる。
 (係活動だけについて考えと低学年では決められた仕事をすることが中心で高学年になるに従って係活動を企画し、実行する力が求められていくようになる。)
 委員会活動なども入ってくると半月や1ヶ月ほどの見通しが必要となる。(中学年では、言われたことをする側で自分で見通しをもって取り組むというようり先輩の様子を見て習うということになる。)
 高学年になると視点が変わり、全校をリードする立場から物事を考えなければならない。自分だけの動きではリードすることができないため、動かすための時間が必要となり計画的に進めていくことが新しい視点で必要となる。
 これを考えると半月や1ヶ月先を見通すことができるようにしなければならない。また、自我が目覚めてくると、自分のもっている課題解決に向けて努力する姿も見られるようになってくる。ここまでくると課題によっては解決に1ヶ月以上を要することも生まれてくる。
 日頃の指導で見通しをもたせるための指導はどのようになされているだろうか。それぞれの活動をこなしているだけでは子どもの見通す力はつかないし、子どもの発達に応じて段階的に指導しなければならないものである。意図的に働きかけないと育てられないのである。(リーダーとなる一部の子どもだけ育てばよいというものではなく、どの子にも育てなければならない。ゆとりのある生活は、この見通しがもてる生活を作ることから始まる。)
例1 毎日生活ノートに明日の予定を書かせることの意味
 毎日書かせることがどの程度の見通しを持たせることになっているのだろう。
 (明日の予定程度ならば、低学年に身につけさせたい。中学年以上であれば1週間は見通せる子どもにしたい。)
 ※私は、1週間分の予定を事前に配付することを勧めたい。
  低学年では保護者に助けてもらいながら1週間の準備をする。
  中学年以上は自分でできるように段階的に指導する。
   (持ちものの準備、学習内容についての準備等)
例2 月行事のお知らせ
 よく保護者宛の通信に1ヶ月の月行事を知らせるが、中学年以上であれば、子ども自身がその活動に向けての準備ができるように段階的に育てるよい機会となる。
 意識的に指導できるかどうかは教師次第である。毎日の生活そのものに関わることであり、これができるかどうかは子どもの将来にとって大きな影響がある。