ひよりの音楽自己満足

自分の好きなアルバムやアーティストを紹介させていただきます。

宮野弘紀さん Diverge

2009-07-31 19:29:42 | ジャズ
 アコースティックギターによるインストミュージック。その第一人者でもあるギタリスト<宮野弘紀さん>。81年にデビュー作「マンハッタン・スカイライン」を発表。その後“日本のアール・クルー”と賞賛され、実際にアール・クルー氏との共演アルバムも83年に発表されています。そしてJAZZバンド<ライトスタッフ>や、<アコースティック・クラブ>というユニットにも参加されるなど大活躍。
 そして88年には3枚目のソロアルバムとなるこのアルバム「DIVERGE/分岐点」を発表されます。モノクロームの趣きのあるジャケット、いい感じですね。
参加メンバーはピアノ<フェビアン・レザ・パネさん>、ベース<早川哲也さん><中山英二さん>、ギター<田中靖二さん>、ドラムス<穴吹久男さん><平山恵男さん>、パーカッション<ヤヒロ・トモヒロさん><奥村恵子さん>、タブラ<逆瀬川健治さん>、スティールドラム<ヤン富田さん>です。
 アルバム1曲目は「Sophisticated Lady」。昼下がりのティータイムを思わせる軽やかでおしゃれなギターリフからはじまって、さわやかでここちよいメロディがミドルテンポでながれます。そしてピアノをバックにギターソロが。その後マラカスの軽快なリズムにのって短いピアノソロも。そしてギターソロ。ソフトな曲調のなかでの力強く歯切れの良いピッキングのギターサウンド、生っぽくていいですねぇ。
 2曲目は「晴れ間/Serein」。憂いを感じるようなギターフレーズからはじまって、そしてアップテンポのピアノリフにのって軽やかで爽やかなギターサウンドがながれて。テクニカルなギターとピアノの楽しいアンサンブルが楽しめます。中盤にはリズミカルなピアノソロが。雨上がりで滴がキラキラ輝いているような光景が目に浮かびますね。
 3曲目は「Scrapple From The Apple」。アップテンポの楽しいギターリフからはじまって、そこにドラムとピアノリフが入ってちょっぴりファンキーでトロピカルな感じに。中盤にはラテン系のリズミカルなギターソロ、続いてファンキーなピアノソロが。終盤ではギターとピアノのテクニカルなアツい掛け合いソロバトルが繰り広げられます。
 4曲目は「Stardust」。アップテンポのリズミカルなギターリフからスリリングに展開していきます。のスリリングなバトル、まるで抜きつ抜かれつの激しいカーレースのようです。ワクワクドキドキの楽しい曲ですね。
 5曲目は「Fairy」。ソフトで軽やかなギターリフからはじまる、とってもおしゃれで爽やかな感じの曲ですね。それがどんどんテクニカルでアツい演奏になって盛り上がっていきます。アップテンポのパーカッションリズムにのったアグレッシブなギターソロ、そして中盤には軽快なピアノソロが。終盤もギターとピアノの激しいバトルが展開されて、ラストはゆったりとFin。
 6曲目は「Old Folks」。ブルージーなギターフレーズからゆったりとはじまって、それがパワフルにエモーショナルに。そこにウッドベースがはいって力強く奥深い音色を響かせて。そしてギターとベースのブルーズベースのパワフルかつテクニカルなバトルが展開されます。
 7曲目は「Milestones」。いきなりアップテンポで軽快に楽しくはじまります。まずはめっちゃテクニカルでスリリングなギターソロ、続いてはリズミカルでアグレッシブなピアノソロが。両方ともに躍動感あふれるパーカッションのリズムにのって展開されます。その後パワフルなベースソロ、そしてギターとピアノのアグレッシブな掛け合いバトルが。ラストにはパーカッションソロが。
 8曲目は「Donna Lee」。ミステリアスな雰囲気からはじまって、ゆったりとした感じながらもテクニカルでパワフルなギターソロが展開されます。中盤からはアップテンポでリズミカルで軽快で楽しいギターソロが。
 9曲目は「369」。哀愁を感じるメロウなギターフレーズからはじまって、口笛、そしてミドルテンポのリズムがはいってのどかな雰囲気に。まずはスティールドラムの妖しい金属音が響きます。トロピカルながらも落ち着いた感じテで、南の島での夕暮れの海辺のような光景が目に浮かんできますね。中盤にはエモーショナルなギターソロが。
 10曲目は「Desire」。天才ドラマー故・上野好美氏に捧げる曲だそうです。哀愁ただようギターリフからゆったりと幽玄な雰囲気ではじまります。そしてウッドベースとジャジーなドラムとのブルージーなアンサンブルが展開されます。中盤にはパワフルなベース&ドラムのリズムにのったパワフルでハードなギターソロが。ラストはアルペジオのゆったりとしたメロウなギターリフでFin。
 11曲目は「分岐点」。アップテンポのテクニカルで軽やかな短いギターソロ曲。リズミカルでとっても楽しい感じですね。
 12曲目は「処女航海」。幻想的なさざ波のようなギターリフからはじまり、哀愁ただようギターフレーズがながれて。それが力強くテクニカルな展開になって盛り上がっていきます。アツいギターソロがたっぷりと堪能でき、聴き応えあります。 
 アルバムのライナーノーツのなかで宮野さんはこう書かれています。「(このアルバムは)88年の現在の記録としての旅の途中のスナップなのです。それ以上でもそれ以下でもなく・・・ただ一つ!言えることは、一つの“ふし”に来ている予感なのです。」と。これまでの作品よりもフリーインプロビゼーションプレイが光っており、より自由に、より生き生きとしたアツいギターサウンドが楽しめるアルバムですね。

White Fang 1

2009-07-28 06:56:14 | ジャパン・プログレ
 先日久々に中古品も扱っている某CD店へ。そしてジャパンプログレのコーナーを見てみると・・・なんとありました!以前からずっと探していた<White Fang/ホワイト・ファング>のミニアルバムが!しかもめっちゃお手ごろ価格だし。もちろん速攻で購入です。
 1990年に発表された<White Fang>の「CRIMSON WAVES」。89年12月から90年に2月にかけてスタジオでレコーディングされた音源のようです。メンバーはヴォーカル&ベースの<高橋竜さん>、ギターの<スズキ・クニアキさん>、キーボードの<小門学さん>、そしてドラムスはのちに桜庭統さんのバンド等でも活躍される<下田武雄さん>です。ライナーノーツには歌詞とクレジットしか書かれていないため、バンドの経歴などは全くわかりません。
 アルバム1曲目は「(In The East of)The Mediterranean Sea/地中海」。なにやら雑音が。朝ラジオを聞きながら目玉焼きを作ったりしているかのような生活音からはじまります。それがヘリコプターの飛ぶ音になり、そこからアップテンポのピアノリフがはじまって、そしてバンドがはいってキャッチーなメロディアスハードロックっぽい感じに。中盤にはエモーショナルなギターソロが。そのバックではベースがうねってます。続いてオルガンソロ、ピアノリフ、そして変拍子ユニゾンリフ、シンセソロとドラマティックに展開していきます。終盤ではテンポダウンしてダークでヘヴィな曲調になるも、再びメロディアスハードに戻ってFin。
2曲目は「One Step Closer To The Dawn」。ミドルテンポでベースリフとリムを叩く音からはじまって、ゆったりとしたシンセサウンドが響いて。しっとりとした感じのなかでヴォーカルがはいって抒情的な雰囲気に。間奏ではブルージーな泣きのギターソロのあと、テンポアップしてメロディアスな感じに。終盤にはアヴァンギャルドな感じのドラムソロも。
 3曲目は「Crimson Waves」。ゼンマイを巻く音、そしてオルゴールの音色が響き、ゆったりとした透明感のあるキーボードリフからヴォーカルが情感たっぷりに歌い上げます。間奏まずはゆったりと泣きのギターソロが。そしてサビを挟んで、ハードなギターリフからテンポアップしてアグレッシブなキーボードソロへ。そしてアップテンポのままかっくいいヴァースへめっちゃ盛り上がっていきます。ドラマティックな展開の素敵な曲ですね。ラストはしっとりとFin。
4曲目は「Everything You Do」。パワフルなドラムからミドルテンポではじまってパワフルなヴォーカルがはいって。ファンキーなかっくいい楽しいロックですね。間奏はギター・キーボード・ドラム・マウスハープと短いそれぞれのソロを廻して。中盤ではアップテンポでめっちゃ楽しいノリノリロック調になってアグレッシブなギターソロが。それがヴォリュームが下がって突然止まってしまって。ラジオのチューニングを変えてしまったかのように。これって最初の1曲目に戻るってことかな。
 プログレというよりも、プログレの要素もあるメロディアスハードロックって感じですね。バンドは1994年に解散したそうですが、メンバーそれぞれに現在も音楽界で活躍中のようです。
 手に入れることは無理かとほとんどあきらめていたアルバムがふいに手に入ってほんとビックリでした。ラッキーだったとしか言いようがないっす。

