ひよりの音楽自己満足

自分の好きなアルバムやアーティストを紹介させていただきます。

パワーハウス

2009-03-31 06:55:46 | 70's J-Rock
 港町<横浜>。いまも外国人が多く住み、当時はその外国人によって最新の音楽がもたらされ、その耳の肥えた外国人を相手に演奏して腕を磨いて、後に大成するミュージシャンが多く輩出されているかと。その1人である伝説のギタリスト<陳信輝さん>。陳さんは当初はドラマーとして、1966年にギタリストの<ルイス加部さん>、ベース&ヴォーカルの<竹村栄治さん>と3人で<ミッドナイト・エキスプレス>というバンドを結成します。が、メンバーが流動的でしかも加部さんが後のザ・ゴールデン・カップスに参加するために脱退してしまったので、陳さんはギターに転向し、バンド名も<ベベス>として活動するも68年に解散。
 そして“横浜”といえばこの方、まだ大学に在学中だった<柳ジョージさん(ベース)>と、ドラマーの<野木信一さん>、そしてヴォーカルの竹村さんの4人で再び<ベベス>を復活させ、米軍キャンプやJAZZ喫茶で活動し、バンド名を<パワー・ハウス>と改め、メジャーデビュー。69年3月にシングル「バック・イン・ザ・USSR」でデビューし、4月にこの写真のアルバム「ブルーズの新星~パワー・ハウス登場!」を発表します。国産ブルーズ・ロックの代表作とも言えるこのアルバム。曲は全てThe BeatlesやCREAMやジミヘンさんなどのカヴァーです。
 1曲目は「Back In The U.S.S.R.」。ホンキートンク調のピアノのフレーズからはじまり、スローテンポのリフが。けだるい感じでしかもパワフルなヴォーカルとムーディなマウスハープの音色のベタベタなブルーズです。間奏ではギターソロやマウスハープソロ・ピアノソロが。
 2曲目は「Hootchie Kootchie Man」。ゆったりテンポのパワフルなブルーズ。マウスハープが曲を盛り上げます。ヘヴィなギターリフもいいですねぇ。間奏ではエモーショナルなギターソロやマウスハープソロが。
 3曲目は「I Want To Know」。早いテンポのギターリフからはじまるブギー調のノリのいい楽しい曲。ドラムは叩きまくりで、ギターも弾きまくって。ヴォーカルもパワフルでシャウトも聴かせて。
 4曲目は「Foxy Lady」。ギターのハンマリングから♪ズンズンジャーカのヘヴィなリフが。ミドルテンポのヘヴィブルーズ。ジミヘンさんばりのギター、リフもソロもめっちゃかっくいいっす。
 5曲目は「You’re A Better Man Than I」。おだやかな感じのギターリフからはじまる、哀愁を感じるメロディアスなポップス調の曲。間奏でのエモーショナルなギターソロ、いい味だしてますね。
 6曲目は「Ob-la-di Ob-la da」。言わずと知れたThe Beatlesの曲。ポップでファンキーで楽しいパーティソングになってます。サビのリズムがちょっと変かな?ギターがいいアクセントになってますね。
 7曲目は「Spoonful」。ギターリフからはじまるミドルテンポのヘヴィブルーズ。間奏ではギターもベースもめっちゃ弾きまくりで、ドラムもめっちゃパワフルで、延々とアツいインプロバトルを15分間繰り広げます。
 8曲目は「Good Morning Little Schoolgirl」。ベースのブギー調のリズミカルなリフからアップテンポのノリのいいリズムではじまります。間奏のヘヴィサウンドのギターソロ、めっちゃかっくいいっす。バックのベースもパワフルにうねりまくりで。この曲でも延々15分アツいインプロバトルが繰り広げられます。ギターソロ・ベースソロ・マウスハープソロも。ラストも弾きまくり&叩きまくり&シャウトでFin. 
 本格派ブルーズ・ロックバンドと玄人受けはしたものの、残念ながら70年3月に解散してしまいます。ちなみに今回手に入れたこのCDはなんと2008年にドイツで発売されたものなんです。日本の古いロックがこの年になって海外で発売されるとはビックリです。

エイプリル・フール

2009-03-30 07:01:41 | 70's J-Rock
 ここ数年に再発された日本ロックの名盤に感動して、その後いろいろ漁っているうちに、後の音楽界をリードすることになる凄いメンバーのこのバンドに行き着きしました。そのバンドは69年に結成された<エイプリル・フール>です。このバンドは<フローラル>というGSバンドの<小坂忠さん(Vo.)><菊池英二さん(Gr.)><柳田ヒロさん(Org.)>の3人に<バーンズ>というバンドの<細野晴臣さん(Bs.)><松本隆さん(Dr.)>の2人が加わって69年4月に結成されました。
 バンドはライブ・ディスコ等で活躍し、ブルーズやプログレなどインプロビゼーションを交えたスリリングな演奏を繰り広げて人気を博していって、当時、アメリカの音楽雑誌にも紹介されたそうです。このアルバムは同年の6月から7月にレコーディングされたそうで、当時世界で流行っていたアートロックの雰囲気やベタなスロー・ブルーズが主体になっていますね。
 1曲目の「Tomorrow’s Child」はモロにジミ・ヘンさんの影響をうけた感じで、聴いていて「Hey Joe」が浮かんできました。あとオルガンかヴォーカルかよく分からないんですけど思いっきりエフェクトのかかったうねった音は聴いているとちょっと気持ち悪くなりましたね。
 暗いイメージの曲が多いんですけど、なかにはスタジオセッションをそのまま録音したかのような、メンバーの掛け声や合いの手や指笛や拍手みたいのもそのまま収録された曲もあって、そういうのは聴いていて楽しいですね。
 「暗い日曜日」という曲は細野さんと松本さんがバーンズ時代に作曲されたそうで、これはお二人の後のバンドにつながっていく曲調のようです。
 GSからロック・フォークへと変わっていく端境期の試行錯誤というか、様々なスタイルが詰め込まれたアルバムですが、個性の強い多才なメンバーが集まったバンドだけにこのアルバムが発売される10月にはもうプログレ・インプロの即興演奏志向の柳田さんと、フォーク・日本語ロック路線の細野さんらが音楽性の相違で分裂してしまって、結局バンドは解散し、細野さんと松本さんはあの<はっぴいえんど>を結成し、他メンバーはソロ活動へ。
 いろいろな意味を含めて日本のロック史のなかでもターニング・ポイントとなった重要なバンドであり、アルバムと言えるのではないでしょうか。

フラワートラヴェリンバンド Make Up

2009-03-28 07:21:40 | 70's J-Rock
 アメリカ・カナダで成功をおさめた<フラワー・トラベリン・バンド>。72年2月にアルバム「MADE IN JAPAN」を発表し、そして帰国。3月から全国ツアーを敢行します。そして73年には2枚組のアルバム「Make Up」が発表されます。ライブが終わったあとにステージにスタッフ全員が集まって記念撮影でもしたかのようなジャケット。このアルバムは72年9月に横須賀でおこなわれたライブでレコーディングした曲とスタジオレコーディングの曲がごちゃまぜになっています。
 アルバム1枚目1曲目は「All The Days」。いきなり歓声と拍手からはじまりミドルテンポの力強いリズムにのって幽玄な感じのギターとオルガンのリフが。そしてけだるい感じのヴォーカルがはいって。間奏ではゆったりとしたワウを効かせたギターソロが。サイケ調の不可思議な世界感たっぷりですね。ラストはヴォーカルとギターがユニゾンでメロを奏でて。
 2曲目は「Make Up」。オルガンのクラシカルなフレーズからはじまってアップテンポのリズムがはいって、メロディアスなハードロック調に。めっちゃかっくいいっす。終盤にはハードなオルガンソロも。
 3曲目は「Look at My Window」。アコースティックギターの素朴な音色のリフからはじまる、ゆったりとしたのどかな雰囲気の心地よい曲調。コーラスもほのぼのとしたキーボードの音色もいいですねぇ。2ヴァース終わったところでテンポアップしてまずはオルガンソロ。続いては琉球音階の爽やかで伸びやかなギターソロが。そのあとは元ののどかな雰囲気に戻って。
 4曲目は「Slowly But Surely」。オルガンのグリッサンドからダイナミックなリフが。しばし沈黙のあとティンパニとキーボードの音色が響いて、そしてヘヴィなギターリフが。ミドルテンポのややダークなリフでパワフルなヴォーカルがはいって。メロウでかっくいいヘヴィロックですね。
 5曲目は「Shadows of Lost Days」。スローテンポのパワフルなブルーズ。ライブ音源です。ジョーさんが情感たっぷりに歌い上げて。そしてメロウな泣きのギターソロも。終盤では超人的なハイトーンでシャウトして。
 6曲目は「Broken Strings」。透明感のある幻想的なサウンドからゆったりとはじまって、ピアノのリフをバックに叙情的なヴォーカルが。そして間奏ではエコーがほどよくかかった幻想的なサウンドのギターソロも。ドラマティックなバラードですね。 
 アルバム2枚目の1曲目はライブ収録の「Hiroshima」。歓声、そして♪ジャーンってバンドイントロからはじまって、一瞬の静寂のあと不気味さただようミドルテンポのオリエンタルでダークなリフが。そしてハイトーンのうねるヴォーカルのヴァースへ。2ヴァース後、テンポアップしてパワフルでダイナミックな展開に。まずはワウの効いたエモーショナルなギターソロがたっぷりと。続いては重厚なベースソロ。バックではドラムがパワー全開で叩きまくって、そのままドラムソロへ。その後はギターとベースの短いソロの掛け合いも。ラストはめっちゃ盛り上がってFin。
 2曲目は「Blue Suede Shoes」。ロックンロールのスタンダードですね。ホンキートンク調のピアノから陽気に楽しくはじまって。この曲のヴォーカルは内田裕也さんですね。イカしてますねぇ。最初の間奏ではかっくいいピアノソロ、次の間奏ではロックなギターソロが。
 3曲目は「SATORI part2」。やっぱライブは迫力倍増ですね。凄いっす。 4曲目は「After The Concert」。スタジオ曲です。シンバルからはじまって、ゆったりっとした浮遊感のあるゆったりとしたのどかな感じのサウンドがただよって。透明感のあるキーボード、けだるい感じのスライドギター、そして天高くから聞こえてくるハイトーンのスキャット、まるで天空の音楽ですね。
 ライブのド迫力の白熱のパフォーマンス、アツい高度な演奏を繰り広げていて圧倒されちゃいます。スタジオ曲も奥が深く幅も広くスケールの大きな独特のサウンドを聴かせてくれて、めっちゃ聴き応えのある凄いアルバムですね。
 この頃、日本はフォーク全盛。<フラワー・トラベリン・バンド>は素晴らしい作品をつくりながらも一般の聴衆にはまだ理解してもらえず、セールス的にもいまひとつだったことから残念ながら73年4月の京都でのコンサートを最後に解散してしまいます。
 その後はメンバーそれぞれに活躍されますが・・・2007年暮れにメンバー全員が還暦を迎えたこともあり、単なるノスタルジィではなく、新たなスタジオアルバムを発表し、再び世界を目指すという挑戦者精神の完全復活宣言。(ちなみに石間さんはこの復活では、自分はシターラを演奏することを条件につけたとか。) この復活では70年代もサポートキーボーディストとしてバンドを支えた<篠原信彦さん>が正式にメンバーとして迎えられ、5人編成でスタートです。
 まず2008年7月のフジロックフェスで復活ライブを。そして9月に実に35年ぶりとなるニューアルバム「We Are Here」を発表し、全国ツアーを開始。そして10月には実に36年ぶりとなる日本ロックの聖地である日比谷野音でライブを敢行。あいにくの雨でしたけどアツい演奏を、その勇姿をまざまざと見せ付けてくれました。今後の活躍もすっごい楽しみです。

