ひよりの音楽自己満足

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美狂乱 PARALLAX

2015-04-10 17:47:44 | ジャパン・プログレ
 日本のKing Crimsonこと、老舗プログレバンド<美狂乱>。1974年ころ、ギター&ヴォイスの<須磨邦雄さん>が中心となって結成され、76年ころにバンド名を<まどろみ>とし、King Crimsonのカヴァーを中心に活動され、そして78年にバンド名を<美狂乱>に戻し、オリジナル曲中心の活動をはじめ、さらにドラマーに<佐藤正治さん>が加入されてバンドは数段グレードUPして人気も倍増されたそうで。その後、デビューアルバムの話がはじまったころに、なんとその佐藤さんが脱退してしまい、バンドは元ドラマーの<長沢正昭さん>が復帰され、ベースに<白鳥正英さん>が加入されて、1982年に1stアルバム「美狂乱」を発表。そしてその翌年83年に今回紹介させていただく2ndアルバム「PARALLAX」を発表されます。可愛らしいお人形と、まるでガレキのような混沌とした写真の組み合わせのジャケット、この対比がアルバムのサウンドを表しているかのようですね。このアルバムにはゲストにヴァイオリン<中西俊博さん>、チェロ<溝口肇さん>、トランペット<岡野等さん>、キーボード<永川敏郎さん>が参加されています。
 アルバム1曲目は「Silent Running」。ダイナミックなリフからギターのリズミカルなリフとパワフルなドラムがスリリングに。そしてミドルテンポでゆったりとのびやかなヴォーカルがはいって、ギターのヘヴィサウンドがのびやかにながれ、リズミカルなリフからスリリングなブレイクが。その後アップテンポのギターのリズミカルなリフからドラムフィルがはいって、ミドルテンポに戻ってヴォーカルがのびやかに。中盤ではリズミカルなリフからブレイクを挟んでギターのテクニカルなソロ、ヴァイオリンのテクニカルでアヴァンギャルドなソロが。その後パワフルなブレイクからギターとヴァイオリンがユニゾンでブレイクをキメて。終盤ではギターのヘヴィリフからアップテンポのノリノリモードになるも、再びミドルテンポになってヴォーカルとギターがのびやかに。ラストはヘヴィリフからブレイクをキメて。
 2曲目は「予言/Prediction」。ギターのテクニカルなアルペジオリフからキーボードがのびやかにほのぼのメロディを奏で、しっとりとしたヴォーカルがはいって、リズミカルに、綺麗なコーラスもはいって。そしてキーボードのほのぼのしたエモーショナルなソロが。中盤ではパワフルなドラムからダイナミックなリフがはいって、パワフルなコーラスとギターのヘヴィリフで盛り上がって。そしてギターのテクニカルなリフから、うねるベースラインにのってギターのエモーショナルなソロが。終盤ではギターのテクニカルなアルペリフからシンセサウンドがうねり、ギターのヘヴィリフがはいってスリリングに盛り上がって。そしてそれが静かになって、強風吹きすさぶ音がながれ、エコーのかかったコーラスがのびやかに幻想的に響き、メロトロンサウンドがゆったりとながれ、ラストはハーモニクスサウンドで締めて。
 3曲目は組曲「乱」。1).プロローグ・歪みすぎた空。 キーボードのリズミカルなリフ、グロッケンの美しい音色のリズミカルなリフがミドルテンポでミステリアスな感じでながれ、そこにギターが加わってユニゾンで奏でて。そして金属パーカッションサウンドが響き、ベースのリズミカルでスリリングなリフからギターのリズミカルなリフ、ディレイを効かせたテクニカルなリフがミステリアスにながれて。その後ブレイクからキーボードのリズミカルなリフが響き、ギターのヘヴィリフがはいってブレイクをキメて。
 2).ストレンジ・ラブ博士のクラクション。 ベースのテクニカルなリフからトランペットの不協和音的なパワフルなリフが響き、ミドルテンポのパワフルなドラムがはいって、トランペットがパワフルに高らかにリフを。そしてギターのミステリアスなアルペジオリフからしっとりとしたベースラインがはいって、ヴァイオリンがのびやかに幽玄に奏でて。その後ミドルテンポのパワフルなリズムがはいって、トランペットがパワフルにミステリアスにリズミカルなリフを奏で、チェロがはいって、ゆったりとのびやかに幽玄に奏でて。ラストはトランペットがパワフルに高らかに。
 3).パララックス・カンパニー ~ 4).グレイト・パララックス。 鐘のような音が轟音のようにダークに響き、ミュートしたギターのリズミカルなリフがはいって、ベースとメロトロン風サウンドがゆったりと不気味に響いて。そしてミドルテンポのパワフルなドラムがはいって、シャッフルモードでギターのヘヴィリフから盛り上がって、ブレイクからギターとベースのユニゾンリフとドラムの叩きまくりフィルがスリリングに。その後、神秘的に響くメロトロンサウンドと、ギターの激しいカッティングリフが交互にながれ、ブレイクからギターのリズミカルなリフにのってハンドクラップが。終盤ではギターのアヴァンギャルドでアグレッシブなうねりまくりのギターソロが。
 5).エピローグ・真紅の子供たち。 時計の秒針音からハウリング音や子供の笑い声が響き、ギターのアルペジオリフがゆったりと浮遊感たっぷりにほのぼのと温かくながれ、キーボードもゆったりとほのぼのメロディを奏で、ヴァイオリンがしっとりと切なく美しく奏で、チェロが裏メロをのびやかに奏でて。その後ギターのアルペリフが浮遊感たっぷりにゆったりとながれ、メロトロンサウンドがゆったりとほのぼのメロディを奏でて。ラストはギターのアルペリフがゆったりとゆっくりと。20分強の超大作です。
 破壊的ななかにも繊細で美しい場面があり、静と動が絶妙で、バンド名の通りに“美”と“狂”と“乱”が存分に楽しめる、全3曲40分強のとっても素敵なプログレアルバムですね。ライナーノーツによれば、このアルバムのレコーディングでは、メンバーの皆さんは前作のレコーディングの経験もあり、スタジオにも慣れてリラックスした状態で臨めたそうで。本領発揮の凄いアルバムを発表されたにも関わらず、バンドはレコ発ライブのあと、この年に活動を休止してしまいます。しかし、11年を経て1994年にメンバーを一新して復活されます。

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