ひよりの音楽自己満足

自分の好きなアルバムやアーティストを紹介させていただきます。

コスモス・ファクトリー 2nd

2010-06-30 21:36:43 | 70's J-プログレ
 以前紹介させていただいた、70年代初期の日本のプログレッシブ・ロックバンド<コスモス・ファクトリー>。今年(2010年)春にずっと廃盤になっていたアルバムが紙ジャケで再発されたんですよね。いい機会なので今度は初期3枚のアルバムの紹介をさせていただこうかと。
 1970年に<サイレンサー>の<泉つとむさん(Key&Vo)>、<水谷ひさしさん(Gr)>のお二人と、<バーンズ>の<滝としかずさん(Bs)>、<岡本和夫さん(Dr)>のお二人の4人編成で結成され、3年後の1973年に1stアルバム「トランシルヴァニアの古城」を発表。オリジナリティあふれるスタイルは反響を呼び、75年8月にはこの2ndアルバム「謎のコスモス号」を発表します。海に白抜きのタイトルというシンプルなジャケットですが神秘的な雰囲気が漂っています。
 アルバム1曲目は「Sunday’s Happening」。ミドルテンポのアヴァンギャルド風ではじまって、ちょっぴりノンビリした感じのギターリフとヴォーカルがはいって。サビではパワフルに盛り上がります。間奏ではちょっととぼけた感じのワウを効かせたギターソロが。肩の力が抜けるのどかな感じの曲ですね。
 2曲目は「Daydream」。ミドルテンポの力強いビートからはじまって、ヘヴィなギターリフがはいって。そしてエモーショナルなオルガンソロのあと、一旦リズムがとまってアヴァンギャルドな感じに。その後再びうねるリズムがはいって、ギターもうねりまくってFin。
 3曲目は「Hiver」。美しいピアノリフからゆったりとはじまって、しっとりとしたコーラスが響いて。その後ピアノをバックに囁くようなヴォーカルがゆったりとながれ、そしてフランス語のナレーションがはいって。静かな抒情的な曲です。
 4曲目は「Confusion」。流れ星のようなスペーシーな音からはじまって様々なノイズ音がながれて。アヴァンギャルドな小曲(?)です。ラストはピアノをパワフルに叩き(?)まくって。
 5曲目は「The Infinite Universe of Our Mind」。スペーシーなサウンド、そしてダークなリフからはじまって、オルガンのミステリアスなサウンドからミドルテンポでヴァースへ。しっとりしたヴォーカルがサビでは歌い上げて。そしてダークでヘヴィなギターリフ、そしてピアノをバックにアグレッシブなギターソロが。暗く妖しい雰囲気の曲ですね。
 6曲目は「The Sea」。波の音からゆったりとはじまって、ギターとキーボードのクリスタルなサウンドからゆったりと叙情的に展開していきます。それが徐々に力強くなってドラマティックに盛り上がっていきます。後半にはメロウなギターソロと美しいスキャットがながれて。
 7曲目は「A Hidden Trap」。キーボードの鮮烈なサウンドからダイナミックにはじまるも一旦静かになって、そしてベースサウンドのリフから徐々に盛り上がっていって。ピコピコサウンドのキーボードソロ曲です。
 8曲目は「Wind In The Morning (A Trip)」。キーボードのクリスタルな綺麗なサウンドのリフからゆったりと静かにはじまって、ギターの浮遊感のあるサウンドが心地よく響き、そこに囁くようなヴォーカルがはいって。天上界にいるかのようなフワフワの夢心地な曲ですね。
 9曲目は「Journey of No Destination」。フォークギターの力強いカッティングリフから始まって、キーボードとドラムのダイナミックなリフがはいって、パワフルなリズムをバックに哀愁ただようヴォーカルが。情感あふれるドラマティックな曲ですね。間奏ではスペーシーなシンセサウンドをバックにエモーショナルなギターソロが。ベースもうねりまくってます。ラストはドラムも叩きまくりで盛りあがって。
 10曲目は「The Cosmogram」。ミドルテンポのリフから静かにはじまって、いきなり♪ジャーンって音が。ちょとビックリです。その後ワウをたっぷり効かせたコミカルなサウンドのギターソロがたっぷりと。ラストは笑い声でFin。
 このアルバムでは前作同様に日本的な部分を残しつつも“西洋の神秘”のイメージも取り入れ、進化するすがたを見せています。なかでも作曲家ドビュシーに影響を受けて作曲したという「海」は秀逸です。ただ今回は大作はなく、曲は長くても5分弱と短めにコンパクトにまとめられています。