プログレッシブロック・ルネッサンス

2009-07-26 08:00:11 | ジャパン・プログレ
 先日は<水鏡/みずかがみ>と<月兎/つきうさぎ>が出演した「アートロック・フェス」というプログレ系バンドのイベントを観にいったんですよね。で、そのあとライブレポを書いたわけなんですが、そのときにふと思ったのが、その2つのバンドの元である90年代に存在したプログレバンド<PEDIMENT>のアルバムってないのかな?って。で、ちょっと検索してみたら、フルアルバムはないようなのですが、2曲ほど収録されているコンピレーションアルバムはあるようなので速攻で手にいれました。1998年にPRRから発売された「Progressive Rock Renaissance」です。光差し込む廃屋のなかに光る裸体の女性が。なんか意味深なジャケットですねぇ。このコンピレーションアルバムには当時頭角を表わしていた新鋭の5つのバンド<Triton><θ-theta-><PEDIMENT><HEAD POP UP><Seilene>のスタジオレコーディングの曲が1-2曲づつ収録されています。

<Triton>は、1991年にキーボードの<MIKAさん>、ベースの<中島昇さん>、ドラムスの<宮川ユキヒロさん>の3人で結成されたキーボード主体のEL&Pタイプのプログレバンドで、結成以来、精力的にライブ活動を重ねていったそうです。今回収録された曲は97年11月から98年1月にかけてレコーディングされた音源だそうです。
 まずは「CANAAN」。とっても爽やかで綺麗なシンセサウンドがゆったりと幻想的に響き、そしていきなりダイナミックでパワフルなリフがきてビックリ!そして変拍子リフにのってややハスキーな力強いヴォーカルが。メロディアスなハードロックって感じですね。間奏では壮大なシンセサウンドが響き、その後静かになって美しいピアノソロが。そこにオーボエのような音色がたおやかにながれ、そこにシンセサウンドが加わって徐々にダイナミックになってドラマティックな展開をみせます。そしてほのぼのとするような心地よい優しい感じのメロディや、明るくきらびやかで楽しいメロディも。ヴァースのあとの終盤にもパワフルなリズムにのってエモーショナルなキーボードソロ、アグレッシブなオルガンソロが。
 次は「UNREAL LOVE」。パワフルでスリリングなリフからいきなりはじまります。そしてミステリアスなリフにのってパワフルなヴォーカルが。キャッチーな感もあるハードロックですね。間奏はまずダークでミステリアスな雰囲気からはじまって、パイプオルガンの重厚なサウンドが響き、そしてアップテンポのリズムにのってソフトなキーボードサウンドが心地よく響き、そのあとアグレッシブなシンセソロへ。バックではベースが力強くうねってます。ラストはダイナミックに盛り上がってFin。
 この後バンドは宮川さんが脱退し、それからドラマーが何度も代わっていき、2005年にはGERARDや人間椅子やARS NOVA等で活躍された後藤マスヒロさんが参加されます。MIKAさんは99年から2002年までARS NOVAでも活躍されました。今現在のバンドのことはちょっとわからないっす。

<θ-theta->は、マニアの間では故・蝋山陽子さんが在籍されたバンドとして知られていますが、今回収録されている曲は、蝋山さんが加入される以前の1997年2月から3月にかけてレコーディングされた音源です。メンバーはキーボード<土屋裕子さん>、ベース&ヴォーカル<川上一人さん>、ドラムス<原田直幸さん>、ヴァイオリン<美ノ辺純子さん>、そしてゲストヴォーカルには<タマオさん>が参加されています。
 まずは「Footprints」。ゆったりと静かにベースの叙情的なメロディがながれ、そこにヴァイオリンの艶やかで美しい調べが加わって。そこにとっても素朴で可愛らしい女性ヴォーカルが語り口調のような感じではいって。そしてサビでは天使のような美しい歌声を。間奏ではテンポアップして軽快なリズムでテクニカルなヴァイオリンソロが。その後リズムが止まり、空間に様々な音が浮遊するような感じに。そしてミドルテンポのリズムがはいってテクニカルなキーボードソロが。バックではベースも自由に弾きまくってます。ソロバトルのような感じですね。それが終わると元のゆったりとした優しい雰囲気になって可愛らしいヴォーカルがはいって。そしてドラマティックなエンディングを迎えます。
 次は「Afternoon Sunlight」。キーボードからゆったりと静かにはじまり、そこに艶やかなヴァイオリンサウンドが響き、そしてシャンソン風の色っぽくもしっとりとしたヴォーカルがはいって。シンバル一発のあと、ゆったりと艶やかなヴァイオリンの音色がドラマティックに響いて。そしてそこに透明感のある綺麗なキーボードサウンドが加わってより美しく展開していって。ピアノの調べとヴァイオリンのフィンガーピッキングの音色も。ラストは美しい歌声が響いてFin。
 タマオさんは現在、ソウル系のヴォーカリストとして活躍中のようですね。

<PEDIMENT>は、バンドの詳しいことは全くわかりません。このアルバムの収録曲は98年の3月から8月にかけてスタジオでレコーディングされた音源です。メンバーは現在<水鏡>で活躍されているお2方、キーボード<阿南順也さん>、ドラムス<神山敬太さん>、そして現在<月兎>等で活躍されているお3方、ギター<村上ツネヒロさん>、ベース<小林タツヤさん>、ヴォーカル<ヤマガタ・ノリコ(麗奈)さん>です。
 まずは「旅の途中」。パワフルなベースリフからはじまって、歯切れのよいミドルテンポのビート、そしてヘヴィなギターリフが。ミステリアスな雰囲気のなか透明感のある中高音域のクリアで美しいヴォーカルがはいります。間奏まずは美しいキーボードサウンドのリフ、そしてベースリフをバックに幻想的なシンセサウンドが響いて。和風のしっとりとした音色、いいですねぇ。その後はギターのハードサウンドのアグレッシブなソロが。バックでは強風吹きすさぶ効果音も。終盤再びパワフルなリフにのってヴァースに戻ってピュアでクリアな美しいヴォーカルが。ラストは幻想的にしっとりとFin。
 次は「花見酒」。水鏡の2ndアルバムに収録されている曲の元曲ですね。パワフルでダイナミックなリフからはじまって、キーボードのリフからアップテンポの楽しい雰囲気に。ヴァースにはいると透明感のあるサウンドになってピュアなヴォーカルが。その後静かになって笙のような音色が響き、そこに鐘や太鼓の音が加わって平安調の調べが響き、ガットギターのアルペジオのリフレインとフルートのような素朴な音色がしっとりとたおやかにながれて。その後ミドルテンポのリズムがはいって叙情的な雰囲気に。そこからけだるい感じの艶っぽいヴォーカルがしっとりと。それがドラマティックに盛り上がっていって、和歌を紡ぐような歌い方でおごそかな感じに。その後アップテンポのリズムがはじまって明るく楽しい感じになってキーボードソロが。そして再びピュアなヴォーカルのヴァースへ。パワフルなギターリフときらびやかなキーボードサウンド、そしてそのままギターソロ、シンセソロと交互に続き盛り上がっていきます。ラストは一旦Finしたあと再び変拍子リフがはいってFin。
 和風のシンセサウンドや情緒たっぷりの展開、ほんと素敵です。それが現在は水鏡で堪能できるわけですね。そして麗奈さんのヴォーカル、素晴らしいですね。とっても美しくピュアでクリアでしかも繊細ながらも厚みも感じられて。PEDIMENTにも月兎にもいまだにフルアルバムがないのは残念です。