フラワートラヴェリンバンド SATORI

2009-03-27 06:55:06 | 70's J-Rock
 当時“ロックは英語で”と提唱し、<フラワーズ>を率いていた日本ロック界の重鎮<内田裕也さん>が世界で通用するバンドをと、自らのバンドを発展させプロデュースしたのがこの<フラワー・トラベリン・バンド>。メンバーは、元フォーナインエースのヴォーカリスト<ジョー山中さん>、元ビーバースのギタリスト<石間秀機さん>、元タックスマンのベーシスト<上月ジュンさん>、そしてそのフラワーズのドラマー<和田ジョージさん>の4名です。
 70年にサバスやクリムゾンなどのカヴァー曲を収録したアルバム「Anywhere」を発表します。そして大阪万博博覧会で行われた音楽フェスに出演。そこでカナダのロックバンド<ライトハウス>に気に入られてカナダへ行くことに。
 バンドの音楽は、内田さんの発案で、歌詞は全曲英語で、そしてさらに東洋の音階を用いたオリジナリティ溢れる音楽を基本ラインとして活動。そして評価を得てアメリカのレコード会社と契約し、71年4月にアルバム「SATORI」をアメリカとカナダで発表されます。仏像がデザインされたスピチュアルなジャケット。すっごいインパクトありますね。このアルバムは“悟り”をテーマとしたpartⅠからⅤまでの5部構成の組曲となっています。
 「PartⅠ」は最初にピーって警告音が鳴り、そしてシンバルの音が神秘的に静かに鳴り響くと、いきなりジョーさんの野生的な凄まじいシャウトがはいってビックリ!そしてミドルテンポのダークでヘヴィなリフがはじまって。それがアップテンポのリフになりZEPの移民の唄のようなヴォーカルが。めちゃめちゃかっくいいっす。そして再び元のミドルテンポのダークなリフになって暗く低いトーンのヴォーカルが。そしてハイトーンのアップテンポのサビが。めっちゃパワフルでダイナミックな凄い曲です。
 「PartⅡ」はドラムが躍動感あふれる和太鼓のリズムで力強く叩いて、そしてスピチュアルなラーガ奏法のギターリフが。そこにパワーハイトーンのヴォーカルが加わって。まるでお経のような雰囲気のする不可思議な音世界が構築されています。聴いていると不思議な魅力にとりつかれてしまいますね。間奏では和太鼓リズムが続いたあと、サイケデリックなギターソロが。パワフルなリズムは日本の男衆の激しいぶつかり合いの祭りの光景が浮かんできそうです。
 「PartⅢ」は耳をすませてないと聴こえないくらいの小さな音から静かにゆったりとはじまり、そしてスピチュアルでダークなギターリフが響いて暗黒の世界へいざなってくれます。中盤では曲調が変わってヘヴィなギターリフからアップテンポのパワフルなハードロックになり、かっちょいいギターソロがたっぷりと。そし急にリズムが止まって暗黒の混沌とした世界が広がって、再びダークなリフが支配して。そして終盤では一転ハイテンポで凄い勢いで押しまくります。
 「PartⅣ」はのどかなギターフレーズからゆったりとはじまり、そして一転フィードバック音からヘヴィなギターリフがはじまってパワフルな展開に。ミドルテンポのファンキーなリズムでパワフルなシャウトが。中盤ではテンポダウンしてブルージーな展開に。マウスハープのけだるい感じ、いいですねぇ。続いてはエモーショナルなギターソロが。その後再びファンキーなリフに戻って、ラストはめっちゃ盛り上がり。
 「PartⅤ」はスリリングなリフからはじまって、そしてゆったりとしたテンポで日本民謡のような節の情感たっぷりのスキャットが。そして同じく民謡のような節のギターソロがたっぷりと。なにか竹田の子守唄あなにかを聴いているかのような感じですね。ラストはパワフルに劇的にFin。
 超人的なジョーさんのハイトーン、ラーガ奏法を駆使した石間さんのギターなどメンバーそれぞれのハイレベルな演奏力、そしてオリジナリティあふれる楽曲構成による素晴らしい作品ですね。
 シングルカットされた「SATORI part2」はカナダ各地のチャートで30位以内に入ったとか。

内田裕也とフラワーズ

2009-03-26 06:56:05 | 70's J-Rock
 日本のロックを語るうえで、やはりこのお方にご登場願わねば、と。日本ロック界の“ゴッド・ファーザー”<内田裕也さん>です。裕也さんは高校の頃からプレスリーに憧れ、1957年に音楽で生きていくことを決心し、バンドボーイを始めて、そしてまもなく佐川ミツオさんと共に<ブルー・キャップス>というロック一本のバンドを結成されたそうです。翌58年には自己のバンド<ブルージーン・バップス>を結成されたとか。メンバーには中村泰士さん、北原謙二さんがいらしたとか。59年には伝説の「日劇ウエスタン・カーニバル」に出演し、60年には、かまやつひろしさん、高見純さんらと<サンダーバード>というバンドに参加されたそうです。62年頃には<田川ジョージとダブル・ビーツ>に参加。当時はポップスが流行していたので、音楽事務所からも要請があったそうですが、裕也さんは拒否したとか。また、<寺内タケシとブルージーンズ>にヴォーカルとして参加されたり、プレスリーの直訳カバーシングルを多数発表されたりしたそうです。
 64年にはThe Beatlesに衝撃をうけ、そして66年の来日公演には尾藤イサオさんらと「ウェルカム・ビートルズ」という曲を作ってオープニングアクトを飾って。その頃裕也さんはタイガースの前身であるファニーズを見出し、当初<内田裕也とタイガース>としてステージデビューされたとか。ところが、67年にタイガースが某音楽事務所に加入したためにロックを貫くことができなくなり袂を別れたそうです。傷心の裕也さんは日本に嫌気が差してヨーロッパへ。するとそちらはCREAMやThe Whoやジミヘンさんの登場で盛り上がっており、裕也さんは新たなロックムーヴメントに衝撃をうけて元気を取り戻したそうです。
 ヨーロッパから戻った裕也さんは68年、“和製ジャニス”とも言える凄い女性ヴォーカリスト<麻生レミさん>を擁するロックバンド<内田裕也とフラワーズ>を結成します。メンバーは裕也さんとレミさんの他、ヴォーカルの<千葉ひろしさん>、ギターの<小林勝彦さん>、ドラムスの<和田ジョージさん>、ベースの<橋本健さん>です。そしてこの年に写真のデビューアルバム「Challenge!」を発表します。インスト1曲以外は全てCREAMやジミヘンさんやジャニスさんなどのカヴァー曲で構成されているアルバム。日本のミュージシャンが英国のニューロックに“チャレンジ”しています。ジャケットは・・・男性メンバーの裸体はともかくも、レミさんの美しいヌードに惚れ惚れしちゃいますね。ちなみにこの写真は男性陣の写真にレミさんの写真を被せた合成なんだそうです。
 アルバム1曲目は「Combination of The Two/ふたりだけで」。英語のナレーションからはじまり、いきなりの絶叫が。そしてアップテンポのファンキーなリズムでノリノリのヴォーカルが。男性ヴォーカルとレミさんのハスキーでパワフルなヴォーカルが絡み合って。間奏のスライドギターソロもハードでエモーショナル。
 2曲目は「Intruder」。ネコの鳴き声のようなギターからはじまって、ミドルテンポのパワフルでファンキーなロックに。レミさんのパワフルなシャウトのヴァース、そしてムーディなサビ、いいですねぇ。間奏ではエモーショナルなギターソロが。終盤ではアグレッシブなギターソロとブンブンうなるベースが。
 3曲目は「Summer Time」。哀愁ただようゆったりとした綺麗なブルーズ。レミさんのソフトでちょっとかすれる感じの艶っぽいヴォーカルが堪能できます。ギター二人のムーディなソロもいいですねぇ。
 4曲目は「I’m So Glad/うれしい気持ち」。この曲は説明不用ですね。男性ヴォーカルが甘くいい味わいをだしてますね。バックのリズムもパワフルだし、ギターもスライドを効かせたかっくいいソロを展開。バックのベースもうねって弾きまくってますね。
 5曲目は「Greasy Heart」。ブンブンベースからはじまるミドルテンポのブルージーでパワフルな曲。レミさんの太く深い味わいのヴォーカルが楽しめます。ワウを効かせたギターも弾きまくりで、ベースもうねりまくってますね。
 6曲目は「Hey Joe」。ジミヘンさんの代表曲。ダイナミックなピアノからはじまって、アグレッシブなギターノイスが炸裂。そしてあのブルージーなギターリフとけだるい感じの男性ヴォーカルが。裏でベースがこれまたいい味だしてますね。ドラムもパワフルに叩きまくりだし。間奏ではエモーショナルなギターソロも。
 7曲目は「White Room」。CREAMの代表曲。力強いドラムからはじまり、パワフルな男性ヴォーカルが。この曲でもベースうねりまくりです。間奏のワウギターソロもいい感じですね。
 8曲目は「左足の男」。アルバム唯一のオリジナル曲でインストです。足音とトライアングルの音色が静かに響いて、そしてベースがリフレインをリズミカルに弾いて、ギターがアヴァンギャルドっぽく弾いて。そしてアップテンポのドラムがはいってギターが弾きまくり。インプロの応酬のアツいセッションをそのままレコーディングしたような感じでしょうか。めっちゃパワフルでドライブしてますね。ラストは徐々にテンポダウンしてFin。
 9曲目は「Piece of My Heart」。ジャニス・ジョップリンさんのバージョンも有名ですね。ミドルテンポのブルージーなバラード。ここでのレミさんのヴォーカルはもう鳥肌モノ。ジャニスさんに負けず劣らずめっちゃパワフルで凄い声を聴かせてくれます。
 10曲目は「Stone Free」。ジミヘンさんの曲。ギターのハーモニクスからはじまって、ファンキーなリズムでちょっと甘い感じの男性ヴォーカルが。ドライブ感たっぷりのアップテンポでノリノリのめっちゃ楽しい曲ですね。
 あの時代に日本人ミュージシャンにこれほどの演奏力があったとは失礼ながらも驚きです。レミさんのヴォーカルは言うまでもなく、パワフルなドラムとブンブンうねるベースに特に耳を奪われました。凄いっす。
 アルバム発表後、裕也さんは売り込みに奔走し、方々で演奏するものの、一般にはまだこの最新のロックは受け入れられず苦労されたそうで。この後、レミさんと小林さんがアメリカに渡ってしまい、フラワーズは解散してしまいますが、あらたにあの伝説のバンドが結成されます。