コスモス・ファクトリー 1st

2010-06-27 15:48:16 | 70's J-プログレ
 以前紹介させていただいた、70年代初期の日本のプログレッシブ・ロックバンド<コスモス・ファクトリー>。今年(2010年)春にずっと廃盤になっていたアルバムが紙ジャケで再発されたんですよね。いい機会なので今度は初期3枚のアルバムの紹介をさせていただこうかと。初めにもう一度バンド紹介を。
 1970年に<サイレンサー>の<泉つとむさん(Key&Vo)>、<水谷ひさしさん(Gr)>のお二人と、<バーンズ>の<滝としかずさん(Bs)>、<岡本和夫さん(Dr)>のお二人の4人編成で結成されました。地元の名古屋で1年ほど活動されたあと上京し、1年間以上ひたすら練習して技術を磨き、作曲活動にも励んで、そしてピンク・フロイドのようなサウンドではあっても、あくまでも歌詞は日本語にこだわる、というスタイルを模索していったそうです。
結成して3年がたった1973年の10月にこの名盤の誉れ高い1stアルバム「トランシルヴァニアの古城」を発表します。ボロボロになったクラシックカー(?)のジャケット、どことなくオカルトっぽくて最初は買うのをためらってしまいました。
 アルバム1曲目は「サウンドトラック1984」。時計の秒針のリズム、キーボードとベースのダークで不気味なサウンドからはじまり、ミドルテンポのミステリアスな雰囲気に。後半にはエモーショナルなギターソロも。
 2曲目は「神話」。ゆったりと劇的でダイナミックにはじまり、オルガンの音色、そしてメロトロンサウンドが響き、しっとりとしたコーラスが。その後パワフルなドラムをバックにギターの哀愁ただよう泣きのメロディがながれ、寂しげなヴォーカルがはいって抒情的に展開していきます。サビではドラマティックに盛り上がって、間奏ではギターのメロウなソロも。
 3曲目は「目覚め」。ピアノのゆったりと美しいリフからはじまって、そこにお琴の音色が加わって、爽やかな感じながらも情緒たっぷりに聴かせてくれます。しっとりとしたヴォーカルがゆったりと幻想的にながれ、それが徐々に力強く盛り上がっていって。
 4曲目は「追憶のファンタジー」。ギターとキーボードのミドルテンポのパワフルでダイナミックなリフからはじまるも、ヴァースはゆったりと静かに。そしてサビでは歌い上げて盛り上がります。間奏ではエモーショナルなギターソロが。この曲もとってもドラマティックですね。
 5曲目は「ポルタガイスト」。ミドルテンポのパワフルなリズムにのってオルガンリフが、変拍子ながらもリズミカルに。そして艶やかなヴォーカルがはいって、ちょっとアヴァンギャルドな雰囲気にも。間奏ではギターのメロウなフレーズのあと、アグレッシブなオルガンソロが。
 6曲目は組曲「トランシルヴァニアの古城」。で、1).死者の叫ぶ森 2).呪われた人々 3).霧界 4).トランシルヴァニアの古城。1部は♪ダーン!とピアノの衝撃的な音、そしてキーボードとベースの暗く重いサウンドが響いて。その後オルガンのミステリアスなリフがながれ、ミドルテンポのパワフルで躍動感のあるリズムがはいって、ギターがエモーショナルなソロを。2部はオルガンのしっとりとした抒情的なフレーズがながれ、シンバルロールとともに盛り上がって、ゆったりとダイナミックなリフが。そしてしっとりとしたヴォーカルがはいって、その後エモーショナルなギターソロが。3部ではミドルテンポの躍動感のあるリズムとヴォーカルがはいってドラマティックに盛り上がり、その後オルガンソロが響きわたって。4部ではオルガンとギターのアグレッシブなソロがアツく展開しますが、一転静かになってメロトロンのミステリアスなサウンドがながれ、そしてしっとりとしたヴォーカルがはいってドラマティックなエンディングへ。ラストは雷鳴が轟く暴風雨のサウンドが響いてFin。
 このアルバムはプログレの王道ともいえるコンセプト・アルバムとなっていて、アルバム全体が暗く重く、それでいてドラマティックで美しくもあります。なかでもこのアルバムのハイライトである4部構成の18分を超える大作「トランシルヴァニアの古城」は“これぞジャパン・プログレ”と言える名曲と高く評価されているようです。

10.6.6 ptf

2010-06-21 23:46:55 | ライブレポ プログレ2008-2011
◇ 2010.6.6 沼袋Sanctuary
<opening act>
 先日の<ARSNOVA>のライブでは、<ptf>というバンドがopening actとして出演することが事前に告知されていました。で、自分はこのバンドのことは全く知らず、何も下調べもせずにライブに臨んだんです。おそらく20-30分くらいの持ち時間だろうし、サクっと終わらせるんだろうなってタカをくくっていたんですよね。でもいったいどういう曲を演奏するどんなバンドなのか楽しみにしておりました。

 さて当日。開演時間の18時半を10分ほど過ぎたころ、ようやく客席が暗くなってステージにメンバーが登場します。男性4人でなんかダボっとしたラフな衣装で、見た目ではひょっとしてパンクかヒップホップ系かと思ってしまったのですが、楽器編成をよく見るとステージ向かって左からベース・ドラム・キーボード、そしてフロントはエレクトリックヴァイオリンと、あの<KBB>と同じ編成でビックリ!

 そして1曲目「Horizon-Vertical」がはじまります。オルガンのダークなサウンドからミドルテンポでヴァイオリンのヘヴィなリフが。そしてヴァイオリンののびやかで美しいメロディが心地よいベースラインとともにながれて。その後ベースリフからキーボードソロ、ゆったりとメロウなピアノリフをバックに力強いベースラインが。そしてヴァイオリンの伸びやかで綺麗なソロがドラマティックに奏でられて。中盤ではミドルテンポのヘヴィなアラビアン風のフレーズがながれ、ベースのパワフルなソロ、ヴァイオリンのアグレッシブなソロと続きます。終盤ではヴァイオリンの伸びやかなフレーズからパワフルにスリリングに展開してダイナミックにFin。

 「どうもこんにちは、ptfです」「メンバーを紹介します」「キーボード、キト・タケヤ」「ドラムス、セキ・ユウスケ」「ベース、マニワ・ユキタカ」「ヴァイオリン、タカシマ・ケイスケ。宜しくお願いします」ってメンバーおのおのに拍手です。<ptf>は結成してまだ1年しか経っていないとか。ちなみにARSNOVAは83年結成だそうですが、タカシマさんは「83年生まれ」って爆笑!で、今回オープニングアクトではあるものの持ち時間は1時間だそうで。「持ち曲、全曲演奏します」って爆笑です。

 2曲目は「nightacape」。ベースリフ、そしてピアノリフから綺麗にはじまって、ヴァイオリンの美しくしかも叙情的なメロディがゆったりとながれ、そしてロマンティックに展開していきます。ピアノリフをバックにメロウなベースラインがながれ、そしてヴァイオリンの哀愁ただようサウンドがながれ、それを追いかけるようなベースラインが心地よくながれて。中盤ではゆったりと雄大さを感じさせるメロディがながれ、リズミカルでパワフルなピアノソロへ。そしてリフから伸びやかでスケールの大きな感じのヴァイオリンのソロからパワフルにドラマティックに盛り上がって、ラストはゆったりと静かにFin。

 今年初のライブということで「あけましておめでとうございます」って爆笑です。今回のライブは7ケ月ぶりなんだそうで。今年はもっと頑張って飛躍の年にしたいと。で、今日はとにかく<ptf>を知ってもらいたい、と。MCに関しては「“しゃべりが上手くないバンド”って思われちゃう」って。でもヴァイオリンとキーボードのやりとりはなかなか面白いっす。

