ひよりの音楽自己満足

自分の好きなアルバムやアーティストを紹介させていただきます。

茂木由多加さん

2008-05-31 07:49:18 | 四人囃子
 2008年4月、<四人囃子>の復活ライブを観に行きましたが、ステージにはこの方はいらっしゃいませんでした。いや、ひょっとするといらしたのかもしれません。
 キーボード奏者<茂木由多加さん>は、70年ころから音楽活動を始めて、のちに<四人囃子>に加入する<佐久間正英さん>とバンド活動をされてたそうです。茂木さんは75年2月から同年11月までの短い期間でしたが<四人囃子>に在籍し、シングル「空とぶ円盤に弟が乗ったよ」にも参加されたそうです。脱退後も多く関わっていたそうですね。77年ころからセッション活動や作曲・編曲等も手がけ、佐久間さんが四人囃子のあとに組んだテクノバンド<プラスティックス>や<ジューシーフルーツ>に協力したり、<早見優さん>の83年から85年にかけてのヒットシングルも手がけておられたそうです。
今回紹介させていただくアルバムは78年に発表された茂木さんの1stソロアルバム「デジタル・ミステリー・ツアー」です。The Beatlesのアルバムにひっかけたこのアルバム。78年といえば、<YMO>が1stアルバムを発表した年で、シンセサイザー・ミュージックがポピュラー化する直前だったようですね。茂木さんは様々なキーボードを用いて、佐久間さんが数曲参加している以外は全部お一人で多重録音によって制作されたそうです。シンセサイザーで新たな音世界を探求された、とか。
 このアルバムはレコードでいうところのA面はThe beatlesの曲を、B面では映画音楽等スタンダードな曲を、独特のアヴァンギャルドなタッチでカヴァーされています。 A面1曲目は「Magical Mystery Tour」。この電子音のシーケンスは懐かしいですねぇ。きらびやかなシンセサウンドでえがかれているこの曲、目の前に眩しいくらいに光り輝く世界が広がっているかのようです。 2曲目は「Flying」。透明感があって、ふわふわと浮いているかのような感覚のゆったりとした音世界。いいですねぇ。 3曲目は「Your Mother Should Know」。物を落としたような音から始まる、なんともコミカルな曲。チャッ○リンの無声映画をみているような感覚かも。後半には盛大な拍手音も。 4曲目は「Blue Jay Way」。小鳥のさえずり音や赤ちゃんの鳴き声からはじまって、独特のパーカッション的な電子音が響いて。ゆったりとしたやや暗い幻想的な感覚でしょうか。 5曲目は「Fool on The Hill」。ピアノによる神秘的なサウンドからはじまる、ゆったりとした美しいメロディの叙情的な曲。
 そしてB面1曲目は「星に願いを」。軽快なビートにのってのこのメロディもいいですねぇ。とってもスペーシーでロマンティックでもありますね。 2曲目は「スケーターズ・ワツツ~美しき青きドナウ~」。ストリートオルガンのようなほのぼのとしたサウンド、いいですねぇ。 3曲目は「2人でお茶を」。オシャレでコミカルでポップな感じですね。 4曲目は「Star Dust~Moonlight Serenade」。ゆったりとした幻想的で心やすらぐ感じですね。 5曲目は「“白鳥の湖”より、白鳥の踊り」。 世に知れ渡った名曲をカヴァーする場合、アレンジしすぎるのも、オリジナルに忠実すぎるのも評価されにくいでしょうけど、茂木さんはあえて大胆に“自分らしさ”を出したようです。通常カヴァーする場合は“メロディ”を主体としてアレンジするそうなのですが、茂木さんはあえて“リズム”に主観をおいてアレンジされたそうで。茂木さん独自の解釈、奥が深いです。
 茂木さんは80年にもソロアルバムを発表され、その後も活躍されますが・・・2003年に天国へ旅立ってしまったそうです。謹んでご冥福をお祈りいたします。