09.3.22 人間椅子

2009-03-24 22:04:07 | ライブレポ HR/HM
◇ 2009.3.22 渋谷O-WEST
<二十周年記念“狂ひ咲き”全国ツアー最終渋谷Sold Out!>
 今年デビュー20周年を迎えた<人間椅子>。1月に初期の再録や新曲も収録した2枚組ベストアルバムを発売し、3月にはレコ発全国ツアーを展開。1日の千葉から仙台・青森・博多・岡山・大阪・名古屋と廻って最終22日の東京渋谷までです。千葉ではSold Outと幸先のいいスタートを切ってその後どこも大盛況だったようです。そして渋谷公演もどこもチケット売り切れになって、最後に追加発売も。ものすごい人気です。超満員のライブめっちゃ盛り上がりそうですっごい楽しみです。

 さて、当日。春の嵐が吹き荒れてます。人間椅子らしいっすね。それはともかくもJRとか強風の影響で電車の遅延がありそうでちょと心配。帰りの電車が気になるところですが、ここで行かねば悔いが残ると、強風のなか15時に強行出動です。開演は18時ですが、せっかくチケットがいい番号なので開場の17時に合うように。16時40分に渋谷駅に着いてO-WESTまで徒歩で。するとお顔を白塗りとかのかな~り濃いいゴスロリちゃんが同じ方向を歩いていてビックリ。椅子ファンにもそんな濃いい人いままでにいたかなぁ?なんて不思議に思っていたら、その方々はO-EASTのほうへ。そちらでヴィジュアル系とかのライブがあったのかな。いずれにせよ会場前は双方のライブ客で大混雑です。ちなみに椅子ファンの皆様は多種多様でしたね。この日のために地方からいらした方々も多いようで。いつものように可愛いロリちゃんもいれば、自分のようなおぢさんも。なかには分厚いジャンパーに登山靴にでっかいパックをしょった、まるでこれから雪山登山にでも行くみたいなかっこの方もいてビックリしました。
 自分はファンクラブチケットなので開場すぐになかへ入れました。最前列にも行けたけど体力的に無理なので後ろの壁際をGETして開演まで1時間壁に寄りかかって体力温存です。フロアーはあっという間に埋まって満員。途中スタッフの人が前に詰めるように言ったら少し空いたんですけど、それからも続々と入ってきて超満員状態に。自分の周りもギューギューで拍手も手を上げることもできないくらいです。 会場はずっとBlue Oyster Cultの曲がながれてましたね。

 18時10分ころ、フロアーの照明が暗くなって、幻想的かつ不気味なSEがながれて。千葉のときにおっしゃってた和嶋尊師が高校生のときに作ったという曲ですな。そして暗いブルーライトに包まれたステージにメンバーの皆さまが登場!大拍手大歓声で迎えられます。和嶋尊師、今日はグレーっぽいお着物をお召しになってますね。研ちゃん・ノブさんはいつものスタイルで。
 そして始まった1曲目は「鉄格子黙示録」。ベース音デカいっすね。身体中振動でシビれちゃってます。ミドルテンポのヘヴィなリフ、そしてアップテンポでノリノリリズムになって和嶋尊師のアグレッシブなヴォーカルが。シャウトしまくってます。間奏はちょっとテンポダウンしてギターソロ。そしてゆったりとしたおだやかでメロディアスな感じになったあと、めっちゃ盛り上がってFin。かっくいいっす!
 続いて2曲目は「膿物語」。ダンダカダンダカ~ってはじまるアップテンポのノリノリのドライブ感たっぷりのストレートなハードロック。研ちゃんもノリノリでめちゃかっくいいっす。
 さらに続いて3曲目は「賽の河原」。ダークでヘヴィなスローテンポのリフからはじまる不気味な曲。中盤からパワフルなアップテンポの変則リズムでかなり盛り上がって。

 「こんばんは、人間椅子でぇ~す!」って研ちゃん。「今日はお足元の悪いなか・・・はじまりも足元悪かったですが・・・人間椅子らしく」って。そして「“筋少ちゃん祭り”に行かないで、人間椅子に来てくれてどうもありがとう!」って。大拍手です。「こんなに人がいっぱい入ってくれることはもうないんじゃないか」って研ちゃん。「いやいやそんなことないですよ」って和嶋尊師。「二十周年記念、集まってくれてどうもありがとう!」って研ちゃん。再び大拍手です。「最近はうなぎのぼりで動員が増えてますよ」って和嶋尊師。「初日千葉、Sold Outでございますよ」「今日もSold Outでございます」って。再び大拍手大歓声!で、千葉のときも雨だったねって話で、人間椅子のライブは天気が悪い日が多いって印象が強いみたいな。青森に行くときは道中吹雪に見舞われてあわててみんなでチェーンを巻いたそうですが、巻きおわったらもう雪は止んでたとか。
 「ベスト盤出してこんなにお客さん来てくれるってことは」「毎年ベスト盤出して・・・新曲1曲だけ入れて」って和嶋尊師。爆笑です。

 二十周年ってことで、寿命を感じはじめたって和嶋尊師。「秋のライブまで生きているかわかりませんからね」って研ちゃん。「1日1日をちゃんと生きていこうかと」って和嶋尊師。「せめて美しく生きたい」って。そしてはじまった4曲目は新曲の「狂ひ咲き」。和風のギターリフからはじまって、アップテンポでロック調、ミドルテンポで和音階、そしてサビではめっちゃパワフルにダンダカダンダカ。さらにスローテンポでメロディアスに。リズムチェンジ&転調いっぱいのかっくいいプログレ曲です。
 続いて5曲目は「平成朝ぼらけ」。ミドルテンポのヘヴィなギターリフからはじまって、研ちゃんの和歌を詠むようなヴォーカルが。めっちゃ和風な曲です。
 さらに続いて6曲目は「品川心中」。これ大好きな曲なのでやってくれてめっちゃ嬉しいっす!アップテンポのお江戸音階のお江戸サウンド最高っす!中間の和嶋尊師の落語も二十周年バージョンで大うけでしたね。定額給付金もナイスでした。そして落語明けの三味線ミュートみたいな音も。

 「ありがとう!」って研ちゃん。「和嶋くんの三味線みたいなギターは“辻斬り小唄”でマスターしたアレがついに生きたわけですか」って。あれは弦をつまんで弾くそうで。ここで研ちゃんがベースでトライしてみますが・・・「無理だ」って。ここで研ちゃんが「鉄格子黙示録」と演奏前のSEの説明を。デビュー前のライブでは必ず1曲目にやっていたとか。そして学生の頃も学祭のステージでやったそうです。学生の頃のギターソロもそのままやってるそうで。「ライトハンドが意外と難しい」って和嶋尊師。「でもいまタッピングをやるのって恥ずかしい」って。この間、和嶋尊師は白ひもでたすき掛けをして12弦ダブルネックSGの準備を。研ちゃんが「落語、だいぶ上手くなってますね。最初は独り芝居みたいだったのに」って。爆笑です。準備してた和嶋尊師はあわててマイクのところへ「ありがとうございます」って。先日銭湯に行ったときに親分・子分みたいなお客さんがいてその人たちの会話が参考になったそうで。

 そして12弦のならしにまずは「天国への階段」のイントロを弾きはじめて。途中で止めるとお客さんが「え~!もっとぉ~!」みたいな反応だったので、すぐに続きを弾いて。そして研ちゃんが歌おうと出だしを発声したところでFin。「最後まで弾くと7分かかる」「楽しいんです12弦ギターって」って和嶋尊師。続いてはThe Beatlesの「悲しみをぶっとばせ」を弾き始めてそのまま和嶋尊師が1コーラス歌って。「あの人間椅子の曲よりも楽しそうですね」って研ちゃん。カヴァーは責任がないから気楽に弾ける、みたいなことおっしゃってたかな。「12弦ってリヴァプールの風が吹くでしょ」って。さらに「ウエストコーストの風が吹きますかね」って、続いてはなんと「ホテル・カリフォルニア」を。長いイントロが終わるとノブさんがドラムを♪ドンドンでそして1コーラス歌って。EAGLESもドラマーが歌ってるんだもんね。歌詞がちょと違ったけど。
 「はじめてオレしゃべったかと思ったら歌ったね」ってノブさん。「今日も120%で最初から叩いてます!」「今日で腕が折れてもいいつもりでやってるぜ!」って凄い気合のノブさんです。「このツアーは二人の会話がすごく弾んで、オレしゃべる間がないんですよ」って。

 次の曲の「夜叉が池」のプロモーションビデオのお話になって、ここでなんと川端さんがあのとき使われた研ちゃんの“生首”を持って登場です。後ろのお客さんから「見えな~い!」って声があがって、川端さんがそれを持って研ちゃんの元へ。なんかデスマスクみたいっすね。「20年前20年後みたいな」って。爆笑です。ちなみにその生首に“スズケン‘(ダッシュ)”って名づけてました。