 3曲目は「chomatic rays」。ピアノのゆったりとした綺麗なリフからはじまって、ヴァイオリンのゆったりとした心温めるメロディがたおやかにながれて。優雅で美しい感も。そしてミドルテンポのリズムがはいってピアノの綺麗なフレーズとベースラインが心地よくながれ、それが徐々に盛りあがって。その後ベースとピアノのユニゾンリフからヴァイオリンの優雅なメロディがドラマティックにながれて。中盤ではピアノとベースの変拍子のリズミカルなリフをバックにヴァイオリンの伸びやかなフレーズがながれ、そしてパワフルなドラムをバックにヴァイオリンの変拍子リフに続いてキーボードのアヴァンギャルド風ソロが。ヴァイオリンとベースがリフを刻みながら向き合って。その後一旦ヴォリュームダウンしますがヴァイオリンとキーボードの掛け合いから徐々に盛り上がってパワフルにダイナミックに。終盤ではオルガンサウンドが響き、ヴァイオリンのワウを効かせたアグレッシブなソロ、そしてドラムがパワフルに叩きまくって、ラストはヴァイオリンの優雅なフレーズがドラマティックにながれてゆったりとFin。

 今回新たにバンドロゴを作成されたそうで、配布されたフライヤーに描かれていました。が「トラックの後ろの貼ってある交通安全のステッカーのデザインに似てる」って、爆笑です。
 <ptf>はHPはないんですが、ブログやマイスペはあるそうで。で、今回のライブにともなってARSNOVAのHPにリンクされたところ、「この2ケ月でそれまでの半年間のアクセス数の3倍になった」って、爆笑です。
 ちなみに次回のライブは8/1だそうです。さらに次は9/18でこのSanctuaryでヴァイオリンバンドの対バンだそうで。

 4曲目は「flare」。パワフルなドラムからミドルテンポでリズミカルながら優雅なヴァイオリンのリフ、そして伸びやかなフレーズがながれて。まずはキーボードのクリスタルなサウンドのソロ、続いてテクニカルなベースソロ、そしてキーボードとベースのテクニカルなリフが。ヴァイオリンは伸びやかなフレーズを奏でて。中盤ではミドルテンポのダンサブルなリズムでキーボードのテクニカルなリフ、そしてヴァイオりンのエモーショナルなソロが。とってもドラマティックで、それがダイナミックに盛り上がって。

 曲の印象とかを「自由にブログにコメントを書いて欲しい」って。で、実はすでに新曲が出来上がっているそうですが「今日はやらない」って。でも「すごくいい曲」って自画自賛されてます。次のライブでのお楽しみですね。今回のライブで<ptf>を知ってもらうという「今日の目標は達成できた」って。そして「またライブに来ていただけたら嬉しい」って。で「次の曲でお別れしたいと思います。どうもありがとうございました」ってタカシマさん。

 ラスト5曲目は「Seaward Meteor」。スティックのカウントからダイナミックで華々しいオープニングが。そこから明るく爽やかな変拍子リフ、そしてキーボードのエモーショナルなソロへ。ベースとヴァイオリンが向き合って。その後一旦リズムが止まってヴァイオリンのアヴァンギャルドなソロが、ヘヴィサウンドでダークでアグレッシブに。モニターに足をのせてます。そしてヴァイオリンが伸びやかなフレーズを奏でたあと、ワウを効かせたアグレッシブなソロへ。中盤ではヴァイオリンのゆったりとした雄大なフレーズのあと、ベースとのテクニカルなユニゾンリフが、パワフルな叩きまくりドラムとともにながれ、ダイナミックに盛り上がります。その後キーボードのスペーシーなサウンドのソロが。ベースとヴァイオリンはその様子を見ながらニコニコ。終盤ではパワフルな叩きまくりドラムをバックにダイナミックなリフが。ベースはもうノリノリっす。その後ヴァイオリンがゆったりとロマンティックなフレーズを奏でるも、すぐにアグレッシブな弾きまくりソロへ。ラストはめっちゃ盛り上がってFin。

 曲が終わると大拍手大歓声!「どうもありがとうございました、ptfでした」ってタカシマさん。メンバーの皆さんはお辞儀をしてお片付け開始でライブ終了。時計を見ると19時45分と、1時間強のオープニングアクトとしては異例の長い持ち時間のライブでした。ライブが終わると近くのお客さんが「いいバンドだね」「KBBとかMIDASっぽいね」っておっしゃってました。ヴァイオリンロックが好きな自分としてはこの日に観ることが出来なかったKBBと同じ編成の、似たような楽曲を演奏するバンドを偶然にも聴けて嬉しかったっす。曲の終わりとか演奏面でやや雑な部分もちょこっと感じましたけど、ライブ本数が少ないなかでは仕方ないかなと。サウンド的にはKBBのメロディアスな楽曲からインプロを少し省いたような感じでしたが、ドラマティックな展開がたくさんあって楽しめました。エネルギッシュなヴァイオリン、綺麗な音色のキーボード、パワフルでタイトなドラム、良かったっす。そしてベースが元気いっぱいでファンキーでかっこよかったっす。今後のライブ活動、そして今後準備されるであろうデモアルバムなどの音源にも注目していきたいっす。