新津章夫さん 1

2008-05-30 00:17:48 | 70's J-プログレ
 いつものように仕事の帰りに会社近くの某CD店へ。そこでふと目に付いたのが、帯の下のほうに「音楽の基礎研究」と書かれたCD。なんだろうと手にとってみるとそれは<新津章夫さん>という方がギターといくつかの楽器のみで、まだコンピューターの普及していない1978年にたったひとりでの多重録音で作り上げられたアルバム、とか。いったいどんなサウンドなのか全く見当がつかないんだけど、なにか興味を持ってしまったのよね。でもお値段もそこそこだったので、その日は買わずに。で、家に帰って早速ネットで調べてみると・・・検索して見つけた新津章夫さんの実弟である新津隆夫氏が開設しているブログを参考にさせていただきました。
 新津章夫さんは、14歳からギターを始めて、ジミ・ヘンさんやJeff Beckさん、ジョー・パスさん等、ロックからJAZZまで様々なスタイルの音楽に興味を持って、それらすべてのギター技を身につけたそうです。そして大学生のときに一大転機となる大事件が。なんと友人とドライブ中に40mもの落差のある崖へまっさかさま。しかし奇跡的に一命をとりとめ、それがきっかけとなって「せっかく助かった命、好きなことをやろう」と、好きな音楽を納得のいくまでとことん追求することに。作曲・編曲・演奏はもとより、4チャンネルのオープンリールデッキを使ってエンジニアリングまですべてご自身で行って、まずはデモテープを制作されたそうで。そしてそれをレコード会社が興味を示してこのアルバム制作に至ったそうで。プロ用スタジオ機器を自宅に持ちこみ、2年もの期間、試行錯誤を繰り返してこつこつと音を重ねていって、想像を絶するような作業の末、1978年、ついにこの1stアルバム「I/O」を発表したそうです。
 ここまでわかるともうこれは買うしかない!と翌日の仕事帰りに速攻でCD店へ行ってGET!“論より証拠”まずは聴いてみなければ、と。 アルバム1曲目は「Orange Paradox」。テクノ風のちょっぴりチャイナの香りもするリズミカルな曲。なんとなくテープの逆回転みたいな音もするなって思ったら・・・なんとこの曲は逆から聴いても全く同じ曲になるというとんでもない仕掛けがあるんです。いまの技術を持ってしてもそう簡単ではないでしょうに、当時の機材でこんな仕掛けをするなんて信じられないっす。この仕掛けはまず前半部をレコーディングし、そのテープを逆回転で聴いて、その音に近づけるようにひたすら練習して、逆フレーズを実際に弾かれたそうです。凄いことなさいますねぇ。ビックリです。 2曲目は「Wonder Land」。ゆったりとしたハワイアンミュージックのような感じでしょうか。静かな海辺でのんびりと夕日を眺めているかのような雰囲気ですね。この曲は新津さんが当時の西ドイツを旅行したときの印象を曲にしたそうです。 3曲目は「光のオルゴール/Music Box of Speakle」。とっても可愛らしくて楽しい曲。オルゴールのような音色なんですけど、これがギターなんですよね。これも信じられません。特に後半には超早弾きを駆使したスピードでのフレーズも。 4曲目は「未来永劫/From Eternity to Schaffhausen Information」。ゆったりとした、リラックスできるような心地よい癒し系の曲。中盤にはリズミカルなフレーズもあり、徐々に盛り上がっていてドラマティックな展開に。そして大雨のような音と雨だれのような音が。この音は滝の音をイメージされたとか。ラストは幻想的にFin。 5曲目は「Black Hole」。電子信号音からはじまってマンドリンのような音のリフが。そこにエレキギターの叙情的なソロが。それがいきなりスピードアップして風の音のなかに飲み込まれるように消えていって・・・ 6曲目は「天気雨」。ゆったりとした透明感のある雨上がりのような雰囲気からはじまって、アップテンポのハワイアンのようなギターサウンドが軽やかに響きます。終盤には元の透明感のある幻想的なサウンドに。 7曲目は「Cosmic Train」。アップテンポの楽しいギターリフからはじまる、リズミカルで爽やかなとっても楽しい曲。終盤にはゆったりとしたギターソロが。この曲も電車に乗って旅したドイツ旅行の思い出を曲にしたそうです。曲のコード進行はアナウンス前の合図音を用いたそうです。 8曲目は「迷宮の森/Forest of Maze」。小鳥のさえずりとゆったりと美しい幻想的なギターの音色からはじまります。途中からはネコの鳴き声のような音も。中盤には雅楽のような雰囲気のサウンドもあり、ワルツのリズムとともに華やかな雰囲気に、そして盛り上がっていってカーニバルのようなとっても明るく楽しい感じに。それが急に止んで元のゆったりとした幻想的な雰囲気になり、静かにFin。 実験的な音楽でありながらも、聴き手を楽しませてくれる、聴き手の心を和ませてくれる素晴らしいアルバムだと思います。
 CDの帯には新津さんの当時のこんな言葉が書かれています。「いまにコンピュータで音楽を創る時代になる。そんな時代がやってきた時、ギター1本とわずかな楽器でこんな馬鹿な音楽を創ったやついたって笑ってもらいたいんだよね。でも、その未来のミュージシャンたちにギターと多重録音だけで、このアルバムと同じ音は絶対に作れっこないという自信はあるけどね。」と。
 その後、新津さんは82年に「PETSTEP」というアルバムを発表し、85年にミニアルバム「Winter Wonder Land」を発表した後に、音楽活動を休止してコンピューター・プログラマーに転身されます。そして・・・大変残念なことに、2002年1月に病により天国へ旅立ってしまったそうです。享年49歳。まだまだこれからというときに・・・謹んでご冥福をお祈りいたします。
 このCDは2003年にCDで再発されたものです。他のアルバムの再発も期待したいところですね。

NOVELA 5

2008-05-28 06:59:34 | NOVELA系
 4月にはもう次のアルバムのレコーディングに入ります。このアルバムとは山田ミネコさんという方が書かれた漫画のイメージアルバムとして制作され、7月に発表されます。「最終戦争伝説」です。漫画のストーリーや場面を見ながら作曲されたとか。 アルバム1曲目は「風の黙示録」。風の吹き荒れる効果音と美しい女性のスキャットの短い曲。 2曲目は「出発(たびだち)~Dream Trip~」。アップテンポの軽快なリズムのシンフォ・ハードロック。間奏のドラム&ギターはかなりハードですね。それに続くシンセソロはドラマティックです。 3曲目は「悠久の生命(デーヴァ・ダッタ)」。シンバルロールと神秘的なサウンドからはじまり、澄んだ女性のスキャットが美しく響いて。そして不気味な笑い声も。 4曲目は「久遠の草星(イシュワラ)」。ゆったりと美しいピアノの調べにのって、哀愁ただようヴォーカルが。悲しげなバラードですね。 5曲目は「遥かな時の彼方(はて)に」。パワフルなギターリフからはじまるアップテンポのポップなハードロック。 6曲目は「浮遊都市・西の22」。壮大なスケールのシンセサウンドからはじまるミドルテンポのキーボード主体の爽やかなインスト。 7曲目は「放浪(たび)」。キーボードをバックにアンジーさんが朗々と歌う叙情的な曲。 8曲目は「ソマの戦士」。パワフルなリフからはじまるアップテンポのシンフォロック。変拍子やリズムチェンジがいっぱいのテクニカルなインストです。 9曲目は「警告(しらせ)そして最終戦争」。オペラティックにどんどん展開していくスリリングな曲。ラストは劇的にFin。 10曲目は「無限伝説」。ゆったりと穏やかなピアノをバックに可愛らしく綺麗な女性のヴォーカルが。後半には壮大なスケールのオーケストラサウンドが美しく鳴り響き、ラストはアンジーさんとのツインヴォーカルでドラマティックなエンディングを迎えます。
 発表後すぐに各地で4回ほどライブを行い、9月からはミニアルバムのレコーディングに入って、12月にミニアルバム「シークレット・ラブ」が発表されます。1年間にアルバム3枚とは驚くべきスケジュールですねぇ。
 翌84年の2月に各地で3回ほどライブを行い、そのときの音源を収録した2枚組のライブアルバム「From The Mystic World」が5月に発売されます。 そしてすぐ次のアルバムのレコーディングに突入し、9月にアルバム「最終戦争伝説2」が発表されます。前作の続編ですね。アルバム1曲目は「旅人神話」。暗黒の宇宙空間のイメージのような不気味な効果音からはじまり、壮大なオーケストラサウンドで幕開け。 2曲目は「記憶の彼方に・・・」。軽快なリズムとギターリフからはじまるポップなシンフォロック。 3曲目は「暗黒の魔女」。変拍子のミドルテンポの不安感を煽るかのような曲。神秘的なパーカッション音が印象的で、テクニカルな曲です。 4曲目は「心、澄まして」。ゆったりとほのぼのするようなピアノのメロディと、澄んだ可愛らしい女性ヴォーカルの綺麗な曲です。 5曲目は「戦士のララバイ」。ドラムからはじまるアップテンポの綺麗なポップロック。 6曲目は「七時の鐘」。荘厳なシンセサウンドからはじまる壮大なスケールのインスト。 7曲目は「うたかたの夢」。幼稚園のお遊戯曲のような可愛らしいサウンドの女性ヴォーカルの可愛らしい曲。 8曲目は「運命の生神(クマリ)」。フルートのようなゆったりとした素朴な音色からはじまる叙情的なバラード調のインスト。 9曲目は「精神飛行(サイコフライト)」。マーチングドラムのようなスネアのリズムでの躍動感のあるパワフルな曲。間奏は奥行きのあるスペーシーなシンセサウンドが響きます。 10曲目は「めぐりあいAGAIN」。オルゴールのようなサウンドからはじまる、女性ヴォーカルとアンジーさんのツインによる美しいバラード。間奏ではメロディアスなギターソロもあり、ドラマティックな展開の曲です。
 このアルバム発表後の翌10月にアンジーさんと永川さんが脱退してしまいます。オリジナルメンバーが平山さんただひとりになってしまいましたが、それでもバンドは新たなヴォーカリストとキーボード奏者を迎えてバンドを存続させ、アルバムも2枚発表するも、86年に解散してしまいます。 アンジーさんと永川さんが脱退したとき、平山さんは別のバンドとして始めたかったそうなのですが、様々な事情から<NOVELA>を続けざるを得なかったとか。しかし脱退した2人と同じような人を迎えたり、同じ路線の音楽をやっても仕方がない、と音楽性も変えざるをえなかったとか。大変なご苦労があったようです。
 日本プログレ界の発展に大きく寄与した<NOVELA>。その後は何度か再結成ライブを行ったそうですが、自分は2005年9月に渋谷O-EASTで行われた再結成ライブに友人に誘われて観に行ったんです。オリジナルメンバーのアンジーさん・平山さん・永川さん・秋田さん・ヨシロウさんの5人編成でした。永川さんはJLTバンドで、ヨシロウさんはACTIONで見たことはあるのですが、<NOVELA>として見るのはこれが初めて。いやもうめっちゃ感動しました!最高のライブでした。自分はこのライブからジャパン・プログレにハマってしまったのかも。