 そして長いMCのあとようやくはじまった7曲目は「夜叉が池」。ゆったりとしためちゃめちゃ暗く悲しげなフレーズからはじまって徐々に盛り上がっていって中盤からはテンポアップしてバリバリのヘヴィメタルに。めっちゃドラマティックな曲ですね。曲が終わると大拍手。「ありがとう!」って研ちゃん。 ここで和嶋尊師はダブルネックをおろして。
で・・・研ちゃん、地方でダイエット宣言されたそうで。77kgまで落とすっておっしゃってたような。もし研ちゃんが達成できたら和嶋尊師はヒゲを剃るって宣言。でもでも女性ファンが「えぇ~!ヤダ~!」って。ちなみにノブさんは「オレはモヒカンにするよ!」って宣言。でも会場はあまり反応なく。「えっ、モヒカンに合わないってこと?」って。「ボクの20kg減量にくらべたら生ぬるい」って研ちゃん。するとノブさん「じゃあオレは20kg増します」って。すると研ちゃん、「太ると声が変わる」って。で、「ベスト盤聴いていただけましたか?1stアルバムの頃のあの若々しいボクの声」って研ちゃん。
ちなみに・・・「ベスト盤2枚続けて聴くと結構疲れるんだよね」って和嶋尊師。すると研ちゃん「そんな人はいないでしょ。オレとばしますよ」って。爆笑です。「オレとおして聴いたよ」「オレも聴いたよ」って和嶋尊師もノブさんも。「スゲー」って研ちゃん。「オレ新曲しか聴いてない」って。また爆笑です。

 MCのあとはじまった8曲目は「陰獣」。初期の代表曲。元々この曲は7分あったそうですが、TV用に3分に短縮したそうで。ちなみに短縮した4分はすべてギターソロだったそうです。ミドルテンポのうねりまくるリフ、そして中盤からアップテンポでめっちゃもりあがって、再び元のうねりリフに。もちろん今回はその短縮バージョンでした。いつかギターソロたっぷりのフルバージョンやって欲しいですね。
 続いて9曲目はパワフルなドラムからはじまる「相剋の家」。これも聴きたかった曲なのでめっちゃ嬉しい!♪ウォ~エオ、エ~エオ~って拳をあげて合唱。そしてめまぐるしくリズムが変わって転調してのヘヴィでダークなプログレ曲です。すっげーかっくいいのだ。

 「どのアルバムにも1-2曲、和嶋くんはいい曲作ってますが・・・他がよくないってわけじゃないんですけど」って研ちゃん。爆笑です。そして「ボクも5年に1曲くらいはいい曲ができる」って。いやいや、いい曲いっぱいあると思うんですけど。ちなみに最初は「審判の日」だそうで。次が「ダイナマイト」っておっしゃってたかな。「時々ロックの神様が降りてきていい曲ができる」って。「でも最近はとんと降りてこない」「パチンコとゲームばっかりやってたらそりゃ降りてこない」って研ちゃん。「自分評論ができるってすごいね」って和嶋尊師。
 で次の10曲目は研ちゃん納得の名曲「死神の饗宴」。タイトル通りダークでヘヴィな曲。研ちゃんのパワフルなヴォーカル、凄いっす。中盤からテンポアップして盛り上がって。Judas Priestの某曲にちょっと似てますね
 続いて11曲目は「どっとはらい」。前作の曲ですけどもう定番になってますね。ミドルテンポのヘヴィな曲。♪どっとはらい、どっとはらい~ってサビも大合唱。お客さんのノリも凄いっす。これも千葉では聴けなかったのでめっちゃ嬉しいっす。

 「みなさん、楽しんでますか!」「オレも楽しいぜ!」ってノブさん。ノブさんは人間椅子5周年だそうで。5年たつとみんなの性格とかもわかってきて、これから先が楽しみだって。「ノブくん、ブッキングとかマネージャーみたいなこと進んでやってくれて、それがこの動員に結びついてる」って和嶋尊師。大拍手です。謙遜するノブさんです。「いやいや、人間椅子の曲がかっこいいからだよね!」って。大拍手です。でも和嶋尊師「ときどきキツいスケジュールに、ノブくんが鬼にみえるときが一瞬ある」って。「ボクは正直に言ってますよ、キツい!って」って研ちゃん。「プレスリーのパーカー大佐のように・・・あ、全然反応ねえ」って和嶋尊師。ハズしちゃいましたね。

ここで和嶋尊師のながぁ~いMCが。研ちゃんはドラム台に座って聞いてます。話は和嶋尊師の学生時代の先輩のお話で、なんでも終電までホームに5時間も立っているような常識ではちょっと考えられないような方でしたが、和嶋尊師は友達になりたいと思っていたとか。そして仲良くなってその先輩の家にも遊びに行かれて手厚くもてなされ、おみやげに“ナポレオン”まで頂いたとか。ちなみにその先輩の口癖が「あぁそぅ、すいません」で、それが次の曲「猟奇が街にやってくる」の終盤のリフのあとの掛け声の最後に入っているそうで。

 そしてはじまった12曲目は「猟奇が街にやってくる」。ミドルテンポのノリノリのめっちゃ楽しい曲。サビはみんな手を上げて♪猟奇をみせよう~って大合唱です。
 続いて13曲目は「りんごの泪」。これも初期の代表曲ですね。特にサビは大合唱。そしてヘイヘイ!ってすっごい盛り上がりです。

 曲が終わるとしばし沈黙。するとお客さんがメンバーの名前をそれぞれ叫んで。「ノブ~!」って。するとノブさん「おきゃくさぁ~ん!」って何回も叫んで。「オレ歌っちゃってもいいですか!」「ノリノリでいってくれますか!」「それじゃ聴いてください!」ってはじまった14曲目は「道程」。めっちゃノリノリのハイテンポのロックンロールです。間奏では「ギター、和嶋慎治!」ってノブさん。和嶋尊師、ギターを頭の後ろに。それから研ちゃんと並んでダッグウォークもキメて。すっげーかっくいいっす。
 続いて15曲目は「幸福のねじ」。めっちゃノリノリお祭り騒ぎで場内が揺れてます。間奏では研ちゃんと和嶋尊師がステージ中央で背中あわせで弾きまくって。
 本編ラスト16曲目は「針の山」。ものすごいノリでホールが壊れるんじゃないかと思うくらいに揺れてました。すごすぎです。ラストは和嶋尊師が歯で弾くパフォーマンスも。「ありがとう!」って研ちゃん。

 曲が終わると大拍手大歓声!メンバーの皆さんは楽器を置いて手を振りながら楽屋へ。もちろん場内はアンコールを求める手拍子が鳴り響き、前列女性ファンの「あんこぉるぅ~!」ってものすごい大合唱が。そして女性ファンたちが疲れてくると今度は後ろの男性ファンが「アンコ~ル!」って迫力ある声で。
 しばらくするとステージの照明が明るくなってメンバーの皆さまがステージに戻って。大拍手大歓声で迎えられます。和嶋尊師とノブさんは会場で売られている二十周年記念Tシャツを着て、研ちゃんは上の黒い着物をぬいで白い着物姿で登場です。
 ここで和嶋尊師は先日受賞した“みうらじゅん賞”のトロフィーを見せてくださって。この賞は過去にリリー・フランキーさんとねこひろしさんも受賞されているとか。するとノブさん「ねこひろしはね、オレ友達なんですけど」って。ねこさんは人間椅子大好きでラジオでもかけてくれてるとか。「ライブにきたことあるんですか?」って研ちゃん。残念ながらまだないそうで、ちなみに今日は東京マラソン走ってたかもって。すると研ちゃん「まさか今日、走ってからここにきた人とかいるんですか?」「そりゃいませんよねぇ」って。さすがにそんなツワモノはいないかと。で・・・「ねこひろしの前で“黒猫”やってみたいね」って研ちゃん。
 ちなみに他にはギャル曽根さんやポッチャリ王子も受賞されたとか。「ポッチャリ王子ってボクのこと?」って研ちゃん。爆笑です。

 そしてはじまった17曲目は和嶋尊師の幻想的なアルペジオのギターソロからはじまる初期の代表曲「人面痩」。ミドルテンポのめっちゃ楽しいノリのいい曲。お客さん踊りまくってます。途中で和嶋尊師と研ちゃんが立ち位置をチェンジして。
 続いて18曲目は「地獄」。ハイテンポの超ノリノリ曲。ですが間奏ではゆったりとしたダークでアヴァンギャルドなギターソロが。狂気のうねりですね。

 曲が終わると大拍手大歓声!そして和嶋尊師が「ベース、鈴木研一!白い着物に黒い胸毛が映えてます。」って和嶋尊師。「マッチョくん、ナカジマ・ノブ!」って研ちゃん。そしてノブさんが「そしてギター、和嶋慎治!」って。大拍手です。そして皆さん手を振りながら楽屋へ。もちろん場内は再アンコールを求める手拍子が鳴り響き、「あんこぉるぅ~!」って大合唱も。
 しばらくするとステージの照明が明るくなってメンバーの皆さまがステージに戻って。大拍手大歓声で迎えられます。「ありがと~!」って研ちゃんはなんと学ランを着て登場!するとノブさんが「じゃあオレ脱いじゃおう!」って上半身ハダカでマッチョポーズをキメて。「いま“いやだぁ~!”って声しませんでした?」「もう1回やって」って和嶋尊師。でも女性ファンの皆さんあまり反応なくて、「それほどでもなかったね」って。

 そして研ちゃん、「アンコールありがと~!」「それでは最後に、二十周年をお祝いしてくださった皆様に感謝の気持ちをこめまして」「皆様が次のライブの日まで健康でありますように」「はい、さん・さん・ななびょおぉ~し!」って。ド迫力のドラムの三三七拍子リズムではじまるオーラス19曲目は「地獄風景」。ノリノリスラッシュナンバーです。和嶋尊師はステージを右へ左へ、そして最後頭の後ろにギターを。「ワッショイ!ワッショイ!」って掛け声の研ちゃん。超盛り上がってFin。

 曲が終わると大拍手大歓声!「どうもありがとう!」「汗かいて風邪なんかひかないように」って研ちゃん。メンバーの皆さまはステージ前へ。ノブさんはスティックとさっき脱いだTシャツを客席に投げて。するとTシャツが2階バルコニーにひっかかるハプニング。爆笑です。その後皆さんは前列のお客さんとハイタッチ。和嶋尊師は「鈴木くんのおなかにさわるといいことありますよ」って。みなさんこぞって研ちゃんのおなかをさわって。いいことあるといいですね。そして一通り済むと「秋にアルバムがでますよ。そのころまた逢いましょう!」って研ちゃん。メンバーのみなさんは手を振りながら楽屋へ・・・するとすぐにSEがながれてフロアーが明るくなって。時計を見ると20時30分過ぎ。約2時間20分の超盛り上がりのアツいライブでした。