古川初穂ピアノトリオ おくにうた

2010-06-17 22:04:29 | フュージョン
 80年代にはテクニカルフュージョンバンド<羅麗若>で、そして現在は多くのセッションやサポート、そして実弟の望さんとのバンド<古川兄弟>でも活躍されているピアニスト<古川初穂さん>。古川は、2005年に<T-SQUARE>のリズム隊のベーシスト<須藤満さん>と、ドラマー<則竹裕之さん>と<古川初穂ピアノトリオ>を結成。不定期ながらもライブ活動が精力的に行われ、2007年7月には1stアルバム「Yo・Ka・N・」が発表されました。
 <古川初穂ピアノトリオ>は、全国ツアーで各地でライブをやる際に、必ずご当地にゆかりのある曲を1曲演奏されるそうです。2005年の秋に富山県高岡市でライブを行ったときに、高岡にちなんだ曲をリクエストされて、当地に縁のある漫画家の藤子不二雄さんの「ドラえもん」の歌をJAZZアレンジで演奏され好評を得たのがはじまりなんだそうで。その曲は1stアルバムに収録されています。そして2010年4月にはそのご当地ソングを集めたこのアルバム「おくにうた」が2ndアルバムとして発表されました。
 アルバム1曲目は「雨の御堂筋」。力強いピアノのリフからゆったりとはじまるも、一転軽快なハイテンポのリズム&ベースがはいって、リズミカルで明るく爽やかなピアノのメロディが軽快にながれて。まずはテクニカルかつパワフルなピアノソロがたっぷりと。すごい迫力を感じます。続いてはエネルギッシュなドラムソロが。
 2曲目は「会津磐梯山」。ピアノゆったりとたおやかな音色がなだらかにながれて、そしてミドルテンポのリズムがはいってピアノが歌メロをジャジーにおしゃれに奏でて。アダルティな雰囲気がただよっていますね。まずはエモーショナルなピアノソロ。バックではベースがうねってます。
 3曲目は「水戸黄門のテーマ」。ミドルテンポでしっとりと落ち着いた感じではじまり、歌メロをピアノが断片的にジャジーに奏でて。中盤にはテクニカルかつソフトで軽やかなピアノソロが。続いてエモーショナルな味わい深いベースソロ。その後ピアノソロとドラムソロの掛け合いが。終盤ではテーマメロに戻って大人の雰囲気たっぷりに聴かせてくれます。
 4曲目は「東京ラプソディー」。ピアノのしっとりとしたリフからゆったりとはじまって、そしてテンポアップして明るく楽しくリズミカルで爽やかな展開に。再びしっとりとした感じになるも徐々に盛り上がっていき、アグレッシブなピアノソロへ。中盤にはリズミカルで軽快なピアノソロが。その後また静かになって味わい深いベースソロが心地よく響いて。終盤では再びアップテンポの楽しい雰囲気になり、ダイナミックにパワフルにFin。
 5曲めは「京都慕情」。ベンチャーズ作曲で渚ゆうこさんが歌われた曲。ブルージーなピアノリフからゆったりとはじまって、哀愁ただようメロディがしっとりと抒情的にながれて。中盤からは徐々に力強い音色になって盛り上がっていき、そして徐々に静かにしっとりとなってFin。とってもドラマティックな曲ですね。
 6曲目は「よこはま・たそがれ」。五木ひろしさんの大ヒット曲。ドラムからはじまってゆったりとしっとりと落ち着いたアダルティな雰囲気がただよって。そしてミドルテンポの力強いサウンドで歌メロっぽいピアノのメロディが断片的にながれて。中盤まずはエモーショナルなピアノソロが。それが徐々にパワフルにエネルギッシュに。ドラムも叩きまくりで。終盤再びしっとりと静かになるも徐々にパワフルに盛り上がって、アグレッシブなピアノソロが。
 7曲目は「北の国から~遥かなる大地より~」。北海道富良野が舞台となった超有名TVドラマのテーマ。ダークでパワフルなピアノリフからはじまって、アップテンポのリズムがはいって、そしてベースがまずはAメロを、続いてピアノがリズミカルにBメロを奏でて。元曲がしっとりとした曲調だけにその反対でくるとは思いませんでしたね。これは凄いっす。中盤にはリズミカルなベースソロもあり、終盤にはピアノとベースのリフバトルも。このアレンジはほんと面白いっす。
 8曲目は「贈る言葉」。金八先生で大ヒットした博多出身の武田鉄矢さん率いる海援隊の超有名卒業式ソング。パワフルなドラムからゆったりとはじまって、ピアノのたおやかな歌メロがしっとりとながれて。そしてエモーショナルなピアノソロがたっぷりと。中盤には静かになって奥深いメロウなベースソロが。それが徐々に盛り上がっていって。終盤再びピアノの歌メロがながれ、そしてピアノソロへ。
 9曲目はアルバム唯一の初穂さんのオリジナル曲「Little Flower」。この曲は北海道にツアーに行った際に、雪に埋もれて咲いていた白い小さな花を見つけて、そこから曲が浮かんだそうで。ピアノのしっとりとした美しい音色からゆったりとはじまって、そしてミドルテンポのリズムがはいって軽やかな明るい曲調に。中盤にむかって盛り上がっていき、そして力強くエモーショナルなベースソロへ。その後テンポアップしてピアノソロとテクニカルなドラムソロの掛け合いも。ラストはゆったりとたおやかにFin。エンディングにふさわしい、優しく心温まるドラマティックな曲ですね。
 元曲がわからないくらいにアレンジされた曲もあれば、オルジナルの歌メロに近い感じでアレンジされた曲もあり、聴き応えがあってかなり楽しめますね。初穂さんの繊細で美しく、しかも力強いピアノも、須藤さんの味わい深いベースも、則竹さんのテクニカルなドラムもほんと素敵です。
 ご当地ソングといってもその地方の民謡とかだけでなく、出身歌手やその土地で有名になった曲という選曲がこれまたいいですねぇ。ちなみに同じ曲は同じ場所で二度と演奏せず、同じ場所にいっても必ず違うご当地ソングを演奏されるそうで。最初はいいですけど、年を追うごとにネタさがしが大変になってくるかも?
 自分は2010年2月にプログレユニットながら初めて初穂さんの出演するライブを観ることができました。その繊細かつパワフルでテクニカルな演奏に見とれてしまって。いつか機会があれば<古川初穂ピアノトリオ>のライブも観に行きたいっす。

10.6.12 華吹雪

2010-06-13 19:32:44 | ライブレポ HR/HM
◇ 2010.6.12 渋谷CLUB CRAWL
<第1回渋谷へっぽこ祭り“胸いっぱいの祭りを~2010”>
 2010年にはいってから<人間椅子>だけでなく<和嶋工務店>のツアーや、他ギタリストとのユニットなど、精力的にライブ活動を行っているギタリスト<和嶋慎治さん>。今回は<水戸華之介さん>のユニットの<華吹雪>です。このユニットでは70年代のハードロックにのせて懐かしの歌謡曲や演歌を歌ってくれるとのことで、いつかライブを観にいきたいとずっと思っていました。水戸さんの歌を生で聴いてみたかったし、和嶋さんのハードロックギターも聴きたいし、ドラムは<ナカジマ・ノブさん>だし。他メンバーは<ドミンゴス>のギターの<三田ヒデキさん>と、ベースの<ミツゴローさん>です。なんかめっちゃ楽しめそう。