<HEAD POP UP>は、以前アルバムを紹介させていただいたので、曲もそのアルバムの収録曲ということもあり、今回は割愛させていただきます。すみません。

<Seilene>は、96年にキーボードの<竹内昌弘さん>が復帰されてリ・スタートされたそうです。その後ライブ活動を重ねて活躍されます。今回の収録曲は97年1月から5月にかけてスタジオでレコーディングされた音源です。メンバーは、ヴォーカルの<嶋崎琢也さん>、ギターの<工藤勉さん>、ベースの<工藤真さん>、ドラムスの<川渕裕滋さん>、そして竹内さんの5人編成です。
 曲は「希望なき未来」。いきなりパワフルで青春を感じるかっこいいヴォーカル&コーラスからはじまって、そして哀愁を感じるエモーショナルなギターソロが。そして美しいピアノのリフレインにのってメロディアスで力強いヴォーカルが。再びギターの哀愁フレーズがながれたあとヴァースへ。その後ちょっと篭った感じのサウンドのギターソロ、そしてパワフルに歌い上げるサビ、さらに情感たっぷりの泣きのギターソロが響いて。その後ヴァースに戻り、ドラマティックに歌い上げ、エモーショナルなリフがながれて。そしてそこからアップテンポのギターリフにのってハイポジションのベースソロが。その後パワフルなドラムにのってメロディアスかつエネルギッシュなギターソロ、アグレッシブなオルガンソロと続いて、ユニゾンのリフも。ラストは劇的ににもりあがって。10分近くのドラマティックな大作ですね。
 バンドはその後、2000年に待望の1stアルバムを発表し、コンスタントにライブ活動を続け、現在も活躍中のようです。

東京シンフォニックシンドローム

2009-07-24 06:54:30 | ジャパン・プログレ
 過去のジャパン・プログレを調べているなかで、優れたバンドであってもアルバム制作にまでいたらなかったバンドも数多くあったようで。“素晴らしいバンドだった”という記事をみるとそれは誰しもその音源を聴いてみたくなりますよね。たとえ1曲でも。そういった欲求に応えてくれたのが1990年頃にmade in japanレーベル等で発売された、いくつかの伝説のプログレバンドの貴重な音源を収録したコンピレーションアルバムですね。
 とあるプログレレビューサイトをみると、バンド名は知ってはいるもののその音源は聴いたことがないコンピレーションアルバムが紹介されていました。でももうとっくに廃盤なので手に入れるのは難しいなってほとんどあきらめていました。そんなときにいつものように某中古CD店のHPをみていたら、なんとそのアルバムがほぼ定価で売られていてビックリ!もちろん即買いです。
 そのアルバムは1990年に発売されたコンピレーションアルバム「伝説の彼方~東京・シンフォニック・シンドローム」です。当時東京を中心に活動していた4バンドの80年から82年頃の貴重な音源4曲が収録されています。
※本文はアルバムのライナーノーツを参考にさせていただきました。

 まず1曲目は最後に紹介させていただくことにして、2曲目から。<TIME UNIT/タイム・ユニット>というバンドの「The Clap」です。<TIME UNIT>は、キーボードの<春成恵一さん>が某音楽誌のメンバー募集欄で知り合ったギターの<関口孝さん>、ドラマーの<長沼武司さん>らと1979年に結成されたそうです。当初はベースとヴァイオリンも含めた5人編成だったそうですが、ほどなくその2人が脱退してしまい、あらたに<美狂乱>でも活躍された<久野真澄さん>をベーシストとして迎えて4人編成となって、80年8月にデビューライブを行ったそうです。サウンド的には実験的な要素も含んだJAZZロックだったようですね。今回収録の「The Clap」は82年6月23日に行われたライブの音源だそうです。
 スペーシーでミステリアスなシンセサウンドからはじまって、いきなりパワフルでダイナミックなリフが。そしてベースリフが不気味にリズムを刻み、キーボードとパーカッションがリズミカルに民族音楽のような雰囲気を醸し出して。その後ドラムとギターがはいってアップテンポながらミステリアスな感じで展開していって徐々にパワフルに盛り上がって、そしてピアノのハイテンポのエネルギッシュなリフが鳴り響き、テンポダウンしてベースの6/8ミドルテンポのリズムにのってエモーショナルなギターソロが。めっちゃテクニカルです。バックのグルーヴィなベース&パワフルドラム、最高っすね。続いてはテクニカルなキーボードソロ。その後リフに戻ってダイナミックに一旦end。そして幻想的なギターリフからゆったりとはじまって、キーボードの透明感のあるサウンドが綺麗に響いて。時折ベースの前衛的なサウンドも。その後パワフルなドラムがはいってダイナミックな展開になるも再び静かになって。そしてドラマティックなリフが響き、スネアロールと共にパワフルになってダイナミックなエンディングを迎えます。
結果的にこの日のライブがバンドの最後のライブになってしまったそうで。その後、長沼さんはラクリモーザ等で活躍されています。

 3曲目は<AQUAPOLIS/アクアポリス>の「”Aruapolis” Suite/アクアポリス組曲」です。<AQUAPOLIS>は、某大学のプログレサークル内で、クリムゾン・ブラッフォード・イエス等をコピーしていた仲間の中から、キーボードの<中潟憲雄さん>が中心となってオリジナル曲を演奏するバンドとして80年7月に結成されました。他メンバーはギターの<渡辺幸一さん>、ベースの<桑原聡さん>、ドラムスの<竹迫一郎さん>の4人編成です。この年の12月にデビューライブを行ってから本格的にライブ活動をはじめたそうで。サウンド的には竹迫さんがビル・ブラッフォードさんの熱狂的なファンだったこともあり、ブラッフォード+スペーシーキーボードサウンド、といった感じだったようです。今回の「アクアポリス組曲」は81年にスタジオでレコーディングされた音源だそうです。
 いきなりドラマティックなリフがファンファーレのように鳴り響いて。そしてアップテンポの壮大で華々しいサウンドがながれ、爽やかなフレーズが広がって。一面のお花畑を見ているかのようです。その後ベースリフからリズミカルで明るく楽しく爽快な感じのギターソロが。海岸線から夏の綺麗な青い海を眺めているかのようです。続いてはとっても綺麗なキーボードソロ。ピアノ・シンセ・オルガンが爽やかに響いて。そしてそのキーボードサウンドをバックにエモーショナルなベースソロが。一旦Finしたあと、ゆったりとスペーシーで幻想的なサウンドが響いて。水のなかにもぐって美しい水面を見上げているかのような感もありますね。再びFinしたあとスネアロールが鳴り響いてアップテンポのテクニカルなキーボードリフが。そしてシャッフルリズムでノリノリで明るく楽しい展開になり、テクニカルなギターソロも。ダイナミックで華麗なリフが響き渡ったあと、テンポダウンして劇的なエンディングを迎えます。めっちゃドラマティックでめっちゃ綺麗な曲。すばらしいシンフォニックサウンドにすっかり酔いしれてしまいました。
 その後、バンドはメンバーチェンジが頻繁になり、出入りが激しくなったようで。最終的には80年代末ころから中潟さんがゲームミュージックの仕事が忙しくなって自然消滅してしまったとか。