 ツアー最終超満員!でもほんと多すぎてギューギュー詰めで、前にいた女の子ファンがやたら下がってくるもので、自分は手を上げることも拍手することもできず、また大声で叫ぶことも出来ず。まあでも仕方ないっすね。人気があるってのは嬉しいものです。
 今回は千葉では聴けなかった自分の大好きな曲「膿物語」「品川心中」「夜叉が池」「相剋の家」「死神の饗宴」「どっとはらい」が聴けてもう最高でした。音響は研ちゃんのベースが身体中シビれるくらいにブンブン鳴ってましたね。ギターもヴォーカルもドラムもかっこよかったっす。ギターの音がちと小さかったかな。それと和嶋さんのヴォーカルはツアーの疲れか、高い音はちとキツそうでしたけど、パワフルでした。ほんとアツい最高のライブでしたね。
 次回のライブは秋になるとか。そしてニューアルバムも秋発売の予定とか。すっごい楽しみです。でも、夏に1-2回でもいいからライブやってほしいなぁ。

Fantasmagoria 2

2009-03-22 07:40:26 | 21th J-プログレ
 とっても美しい女性ヴァイオリン奏者<藤本美樹さん>率いるヴァイオリン・プログレッシブ・ロックバンドの<FANTASMAGORIA>。2004年に5曲入りライブデモCD-R「energetic live demo CD」を発表し、ライブを重ね、世界のプログ・フェスにも参加されるなど活躍中ですが、このほど2009年3月13日に初のスタジオフルアルバム「Day and Night」が発表されました。ずっと待ち望んでいたフルアルバム、めっちゃ嬉しいっす。青空をバックに真っ白の蝶という爽快感のあるジャケット。蝶が真っ白なのはこれがスタートという意味なのかな。めっちゃ期待しちゃいます。
 メンバーは藤本さんの他、ギターの<尾崎淳平さん>、キーボードの<小谷竜一さん>、ドラムスの<諏訪昌孝さん>、そしてサポートメンバーのベーシスト<北尾直樹さん>の5人編成です。
 アルバム1曲目は「Crusader」。チェンバロ風のキーボードをバックにゆったりとヴァイオリンの哀愁を感じさせる美しい音色が響き、そしてヘヴィなギターリフが。そしてバンドが入ってミドルテンポのパワフルかつ優雅な曲調に。途中リズムが変わってジャジーでダンサブルでロマンティックな感じになって。
 2曲目は「Blue Rice」。ヘヴィなギターリフからはじまるアップテンポのファンキーでリズミカルな曲。ノリノリですね。そしてリズムチェンジでロマンティックなモードも。中盤短いドラムソロのあと、アグレッシブなワウギターソロが炸裂。
 3曲目は「Into The Sea」。爽やかなシンセのリフからはじまって、テクニカルなギターのリフが。そのリフにのってヴァイオリンのゆったりとした艶やかなフレーズが奏でられて。ミドルテンポの綺麗な曲調ですね。中盤からベースとキターのユニゾンのテクニカルなフレーズが。そこにヴァイオリンも加わって。終盤は再びゆったりと美しいメロディを奏でて、ドラマティックなエンディングを迎えます。
 4曲目は「MNK」。パワフルなドラムからはじまってミドルテンポでヘヴィなギターリフが。そこにシンセとヴァイオリンの爽やかなリフとパワフルなベースが。テクニカルでスリリングな曲ですね。シンセとヴァイオリンの掛け合いや複雑なリフのユニゾンも。中盤ではアップテンポでギターとヴァイオリンのハードな掛け合いソロが。終盤ではシンセのソロやリフの掛け合いも。
 5曲目は「The Sparrow」。ゆったりとしたギターのアルペジオからはじまって、哀愁ただようヴァイオリンの寂しげな音色が響いて。そしてパイプオルガン調の重厚なサウンドが加わって。中盤ではオルガンとギターをバックにベースソロ、そしてドラムが止まってパイプオルガン調の荘厳なソロが。そのあと一転してテクニカルなベースリフに続いてユニゾンのパワフルなリフが。ミドルテンポの変拍子のパワフルな感じになって唐突にFin。
 6曲目は「竜頭蛇尾-Anticlimax」。シンバルのカウントからめっちゃヘヴィなダークメタル調のリフが。そしてアップテンポで不安げなメロディが奏でられ、迷宮をさまようかのような感覚に。一旦Finしたあと、キーボードとヴァイオリンのユニゾンのクラシカルなリフレインが繰り返され、しばし続くとそれが徐々にスピードアップしてドラムが入って一層激しくパワフルに。スリリングでドラマティックな曲です。一旦Finしたあと劇的なエンディングが。
 7曲目は「Omoplatta」。ミドルテンポのビートの効いた曲調からはじまって、そしてジャジーなリズムで複雑なフレーズを。その後変拍子でテクニカルなモードに。終盤は再びもとの落ち着いたリズムに。
 8曲目は「Traveling Space」。ミドルテンポの流麗なリフレインからはじまります。流麗といってもリズムは複雑ですが。そしてヘヴィなギターリフからミステリアスな雰囲気に。中盤では短いギターソロ・シンセソロ・ドラムソロと続いて、めっちゃパワフルなリフが怒涛のように押し寄せて。圧倒されちゃいます。
 9曲目は「Joanni」。美しく伸びやかなヴァイオリンのゆったりとしたメヌエット調の音色が響いて、そこにギターが輪唱のように音を重ねて、そしてそこからはテンポがめまぐるしく変わる超プログレモードに。そのなかでもシャッフルモードは超ノリノリですね。一旦Finしたあと、パイプオルガン調の荘厳な音色が響いて、それをバックにアグレッシブなヴァイオリンソロが。続いてギターのアルペジオのゆったりとしたリフと優しいオルガンの音色が響いて、伸びやかでたおやかなヴァイオリンのフレーズがながれて。それが再びパワフルなシャッフルモードになり、一旦止まってヴァイオリンのメヌエット調のソロでFin。
 10曲目は「光降り注ぐ丘-Lights that Fall Down the Hill」。幻想的なシンセをバックにギターのエモーショナルな音色が響いて。そしてパワフルなドラムがはいって、ミドルテンポの力強い曲調に。たおやかで伸びやかなヴァイオリンのフレーズが響く、とっても綺麗な曲です。途中ヴァイオリンとギターの早いパッセージのユニゾンが。そしてキーボードとギターのテクニカルなリフにのって艶やかなヴァイオリンの音色が響いてどんどん盛り上がっていきます。ラストは幻想的なシンセをバックにエモーショナルなヴァイオリンソロが。
 11曲目は「Epic」。変拍子いっぱいのミドルテンポのパワフルでテクニカルな曲ですが、ヴァイオリンのフレーズはとっても優雅ですね。中盤ではパイプオルガン調のキーボードにギター・ヴァイオリンが重なって、そして元のフレーズに戻って壮大なエンディングに。めっちゃドラマティックです。 
 美樹さんの美しいヴァイオリンの音色をたっぷりと堪能できるアルバムです。で、プログレバンドには珍しく4-5分の短い曲が多いんですよね。でもでも短くても内容ギッシリの複雑な展開の曲で、その曲もヘヴィでパワフルな曲調、ゆったりと美しくメロディアスな曲調、爽やかでポップなあるいはジャジーな曲調など、様々な色彩を放っていますね。思ったよりもハードロックしてる部分もあったり、とってもドラマティックな展開だったり、めっちゃ聴き応えあります。今後、真っ白な蝶がどんな色を見せてくれるのか、とっても楽しみです。3/14にレコ発ライブがあったんですけど、都合がつかず行けなかったんです。またいつかライブ観にいきたいなぁ。

TEE 2

2009-03-20 08:21:08 | 21th J-プログレ
 “世界の様々な風景や情景を音で表現する”という壮大なコンセプトをもつ2006年に結成されたフルート・プログレッシブ・ロックバンド<TEE>。以前までは<The Earth Explore>というバンド名でしたが、昨年より正式に<TEE>とされたようです。メンバーは結成時のままで、リーダーのキーボード・プレーヤー<米倉竜司さん>、ギターの<米田克己さん>、ベースの<飯ケ浜幸雄さん>、ドラムスの<浅田隆行さん>、そしてフルートの<今井研二さん>の5人です。
 2007年にライブを収録したデモCD-R「Fitst Voyage」を発表され、スタジオアルバムの発表が待たれていましたが、このほど2009年3月13日に1stスタジオアルバム「The Earth Explore」が正式リリースされました。実は3/8に発売に先立ってのレコ発ライブがあったんですよね。そのときに会場で発売されたそうなんですが、残念ながら自分は行けなかったもので、通販サイトで正式発売されるのを5日間楽しみにしてました。
 中央の楕円のなかに大空をバックにアイソメで正確に描かれたロゴが。かっくいいジャケットですね。アルバムは全6曲ですが、どの曲も8分前後でめっちゃ聴き応えありそうです。
 1曲目は「L’oiseau Bleu(Trans Europ Express)」。パワフルなドラムからはじまってダイナミックなリフが。そしてフルートの音色が穏やかに響き、パワフルなリフが。その後ベースリフとともにダークでミステリアスな雰囲気に。そしてフルートがはいってゆったりとした穏やかな曲調になり、そして躍動感のあるピアノのリフをバックに美しいフルートソロ、そしてメロディアスなギターソロが。その後、そのピアノリフとともにアップテンポの爽やかで楽しい感じに。雲が晴れて青空が広がったような清清しい感がありますね。とってもドラマティックな曲です。ラストは再びゆったりとおだやかなメロディがながれ、そしてパワフルでダイナミックなリフでFin。
 2曲目は「Nomad」。いきなりアラビアン調のアップテンポのリフからパワフルにはじまります。そしてバンドネオン風サウンドのロマンティックな雰囲気のなかフルートが優雅にリズミカルに踊って。そして一旦止まったあと、アコースティックギターの素朴なリフがながれ、ピアノの綺麗な音色、そしてフルートのゆったりとした穏やかなメロディが心地よく響いて。とても美しい展開ですね。その後躍動感のある綺麗なピアノそしてフルートのリフレインがアップテンポで明るく楽しく流れるも、終盤再びアラビアンなリフがはじまり、ギターのハードでアグレッシブなソロが。かっくいいっす。
 3曲目は「Sirocco Chase」。大雨の降る嵐のような音からミドルテンポのミステリアスなリフが。そしてアップテンポのビートの効いたリズムでメロディアスなギターのフレーズがながれて。妖しい雰囲気が漂ってますね。中盤ではゆったりとしたリズムになって哀愁を感じるメロディが響き、それがドラマティックに盛り上がっていって。そして、妖しいリフのあと、アップテンポの軽快でジャジーなリズムでフルートの軽やかなソロが。途中のドラムのフィル、めちゃめちゃかっくいいっすね。ラストはギターのメロディアスなフレーズがながれて。
 4曲目は「Col de L’Iseran」。アコースティックギターのリフから民族音楽調でパワフルにはじまって、リズミカルな変拍子ユニゾンリフと爽やかなコーラスが。そして綺麗なピアノのリフレインをバックに流麗なフルートの音色が響いてパワフルなリフが。その後一旦止まって小川のせせらぎとアコースティックギターの透明感のあるリフレインが流れ、そこにキーボードの素朴な音色が抒情的にながれて。その後アップテンポのアコースティックギターのリフが心地よく響き、そのリフにのってフルートの素朴な音色が優雅にながれて。そして軽快で明るく爽やかな感じになって。まるで草原を走り回っているかのような爽快感がありますね。とってもドラマティックで素敵な曲です。ラストはパワフルにFin。
 5曲目は「Aurora」。センセーショナルで、壮大なスケールを感じるリフからはじまります。そしてゆったりとたおやかなピアノとフルートの調べが心地よく響いて。バンドがはいってからも同じく心地よくたおやかに。それが徐々に盛り上がっていって。中盤では幻想的な雰囲気のなか短いベースソロやピアノソロ、そしてアコースティックギターソロも。その後ギターやフルートの哀愁ただようメロディがながれて、そしてパワフルにダイナミックな展開に。ラストは星が輝く夜空のようなきらびやかな雰囲気でFin。
 6曲目は「City」。ベースとキーボードとドラムのジャジーかつスリリングな雰囲気からはじまってそこにギターとフルートも加わってテクニカルなユニゾンで変拍子リフを。そしてダイナミックなリフのあとギターとフルートのゆったりとした雄大な感のあるフレーズがながれて。そして一旦止まったあとミドルテンポでゆったりとしたギターとフルートの素朴で穏やかな音色が響きます。その後ダークなベースリフをバックにフルートの力強いソロが。そこにドラムとベースも加わってパワフルな展開に。ユニゾンをきれいにキメてますね。そしてドラムとベースの複雑なリズムをバックにキーボードソロが。そこにフルート&ギターも加わって盛り上がり、ラストは明るく爽やかなメロディが。広大な景色が目に浮かぶような感じです。 
 長い曲が多いのにその長さを感じず、あれっもう終わっちゃったの?って感じです。どの曲もとってもドラマティックでとってもきれいですっかり聴き入ってしまいました。曲の長さのわりにソロが少なくて練りに練られた曲構成アレンジやアンサンブルの妙をたっぷり堪能できますね。いやこれ何回でも聴きたくなります。変拍子多用ながらも親しみやすいメロディが多いし、さほど難解さもなく楽しく心地よく聴けます。さらには聴いていて大自然の風景も目に浮かんでくるところもあって。文句ナシ、素晴らしい作品です。またいつかライブを観にいきたいな。