NOVELA 4

2008-05-27 06:32:05 | NOVELA系
 メンバー6人のうち、3人も脱退してしまった<NOVELA>。半年ほどの充電期間を経て11月より4枚目のアルバムのレコーディングを開始します。そして12月には新メンバーが決定!ベーシストには<笹井りゅうじさん>、ドラマーには<西田竜一さん>が迎えられ5人編成で再スタート。まず新メンバーお披露目のサイン会を開催し、そして暮れには初ライブも。 そして83年の2月に新メンバーによるアルバム「SANCTUARY-聖域-」が発表されます。 アルバム1曲目は「Divine Comedy」。かるぅ~いDJのナレーションからはじまる、めっちゃポップで楽しい曲。でもかなりテクニカルですね。 2曲目は「Lunatic」。早いパッセージのリフから始まりますが、ヴァースは落ち着いた感じです。キャッチーなメロディのポップロックですがかなり複雑なリズムです。 3曲目は「夢の絵の具」。幻想的なキーボードサウンドから始まるゆったりとした叙情的な曲。間奏ではアコースティックギターだと思うんですが、シタールの音色にも似たサウンドのソロを。 4曲目は「調べの森」。テクニカルなドラムからはじまるめっちゃハイテンポのJAZZロックのようなイントロです。ヴァースはミドルテンポでポップでパワフル。間奏もめっちゃテクニカルです。 5曲目は「翼に・・・」。メロディアスなギターからはじまり、ゆったりと穏やかで優しいヴォーカルが。叙情的な雰囲気の曲ですが、間奏はめっちゃテクニカルなギター&キーボードのソロが。 6曲目は「過ぎ去りし我らの日」。パワフルなリフからはじまるアップテンポの力強い曲。変拍子のスリリングでテクニカルな曲。 7曲目は「Rose Selavy」。アップテンポのメロディアスでパワフルな曲。間奏ではギターとキーボードの掛け合いソロバトルも。 8曲目は「黎明」。静かに幻想的なキーボードサウンドが響いて、そしてメロディアスなヴォーカルが。綺麗なメロディながら力強さを感じるバラードソングですね。間奏はめっちゃシンフォニックです。ラストはドラマティックにFin。 これまでよりもハードさが薄れ、よりメロディアスに美しく聴かせていますね。NOVELAの最高傑作と称えるファンも多いようです。 このあと2月と3月にライブを行います。そして・・・

NOVELA 3

2008-05-25 08:02:01 | NOVELA系
 その後も精力的にライブ活動を続け、また創作活動も進めていて、81年の6月にセミアルバム「青の肖像」を発表します。さらにライブ活動のかたわらに9月から次作のレコーディングを開始し、12月に3rdアルバム「パラダイス・ロスト」を発表します。このアルバムはプロデューサーに<四人囃子>等で活躍された<森園勝敏さん>を迎えて制作されました。 アルバム1曲目は「失楽園への序曲」。テクノ調ではじまるハイテンポのハードロック。メロディはとってもキャッチーですね。リフはかなりテクニカルです。 2曲目は「仮装広場」。ミドルテンポのビートの効いたリズミカルな曲。ヴァースはテクノっぽいですね。間奏のベースソロ、かっくいいっす。 3曲目は「逃げろ!」。激しいドラムから始まるハイテンポのパワフルなハードロック。後半ドラムはほとんどソロ状態。めっちゃテクニカルです。 4曲目は「奇蹟」。ミドルテンポのメロディアスでキャッチーなロック。コーラスはQueenを意識したとか。 5曲目は「廃墟」。ピアノ連打からはじまる変拍子のパワフルな曲。間奏のシンセソロはめちゃドラマティック。 6曲目は「青の肖像」。オリジナルアルバムはPart3のみですが、CDではミニアルバムで先に発表されていたPart1 Part2と一緒に3部全て収録です。神秘的なシンセサウンドからはじまり、静かに叙情的なヴォーカルが入ります。間奏では衝撃的なティンパニ音からメロディアスなギターソロへ。そして力強いコーラスが。Part2ではかすかに聴こえるくらいの静かでゆったりとした幻想的なキーボード音が少しずつ音が大きくなって、そしてヴァイオリントーンのギターがはいってドラマティックに盛り上がっていきます。そしてPart3はパイプオルガン調のキーボードとヴォーカルの曲。教会の賛美歌を意識したそうです。 7曲目は「第3の剣」。ゆったりとした静かな雰囲気からいきなりパワフルなリフが。アップテンポのメロディアスなハードロックです。間奏では変拍子のテクニカルなギターソロ&キーボードソロも。そして最初の静かな展開があり、再びハードサウンドに。ラストは綺麗なピアノソロが。ドラマティックな曲ですね。 8曲目は「ロマンス・プロムナード」。前曲に続いてピアノからはじまりそして情感たっぷりのヴォーカルが。めっちゃ劇的なバラードです。思わずペンライトを持って手を大きく振りたくなりますね。コーラスのギターソロもとっても綺麗。 9曲目は「ファッション雑誌のパッション・プレイ」。ベースから始まるパワフルでちょっぴりファンキーなミドルテンポの曲。この曲のヴォーカルはヨシロウさんです。 10曲目は「地球/Terra」。アップテンポのテクニカルなリフからはじまる変拍子のハードロック。間奏ではテンポダウンしてギターソロが。キーボードサウンドはスペーシーな雰囲気を醸し出してますね。最後はネジを巻く効果音でFin。(この曲ってテルズ・シンフォニアの「ぜんまい仕掛けの地球」につながっているのかな?) このアルバムの曲は全て曲間ナシでメドレー形式でつながっています。第1期NOVELAの最高傑作と称えられています。
 アルバム発表後、レコ発ライブを各地で行いますが、翌82年3月のライブを最後にヨシロウさん、山根さん、秋田さんのお3方が音楽方向性の違いで脱退してしまいます。元々プログレよりも楽しいロックがやりたかった、といわれるヨシロウさん。その後、ヘヴィメタルバンド<ACTION>を結成し、84年にはあの<Rainbow>の前座も務めたり、アルバムも何枚も発表して大活躍。