 4曲目は<GREEN/グリーン>の「都」です。<GREEN>は、”キャメロット”というバンドを元に結成されたそうです。メンバーはベースの<岡本英利さん>、ギターの<栗原務さん>、ドラムスの<菅野詩朗さん>、そしてキーボードの<白田朗さん>の4人編成です。サウンド的にはメンバーの高度な演奏技術を駆使したUKタイプのニュー・プログレ・サウンドを追求されていたそうです。今回の「都」は1980年11月20日に行われたライブの音源のようで。
 華麗なシンセサウンドとベースからはじまって、スネアロールと共にパワフルでダイナミックなサウンドが展開されます。チャイナ風のフレーズがミドルテンポで楽しくながれて。ドラムがこれまためっちゃパワフルですね。ベースもうねりまくってます。中盤ではスローテンポでエモーショナルなギターソロが。その後、和風のフレーズがしっとりとながれ、再びミドルテンポのパワフルな展開になってチャイナフレーズがダンサブルに響いて。独特なフレーズにめっちゃパワフルなサウンド、凄すぎっす。
 栗原さんは現在<Lu7>等で活躍され、管野さんは<KBB>で活躍中です。白田さんは<TMネットワーク>のサポートキーボーディストとしても活躍され、岡本さんは音楽界で活躍されています。

 そして1曲目は<Made in Japan Session Band>の「BABYLONIA/バビロニア」です。のちにジャパン・プログレの仕掛け人として名を馳せる<ヌメロ・ウエノ氏>が1980年頃に<Outer Limits><観世音><アクアポリス>のマネージメントを執り行うようになり、デモテープをメジャーレーベルに売り込むものの良い反応はなかったとか。そこで自主制作レーベル立ち上げの夢を持ってオムニバスアルバムを制作されたそうです。そのなかで各バンドの選抜メンバーによるオールスターセッションを計画。それがこの<Made in Japan Session Band>だそうです。メンバーはOuter Limitsのキーボード<塚本周成さん>、同じくOuter Limitsのベース&ヴォーカルの<杉本正さん>、<観世音>のキーボードの<鈴木伸一さん>、そして<アクアポリス>のドラマー<竹迫一郎さん>の4人です。今回の「BABYLONIA」は81年8月にスタジオでレコーディングされた音源のようで。
 いきなりダイナミックなフレーズからはじまりますが、哀愁ただようリフがながれ、しっとりとしたヴォーカルが。キーボードのリフのバックではパワフルなベースが。中盤まずはテクニカルなムーグソロ。続いてアグレッシブなシンセソロ。奥深い音色、いいですねぇ。バックではパワフルなドラム&うねりまくりベースが。その後一旦静かになってベースが鳴り響き、様々な音が空間を彷徨ってミステリアスな感じに。終盤ドラムが入ってダイナミックなサウンドになって再びヴァースへ。ラストはドラマティックにFin。
 このオールスターバンドも正式なバンドとしてスタートさせようと実際にライブも行ったそうですが、残念ながら1回こっきりになってしまったそうです。しかしこのアイデアは後に<VIENNA>結成の礎となったそうです。
 この80年代初期のウエノ氏の努力(種まき)が80年代中期に花を咲かせたわけですね。残念ながら音質はあまり良くありませんが、でもでもそのバンドの魅力は十二分に伝わってきますし、アツいパワフルな演奏もたっぷり楽しめますね。しいて言えばシンセサウンドの綺麗な<アクアポリス>はぜひとももっといい音質で聴いてみたいっす。どこかにないのかなぁ・・・

Crime Syndicate

2009-07-22 06:53:06 | ジャパン・プログレ
 ジャパン・プログレを調べているなかで気になったのが<White Fang/ホワイト・ファング>というバンド。一体どんなサウンドのバンドなのか興味があったんですよね。フルアルバムも発表されているようなんですが、なかなか手に入らず。そんなときに<White Fang>の曲が収録されているコンピレーションアルバムを見つけたもので、そちらを紹介させていただこうかと。
 1989年にキングレコードから発売されたアルバム「Crime Syndicate/クライム・シンジケート」です。このアルバムには89年7月23日にクラブチッタで行われたプログフェスのライブ音源の5バンド8曲が収録されています。ビッとしたスーツを着込んだ紳士とビリビリに破けた汚れたジャケットの人が波止場のようなところで握手している写真が。マンホールのマークからすると横浜かな?Pink Floydの炎/Wish You Were Hereのジャケットをパロってるんですね。
 1曲目と2曲目はフランスのプログレバンド<ATOLL>のライブ音源です。1曲目は「Tu Sais」。“ミナサン、コンバンハ!”って掛け声からはじまってヘヴィなギターリフと強力なベースが。ミドルテンポのパワフルなロックです。でもキーボードの音色はとってもクリアで綺麗ですね。終盤にはハードなギターソロが。“ドモアリガト!”って。
 2曲目は「L’age D’or」。美しいキーボードのリフからゆったりとはじまって、サビではテンポアップしてさわやかで楽しい感じに。中盤では爽快感たっぷりのメロディアスなギターソロも。とっても素敵な曲です。“メルスィー!”って。

 3曲目は女性プログレバンド<Rosalia>の「Reise」。幻想的なシンセサウンドとパワフルなベースリフからゆったりとはじまって、それにのってエモーショナルなギターフレーズがながれて。そしてアップテンポのピアノリフをバックにピュアでクリアな女性ヴォーカルが。間奏はゆったりと幻想的な雰囲気になるも徐々に盛り上がって、エモーショナルなギターソロへ。ドラマティックな曲ですね。

 4曲目は<Social Tension>の「MacbethiaⅢ」。パワフルなドラムからはじまってアップテンポで攻撃的なキーボードソロが炸裂します。そしてノリノリシャッフルビートになったり、抒情的なミドルテンポになったりダイナミックなオーケストラサウンドになったり。その後ピアノのリフをバックにしっとりとしたヴォーカルがはいってバラード風に。複雑に展開していくドラマティックな曲です。間奏ではメロトロンサウンドの叙情的な雰囲気や、美しいピアノのリフレイン、そしてアグレッシブなキーボードソロも。終盤は再びアグレッシブなキーボードソロが。そしてダイナミックにFin。

 5曲目と6曲目が<White Fang>です。メンバーはヴォーカル&ベースの<高橋竜さん>、ギターの<スズキ・クニアキさん>、キーボードの<小門学さん>、そしてドラムスの<カネキ・イサオさん>の4名です。バンドの経歴などは現時点では全くわかりません。
 まずは「Only Love Can Help」。リズミカルなキーボードリフにハードなギターリフがはいって、そしてハードポップ風なメロのヴォーカルが。間奏ではエモーショナルなキーボードソロ&ギターソロが掛け合いやユニゾンで展開されます。爽やかな感じのかっこいい曲ですね。
 続いては「Crimson Waves」。「しんみりとバラード聴いてください」って。ミドルテンポのキーボードリフからはじまってパワフルに歌い上げます。間奏まずは抒情的なギターソロが。そしてサビを挟んで、ハードなギターリフからテンポアップしてアグレッシブなキーボードソロへ。そしてアップテンポのままかっくいいヴァースへ。ドラマティックな曲ですね。ラストはしっとりとFin。