 さて当日。休日出勤の仕事を早めに切り上げて会場へ。10分前に着くと待っているお客さんは美しい女性ばかり!いやこれミスったかな?なんとも自分のようなブサイクなおやぢはあきらかに場違いな感じ。帰ろうかとも思いましたがチケット代ももったいないし、たとえ場違いでも会場の隅っこでいいからライブ聴きたいし。そして恐縮しながらも順番でフロアーへ。もちろん自分は後ろの隅っこで目立たないようにひっそりと。でもなんとなく冷ややかな視線を感じます。
 開演時間が近づくとフロアーほぼ満員で150人強でしょうか?その頃には男性もちらほら見かけましたが、やっぱり95%女性ファンですね。

 19時をちょっと過ぎたころ、フロアーの照明が暗くなってステージにはオープニング・アクトの“東夏夫”こと<井垣宏章さん>が手を上げて登場!拍手で迎えられます。黒時にピンクの花柄の浴衣すがたで大きな声で「こんにちは!」「こんにちは!」って何度もお客さんと掛け合いを。「ありがとうございます」って。最初からハイテンションで「万博の歌」や「東夏夫のテーマ」や「舟歌」などなどパワフルに歌って踊って盛り上げて。固定ファンも多いようで、お客さんも掛け声にちゃんと呼応して盛り上げてましたね。ステージと客席と一体となった楽しいライブです。
 水戸さんからは「演歌をやってくれ」って言われてるそうですが、たしかに元曲は演歌ですけど、めちゃめちゃロックしてましたね。「演歌でええんか?」「ええじゃないか!ええじゃないか!」ってもうお祭り騒ぎで超盛り上がり!それでも最後は「襟裳岬」でドラマティックにFin。
 たった30分でしたけど、演奏もMCもめっちゃ面白くて楽しめました。

 セットチェンジになると、和嶋さんがオレンジのハッピすがたでステージに登場して、エフェクターのセットやチューニングを始めてました。
 19時40分を過ぎたころ、再びフロアーの照明が暗くなって、そして祭り囃子のSEがながれて“お祭り”ムードを高めます。なんか気分が高揚してきましね。そしてメンバーが登場!ノブさんは火消しのハッピで、三田さんはドリフの全員集合みたいな市松のハッピ。皆さんいなせですねぇ。ミツゴローさんもかっくいいっす!そして最後に水戸さんが黒系の着物をマントのように羽織ってたすきをかけて登場!大拍手で迎えられます。

 そしてクラッシュシンバル連打からお江戸音階の華々しい強力なオープニングテーマが鳴り響きます。「ソイヤ!ソイヤ!」ってお客さんを煽って「渋谷!今日は祭りだ!」「騒ごうぜ!」「黙ってオレについて来い!」って水戸さん。そしてミドルテンポでヘヴィなギターリフがはいって1曲目は「Come Together」。ですが歌にはいると♪金のないヤツぁオレのとこに来い!ってクレージーキャッツの曲に。中盤ではヘヴィブルーズ風で、和嶋さんのディレイの効いたエモーショナルなギターソロも。その後アップテンポになってパワフルに♪ラッセ~ラ!ラッセ~ラ!って盛り上げて。
 続いて2曲目は和嶋さんが「Burn」のリフを。ノブさんもドラム叩きまくりでめっちゃかっくいいっす。そしてヴァースになると歌は「青春時代」。アップテンポでノリノリっす。間奏のギターソロでは和嶋さんがステージ前に出てあのキメのトリルを。

 「こんばんは華吹雪です、宜しくお願いします」「高円寺から出ない<華吹雪>が渋谷初進出です」って水戸さん、大拍手です。「右も左もわからない」って水戸さん今日は電車で会場入りしたそうですが、道を間違えて違う方向を30分くらい歩いてしまったそうで。「駅から遠いって聞いてたけどこんなに遠いとは」って爆笑です。そしてここでいきなり衝撃の発言が。なんと今日のライブでこのユニット<華吹雪>のライブは一旦休止してしまうとか。「第1期終了ということで」って、ちょっと残念ですねぇ。でも休止する理由というのは特にないんだとか。ちなみに水戸さんいわく、一般的にバンドの解散とかの理由は“音楽性の相違”等が多いですが、実際には“打ち上げ時のケンカ”が多いって。だから「ライブ後の“打ち上げ”をやらなかったらバンドの解散は5割は防げたはず」って爆笑です。

 「最後の祭りということになりました」「最後のチャンスです」「粋でいなせな俺たちに惚れちゃいな!」って水戸さん。「キャ~!」って客席から黄色い歓声が。「花は桜木、男は華吹雪!」「見事に散ってみせましょう!」ってめっちゃかっくいいっす。
 3曲目はアップテンポのめっちゃノリノリのリフ&リズムからはじまります。曲は「Motherless Children」ですが、歌にはいると「祭り」に。♪♪ラッセ~ラ!ラッセ~ラ!ソーラン!ソーラン!ってお客さんを煽ってめっちゃ盛り上がり!間奏では和嶋さんがスライドギターをかっこよくキメて。
 続いて4曲目はパワフルなドラムからノリノリのロックンロールではじまります。曲名が思い出せないんですけど、歌にはいると「あんたが大将」に。中盤では三田さんとミツゴローさんと和嶋さんがステージ前に並んでアクションをキメて。そしてアグレッシブなギターソロも。
 さらに続いて5曲目はパワフルなドラムからアップテンポの力強いリフがはいって。これも曲名がわからないんですが、ヴァースのベースリフとリズムが「移民の歌」っぽかったっすね。で歌は♪ソイヤ!ソイヤ!って「前略、道の上から」です。途中、エモーショナルなギターソロもあり、三田さんとのハモりも。終盤ではめっちゃパワフルなドラムソロが。人間椅子でもドラムソロって滅多にやらないから、これは嬉しかったですねぇ。

 「“お祭り”だからね、あすのことなど考えず燃え尽きて」って水戸さん、大拍手です。でも「月曜日にマッサージの予約入れてある」って爆笑!
 ここでメンバーおのおののライブインフォで、まずは水戸さんが8月に吉祥寺で秋間さんとやるライブの告知を。続いて和嶋さんとノブさんが7月の人間椅子のライブ告知を。やはり今日は人間椅子ファンも多かったようでフロアーから拍手が。他にも三田さんとミツゴローさんとノブさん絡みのライブ告知も。水戸さんと他メンバーとのユニットはないようで「俺だけポツン」って寂しそうに。そしてお客さんの1人に「よし、じゃお前、バンドやろうか!」って、爆笑です。
 この<華吹雪>ですが、水戸さんはハードロックと歌謡曲ってコンセプトを高校のときから考えていたそうです。でも当時はなかなか上手くいかず、「あんたが大将も、そのまま海援隊バージョンになっちゃった」って爆笑!