NOVELA 2

2008-05-24 07:44:21 | NOVELA系
 6月からはライブ活動のかたわら、早くも2ndアルバムのレコーディングを開始します。そして1stアルバム発表から7ケ月しかたっていないのに10月にはもう2ndアルバム「In The Night~星降る夜のおとぎ話~」が発表されます。まるでアイドル歌手並みのレコ発スケジュールだったんですねぇ。前作と同じ路線でさらにグレードアップされた演奏と楽曲。ジャケットは今回はいたってシンプルですね。 アルバム1曲目は「星降る夜のおとぎ話」。ウインドベルの音色からいきなりヘヴィなリフが。ミドルテンポの変拍子のヘヴィな曲。ベースめっちゃかっくいい!うねりまくってます。 2曲目は「フェアウェル」。劇的なシンフォニックサウンドから始まるハイテンポのハードロック。キーボードソロもギターソロもメロディアスで綺麗。 3曲目は「仮面/Mask」。ピアノとヴォーカルから暗くはじまり、いきなりパワフルに。ミドルテンポのパワフルでミステリアスな短い曲。 4曲目は「ヒドラ伯爵の館」。いきなりハイテンポではじまるハードロック。ヴァースではやや落ち着きますが、サビからは再びパワフルにヘヴィに。 5曲目は17分に及ぶクラシカルな大曲「回想のかけら」。ティンパニロールから劇的なシンフォニックサウンドが華々しく鳴り響きます。ヴァースは静かにメロディアスに、そしてサビはパワフルに。間奏はドラマティックなキーボードソロ、そしてギター&ドラムのヘヴィな展開も。メロディアスなギターソロのあと、なぜかコミカルなサウンドが。そして再びシンフォニックな展開に。ドラマティックなフィナーレを迎えます。 6曲目は「Little Dreamer」。オルゴールのような音色から可愛らしく爽やかな女性ヴォーカルが入ります。ゆったりとほのぼのとした心癒される曲ですね。「Good-night」でFin。 前作を上回る素晴らしい出来栄えのアルバムです。

NOVELA 1

2008-05-23 06:54:49 | NOVELA系
 日本プログレッシブロック界の代表格とも言える、最も人気を誇ったバンド<NOVELA/ノヴェラ>。音楽面においてだけでなく、美しく着飾ってメイクを施すスタイルはのちに派生するヴィジュアル系バンドにも多大なる影響を与えたことでしょう。<NOVELA>は1979年2月に<SHEHERAZADE>と、<山水館>の2バンドが合体して結成されたスーパーバンドです。メンバーはSHEHERAZADEのギタリスト<平山照継さん>、ヴォーカリストの<五十嵐“アンジー”久勝さん>、キーボードの<永川敏郎さん>、ドラマーの<秋田鋭次郎さん>、そして山水館のベーシスト<高橋ヨシロウさん>と、ギタリストの<山根基嗣さん>の6人。それまではマニアックなジャンルだった“プログレ”を日本の音楽シーンに知らしめよう、というのが結成の前提あったという説もあり、SHEHERAZADEの音楽性と、山水館のステージング&ヴィジュアル面等、お互いの足りない部分を補い、昇華させるという“陰と陽の合体”のような理想もあったようで。
 3月にはデモテープを制作し、4月にはデビューコンサートも。その後ライブを重ね、9月からはライブのかたわらデビューアルバムのレコーディングにも入り、そして翌80年の3月に1stアルバム「魅惑劇」が発表されます。曲の長さ・変拍子・転調・メロトロンなどなどプログレの要素が含まれているにもかかわらず、難解さはほとんど感じず楽しめます。メロディアス・ハード・ロックの色合いのほうが強いかな。 アルバム1曲目は「イリュージョン」。グレゴリアンのようなコーラスからはじまってヘヴィなギターリフが。アップテンポのメロディアスなハードロック。キーボードソロもギターソロも綺麗ですねぇ。そしてアンジーさんのハイトーンの美しさといったら・・・ 2曲目は「名もなき夜のために」。シャッフル調のヘヴィなハードロック。めっちゃパワフルですね。 3曲目は「恋はあまのじゃく」。コンピューター音からはじまるアップテンポのポップな曲。中間のコーラス、とっても綺麗ですね。 4曲目は「レティシア」。キーボードとギターリフから劇的にはじまり、ヴァースはピアノをバックにメロディアスに歌い上げます。中盤ではティンパニ音が効果的に使われ、そしてドラマティックに展開していきます。11分の大曲です。 5曲目は「少年期~時の崖」。悲しげなギターリフからはじまって叙情的なキーボード&ギターのメロディがながれて。中盤からヘヴィなギターとアンジーさんの美しいスキャットが。そして後半からアップテンポのパワフルなハードロックに。 6曲目は14分に及ぶ大曲「魅惑劇」。可愛らしい少女の歌声から劇的なシンフォニックサウンドで幕開け。ピアノをバックにアンジーさんが繊細なヴォーカルを聴かせてくれます。そしてオルゴール音のようなサウンドやハープシコードのようなサウンド、そこからロマンティックでジャジーなリズムの展開に。再びシンセやアコースティックギターでゆったりと静かに。そしてヴォーカルが入ってドラマティックに盛り上がっていきます。エンディングは荘厳なコーラスが響いてFin。 オリジナルアルバムはここまでなんですが、CD化によって1曲追加されます。7曲目は「怒りの矢を放て」。アップテンポのパワフルなハードロック。パワーバラードのようなメッセージ性のある曲ですね。 ドラマティックに構成された楽曲をハイレベルなテクで演奏し、そしてアンジーさんの魅惑のハイトーンヴォイスが曲をよりいっそう劇的にロマンティックに聴かせてくれます。アルバム発表後は再びライブ活動へ。