 7曲目と8曲目は<桜庭統さん>率いる<DEJA-VU>で、まずは「Concentration」。ドラムのカウントからダイナミックなリフが。そしてミドルテンポでオペラチックなヴォーカルがはいって。ミステリアスな雰囲気もありますね。間奏はアグレッシブなムーグソロ、ミステリアスなオルガンソロ、そして幻想的なシンセソロと続きます。スリル感のある曲ですね。
 続いては「DEJA-VU」。壮大なオーケストラサウンドからゆったりとはじまって、そしてミドルテンポのドラムがはいって落ち着いた雰囲気で展開していきます。サビは鮮やかサウンドでパワフルですね。間奏まずは変拍子のパワフルかつメロディアスなシンセソロが。一旦Finしたあと、ゆったりしたテンポで荘厳な雰囲気ではじまり、再びミドルテンポのパワフルなリズムでヴァースへ。終盤では劇的でダイナミックなオーケストラサウンドが鳴り響き、ゆったりとしたテンポのシンフォニックサウンドが雄大に展開していき、ドラマティックなエンディングを迎えます。曲が終わると「ありがと~!最後まで本当にありがと~!」って絶叫も。かっくいいっす。

 <White Fang>のアルバムがもし手にはいったらまた紹介させていただきます。

JAZZ ROCK COLLECTION

2009-07-20 08:50:32 | ジャパン・プログレ
 ジャパン・プログレ界がもっとも活気があったのは80年代後半から90年代初頭にかけてでしょうか。その頃に発売されたアルバムってもうとっくに廃盤になっていてなかなか手にはいらないんですよね。なので毎日のように某オクや某中古サイトをチェックしておりますが・・・
 先日、中古CDも扱っている某CD店の広告に“プログレ廃盤放出!”なんて書いてあったものでちょっと見に行ってきました。そこで手に入れたアルバムがこの「JAZZ ROCK COLLECTION」というアルバム。1989年にジャパンプログレの仕掛け人であるヌメロ・ウエノ氏率いるMade in Japanレーベルから発売されたコンピレーションアルバムです。メルヘンチックなかわいらしいジャケットですが、よくみると1人がイスに縛り付けられていて・・・ちと怖いっす。
 収録されているバンドは以前アルバムを紹介させていただいた<Black Page><KEHELL><Bellaphon>、そして<MASQUE>というJAZZロックバンド、最後に自分が最も聴いてみたかったバンド<AFFLATUS>。計5バンド7曲が収録されています。そのなかで・・・

 まずは<Black Page>。あの“手数王”スーパードラマー<菅沼孝三さん>が在籍されていたバンドです。凄腕キーボード・プレーヤーの<小川文明さん>が中心となって1985年に結成されたバンドで、ギターは小川さんの実弟(?)の<小川逸史さん>、ベースが<小峰恒夫さん>。このアルバムには以前紹介させていただいたアルバム「Open The Next Page」には収録されていない「Overture~Just a Little Dream」という曲が収録されています。ヴォーカルには<クボ・タミコさん>が、パーカッションには<クツノ・ユキヒデさん>が参加されています。
 キーボードの可愛らしくも幻想的なサウンドからゆったりとはじまって、そして綺麗なキーボードのリフレインからミドルテンポのリズムがはいって澄んだ歌声のメロディアスな男女のヴォーカル&コーラスが。とっても綺麗な曲ですね。中盤にはエモーショナルかつテクニカルなギターとキーボードの掛け合いが。徐々にテンポアップして躍動感あふれるスリリングな展開に。そして再び幻想的な透明感のあるヴァースへ。きらびやかなキーボードもハードなギターも心地よいベースラインも美しいヴォーカル&コーラスもちろんすばらしいんですけど、やはり静かな曲ながらも絶妙なドラミングに耳を奪われてしまいます。

 次は<MASQUE>。詳細はまだ調べておりません。このアルバムには89年7月にスタジオでレコーディングされた曲「Second」が収録されています。メンバーはキーボード<クチゴウチ・ヤスヒコさん>、ベース<クロイシ・ノボルさん>、ドラムス<セト・トシオさん>、ギター<タケウチ・カズミチさん>の4人のようです。
 ハイハットとトライアングルによるハイテンポのリズムに乗って美しいキーボードのリフとメロディとフレットレスベースの心地よいベースラインが響いて。そしてハードなギターが入ってファンキーでテクニカルなJAZZロックを展開していきます。途中一旦リズムが止まってベースソロが。その後再びアップテンポになってアグレッシブなギターソロが。
 以前に<MASQUE>のアルバムを聴いたことがあるんですけど、そのときは自分の好みとは違っていたのでその後ノーマークだったんですけど、この曲はいいですねぇ。

 次は<KEHELL>。<Mr,SIRIUS>のギタリスト<釜木茂さん>のバンドです。このアルバムには88年のKEHELL初期の曲「Triton」が収録されています。メンバーはベース<ジョウニシ・キョウタロウさん>、ドラム<濱田亨さん>です。Mr,SIRIUSこと、宮武さんに影響されて作曲したKEHELL最初の曲だそうで。波の音から静かにはじまってミドルテンポのさわやかな雰囲気に。ディレイの効いた美しく幻想的なギターリフが、心地よく吹くそよ風のようにながれて。裏ではテクニカルなベースラインが力強く底を支えて。中盤ではパワフルなドラムのフィルのあと、ハードでエモーショナルなギターソロが。流れるようなメロディアスな早弾き、かっくいいっす。終盤は再び幻想的な雰囲気になって静かにFin。 
 この曲は後に発表されたフルアルバムには未収録でしたので、こうして貴重な音源が聴けてめっちゃ嬉しいっす。

 次は<Bellaphon>。ドラマーの<Taiqui(富家大器)さん>が中心となって1982年に結成されたバンドで、メンバーはTaiquiさん、キーボードの<垣光隆さん>、ギターの<田中稔裕さん>。このアルバムに収録されている曲「Evros」は以前紹介させていただいたアルバム「Firefly」に収録されている曲ですので、詳細は割愛させていただきます。

 そして最も聴きたかったバンド<AFFLATUS/アフレイタス>。バンドの経歴等、詳細はまったくわかりませんが、のちにAsturiasに参加されるドラマー<桜井和美さん>のリーダーバンドで、パーマネントメンバーはギター<ウエダ・カズキさん>、キーボード<ナシザワ・ヒトシさん>のようです。このアルバムには2曲収録されていまして、まず1曲目は「Quanties」。この曲ではAsturiasの<大山曜さん>がベースで参加されています。テクニカルでダイナミックなリフからはじまってアップテンポで軽快なJAZZロックが。躍動感のあるチョッパーベースにのってギターとキーボードのリフが踊って。そしてダイナミックでパワフルなテーマメロのあと、ファンキーなベースリフにのってパーカッションの短いソロ、そしてムーグのエモーショナルなソロ&ギターのメロディアスなソロが。その後、ギターとキーボードの掛け合いのアツいバトルが展開されます。リズムパターンがTOTOの某曲を思い出しますね。かっくいいっす。
 2曲目は「Seven Beauty」。この曲ではスーパーベーシスト<永井敏巳さん>が参加されています。Vienna参加前の貴重な音源ですね。
 キーボードの美しく幻想的な雰囲気からゆったりとはじまって、そしてギターの泣きのメロディが情感たっぷりに響いて。その後テクニカルなドラムフィルからパワフルなベースリフがはいって、そしてベースリフとギターリフが掛け合いのように。そしてアップテンポで爽やかなギターフレーズが力強いベースラインにのって心地よくながれて。そしてダイナミックなシンセのリフあと、テンポダウンして幻想的でメロディアスなシンセソロへ。それがテンポアップしてムーグのアグレッシブなソロ、そしてエモーショナルでテクニカルなギターソロと続きます。終盤では思いっきりアグレッシブな弾きまくりでドラムとのバトルも。そしてそのままパワフルかつテクニカルなドラムソロへ。ラストはシンフォニックでドラマティックなエンディングが。素晴らしいっす。
 <AFFLATUS>はどうも正式なアルバムは制作されなかったようですね。他にもっと音源はないのかなぁ。もっと聴きたいっす。まあでもこうして2曲だけでも聴けてラッキーでした。