 6曲目は「りんご追分」ですが、リフは「Black Dog」。めちゃめちゃパワフルでヘヴィでかっくいいっす。意外と合いますねぇ。終盤ではリフをバックに後半のセリフもあり、和嶋さんのエモーショナルなギターソロも。
 続いて7曲目はパワフルなリズムをバックに和嶋さんがワウを効かせてギター弾きまくりで、水戸さんはバンカラ傘をさして。そしてミドルテンポのヘヴィなリフがはいって、ノブさんがデスヴォーカルでシャウトしまくって。曲名がわからないんですが、サビでは水戸さんが「契り」を。サビだけわかりました。間奏では和嶋さんがワウを効かせたアグレッシブなギターソロを。その後のサビでは水戸さんが♪愛するひとぉ~よぉ~って歌いながら前列の女性ファンと次々に握手して。ラストはヘヴィリフをフロント4人でアクションをキメて。
 さらに続いて8曲目は綺麗なギターリフからはじまって、三田さんとのハモりもキメて。ミドルテンポでシブめの曲調ですが曲名がわからないっす。エアロスミスの曲なんだそうですが。そして歌にはいると「みちのく一人旅」に。水戸さん情感たっぷりに歌い上げて、間奏では和嶋さんの泣きのギターソロも。ラストは水戸さんが絶叫シャウトをキメて。

 曲が終わると大拍手大歓声!「どうもありがとう!」って水戸さん。「必要以上に仕上がったね」「ものすごく完成度高い」って和嶋さん。「ちょっと泣きそうになった」「泣いた?」って水戸さん。「エアロスミスより上手いよね」って、大拍手です。ここで昔のギタリストのコピーって話題から「最近の若い子はギター上手いよね」みたいな話になってひとしきり盛り上がります。
 「ここでファンキーに盛り上げて」って水戸さん。はじまった9曲目は「Walk This Way」。ミドルテンポのパワフルなリズムで、歌は「おら東京さ行ぐだ」。めっちゃノリノリで盛り上がって、サビではみんな手を振って。間奏ではエモーショナルなギターソロが。終盤では♪そうしましょったらそうしましょ!って盛り上がって。

 続いて始まった10曲目はこれまためっちゃノリノリのドライブ感満点の「Easy Livin’」。ですが歌は♪ええじゃないか、ええじゃないか♪ヨイヤサのヨイヤサって。これまたお祭り騒ぎで盛り上がってます。
 そしてここで曲を交えてメンバー紹介。まずは「あばれ太鼓が鳴り響く」「熱き心のバチさばき」「ナカジマ・ノブ、ナカジマ・ノブはいい男!」って。そしてノブさんが1曲歌って。アップテンポのノリノリでポップで楽しい曲ですけど曲名が思い出せないっす。
 続いては「高尾の山のてっぺんに、ベース御殿を建てましょう」「腹に響く4本弦、これが男の底力!」「ミツゴロー、ミツゴローはいい男!」って。そしてミツゴローさんも1曲歌って。盆おどりリズムからミドルテンポでヘヴィなリフが。これも曲名が思い出せないっす。
 次は「雨にも負けず風にも負けず生きてきた」「ギターを抱いた渡り鳥」「三田ヒデキ、三田ヒデキはいい男!」って。「お願いします!」って三田さん、はじまった曲は「21世紀のスキッソイドマン」。めっちゃパワフルでヘヴィな演奏で、三田さんのヴォーカルもかっくいいっす。でも歌はソーラン節でロングトーンもキメて。
 次は「生まれ故郷の弘前の、桜の花の見事さよ」「花のお江戸に出たからにゃ、ギター桜を咲かせましょう」「和嶋慎治、和嶋慎治はいい男!」って。和太鼓リズムで和嶋さんは「Purple Haze」を。一度タイミングが合わずやり直して、そしパワフルなヴォーカルからヘヴィなギターソロもキメて、さらに歯で弾いたり、頭の後ろで弾いたりとやってくれて、アンプの前でフィードバックもキメて、大拍手大歓声です。
 最後は「長州に明日を見ているヤツがいる」「マイク1本男なら、維新の風を吹かせよう」「水戸華之介、水戸華之助はいい男!」ってノブさんが。そして和嶋さんが「天国への階段」のリフを。ですが歌は♪ちょいと一杯のつもりで呑んで~って「スーダラ節」。その後アップテンポになって踊りまくって「ご苦労さん!」て。そして「We are 華吹雪!」ってシャウト!
 ラストはEasy Livinに戻って♪ええじゃないか、ええじゃないか!ってお祭り騒ぎです。

 いよいよ佳境にはいってきました。11曲目はアップテンポノリノリの「Whole Lotta Rosie」。ですが歌にはいると「関白宣言」。ノリノリで踊りまくりで、間奏ではハードなギターソロ、そしてギターとベースとステージ前に並んでアクションをキメて。終盤のしんみりする部分ではドラムが止まってフォーク調になってしっとりと。水戸さんは前列の女性ファンの手を握って歌って。ラストは♪ラ~ラ、ラ~ラって楽しく手を振って、だんだん早くなって盛り上がってFin。

 「最後の曲!祭りだ、ワッショイ!」って本編最後12曲目はアップテンポのノリノリのドライブ感たっぷりのリフではじまります。曲は「Lights Out」。でも歌に入るとサビは♪そ~れソレソレお祭りだぁ~!って。間奏では和嶋さんのワウの効いたアグレッシブなギターソロも。終盤ではゆったりとしたブルーズになるも再びアップテンポのリフがはいって「お祭りマンボ」に。ラストはブレイクをキメたあと、めっちゃ盛り上がって。水戸さんが「それでは一本締めでシメたいと思います」「皆さん、お手を拝借、よぉ~お!」ってパン!ってキメて大拍手!