08.5.18 Blues Creation

2008-05-21 06:58:15 | ライブレポ ROCK
◇ 2008.5.18 日比谷・野外音楽堂
<J-ROCK LEGEND>
 今年2008年は70年代に日本ロックの礎を築いた偉大なるロックバンドがいくつも復活し、その勇姿を、生き様を<J-ROCK REGEND>と題したイベントで魅せてくれていますが、今回は日本ロックの聖地とも言える、日比谷の野音で5月18日に4バンドも集めて開催されるという大規模なイベントです。しかも大物勢ぞろい!北陸の<めんたんぴん>、沖縄から<紫>、そして<頭脳警察>。トリには最初で最後の再結成という<ブルース・クリエイション>。これだけの名だたるバンドが一堂に会するイベントなんてそうあるものでもないし、今度いつ見れるかわからないバンドもありますから、当日を楽しみにしてました。自分のお目当ては<紫>と<ブルース・クリエイション>です。
 今日は<Blues Creation>のライブレポートを。
<Blues Creation>
 自分はこのバンドのことを数年前まで全く知りませんでした。自分のHPのBBSで友人が紹介してくれて初めて知ったわけでして。そしてアルバム「悪魔と11人の子供たち」を手に入れて、聴いてみてぶっとんだわけでして。世界でもZEPやDPやサバスなどハードロック全盛時代に、日本にもこれほどのクォリティのヘヴィロックサウンドを出すバンドがあったなんてほんと驚きでした。
 <Blues Creation>は、GSのジャガーズの弟分のバンド<ビッキーズ>の布谷さん・野地さん、そして当時16歳にして“クラプトン”ばりのギターサウンドを鳴らしていた<竹田和夫さん>が中心となって、ビッキーズ解散後の1969年に結成されたバンドです。この年の6月にはデビューアルバムを発表。通の間では“日本初のブルーズ・ロック・アルバム”として評価が高かったそうです。その後メンバーチェンジが何度もあり、70年の夏ごろに竹田さんの他、ヴォーカルに<大沢博美さん>、ベースに<佐伯正志さん>、そしてドラムに<樋口晶行さん>の4人に固定され、そのサウンドもブルーズよりもブリティッシュ・ハードロック色が強くなっていったそうです。そして71年8月に前述のアルバム「悪魔と11人の子供たち」が発表されます。ちなみにこのとき同時に、ヴォーカルに<カルメン・マキさん>を迎えたアルバムも発表されています。ちょうど発表前に「第3回全日本フォークジャンボリー」というイベントにも出演し、白熱のライブを繰りひろげ、のちにそのときの音源がライブアルバムとして発表されます。FTBとともに”英語ロック“のさきがけとして活躍されたわけですが、残念ながら72年初めに解散。そして、この年の9月にはメンバーチェンジして、新たに<Creation>として活躍されます。そして2008年。その<Blues Creation>が今回、72年以来の36年ぶりに「悪魔と11人の子供たち」のメンバーが勢ぞろいし、最初で最後の復活ライブを行う、と。しかも実に38年ぶりとなる野音のステージにその勇姿を!これはもう観にいかねば後々後悔するのでは、と。先月<Creation>は見ましたけど、<Blues Creation>は全く別だもんね。

 さて当日。<Blues Creation>は大トリ4番目の登場です。前バンドのファンがアンコールを求める手拍子や歓声をあげるなかセットチェンジは進められ、そして18時17分ころ、司会進行の<ダディ竹千代さん>が、「皆さん、準備はいいですか!いつまた逢えるかわかりません!1970年以来、38年ぶりの登場です!<Blues Creation>!」
 大拍手大歓声のなかメンバー登場!です。「Shurl!ひさしぶり!Thank you!なつかしいメンバーが揃って・・・」ってロマンスグレーのスリムでダンディな大沢さん。そして1曲目「原爆落し/Atmic Bombs Away」が始まります。ワウの効いたフィンガリングからはじまるヘヴィなリフのミドルテンポの曲。大沢さんパワフルなヴォーカルを聴かせてくれます。間奏ではブルージーなギターソロのあと、シャッフルっぽいリズムになってかちょいいギターソロを。そして再び元のミドルテンポに。

 「Thank you!」って大沢さん。2曲目は「I’m a Man~Lost Woman」。シャッフルっぽいリズムのブギー調の曲。竹田さんはチェリーレッドのセミアコを操って。ギターソロのあと、テンポアップして短いベースソロののちにエモーショナルなギターソロを。ギターの音、めっちゃ太いっす。まさしくヘヴィロックのギターサウンドですね。先月の<Creation>ではどちらかというとJAZZ系の軽いギターサウンドだったので、この図太いオーバードライブサウンドはめっちゃ嬉しいっす!

 「Thank you!ひさしぶり!」「この4人が揃うのも・・・」って大沢さん。そして「もし覚えている人がいたら・・・Shurl!」って始まった3曲目は「Black Hearted Woman」。変拍子のイントロからはじまるミドルテンポのヘヴィなブギーっぽい曲。めっちゃパワフルです。ワウを効かせたギターソロのあと、ギターとヴォーカルの掛け合いも。そして短いドラムソロのあと、6/8のリズムになってギターが伸びやかなフレーズを弾いて。

 「どうもありがとう!」「今日はずっと雨が心配されたけど・・・いいことやってると晴れるんだね。」って大沢さん。ほんと数日前の天気予報からすると雨合羽も用意したほうがいいかな?なんて思ったくらいですが、晴れてほんと良かったっす。
 次は「竹田和夫ファンのみなさん、おまちかね」って大沢さん。次の曲は大沢さんが一旦ステージを離れて、竹田さんがヴォーカルの曲「悲しみ」です。アップテンポで始まってすぐ♪ジャーン!で締めたあと、ベースソロからスローテンポで。泣きのギター、いいですねぇ。渋いヴォーカルもたまりません。間奏ではブルージーなギターソロを。それが盛り上がって早弾きも。曲が終わると「シュール!」って。