09.3.17 津山・鬼怒・植村

2009-03-18 23:21:50 | ライブレポ ROCK
◇ 2009.3.17 横浜関内STORMY MONDAY
<スリリング・バトル>
 昨晩はギタリスト<鬼怒無月さん>のライブを観に行ってきました。鬼怒さんのライブを観るのは昨年の12月以来の3ケ月ぶりです。このところスケジュールが合わなくて観にいけてなかったのでとても楽しみにしてました。今回のメンバーはベース&ヴォーカルの<津山篤さん>と、ドラムス<植村昌弘さん>のトリオです。津山さんのことは今回のライブまで全く知らなかったんです。想い出波止場や赤天等で活躍されている方なんですね。植村さんは以前鬼怒さんがゲスト出演された植村さんのリーダーバンドMUMUでライブを観たんですけど、それが変拍子だらけのめっちゃテクニカルな演奏ですっごいスリリングで圧倒されちゃったんですよね。いつかまた植村さんのドラムを観たいなって思っていたのでそちらも楽しみにしてました。このトリオで一体どんな演奏を魅せてくれるのか興味深々ワクワク♪です。

 仕事を終えて開演予定時間の20時に間に合うようにそのままお店へ。ステージ部には向かって左にライトブルーのハンバッカーストラト、中央にガットギター、左にギブソンサンダーバードベース、そして後方にワンタムワンバスドラムがセットされてました。
 20時5分ころにもうメンバーの皆さんはステージに。そして鬼怒さんが「おまたせしました。演奏はじめたいと思います」って。そしてメンバー紹介を。「関西方面からやってきました、ベース、津山篤!」「ドラムス、植松昌弘!」「ギター鬼怒無月です」って。大拍手です。津山さんは横浜ではあまりやってないそうで、「あ、どうもはじめまして」って津山さん。そして演奏をはじめようとするとベースアンプからノイズが。「シールドじゃない?」って、シールドを交換するもノイズは変わらず。なのでそのまま強行です。

 まずは鬼怒さんがギターリフを。そこにベースとドラムがけん制しあうかのようにリフやフィルを入れていって。そしてリズムが入ってパワフルでヘヴィな展開になり、ギターソロ&ベースソロが。さらにテンポアップしてワウを効かせたアグレッシブなギターソロが。ドラムは叩きまくりでベースもうねりまくってます。ソロ後にはテンポダウンして静かで幻想的な雰囲気になり、メロウなギターフレーズがながれ、津山さんがスキャットを。その後再びアップテンポになってリズミカルで爽やかな感じのギターリフが。それが徐々にハードになって盛り上がって。そしてそれが一旦落ち着くとエコーやディレイを効かせたサウンドの競演となり、ラストはハイテンポの軽快なフュージョン風のかっくいいサウンドでどんどん盛り上がっていってめっちゃ弾きまくり叩きまくりで盛大にFin。20分強の凄いエネルギッシュなバトルでしたね。

 ここで津山さんと鬼怒さんはいまだやまないベースのノイズをチェック。その間に植村さんがマイクなしでMCを。「お見苦しいとこを、大変申し訳ありません」って。2日前の15日と昨日16日は名古屋でこのお3方+αでライブをやってこられて、今日が「3日間の過酷なツアー」「今日が千秋楽」「関東公演」って。爆笑です。そして「昨日まではこのベースも機嫌がよかったんですけど・・・」って。そして津山さんの紹介も。津山さんは音楽活動だけでなく、山小屋も経営されていたり、遭難救助隊にも参加されているそうです。「大変多彩な方」って。「ありがとう」って津山さん。

 次の曲では鬼怒さんはガットギターを抱えてイスに座って。津山さんもイスに座ってベースを弾いて。民族音楽調のゆったりとしたのどかな感じの曲です。フォルクローレっぽいですね。幽玄で叙情的で。津山さんはホーミーのようなノドから搾り出すようなヴォイスを発して。間奏ではメロウなギターソロやベースソロも。もちろんドラムもスネアオフの民族音楽のようなタイコの音でそれっぽく。ラストはしっとりとFin。曲が終わると大拍手。津山さん「ナマステ」って。

 ベースのノイズはまた酷くなってジージーガンガン!と。でちょっとおさまってから3曲目へ。鬼怒さんはストラトに持ち替えて、そしてミドルテンポのファンキーで爽やかなリフを弾き、津山さんがハスキーでかっくいいヴォーカルを聴かせてくれて。間奏まずはエモーショナルなギターソロ、続いてはベースソロ。津山さんは人差し指で弦をはじいたり。その後テンポアップしてシャッフルっぽいリズムになって早弾きギターソロが。凄いっす。ソロのあとテンポダウンしてブルーズ調に。ここで津山さんが力強くシブいヴォーカルを聴かせてくれます。そしてブルージーなギターソロへ。かなりハードです。かっくいいのだ。
 曲が終わると大拍手!「じゃあ休憩します」って鬼怒さん。ここでしばし休憩です。

 休憩すぐに鬼怒さんはベースとアンプのチェックを。お店のオーナーさまも加わってアンプをチェックして。ほどなくノイズが気にならなくなるくらいに。この間鬼怒さんがベースの試し弾きを。鬼怒さんがベースを弾いてるのを観たのは初めてかも。なんか得した気分です♪ その後メンバーの皆さんはカウンターで談笑。鬼怒さんはファンの方とお話したり、雑誌をよんだりもされてましたね。

 21時10分ころメンバーの皆様は再びステージに。鬼怒さんはイスに座ってストラトを。津田さんもイスに座って鬼怒さんのガットギターを抱えて。「このギターいいねぇ」「オレの8000円のギターとは大違いだ」って。爆笑です。ちなみにその鬼怒さんのそのギターは10万くらいとか。
 そしてはじまった後半最初の曲はゆったりとした哀愁ただようフォルクローレ調の曲。山岳地方の歌のような感じですね。津山さんは低い声で歌って。そしてガットギターでエモーショナルなソロを弾いて。続いて2ヴァースのあと、鬼怒さんがストラトでエモーショナルなソロを聴かせてくれて。

 曲が終わると大拍手。「良かったね」って津山さん。「ペンタングルのマネをした曲」だそうで。続いての曲では鬼怒さんは小指にボトルネックをハメてスライドギターを聴かせてくれ、津山さんがガットギターでアップテンポのリフを弾いて。ドラムはフロアタム中心で叩いて。フォーク&カントリーみたいな曲調ですね。津山さんの歌うシブいヴァースのあとは鬼怒さんのエモーショナルなスライドギターソロ。続いては津山さんのテクニカルなガットギターソロが。その間鬼怒さんはボトルネックで弦をこすって効果音をだして盛り上げてます。ラストはアップテンポのパワフルなリズムをバックに再びガットギターのソロが。
 曲が終わると大拍手。「どうもありがとう」って津山さん。ちなみに「歌詞はめちゃくちゃ」なんだそうで。でもいい感じでしたねぇ。

 ここで「余興でも」って津山さん。「プログレッシブロックブルーズ化」って。“プログレ”と“ブルーズ”をミックスさせたらどうなるかって企画のようです。「プログレ好きな人ってブルーズ嫌いなんだよね」って。必ずしもそうではないような気もしますけど。
 そしてはじまった曲はYESのRoundabout。原曲の半分くらいのスローテンポでブルーズっぽく。鬼怒さんはそのままボトルネックでスライドギターで、津山さんはガットギターでリフを弾きながらダミ声で歌って。間奏では鬼怒さんがスライドギターソロを。
 曲が終わると大拍手。「これ海外でもやるの?」って鬼怒さん。「ロンドンはRoundaboutが多いからね」って津山さん。