 曲が終わると大拍手大歓声!「ありがとうございました」ってメンバーの皆さんは手を振りながら楽屋へ。フロアーはアンコールを求める手拍子が。
 しばらくするとまずはノブさんがダブルピースサインで堂々と登場!ステージ前にきてオフマイクで「元気は残ってますか~!」「まだまだ楽しもうぜ!」ってお客さんを煽って。そして他のメンバーもゾクゾクと登場!大拍手で迎えられます。「頼みもしないのに盛り上げてくれた」って水戸さん、爆笑です。「どのバンドでもノブくんはこうして盛り上げてくれるんだね」って和嶋さん。
 そうそう、6/7が水戸さんのお誕生日だったそうです。「おめでと~!」って大拍手!

 アンコール最初はパワフルなドラムからはじまるZEPの「Rock and Roll」。しかし歌に入ると「スシ食いねぇ!」。これまた結構ハマってますね。めっちゃノリノリで楽しいっす。間奏では和嶋さんのアグレッシブなギターソロ、そしてエンディングではノブさんの超パワフルなドラムソロも。
 大拍手大歓声に「どうもありがとう!」って水戸さん。「じゃあ、せっかくなのでファミリーを呼びましょうか。東夏夫さん!」って、井垣さんが再び登場!大拍手と歓声で迎えられます。「幕末にさ、こういう人居たんじゃない?」って井垣さんの浴衣スタイルを水戸さんと和嶋さんがイジって。ちなみに第1部のとき、井垣さんは和嶋さんのたすき用の紐を腰に入れていたそうで、和嶋さんはその紐がおしりのほうに行っちゃうんじゃないかと心配してたとか。爆笑です。

 井垣さんが加わってはじまった14曲目は「Let It Be」。これは日本語歌詞でレゲエバージョンでほのぼのとした感じで演奏されます。井垣さんは踊りまくってます。1ヴァースは水戸さんが、2ヴァースは井垣さんが歌詞見ながら歌って。間奏の和嶋さんのメロウなギターソロのあとはみんな手を振って全員で大合唱!とってもドラマティックで感動的です。ラストは♪ジャーン!でみんなジャンプしてFin。
 曲が終わると大拍手大歓声!「どうもありがとう!」ってメンバーの皆さんは手を振りながら楽屋へ。もちろんフロアーは再アンコールを求める手拍子が鳴り響いてます。そして「アンコール!」って声もあがって。

 するとほどなくノブさんが「イエ~イ!」って元気よく登場してお客さんを煽って。他メンバーもステージに戻って「どうもありがとう!」って水戸さん。「頼まれてないのに盛り上げてくれるよね」って、爆笑です。
 ここで水戸さんが昔話を。この<華吹雪>というユニットは10年くらい前に元が出来て、その頃は人間椅子の鈴木さんも参加されていて<人間華>ってユニットだったとか。お客さんみんな「へぇ~」って感じ。3人でいろいろアイデアを出しあってやっていたそうで。

 「最後はグッとくる曲を」「大合唱で愛に包まれて」ってはじまったオーラス15曲目は「セイリング」。パワフルなドラムからミドルテンポではじまって、メロウなギターリフ&フレーズがながれて。そして日本語歌詞の水戸さんの情感たっぷりの歌が。間奏のメロディアスなギターソロのあと♪ラララ~ラ~、ラララ~ラ~ってみんな手を振って大合唱。感動のフィナーレを迎えます。
 曲が終わると大拍手大歓声!「どうもありがとう!」って水戸さん。そして「水戸さんに拍手!」って和嶋さん。「ミっちゃんに拍手!」「和嶋くんに拍手!」「ヒデキに拍手!」ってノブさん。「ナカジマ・ノブくんに拍手!」って和嶋さん。メンバーおのおのに大きな拍手と歓声が。拍手の鳴り響くなかメンバーの皆さんは楽屋へ。するとすぐにフロアーが明るくなってライブ終了です。時計を見ると21時37分と、約2時間のとっても楽しいライブでした。

 やっぱりライブ観にきてよかったっす。“祭り”をテーマに元気いっぱいの、気合入りまくりのめっちゃ面白いすっごい楽しめたライブでしたね。なんで男性ファンが少ないのか不思議なくらいっす。もっとも今回で第1期終了とのことで、次回はいまのところないわけで・・・ちょと残念です。でもでも初めて生で聴いた水戸さんのヴォーカル、パワフルでかっこよかったっす。もちろん泣きのバラードも良かった。三田さんのギターも、ミツゴローさんのベースもほんと良かったっすね。そして和嶋さんの70’sハードロックギター、ヘヴィでかっこよかったっす。今日は赤のSGだけだったかな?後ろの方だったのでギターはあまりよく見えなかったけど、でもこの会場はステージがやや高いので見やすいほうでしたね。そしてノブさんのドラムもめっちゃパワフルでタイトでいい音してましたね。またいつか復活したら観に行きたいっす。まずは7月の人間椅子のライブが楽しみ♪

10.6.6 ARSNOVA with あるがさゆりさん

2010-06-11 23:49:28 | ライブレポ プログレ2008-2011
◇ 2010.6.6 沼袋Sanctuary
2010年1月に行われたGERARDとinterpose+の対バンライブ。会場では80‘sジャップスプログレの仕掛け人ことヌメロ・ウエノ氏が物販や進行を手伝っておられました。で、そのライブの数日後にウエノ氏が自身のブログでinterpose+の女性ヴォーカリスト<あるがさゆりさん>のことを褒めておられたとか。あの辛口の御仁が褒めるって凄いなって単純に思ったんですよね。
 で、春頃。いつものようにSanctuaryのスケジュール表を見てみたら・・・なんと6/6の<ARSNOVA>のライブにさゆりさんがゲスト出演されるって記載があって超ビックリ!一体どういう曲をどんな風に歌ってくれるのか興味津々です。ただ・・・6/6はKBBのライブもあるんですよね。ARSNOVAにはさほど思い入れはないもので、どちらに行くかちょと迷ったんですけど、やはりinterpose+以外でのさゆりさんのヴォーカルが聴きたくなってSanctuaryのほうを予約することに。
 ARSNOVAは、1983年に女性3人によるキーボード・ドラム・ベースのレディース・キーボード・プログレ・トリオとして結成されました。しかし3年後の86年に活動停止してしまいます。
月日が経ち、5年後の91年にウエノ氏の強い勧めもあって活動が再開されます。その後、スタジオアルバム7枚ライブアルバム1枚を発表し、何度かのメンバーチェンジを経て、現在では女性2人男性二人の混成バンドに変身。現メンバーはキーボードの<熊谷桂子さん>、ベースの<柴田伸子さん>、ドラムスの<Hazimeさん>、そしてギターの<半田聡さん>です。
毎回アルバムジャケットではキワドイ妖艶なおすがたを披露している熊谷さん。ライブでの衣装もちょっと興味アリアリです。そうそう、今回のライブでは93年から2003年まで参加されていた女性ドラマー<高橋明子さん>もゲスト出演されるとか。元のレディーストリオ編成でのライブも観れそうなのでそちらも楽しみです。