 「30秒ください。この4人が集まるのは久しぶり」って大沢さん。そしてメンバー紹介を。「サエキマサシ!」髪型は当時と同じだそうです。「ヒグチマサユキ!」いまさら紹介する必要はないでしょうって。そして「カズオタケダ!」って。大沢さんと竹田さんは同い年だそうです。

 竹田さんがレスポールタイプのサンバーストのギターに持ち替えて、そしてワウを利かせたギターソロを。そのままヘヴィなスローブルーズに。たぶん「Rollng Stone」かも?大沢さんのヴォーカルもパワフルで、途中ヴォーカルのフレーズをギターで返す掛け合いも。そしてワウを効かせたギターソロのあと、テンポアップしてパワフルに。短いドラムソロのあと再びエモーショナルなギターソロを聴かせてくれ、元のスローテンポのヘヴィブルーズモードに。シブいギターを響かせてFin。「Thank you!どうもありがとう!」って大沢さん。

 「ゴルフ、何回やっても上手くならないけど・・・」って大沢さん。「次の曲を知らない人は“モグリ”かも。」って、はじまった6曲目は「悪魔と11人の子供たち」のイントロから「Sooner or Later」。ヘヴィなリフのパワフルなミドルテンポの曲。ワウを効かせたギターソロも冴えまくりですね。曲が終わると「覚えてた~?」って大沢さん。
 「ん?雨降ってる?大丈夫?もう何曲もないから・・・」「久しぶりで・・・今日来てくれてありがとう!」「お客様は神様です。」「めいっぱい楽しんでってください!」ってなことを大沢さんが。

 7曲目は、♪チキチキって、ハイハットからはじまるアップテンポの曲。「Morning Dew」かな?フェイザーを効かせたギターリフで、いきなり「もろびとこぞりて」のフレーズを弾きはじめてちょっとビックリ。曲は爽やかで広大なイメージのサウンドですね。間奏ではアグレッシブなギターソロのあと、一転してジャジーな感じのギターを。

 「楽しんでる?聴こえてる?」「最後の曲、みんな知ってる曲」って大沢さん。はじまった8曲目は「Baby Please Don’t Go~Train Kept a Rollin’」。ミドルテンポのヘヴィなリフからはじまって、すぐにアップテンポのリフに。めっちゃノリノリですね。間奏ではワウを効かせたギターソロや早弾きも。曲が終わると大拍手大歓声!
 「Thank you!サエキマサシ!ヒグチマサユキ!タケダカズオ!」ってメンバーの名前を叫んで、手を振りながらステージ袖へ。

 アンコールを求める手拍子や歓声が響き、まもなくメンバーが再びステージに登場!
オーラス9曲目は、アップテンポのノリノリのロックンロール。客席前方はお祭り状態で盛り上がってます。でも短い曲なのであっというまに終わっちゃった。大拍手大歓声のなか、メンバーは手を振りながらステージ袖へ。
 このあと司会の竹千代さんが出てきて「もっと聴きたいか!」ってお客さんを煽って、ここから大セッション大会が繰り広げられて・・・でも自分はここで退席です。時計を見ると19時半前だったかな。<Blues Creation>、1時間10分ちょいのまさしく昔のライブアルバムの通り、“白熱のブルース・クリエイション”でした。

 先月観た<Creation>での竹田さんのギターサウンドは、どちらかというとジャズ系の軽めのサウンドでしたけど、今回はおもいっきり歪んだぶっといヘヴィロックサウンドで凄かったっす。めっちゃかっこよかったし、聴けて嬉しかった! 樋口さんのドラムサウンドもすっごいヌケの良い音で、アクセントも効いていて歯切れも良くて最高でした。もちろん佐伯さんのベースも素晴らしかったっす。そして大沢さん。当時は“カタカナ英語”なんて批判もあったみたいですけど、現在カナダ在住の大沢さんですから、もう逆に日本語の発音のほうが変なくらいだったりして。そしてなにより、アルバムで聴くよりも声が太くて迫力もあってビックリ!普通は年齢とともに衰えるヴォーカリストが多いのに・・・ちょっと感動。これが“最初で最後”なんてもったいないっす。そこらの若手バンドなんて比較にならないくらいの音だしてるし。最後と言わず、これをいい機会にまたいつか早いうちにライブやってほしいなぁ・・・

08.5.18 紫

2008-05-20 00:10:47 | ライブレポ HR/HM
◇ 2008.5.18 日比谷・野外音楽堂
<J-ROCK LEGEND>
 今年2008年は70年代に日本ロックの礎を築いた偉大なるロックバンドがいくつも復活し、その勇姿を、生き様を<J-ROCK REGEND>と題したイベントで魅せてくれていますが、今回は日本ロックの聖地とも言える、日比谷の野音で5月18日に4バンドも集めて開催されるという大規模ナイベントです。しかも大物勢ぞろい!北陸の<めんたんぴん>、沖縄から<紫>、そして<頭脳警察>。トリには最初で最後の再結成という<ブルース・クリエイション>。これだけの名だたるバンドが一堂に会するイベントなんてそうあるものでもないし、今度いつ見れるかわからないバンドもありますから、当日を楽しみにしてました。自分のお目当ては<紫>と<ブルース・クリエイション>です。
 今日は<紫>のライブレポートを。
<紫>
 自分が<DEEP PURPLE>に興味を持ち始めたのが1980年ころ。で、DPを調べていくうちに、日本にもDPに影響を受けたバンドがあると知って<紫>に興味を持ったんですよね。<紫>は、リーダーの<ジョージ紫さん>がマサチューセッツ工科大在学中にDPを聴いて衝撃を受けて、1972年に沖縄で結成。そしてメンバーチェンジを経て75年にデビューアルバムを発表。その圧倒的なサウンドで、いきなり日本ハードロック界のトップに。当時のメンバーはキーボードのジョージさんの他、ドラム&ヴォーカルの“チビ”こと<宮永英一さん>、ギターの<比嘉清正さん>と<下地行男さん>、そしてベースの<城間俊雄さん>と、ヴォーカルの<城間正男さん>の城間兄弟の6人です。76年にセカンドアルバムも発表するも、翌77年には突然解散してしまいます。その後メンバーはそれぞれ個々に活動を。また何度か再結成ライブも行っています。1999年からジョージ紫さんと宮永さんが中心となって<紫>を復活させ、ライブ活動を中心に活躍中です。そして今回はお二人の他に、オリジナルのギタリストの比嘉さんと下地さんも復活し、ベースには現8-BALLの<クリスさん>、ヴォーカルには元イースタン・オービットの<JJさん>が加わってのライブです。