スパニッシュコネクション 7

2009-07-18 07:23:24 | スパニッシュコネクション
 タブラ・ヴァイオリン・ギターを操って、インドから東欧そしてスペインへのジプシーの道のりを音楽で表現するユニット<スパニッシュ・コネクション>。2001年から毎年コンスタントにニューアルバムを発表されていますが、2007年にはこの年の1月に原宿のライブハウスで行われたライブ映像を収録したDVDが発売されます。そして翌2008年に7枚目のアルバムを発表します。白地に赤い丸の、一見日の丸のような。でもよくみると緑のヘタのあるトマトなんですね。その中央にはカタカナで“スパコネ”って。アルバムタイトルは「Close to the Sun」。で、裏面の曲タイトルを見るとなんだか楽しそうな曲がいっぱいありそう。
 1曲目は「Close to the Sun」。アップテンポの軽快なギターリフからはじまるラテン系のとっても明るく爽やかでトロピカルな曲。ギターの軽やかで優しいメロディ、とっても心地いいっす。そしてテクニカルなギターソロ・リフのあと、一旦曲の雰囲気が変わって再びギターソロが。終盤では元の爽やかなリフにのってリズミカルなヴァイオリンソロが。
 2曲目は「SCN World Topics」。タイトル通のニュースです。トマト早食い競争って・・・爆笑!
 3曲目は「O-Edo!/おぉ!江戸」。超早ヴォイスタブラからはじまって、ミドルテンポの落ち着いた雰囲気のしっとりとした曲調に。ヴァイオリンの伸びやかな音色にうっとり。続いてはダンサブルなリズムでテクニカルなギターソロ、そして艶やかなヴァイオリンソロが。終盤ではギターとヴァイオリンのユニゾンのリフのあと掛け合いソロも。
 4曲目は「Kirite」。アップテンポのヴァイオリンのリフからはじまるアラビアンな雰囲気の曲。ヴァイオリンの妖しいメロディに酔ってしまいます。中盤ではエモーショナルなギターソロのあと、艶やかなヴァイオリンソロがたっぷりと。
 5曲目は「Hybrid J」。幽玄な感じのギターソロからはじまって、アップテンポの力強く情熱的な曲調に。ギターとヴァイオリンのユニゾンと短いソロが絡み合ってドラマティックに展開していきます。
 6曲目は「No Reason to Cry」。ゆったりとした郷愁ただよう抒情的なギターソロ曲。しんみりと聴き入ってしまいます。
 7曲目は「Tokyo Rumba/東京ルンバ」。軽快なリズムからはじまるアップテンポのルンバ。爽やかな感じのギターフレーズのあと短いタブラソロが。続いてメロディアスでテクニカルなギターソロがたっぷりと。
 8曲目は「Saikefuruku」。ラジオをチューニングしているかのように途切れ途切れではじまって、そしてアップテンポのどこか懐かしい感じの曲調に。中盤では妖しい雰囲気のなかでのタブラソロがたっぷりと。終盤ではサイケな女性コーラスが。
 9曲目は「Weather Report/SCN天気予報」。吉見さんの面白い天気予報です。“・・・まあ、細かいことは気にせずに楽しくやりましょう~”って。
 10曲目は「East Heat Beat」。とっても明るく楽しく爽やかでトロピカルなギターリフからはじまる心地いい曲です。短いタブラソロのあと、軽やかなギターソロが。そしてヴァイオリンとギターのユニゾンリフのあと、ちょっぴりダークな雰囲気になってテクニカルなギターソロが。それが再び明るく爽やかな感じになってヴァイオリンの艶やかな音色が響いて。ラストはめっちゃ楽しくFin。
 11曲目は「Night Flight/夜間飛行」。ミドルテンポのダンサブルな感じからはじまって妖しい女性のスキャットが。そしてダイナミックなリフのあと、アップテンポながらも哀愁漂うギターフレーズがながれて。中盤ではタブラをバックに再び妖しいスキャットが響いて。そしてテクニカルなギターソロも。リフの最初がStrangerみたいっすね。
 12曲目は「Someday My Princess Will Come/いつかお姫様が」。ゆったりとおだやかで優しいギターフレーズからはじまる、とっても心地よいギターソロ曲。後半はめっちゃテクニカルなギターソロがたっぷりと。そして終盤にはヴォーカルがちょこっと。
 明るく爽やかでとっても楽しい曲や情熱的な曲、そしてたおやかなメロディの曲やしっとりとした曲も。さらには“お遊び”もありの、<スパコネ>を存分に楽しめるアルバムですね。

スパニッシュコネクション 6

2009-07-16 07:03:25 | スパニッシュコネクション
 タブラ・ヴァイオリン・ギターを操って、インドから東欧そしてスペインへのジプシーの道のりを音楽で表現するユニット<スパニッシュ・コネクション>。2001年から毎年コンスタントにニューアルバムを発表されていますが、2006年にも6枚目のアルバムを発表します。ところが今回はTVドラマのサウンドトラックアルバムなんです。タイトルは「魂萌え!TAMAMOE」。そのストーリーはというと・・・ごく普通の主婦が、夫の急死によって、子供たちとの遺産相続争いや、亡夫の不倫発覚、亡夫の友人との火遊び、などなど人間関係の渦に巻き込まれ、そしてそのなかでも強く生きていく・・・といった感じのようです。そんな人間の感情をぶつけ合うドラマのBGMには感情豊かな<スパニッシュ・コネクション>のサウンドが最適と、番組プロデューサーの方が判断されたようで。
 アルバム1曲目は「予期せぬ出来事」。哀愁を感じるギターのリフレインからはじまって、アップテンポのパワフルなリフが。まずはギターソロ、続いて艶やかなヴァイオリンソロ。テクニカルなリフをはさんで短いタブラソロ、そしてエモーショナルなギターソロと続きます。ギターとベースのスリリングなユニゾンもかっくいいっす。そしてヴァイオリンソロ、ギターソロと続いて。情熱的な心踊る曲ですね。
 2曲目は「魂萌え!エンディングテーマ」。弾むようなリズムながらもしっとりとした感じではじまり、そして徐々にパワフルに盛り上がっていきます。伸びやかなヴァイオリンソロ、エモーショナルなギターソロと続きます。とってもリズミカルでダンサブルな感じですね。終盤には再び艶やかなヴァイオリンソロが。
 3曲目は「哀しみに果てに」。哀愁ただようメロディからゆったりとはじまって。そして嘆きの咆哮も。曲はミドルテンポで叙情的にしっとりと展開していきます。メロディアスなギター&ヴァイオリンの美しい音色に加えて、ベースがサウンドに厚みを持たせていていい感じですね。中盤にはエモーショナルな男性ヴォーカルが。そして哀愁ただようヴァイオリンソロ、ギターとのユニゾンも。とってもドラマティックな曲ですね。
 4曲目は「憂愁」。ヴァイオリンの暗く美しい音色からゆったりとはじまる、妖しい雰囲気の短いヴァイオリンソロ曲。
 5曲目は「混乱」。ダークな妖しい感じのリフレインからゆったりとはじまって、ミステリアスな雰囲気で展開していきます。まずはギターソロ、そしてパワフルなリフのあとはアップテンポになってリズミカルに。混沌とした感もある曲ですね。
 6曲目は「対峙」。ミドルテンポのパーカッションから妖しい感じながらもリズミカルにはじまって。まずはエモーショナルでメロウなギターソロ。それが徐々にエネルギッシュに。終盤では艶やかなヴァイオリンソロが。
 7曲目は「予兆」。前半は情熱的なギターリフからはじまるエモーショナルでエネルギッシュなギターソロ。中盤からタブラとヴァイオリンがはいってゆったりとした落ち着いた感じに。でもギターはめっちゃパワフルです。終盤にはヴァイオリンとギターの美しいユニゾンも。
 8曲目は「16時16分」。ゆったりとしたリズムからはじまって、そのままミドルテンポで展開していくタブラソロ曲。ですが終盤にリズミカルになって叩きまくって。バックにヴァイオリンの音色が静かに響いて。
 9曲目は「せつない想い」。ゆったりとしたリズムで哀愁を感じるフレーズが響いて。要所には男性コーラスも。ボサノヴァっぽい感じのアダルティな曲ですね。中盤にはロマンティックで美しいヴァイオリンのソロが。
 10曲目は「美しき娘」。タブラのミドルテンポのリズムからはじまって、ギターの明るく爽やかなフレーズがながれて。まずはアップテンポで軽やかなギターソロがたっぷりと。中盤からはゆったりとしたテンポでエモーショナルなギターソロが。終盤ではおだやかでほのぼのするようなメロディに。そしてラストはアップテンポのカントリー調で楽しくFin。
 11曲目は「忘られぬ人よ」。ゆったりとしたおだやかな感じで静かにはじまります。ほのぼのするようなギターの綺麗なメロディがたおやかにながれて。心癒される優しい曲ですね。
 12曲目は「魂萌え!(スローバージョン)」。哀愁を感じるギターフレーズからミドルテンポではじまって、そのままエモーショナルなギターソロがたっぷりと。
 自分はこのTVドラマは見ていませんでしたが、力強い情熱的な曲、迷宮を彷徨うかのようなミステリアスな曲、アダルティな恋の曲、混沌とするような不安感のある曲、そしてほのぼのするような安らぎの曲と、様々な人間模様や感情がドラマティックに構成されているように思います。素適なアルバムですね。