 「もう1曲やるか」って。プログレブルーズ企画2曲目はクリムゾンのトム・ウェイツ風っておっしゃったかな?はじめる前に鬼怒さんが「キーは?」ってたずねて。津山さんは「E」って。「世の中全部”E“になればいい」って。爆笑です。
 そしてスローブルーズがはじまりますが、回転数を落として聞くような伸び伸びした口ごもったスローモーなヴォーカルに皆さん爆笑です。鬼怒さんも大笑いです。これ原曲を知ってたらもっと笑えたと思います。間奏では鬼怒さんが哀愁ただよう泣きのギターソロを。そして津山さんがガットギターでソロを弾き、そのあとメロディを歌いながら弾いて。終盤では静かになって、津山さんがメロディを歌って。
 曲が終わると大拍手。津山さん植村さんのほうを見て「ドラム、上手いね!凄い上手い!感動した!」って感心されてました。ひょっとしてリハなしの即興演奏だったのかな。「植村くんさ、ヨッシー辞めてもらうから“赤天”やれへん?」ってバンドに誘ってました。植村さんは「いや、ちょっと・・・」ってやんわりとお断りされてました。「残念や、第一候補やのに」って津山さん。

 そのままもう1曲やりそうな雰囲気でしたが「いや時間が・・・」って、津山さんはガットギターを置いて立ち上がってベースを抱えて「じゃ、第3部を」って。爆笑です。そしてミドルテンポのファンキーでハードなギターリフがはじまり、めっちゃパワフルでヘヴィな展開に。アグレッシブな弾きまくりギターソロ&叩きまくりドラムが。続いてはベースソロ。津山さんはなんとベースを裏返しにして弾いて。ちょっとビックリしました。で、元に戻すもストラップが外れてしまって、津山さんフレーズを歌って。そしてストラップが直ってからテクニカルな早弾きソロを。その後パワフルなヴォーカルも聴かせてくれ、テンポダウンしたあとも「こんな夜をありがとう」って。ラストはド迫力でめっちゃパワフルに盛大にFin。

 曲が終わると大拍手大歓声。「どうもありがとうございます」って津山さん。大拍手のなかメンバーの皆さんはステージを離れて。もちろん店内はアンコールを求める手拍子が鳴り止まず。すると皆さん再びステージに戻って準備を。そしてパワフルでヘヴィなブルーズがはじまります。ヴォーカルは鬼怒さん。シャウトもキメてすっげーかっくいいっす。間奏まずはベースソロ、早弾きもキメて弾きまくり。続いてはメロウながらもハードなギターソロが。そして弾きまくり叩きまくりでパワフルにFin。
 曲が終わると大拍手!「どうもありがとうございました」「鬼怒無月!」「植村昌弘!」「津山でした」って津山さん、メンバーを紹介して。拍手のなかメンバーの皆さんはお辞儀しながらステージを離れて・・・

 20時すぎからはじまった前半45分・後半50分のライブ、最初からめっちゃヘヴィでパワフルでスリリングなジャムからはじまって圧倒されちゃいました。ベースのノイズがちょと気になりましたけど、そんなのお構いなしでパワフルに飛ばしてましたね。そのノイズも休憩中に鬼怒さんが修理されてからは問題なしに。曲はハードな曲や山岳地方を思わせるフォルクローレ調の曲や、余興ということでしたけどプログレブルーズバージョン2曲もあってめっちゃ楽しかったっす。
 久々に鬼怒さんのストラト弾きまくりが観れて嬉しかった。やっぱ凄いっす。アンコールでのヴォーカルもかっこよかった!そして植村さんのドラム、今回は複雑な変拍子はなかったけどすっごいパワフルでテクニカルで圧倒されちゃいました。そして初めて拝見する津山さん、ノイズトラブルはあったもののめっちゃワイルドでテクニカルでかっくいいベースを聴かせてくれ、さらにはシブいヴォーカルもホーミーも聴かせてくれて。そうそう、津山さんのギブソンサンダーバードかっこよかったなぁ。ド迫力の凄いライブ、堪能できました。

09.3.13 カルメン・マキさん

2009-03-16 06:56:08 | ライブレポ Jazz/Fusion
◇ 2009.3.13 横浜野毛DOUPHY
<太・黒・マキ>
 69年に「時には母のない子のように」を大ヒットさせるも、アイドルの地位を捨ててロック・ヴォーカリストに転身し、一時代を築き上げ、現在ではJAZZや、ピアノをバックに詩の朗読という新たなジャンルにも挑戦され、進化し続けている女性スーパーヴォーカリスト<カルメン・マキさん>。マキさんのことは80年代のメタルブーム時にジョージ吾妻さん率いる<5X>のヴォーカリストとして活躍されていたことしか知らなかったのですが、数年前に友人にマキさんの素晴らしさを教えてもらって、改めてBlues Creationやマキ&OZ、そして最近のソロアルバム等を聴いてすっかりその類まれなる歌唱力に惹かれてしまったんです。そして2007年4月にはじめてライブを観にいってめっちゃ感動したんですよね。その後何度かライブに足を運んだんですけど、ここのところご無沙汰しておりました。そんなときにこのブログ用にBluse Creationのアルバムを聴いて再びマキさんの歌が聴きたくなって、近くで行われるライブの機会を待っていました。するとたまにおじゃまするJAZZスポットのスケジュール表にマキさんのお名前を見つけて速攻予約。当日を楽しみにしていました。

 今回はピアノの<黒田京子さん>とヴァイオリンの<太田恵資さん>とのトリオです。前回観にいったときはドラムありの編成だったのですが、時折ドラムの音が大きくて肝心のヴォーカルが聴き取りづらくなったことがあったんですけど、今回はドラムレスなのでマキさんの素晴らしい歌声を存分に堪能できそうです。さらには自分は黒田さんのライブは初めてで、そして太田さんも久々なのですっごい楽しみです。

 さて当日。開演予定時間は19時半。まあでも20分くらいは押すでしょうけど。仕事も早く終わったのでCD店に寄ってから19時20分頃にお店に到着。雨のせいか序盤は半分くらいだった客入りですが、後にいつの間にか満員状態になってましたね。ステージは向かって左にグランドピアノ、中央にマイクスタンド、そして右に太田さんのセットが。青と赤のエレクトリックヴァイオリン2本とナチュラルの生ヴァイオリン1本が準備されています。

 19時50分ころ、メンバーがステージで準備をはじめて、そしてフロアーの照明が暗くなって。拍手のあと演奏がはじまります。1曲目はピアノゆったりとした美しいたおやかなメロディからはじまって、しっとりとしたヴォーカルがしみじみとながれて。曲名がわからないのですが“道”がテーマになっているような。ヴォーカルにそってヴァイオリンの艶やかな音色が寄り添うように。あまりのここちよさにうっとり聴きほれて。

 2曲目の前にピアノをバックに詩の朗読が。とてもさびしそうな雰囲気でうつむいて語って、“月曜日のゆううつ”って。そしてはじまったのは「Monday Bluesong」。ゆったりとしっとりとした叙情的な曲。哀愁ただようピアノのリフレインをバックにさびしげな歌声が。間奏では伸びやかで艶やかなヴァイオリンの音色が切なく響き、続いては美しいピアノソロも。ソロの終わりには拍手も。
 続いて3曲目はゆったりとした美しいピアノのフレーズからはじまり力強いヴォーカルが。希望が見えてくるかのような、勇気が湧いてきそうな曲ですね。それまでうつむき気味だったマキさんは、この曲では上を向いて訴えかけるかのように歌われて。とっても素敵な曲です。間奏のヴァイオリンソロは最初はオクターバーがかかったような音でしたが、すぐにちょっと篭った感じの伸びやかで懐かしい感じのサウンドで抒情的なメロディを聴かせてくれました。

 4曲目の前にピアノをバックに詩の朗読を。“海”そして”戦争“に関する内容で、「海はとても深い、でも彼女の愛ほど深くないだろう」「彼女を向こうの平和があるという国に連れて行って」って。ダイナミックなピアノのフレーズからはじまる曲は「The Water is Wide」。ゆったりとした美しくドラマティックなバラード。しっとりと、そして力強く歌い上げます。感動ものです。間奏のヴァイオリンソロもメロディアスでとってもドラマティック。

 曲と終わると大拍手。「どうもありがとう」ってマキさん、にっこりと微笑んで。とってもチャーミングですねぇ。そしてここでメンバー紹介を。「ヴァイオリン、太田恵資さん」「ピアノ、黒田京子さん」って。もちろんそれぞれに大拍手です。そして太田さんが「カルメン・マキさん」って紹介して。
 このお3方のユニットは昨年9月に初めて組んだそうで、北陸ツアーに行かれたそうですが、大変好評だったそうで、来月にはこのトリオでのレコーディングも予定されていて、CD発売は夏頃だそうで。
 「今日、夜は雨だって聞いたんで、お客さんたぶん来ないだろうなって思ってたけど・・・」ここで大きな声で「ようこそいらっしゃいました!ありがとうございます」って。お客さん大拍手です。あらためて「太田恵資!」「黒田京子!」って。

 ここでマキさん、太田さんと次の曲の打合せを。どうやら急な曲順の変更があったようで。打合せが済んだあと、太田さんが「私がわかってなかったんですね」「責任をとる意味で・・・」って太田さんのソロがはじまります。アフガンの風が吹いてくるかのようなあの独特のヴォイス、ホーミーでしたか?ヴァイオリンを弾きながら歌って。久々に聴けてめっちゃ嬉しい!そしてアラビアンなヴァイオリンソロを。
ソロのあと、哀しげなピアノのフレーズが。はじまった5曲目は「ペルソナ」。力強くも悲しく切ないヴォーカルが響きます。曲が終わると大拍手。「どうもありがとう」ってマキさん。

 6曲目の前にヴァイオリンとピアノのリズミカルな音色をバックに詩の朗読を。“海を買いたいと願う娼婦”のお話で、いつも“買われている”から今度は自分が“買う”んだと。しかし海を売ってるとこなどあるわけがなく・・・マキさんはステージを右へ左へと手をかざしながら歩きまわって。そして額の汗をぬぐう仕草をして歩きつかれた様子を。そしてはじまった曲は「記憶の海」。ピアノのゆったりとした穏やかで美しい音色からはじまって、力強くもおだやかなヴォーカルが響き、艶やかなヴァイオリンの音色が曲を盛り上げます。静かにゆったりと、そしてキラキラ輝く広い海の景色が目に浮かぶようです。

 「どうもありがとう」ってマキさん。そして「1部の最後の曲はDUOでやってみたいと思います」って。すると太田さんが「あばよ!」って楽屋へ。客席から笑いが。「太田恵資さん!」ってマキさん。大拍手です。
 曲の前にピアノをバックに詩の朗読を。ミステリアスでダークで妖しい雰囲気が漂って。マキさんは赤子の鳴き声のようなスキャットも。黒田さんはピアノの低音を弾くのではなく、直接ピアノ線をはじいたりして。そして1部最後の7曲目がはじまります。ゆったりとした悲しく切ない曲。♪不幸せという名の猫がいる、って。間奏のピアノソロではミステリアスかつダイナミックな演奏が。
 曲が終わると大拍手!「ありがとうございます」ってマキさん。鳴り止まぬ拍手に黒田さんが「休憩です」って。約1時間の第1部でした。ここでしばし歓談タイムです。マキさんは自分の近くのお客さんに挨拶されたあと楽屋へ。太田さんは一服されたり親しいお客さんとおしゃべりされたり。黒田さんは一旦外へ出られたあとピアノのそばでくつろいでおられました。