 さて当日。<紫>は2番手の登場です。ステージのバックには<紫>の旗が掲げられ、客席にも<紫>の旗を振っているファンが。野音、入りは7-8割くらいかな?お客さんはやはり40-60代中心で白髪頭のオジサンがいっぱい。(おばさんも) ですが20代くらいの音楽ファンも結構集ってましたね。ステージ左には裏板をとっぱらったハモンドが、中央にはツーバスのセットが。
 16時5分ころ、司会進行の<ダディ竹千代さん>がバンド紹介して、クラシックのファンファーレが鳴り響くなかメンバー登場!です。大拍手大歓声で迎えられます。

 1曲目は「Dooms Day」。ミドルテンポのヘヴィロック。凄いサウンドです。まさしくハードロック!JJさんのヴォーカルも太くて迫力ありましたね。そしてドガァーン!って爆発音からはじまったハモンドのソロもパワフルで凄かったっす。
 続いて2曲目は「Do What Do Want」。トリルリフからはじまるシャッフルリズムのヨコノリの曲。間奏はギターソロ・ハモンドソロ・ギターソロと続いて。清正さんはクリーム色のスーツとボルサリーノでキメて。そして白髪の長いカーリーヘア&おヒゲ。ZZTOPみたいにシブくてかっくいいっす。ジョージさんはおっきいグラサンを。下地さんは短髪・バンダナで若々しい(?)スタイル。チビさんはおなかがちょっと・・・

 「ヒサシブリニ、オキナワカラキマシタ!ヨロシクオネガイシマス!」ってJJさんがたどたどしい日本語で挨拶。3曲目は「Take You For A Ride」。パワフルなドラムからはじまるミドルテンポの曲。間奏のハモンドソロもギターソロもブルージーでエモーショナルでかっこよかったっす。サビでのチビさんのコーラスも絶妙でしたね。

 「ヨロシクオネガイシマス!チビ!」ってJJさんが叫んで、パワフルな短いドラムソロがスタート!シンバルが1本倒れるハプニングも。もちろんスタッフの方がすぐに直して。そしてはじまった4曲目は「Mother Nature’s Plight」。チビさんがドラムを叩きながら歌う、ヘヴィなリフのミドルテンポの曲。途中からテンポアップして、チビさんが激しく叩きまくり、ギターが一旦ステージを離れてジョージさんのハモンドソロへ。そしてジョージさん、あのDPのライブでのSpace Trukin’のJon Lord氏のキメのトリルのフレーズを。往年のDPファンはニヤリとした場面でしょう。そして一転場面が変わって静かに波の音が聞こえてきてオルガンによるゆったりとした琉球メロディが流れて。そしてそれが徐々に盛り上がっていってアップテンポのヘヴィサウンドに。キーボードとドラムの掛け合いも。凄い迫力っす!曲が終わると「ミヤナガエイイチ!Vocal & Drums!」ってJJさんが叫んで。もちろん大拍手大歓声です。

 「20ネンマエノキョク」ってはじまった5曲目は、スローテンポのヘヴィなリフからはじまって、一転アップテンポのドライブ感たっぷりのノリノリ状態に。酔いもまわってハイになってきたお客さんがステージ最前にきたJJさんにコニャックの缶を投げ渡したり、白髪頭のおじさんが紙に包んだご祝儀を渡したり。間奏ではゆったりとしたテンポになってギターがメロディアスなソロを聴かせてくれて。

 「Thank you!」ってJJさん。ここでオリジナルメンバーの紹介を。それぞれ大拍手大歓声です。そして今度はジョージさんが新メンバーのJJさんとクリスさんを紹介。次の6曲目はクリスさんの新曲だそうです。ヘヴィなギターリフからはじまるミドルテンポのヘヴィな曲。なんとなくRainbowのArielに似てるような?
 曲が終わると同時にジョージさんのハモンドソロ。そこでDPのPerfect Strangersのイントロを弾いて。オォッ!ってお客さんがどよめいてました。そして始まった最後の曲が「Double Dealing Woman」。アップテンポのめっちゃノリノリの曲。ノッてきた後ろのほうのお客さんが前のほうにおしよせてきて。でもでもみなさん“大人”ですから無茶するひとはいなかったですね。約2名酔っ払ったオジサンが身を乗り出してたけど、混乱はナシ。

 曲が終わると大拍手大歓声のなか、メンバーはステージ袖へ・・・時計を見ると16時54分。約50分のライブでした。他にも聴きたい曲いっぱいあったから物足りないけど、今回は仕方ないっすね。機会があればハコが小さくてもいいからワンマンライブを体験したいっす。伝説のバンド<紫>、ヴォーカルが新メンバーだけに懐かしさとかノスタルジィに浸る雰囲気はあまりなくて、“今”のバンドという感覚が強かったですね。言ってみれば当時の曲をいま聴いても、全く古さを感じなかったってことかな。
 次のセットチェンジ中に竹千代さんがジョージさんを呼んで短いインタヴューを。今度7月に沖縄でピースフェスティバルを開催するそうです。<紫>の活躍はこれからも続きます。

08.5.17 ハモスフォルテン

2008-05-18 07:13:36 | ライブレポ プログレ2008-2011
◇ 2008.5.17 吉祥寺シルバーエレファント
<クラシカル・プログレッシブ・ワールド・ミュージック・ロック>
 エレキギターであるストラトキャスターに、クラシックギター等で用いるナイロン弦を張ってプレイする、という独創的なギタリスト<中島勝さん>率いるバンド<HAMOSVORTEN/ハモスフォルテン>。メンバーは中島さんの他、キーボードの<森井克彦さん>、ドラムスの<伊藤修さん>、そしてベースの<奥田陽康さん>の4人編成です。元々クラシックギタリストの中島さんが新たなる試みとして“バロック、ルネッサンス時代よりのクラシック音楽を現代に蘇らせる”という“輪廻”をコンセプトにはじめたこのバンド。2004年4月にアルバム「Ain’t No Progress/非プログレ宣言」を発表し、活躍中です。このアルバムを聴いてすっかり魅せられてしまい、いつかライブを見てみたいなって思ったんですけど、大阪のバンドだけになかなか見れる機会はないかなって。ちょっとあきらめ。そんなときにタイミングよく5月17日に吉祥寺の老舗のライブハウスで対バンのライブがあると知ってビックリ!ただ・・・すでに18日に開催されるライブイベントのチケットを押さえてあったもので、2日連荘のライブはどうかな?って。それと当初は出演順がわからなかったので、最後だったら時間的に無理かなって。するとハモスフォルテンのHPを見たらトップバッターのようなので、それなら遅くならなくてすむので大喜び!当日を楽しみにしてました。もう、いったいどんなサウンドなのか、ストラトにナイロン弦ってどんなギターサウンドなのか、ドキドキ・ワクワク♪です。

 さて当日。場所が吉祥寺で開演時間が18時なので、ちょっと余裕を見て15時半過ぎに家を出発。私鉄を乗り継いで18時15分前に吉祥寺駅到着。余裕のつもりがギリギリでした。ヤバかったっす。チケット&ドリンクを買ってフロアーへ。当初はお客さんもまばらでしたけど、はじまるころには結構埋まってたかな?関係者も含めて40-50人くらいかな?