Ring 1

2009-07-14 21:41:01 | 新月・Asturias系
 <新月>のライブにサポートキーボード奏者として参加された<小久保隆さん>が70年代中期に組んでいたプログレバンド<RING>。その頃録音された音源が30年の時を経て2006年にCD発売されました。
※以下の文はアルバムのライナーノーツを参考にさせていただきました。
 <RING>は、小久保さんが大学の仲間らと当時組んでいたバンドだそうです。小久保さんは高校の頃からEL&Pのコピーバンドをやっていたとか。メンバーはドラムス&ヴォーカルが小久保さん、ギター<近藤正人さん>、ベース<浜田洋さん>、キーボード<森重行敏さん>の4人です。今回収録された曲は「魔術師の帝国」というオリジナルの5曲組の組曲で、コンセプトの元になったのは当時小久保さんがハマっていたC.A.スミス氏の小説の同タイトル「魔術師の帝国」だそうです。
 その発案のきっかけとなったのは、当時から交流のあった小久保さんの高校の1年先輩の津田さんと高橋さんが当時活動していたバンド<HAL>(新月の前身)のリーダーだった鎌田さんの世界観に影響されたそうです。
 ちなみにこの組曲「魔術師の帝国」は76年の某音楽雑誌主催のバンドコンテストで入賞をはたしたとか。
 アルバム「魔術師の帝国」。1曲目は「Prologue」。うねるようなサウンドからダークにミステリアスになじまって、そしてドラムインとともにパワフルでダイナミックなリフがはいって。そして一旦リズムが止まって再びうねるようなサウンドが響いたあと、パワフルなリフが。その後一旦Finしたあと、ゆったりと抒情的なキーボードサウンドが響き、そしてけだるい感じのヴォーカルがはいって。間奏ではエモーショナルなギターサウンドが響いて。続いては透明感のある綺麗な音色のキーボードソロが。そしてヘヴィなギターリフがパワフルなドラムとともにはじまって、アップテンポでスリリングなフレーズが響いて。それがドライブ感たっぷりになって、フレーズの間にちょこっとソロを絡ませたり。どんどん展開していくドラマティックな曲ですね。
 2曲目は「The White Sybil/白い巫女」。強風吹きすさぶ嵐の音からはじまって、ゆったりと綺麗なキーボードサウンドが響き、それとともに幻想的な感じのヴォーカルがはいって。コーラスもいい感じですね。ゆらゆらと見える砂漠の蜃気楼のような雰囲気でしょうか。中盤からハイテンポのドラムがはいって、まずはテクニカルなキーボードソロが。そしてバックではエモーショナルなギターソロが。ドラムも叩きまくっていて、激しいバトルを展開していきます。
 3曲目は「piano solo」。タイトル通りの美しい音色のテクニカルな短いピアノソロ曲です。
 4曲目は「The Desolation of Soom/スームの砂漠」。ゆったりとした抒情的なピアノソロからはじまって、そこに哀愁ただようギターフレーズもはいって。たおやかでしっとりとしたサウンドが朗々とながれて、ラストも静かにFin。
 5曲目は「Magic Lady」。ヘヴィでダイナミックなリフから盛大に力強くはじまって、そしてゆったりとエモーショナルなギターフレーズが響き、パワフルなヴォーカルがはいって、ドラマティックに盛り上がっていきます。美しいバラード曲ですね。間奏まずはハードでエネルギッシュなギターソロが。続いては躍動感溢れるドラムをバックにテクニカルなキーボードソロが。ドラムだけでなくベースもうねりまくってます。ラストはダイナミックでパワフルなリフが盛大に鳴り響いて劇的なフィナーレを迎えます。

 このアルバムにはボーナストラックとして76年の<RING>解散後に小久保さんが活動された<KOKUBO SYNTHESIZER WORKS>というユニットの2曲が収録されています。当時小久保さんは<バッハ・レボリューション>というシンセバンドにも参加されていて、シンセの多重録音にハマっていたそうです。今回収録された曲では小久保さんはアレンジやエンジニアを担当されて、実際にシンセを演奏しているのはメンバーの<松本かよさん>だそうです。
 曲は<HAL>のレパートリーである2曲です。小久保さんは<HAL>の録音なども手伝っておられたそうで、HALの曲の大ファンでもあったことから、今回収録のHALの曲をシンセでアレンジしてみたいと考えていたそうです。しかし曲中間のギターソロだけはシンセでは難しいので、津田さんに弾いてもらったとか。そして今回収録された曲は77年末から78年にかけてレコーディングされたそうですが、ドラムトラックだけがレコーディングされないままお蔵入りになっていたので、CD化を機に2006年にあらためてドラムをレコーディングして録音済みのトラックとミックスしたそうです。
 アルバム6曲目は「The Star of Sorrow/悲しみの星」。流れ星がキラキラと光って通りすぎていくかのようなサウンドからはじまって、そしてどこか懐かしいような抒情的なサウンドが静かにながれて。しっとりとした感じの幻想的な曲ですね。中盤からはミステリアスな雰囲気になり、オーボエのようなサウンドが響いたあと、重く暗く力強い音がズンズンと響いて。
 7曲目は「In Memory of Charnades the Pain/魔人カルナデスの追憶」。アップテンポのダイナミックなリフからいきなりはじまって、パワフルでとっても楽しいカラフルなサウンドがいっぱいに響きます。とっても勇ましくて聴いていると元気がわいてきますね。テーマメロのあと、まずはエモーショナルなギターソロが。その後一旦リズムがとまってスペーシーでダークで神秘的な雰囲気に。そして抒情的なサウンドがゆったりとながれ、荘厳なオルガンサウンドが静かに響きます。終盤では再びダイナミックなリフがパワフルに元気よく鳴り響いてFin。楽しいシンセサウンド、どことなく後に大ヒットするYMOの原点も見えてくる感じですね。
 このアルバムが発売された2006年には津田さん・高橋さん・小久保さんも参加された<新月>の再編ライブもあり、機運も高まって、HALのメンバーとRINGのメンバーが合体して<HAL & RING>として活動をはじめます。