 21時15分ころ、メンバーの皆さんがステージで打合せを。そして20分頃、客席が暗くなって第2部スタートです。「えっとでは2部を始めます」って。最初の曲は黒田さんはお休みで、マキさんと太田さんのDUOです。開始前の打合せは何を演奏するかもめてたとか。マキさんの曲は簡単そうで大変な曲が多いそうで。
 そしてはじまった2部最初の曲は「戦争はしらない」。静かにゆったりと幻想的なヴァイオリンの音色がながれ、そして美しいスキャットがたおやかに。まるで朝もやが徐々にはれていくかのように。そして素朴なヴォーカルがゆったりとながれ、サビではドラマティックに歌いあげて。間奏ではディレイのかかった幻想的なヴァイオリンの音色が響き、さらには太田さんが山岳地域で歌うかのようなパワフルなヴォーカルを聴かせてくれて。しっとりとした美しい曲です。

 続いては太田さんが弦を指で弾いたり、ピアノとダークで不気味な音色を響かせて。マキさんはマイクを指でコリコリと。そして朗読がはじまり、それからうらめしそうなスキャットを。まるで幽霊がでてきそうな雰囲気です。そしてピアノの寂しげなリフから”悲しい男の恋の物語“ってはじまった9曲目は「人魚」。ゆったりとしたピアノのリフレインをバックに美しく切ない歌が。間奏からはテンポアップして明るくさわやかな、まるで雲がはれて星が輝く満天の夜空が見えてきたかのような。リズミカルなピアノのリフをバックに、ヴァイオリンの躍動感あふれる綺麗なソロが流れて。そしてそのリズムでパワフルなヴォーカルが。その後再びダークな雰囲気に。ピアノの暗くミステリアスでダイナミックなソロが。まるで地獄に堕ちていくかのような。凄い迫力です。そしてそれが落ち着くと太田さんがハンドマイクでなにかささやいて。その後マキさんはしゃがんで寂しそうにラストヴァースを歌って。感情移入してしまうドラマティックな悲しい物語の曲です。曲が終わると大拍手。「どうもありがとう」ってマキさん。

 ここでしばらくマキさんが近況を語られて。マキさんは風邪をひいたことがきっかけとなって、40年吸っていたタバコを止めて、禁煙生活が現在1ケ月続いているそうです。で、タバコをやめれば体調もよくなってノドの調子もよくなると思っていたそうですが、それが意外とそれほどでもない、とか。口寂しいくなってつい何かを口にしてしまって体重が増えたとか、ストレスがたまるとか。さらにはノドのほうも、以前はイガイガやエヘン虫が気になっていたそうですが、それはなくなったそうです。でもそれでノドの調子がよくなったかといえばそうでもないって。「声が細くなった」ってマキさん。どこか調子悪いくらいのほうがいいのかなって。客席から笑いも。「なにかしょってたほうが頑張れる」って。長い間毒に侵されてたから、浄化するのにもう少し時間がかかるかなってこともおっしゃってましたね。この身体での歌い方を習得するのに時間がかかるかもって。
 40周年ということもあって、原点に戻るという、なにか悩んだら原点にもどることも必要だってこともおっしゃってました。いい意味で原点に戻れる機会を得たって。そうそう、この記念でデビューからのCD-BOXを発表する予定があるそうです。これめっちゃ楽しみですね。

 そんななかで次とその次はあまり知られてない曲をやってくれる、と。「有名じゃない曲、知られていない曲のなかにもいい曲があって」「メジャーでない曲、っていうか皆さん知ってる曲って少ないと思いますけど・・・」って自嘲気味のマキさんです。そしてはじまった10曲目は「まちかど」っておっしゃったかな。美しいピアノのリフレインが響き、哀愁を感じるゆったりしっとりとしたヴォーカルが。叙情的な曲です。伸びやかで切ないヴァイオリンの音色も素晴らしい。
 続いて“皿洗いの少女”や“光るレコード”の詩の朗読のあと「盗まれた月の話です」ってはじまった11曲目はゆったりとした艶やかで美しいムーディな曲。あまりの美しさにうっとりと聴きほれてしまいます。特にヴァイオリンのその音色ときたらそれはもう・・・酔いしれてしまいそうです。もちろんマキさんのおだやかでつやっぽい歌声もたまらなく美しい。曲が終わると拍手に応えて「ありがとうございます」ってマキさん。

 ここでマキさん、黒田さんのほうを見て「元気?」って手を振って。ここでマキさんは黒田さんにマイクを渡して。黒田さんは本日持参されていたCDの宣伝を。欲しいなぁ・・・でもなんか直接買うのは恥ずかしいかも。
 「黒田さんとやることになるとは思いもかけなかったです」ってマキさん。「わたくしもです」って黒田さん。マキさんは黒田さんのことはずっと以前から知っていたそうですが、「とてもこわい人かなと思っていた」って。「いまでもちょっとこわいけど同じくらい優しい方」「年下だけどお姉さんみたいな感じ」って。「黒田京子さん!」ってあらためて紹介。続いてマキさんは「太田さん宜しくお願いします」って太田さんに話をふりますが・・・「“口は災いの元”ですから・・・」ってやんわりと遠慮して。爆笑です。マキさんは先日太田さんの出演されたライブを観にいかれたそうですが、「いや、びっくりしました。曲・・・やったっけ?」って。ほとんどおしゃべりだったそうです。「ねぇ、助けてよ、ほら。和ませて」ってマキさん。「太田さん、しゃべり面白いんだよ」って。「もう気持ちが曲のほうにいってるんですね」ってマキさん。「いや、いくらでもしゃべれるんですけど、たいてい後悔しますんで・・・」って太田さん。

 「では、じゃあ行きましょうか」ってマキさん。次は「ともだち」っておっしゃったかな。「“友達”がいないひとのために寺山修司はこういうことを言っています」「友達がいなくても全然不安に思うことはないよ。だって僕は浴槽で“ワニ”を飼うことにしたの」って。♪ワニワニワニワニワニ~って、アングラなアヴァンギャルドな混沌とした世界に。ラストはため息のあと「恋なんてどうせたいしたものじゃないのさ」「寝るときは別々に寝るにかぎるさ!」って。

 太田さんのカウントからリズミカルなリフが。「私は塔の“てっぺん”に棲む魔女なの」ってはじまった13曲目は「てっぺん」。アップテンポのめっちゃパワフルでロックしてる曲。躍動感あふれるピアノリフをバックに迫力のある力強いヴォーカルがたっぷりと。間奏のアグレッシブなヴァイオリンソロもかっくいいっす。ソロ中もマキさんは踊りながらパーカッシブなスキャットを。そしてド迫力のシャウトやハイトーンもキメて。凄いっす! 曲が終わると大拍手に「どうもありがとう」ってマキさん、深くお辞儀して。

 続いてヴァイオリンのゆったりとした暗く幻想的な音色が響いて、そして詩の朗読が。「40年って長いようで早かった」「最近昔のことばっかり思い出す。昨日のことはすぐ忘れるくせに、昔のことはよく覚えている」「真夏の暑い暑い日だった・・・」「果てしない世界に私はひとり」ってはじまった14曲目は「Summer Time~時には母のない子のように」。最初のヴァースは英語で、ゆったりと艶やかに幻想的に。ヴァイオリンのディレイが非常に効果的に響いて。そしてピアノの切なく悲しいリフレインからしっとりと日本語で寂しそうに歌われて。間奏ではピアノの躍動感あふれるリフをバックに伸びやかでパワフルなヴァイオリンソロが。つづいてはピアノのパワフルでダイナミックなソロが。バックでは太田さんがヴァイオリンを指で弾いてリフを。そして力強いヴォーカルがはいって盛り上がります。そして太田さんがまるでエレキギターのような音色のハードロックなソロを。それが徐々に静かになっていって、テンポもゆったりになって再びもとのゆったりとした悲しく切ないメロディに、そしてしっとりと静かにFin。

 曲が終わると大拍手大歓声。そしてマキさんがお辞儀をしてメンバー紹介を。「ピアノ、黒田京子!」「ヴァイオリン、太田恵資!」って。そして太田さんが「カルメン・マキさん!」って。大拍手です。もちろんお客さんはアンコールを求める手拍子を。メンバーのみなさんは楽屋には下がらずにそのままアンコールへ。
 「じゃあ最後に」ってマキさん。「港町にふさわしい曲、私の大好きな曲」ってはじまったオーラス15曲目は「にぎわい」。ピアノの跳ねるようなリズミカルなリフにのってヴァイオリンのゆったろとした伸びやかな音色が響いて、そしてちょっとけだるい感じのべらんめえ調のパワフルなヴォーカルが。ちょっと懐かしい感じの楽しい曲です。途中お帰りになるお客さんにマキさんは歌ってる途中に「ありがとう!」って手を振って。間奏ではリズムにのったゆったりとおだやかなヴァイオリンソロが。終盤には短いピアノソロも。ラストは「秋が過ぎ、冬も過ぎ・・・もうすぐ春だ!」って元気よく。曲が終わると大拍手大歓声!メンバーのみなさんはお辞儀をして楽屋へ・・・時計を見ると22時50分。

 今回はゆったりしっとりした曲が多く、マキさんの表現力豊かな、感情豊かな素晴らしい歌声を存分に堪能できました。歌詞の情景が目に浮かぶ、歌の世界に入ってしまう、マキさんの一挙手一投足を固唾を呑んで見入って聴き入ってしまう、そんな感じの前半1時間後半1時間半の素晴らしいライブでした。食器のカチャカチャ音や客のライターのカチカチ音がうるさく聴こえるくらいに美しい音色歌声を皆さん真剣に聴き入ってましたね。
 マキさん、今回も髪を頭の上で束ねて紐のアクセサリーをつけて。相変わらず美しいお顔・おすがたにうっとりです。初めて拝見する黒田さん、時に繊細に時にダイナミックに素敵なピアノを聴かせてくれました。そしてやはり久々となる太田さんのヴァイオリンの艶やかで美しい音色がたっぷり聴けて嬉しかったっす。もちろんあのヴォーカルもかっこよかった。
 マキさんはタバコを止める以前よりも声が小さくなったとおっしゃったましたけど、より繊細に、よりパワフルになったようにも感じました。また次回も観にいきたいっす。