 18時5分ころ、客席の照明が暗くなってメンバーがステージに登場!そして、どこか懐かしいようなほのぼのするようなSEが流れて・・・そしてギターのアルペジオのアップテンポのリフがはじまり、マレットによるシンバルロールが。そして♪ジャーン!ってかっこよくキメて。まず1曲目は「Prologue」。パワフルなピアノの爽やかな序章ですぐに 2曲目の「The Rock」へ。“Purple Haze”を思わせるモロに“ジミ・ヘン”しているアップテンポのかっちょいいハードロックです。想像よりもめちゃめちゃヘヴィでロックしてますね。ピアノもアグレッシブでパワフルだし、凄いっす!
 中島さんは黒のジャケット黒シャツに黒パンツ、そしてシルバーの十字架ペンダントでグラサンを。もしもヒゲをはやしてたらトニー・アイ○ミ氏にそっくりだったかも?でもギターはストラトだもんね。ナチュラルボディでピックガードなしアームなしで、リアにハンバッカーピックアップが1つ、そしてヴォリュームノブ1つでジャックはボディの裏のほうに。オリジナルギターのようですけど、ヘッドにはFenderってロゴが。ベースは6弦で迫力あってかっこよかったなぁ。ドラムもめっちゃテクニカルだし。

 続いて3曲目。ヘヴィなギターで、ドラムがパワフルにボレロのリズムを叩いて。ギターが伸びやかなフレーズを弾いて、ドラム・ベース・キーボードがあのボレロのリズムを。そしてリズムがアップテンポにかわって爽やかでロマンティックな展開に。ギターのフィンガリング、鮮やかでしたねぇ。中島さん、時折右手を上げて。リズムチェンジの合図かな?なんかRitchieさまみたいでかっくいいっす!プログレやジャズ系って、ほとんど動かないで演奏しているひともいますけど、中島さんは結構アクションやポーズもキメてますね。なんか見ていて嬉しくなっちゃいます。曲は再びボレロのリズムに戻ってそして徐々にスローダウン。ギターソロ・ピアノソロでFin。なのですが・・・曲の終わりがよくわからなかったっすね。お客さんも拍手のタイミングを失ってしまって。

 ここで、中島さんがマイクを持って「大阪からきました<ハモスフォルテン>です。」って。東京でのライブは今日で2回目だそうです。「宜しく!」って。そして今度は森井さんがマイクを持って。「MCはボクなんですけど、急にしゃべらせてくれって・・・」って。あはは!で、「まだ慣れないもので、お見苦しい点もあるかもしれませんがご勘弁を」みたいなことおっしゃってました。

 4曲目は、ギターのアルペジオからはじまり、ゆったりとブルージーな雰囲気で。ギターのフレースはメロディアスですねぇ。そして盛り上がっていって早弾きも。指板に目が釘付けです。凄い!曲調はパワーバラード風に。そしてリズムチェンジ。アップテンポの華やかでダンサブルな雰囲気に。ノリのいいリズムで、座っているのがもったいないくらい。そしてさらにテンポアップして、サウンドもヘヴィに。中島さんはステージ最前まできて、そして右手をあげて合図。

 「ありがとう!」って森井さん。続いて5曲目は、マンボみたいなリズムかな?ミドルテンポのベースラインからはじまって、メロディアスなギターリフが。そしてそれがちょっぴりジャジーな雰囲気になって、早弾きギターを聴かせてくれ、そしてベースのかっちょいいチョッパーも。そのあと哀愁ただようメロディアスなメロディを奏で、ピアノソロでFin。

 「ありがとう!」って森井さん。続いて6曲目は、バッハの「Prelude1/ハモスフォルテンの戦い」です。パワフルなドラムのロマンティックでメロディアスでダイナミックな曲。ピアノの華麗で美しいメロと、哀愁ただようギターフレーズが。ド迫力でドラマティックです。

 「あと2曲ですか。あの、曲目とかはあまり言わないほうがいいって言われたんですけど、いまの曲は“ハモスフィルテンの戦い”という曲で、次の曲は“祭りの精霊と鬼太鼓”という恐ろしい曲です。」って森井さん。7曲目は「Asturias/祭りの精霊と鬼太鼓」。シンバルロールとギターの暗いアルペジオからはじまる悲壮感漂うフレーズの力強い曲。なんとなく古代エジプトの景色が浮かんできたりして。中盤にはパワフルでテクニカルなドラムソロもちょこっと。そしてわざと音を外す不協和音的なピアノソロも。

 ギターはすでに弾きはじめてますが、ここで森井さんがメンバー紹介を。そしてオーラス8曲目は「Canon」。「パッヘルベルのカノン」のカヴァーですね。落ち着いた感じでスタート。ゆったりとした綺麗なメロディ、ついつい聴きほれてしまいます。心癒されるメロディですね。ナイロン弦の柔らかな音がたおやかな曲調にピッタリ合ってますね。ドラマティックなアレンジも素晴らしい。ギターとキーボードの掛け合いもあって見ごたえありました。

 「どうもありがとうございました!ハモスフォルテンでした!」って、大拍手のなかお辞儀をして挨拶を。時計を見ると18時57分。50分ちょいの素晴らしい演奏でした。もっとクラシックの静かな曲が多いのかと思っていたんですけど、思っていた以上にハードでヘヴィでパワフルでかっこよかったっす。それにギターはもちろんのこと、ベースもドラムもキーボードも、みなさんすっごいテクニカルで、指の動きやスティックさばきにもついつい見入ってしまいました。ノリノリの場面もあったし、聴きやすかったし、うっとりするような綺麗なメロディもいっぱいでもう大満足っす!観に行ってよかった!また東京方面に来てくれる機会があればぜひ観たいです。

 ハモスフォルテンのあと2バンドあったのですけど、残念ながら観ずに帰ることに。明日は日曜だけど朝から用事があるもので・・・それに明日も夕方イベントがあるものでね。