高津昌行さん 1

2009-07-12 07:41:56 | 新月・Asturias系
 日本を代表するプログレバンド<新月>の前身バンドでもある、花本さん・北山さん・鈴木さんが在籍したバンド<セレナーデ>。そのギタリスト<高津昌行さん>のソロアルバム「信号」が2009年5月に発売されました。三日月の夜空のジャケット、趣があっていい感じですねぇ。このアルバムには1978年から83年にかけてレコーディングされた曲と、2008年に新たにレコーディングされた曲、計10曲。それとボーナストラックとして1976年のセレナーデの未発表曲2曲と、「科学の夜」に収録された曲の別テイクが収録されています。
 このアルバムを見てビックリしたのが・・・日本ヘヴィメタルの仕掛け人“メタルゴッド”<伊藤政則氏>のコピーが帯に書いてあったんですよね。なんでジャパンプログレアルバムにメタルゴッドが係わってるの?って不思議に思いました。そして封を切ってアルバムのライナーノーツを見てみると、セーソク氏が一筆寄せていてさらにビックリ。そこにはしっかりと高津さんとの交流史が記載されていました。メタルブーム以前のセーソク氏のことは全く知らなかったもので、その内容に「へぇ~、そうだったんだぁ~」って。詳しい内容までは書かないでおきます。
 さらにライナーノーツには花本さんも一筆寄せておられ、高津さんの曲解説のフォローも。めっちゃ読み応えあります。
 参加メンバーは花本さん、北山さん、鈴木さん。そして鈴木達哉さん(Ds.)、小松博吉さん(Ds.)、渡部高明さん(Bs.)、藤田秀さん(Ds.)、関根一樹さん(Piano)、西原秀範さん(Bs.)です。
 アルバム1曲目は「冬のランプ」。77年に書かれた曲で、セレナーデ解散後の不安な時期に、この曲を書き上げたことで将来に自信がもてたそうで。花本さん絶賛の曲です。Let it beを彷彿とさせるピアノリフからはじまってギターの哀愁たっぷりのリフが。そしてしっとりとしたしみじみしみわたるようなヴォーカルはいって、サビはドラマティックに盛り上がって。間奏は情感たっぷりのメロウなギターソロが。なんかジーンとくる素敵な曲ですねぇ。あの頃のフォークソングを思い出します。
 2曲目は「抱きしめたい」。82年に書かれた曲で、敬愛するThe Beatlesへの恩返しに同名の曲を作ったのだとか。お琴のような音色のミドルテンポのゆったりとしたリフから情緒たっぷりにはじまります。しっとりとした優しいメロディのヴァース。♪ボンボンってベースの音もいいなぁ。サビはささやかなラブソングって感じかな。とっても温かく、ほのぼのとした感じがたまらないっす。
 3曲目は「悪魔のトリル」。78年頃に書かれた曲だそうです。ゆったりとしたメロディアスなギターリフからはじまって、哀愁ただようヴォーカルがはいって。そしてドラマティックに盛り上がります。間奏では一旦リズムが止まって幻想的な雰囲気に。そしてリズムがはいってエモーショナルなギターソロが。ちょっとこもった感じの音色もいいですねぇ。
 4曲目は「信号」。83年頃に作られた曲で、今回再レコーディングされたそうです。マンドリンのトレモロ奏法のようなイントロからはじまって、ほのぼのとするようなゆったりとしたヴァースが。とても優しく暖かみを感じる曲ですね。間奏ではドラマティックなキーボードソロが。
 5曲目は「クルミの中はミルクティー」。81年に作られた曲だそうです。軽快なギターリフからはじまる、アップテンポの明るく爽やかなポップロック。サザンロックのようなロカビリーのような曲調ですけど、歌は青春ロックですね。間奏はきらびやかなキーボードソロ、終盤にはエモーショナルなギターソロが。
 6曲目は「プレリュード:ウィスコンシン州ポートバーグ」。哀愁ただようゆったりとしたアコースティックギターの短いインスト曲。どことなくHotel Californiaのイントロを思い出しますねぇ。
 7曲目は「フェンへ」。83年頃の曲で、漫画家:樹村みのりさんの漫画に感銘を受けて作曲されたそうです。いきなりミドルテンポのフォーク調のヴァースからはじまります。ほのぼのとした感じで、歌詞をじっくり聴き入ってしまう曲ですね。
 8曲目は「ノクターン」。80年に作られた曲で、今回再レコーディングされたそうです。ゆったりとした哀愁ただよう素朴な感じではじまります。中盤からはドラムがはいって曲に厚みと力強さが加わって。終盤にはメロディアスでエモーショナルなギターソロが。めっちゃドラマティックに盛り上がります。ラストはしっとりとFin。
 9曲目は「燃え尽きた心に残るものは」。78年に作られた曲だそうです。アコースティックギターのメロウなリフからはじまって、ゆったりとした素朴な感じの曲調に。叙情的な雰囲気もあるしっとりとしたフォークソングですね。
 10曲目は「海にとけこんで」。79年にセーソク氏の依頼で作曲されたそうです。エモーショナルなギターソロからゆったりとはじまって、メロウなヴォーカルがはいって。美しくドラマティックなバラードソングですね。間奏は綺麗なピアノソロ、続いてメロウなギターソロが。終盤にも感動的なギターソロがたっぷりと。 
 11曲目は「組曲“夜話”強い光~悪夢~川に沿って歩いて」。76年のセレナーデの未発表曲です。パイプオルガン調のゆったりとした荘厳な雰囲気からはじまって、ギターリフとともに抒情的なヴォーカルが。それが徐々に盛り上がっていきます。複雑でアラビアンなリフのあとはゆったりとほのぼのとしたキーボードのフレーズがながれ、ギターソロも。メロディアスなサビのあとは突然曲が止まってそしてダイナミックなリフとダークで神秘的なリフが交互に。♪ドッテテドッテテってベースラインが印象的ですねぇ。ラストはゆったりとほのぼのと。でも電子音が鳴り響いたり。
 12曲目は「オリュンボスの落日」。同じくセレナーデの未発表曲で、この曲の完成を待たずしてセレナーデは解散してしまって、歌詞が仮歌のままなんだだそうで。メロディアスなフレーズからゆったりと静かにはじまって、抒情的なギターソロが。そしてか細いしっとりとしたヴォーカルがはいって。中盤はシンバルロールからダイナミックなドラムとスペーシーなシンセが入り、ドラマティックに盛り上げていきます。その後再び静かになってメロトロンの音色が静かに響き幻想的な雰囲気になるも、徐々に盛り上がっていってスペーシーなシンセソロが。パワフルなドラムとともに劇的に展開していきます。
 13曲目は「回帰」。アルバム「科学の夜」に収録されたものとは別テイクだそうです。ハイハットから静かにはじまって、そしてダイナミックでドラマティックなリフが入って。ヴァースは静かにしっとりとしたヴォーカルがはいって情緒溢れる雰囲気に。間奏まずはエモーショナルな泣きのギターソロが。バックのベースラインもキーボードもいい感じだしてますねぇ。終盤は劇的にドラマティックに展開していきます。エモーショナルなギターソロもあり、めっちゃ盛り上がってFin。
 ソロ曲はプログレというよりも、まさに70年代後半のあの頃のフォーク&ニューミュージックって感じでしょうか。なにかとても懐かしく、しかもほのぼのとした感じの曲も多くて、すっかり聴き入ってしまいました。中盤のポップロックもいいアクセントになってますね。そして終盤のボーナストラックのセレナーデ曲はまさしく新月の世界ですね。情緒たっぷりのドラマティックな和風プログレ。最高っす!アルバム発売を機にライブとかないのかなぁ・・・