 さて当日。オープニングアクトが18時40分から19時45分までの1時間強のライブを。その後セットチェンジで少し時間がかかり、20時10分になってようやく客席が暗くなってステージの幕が開いて全貌が明らかに。まずはドラムに明子さんを据えたレディーストリオ編成でのライブです。
 1曲目はミドルテンポの美しいキーボードリフからはじまって、パワフルなドラムがはいってダイナミックでテクニカルな展開に。熊谷さんはロングカーリーの金髪で、黒レースのビスチェに黒スカートと妖艶でSEXYないでたちで、3段キーボードにでっかいレスリーを操って。明子さんは頭におっきいピンクのお花のコサージュを付けて、そしてドラムセットにはメイド衣装やチラシを飾って。柴田さんも黒系の衣装をかっこよくキメてます。

 2曲目はリズミカルでパワフルなベースリフからアップテンポで。まずはオルガンソロ、続いてチェンバロっぽい音色のリフが響いて。明子さんとってもニコやかに楽しそうに叩いてます。
 曲が終わると明子さんいきなり紙テープを投げてビックリ!そしてアップテンポのパワフルなリズムを刻んで、ベースも入ってそしてモーグのスリリングなフレーズがながれて。その後ベースとキーボードのユニゾンからオルガンリフ、そしてミドルテンポで優雅な感じのフレーズがながれ、明子さんが高い声のヴォーカルを。オルガンがシャフルリズムで響き、ラストはゆったりとドラマティックにFin。

 熊谷さんがマイクを持って「こんばんは、レディースキーボードトリオのARSNOVAです」って。「久しぶりに3人で第1部お届けします」「ご覧のとおりドラムに高橋明子さんが戻ってきて、張り切ってます」って、お客さん大拍手!「その張り切り方もこのドラムセットの飾り付けに現れてます」って爆笑です。
 4曲目は「トランシス」っておっしゃったかな?ダークなオルガンのヘヴィリフからはじまって、スネアロールからパワフルなドラムがはいって。ミステリアスなキーボードのフレーズが妖しくながれ、パイプオルガンっぽい重厚なサウンドも響き、そしてミドルテンポで雄大さを感じるダイナミックなフレーズがながれて。その後、キーボードの哀愁を感じるフレーズが奏でられ、明子さんはマレットで叩き、ゆったりとしたクラシカルでドラマティックな展開に。中盤ではパイプオルガンサウンドからゆったりとした感じになるも、再びオルガンのヘヴィリフからパワフルなドラムが。ラストはドラムソロからキーボードのミステリアスなフレーズがながれてFin。

 「ありがとうございました。ご無沙汰しております、高橋明子と申します。宜しくお願いしま~す」って、大拍手です。「6年ぶりに戻ってきました」って。脱退後はポップバンドで活躍されていたそうですが、ここ数年は体調を崩されていたそうで、残念ながらまだ万全な体調ではないようです。でも元気いっぱいでとっても楽しそうに叩いてますね。「誘っていただいて、皆さんに来ていただいてとっても幸せです」って。もちろんお客さん拍手です。

 このレディーストリオ編成での最後の曲は「モルガン」っておっしゃったかな?キーボードのゆったりとした叙情的なサウンドからはじまって、そしてパワフルなドラムからダイナミックなリフが。ドラム叩きまくってます。ミドルテンポのキーボードリフとうねるベースリフのあと、オルガンの哀愁ただようフレーズがながれ、そしてベースとのパワフルなユニゾンリフも。その後、叩きまくりドラムからシンセの重厚なサウンドが響き、哀愁ただようフレーズがながれ、オルガンのロマンティックなメロも。中盤ではキーボードの綺麗なフレーズがながれ、明子さんは鈴を鳴らしてメルヘンチックな感じに。そして一転パワフルなドラムからヘヴィなオルガンリフがはいって、躍動感のあるダンダカドラムが力強いリズムを刻んで。ラストはゆったりと雄大なフレーズがながれてパワフルにダイナミックにFin。

 曲が終わると大拍手大歓声!「ありがとうございました」って熊谷さん。「このトリオでまたやりたいと思います」「今宵限りの“シンデレラ・ライブ”にならないように、アコちゃん交えて皆さんの前で楽しく演奏できたらいいなって思いますので宜しくお願いします」って熊谷さん、大拍手です。この純粋なレディーストリオ編成での活動もこれからやっていくそうです。時計を見ると20時40分。約30分のスペシャルライブでした。
 セットチェンジの間にウエノ氏と明子さんがステージ前でトークショーを。なんといまのレディーストリオで9月にドイツで開催されるプログレフェスに参加されるそうで。ウエノ氏が明子さんのこれまでの海外遠征失敗談をいくつか話して「大丈夫か?」って心配されてました。

 20時55分ころ、客席の照明が暗くなって、ステージの幕が開いてドラムのHazimeさんとギターの半田さんが加わった現在のARSNOVAメンバーでの本日のメインライブがはじまります。
 1曲目はキーボードの叙情的でダークなサウンドが響き、そして変拍子のオルガンリフとパワフルな叩きまくりドラムがはいってアップテンポで攻撃的に疾走していきます。一旦ミドルテンポになるもすぐに疾走モードに。スリリングでかっくいいっす。中盤ではキーボードのクリスタルな音色のミステリアスなフレーズがながれ、ダイナミックでパワフルなリフのあとは、ギターの伸びやかで哀愁ただようフレーズがながれて。
 熊谷さん、今回は黒の皮ジャン風ミニトップスに黒ブラに豹ガラパンツというこれまた超SEXYないでたちで。半田さんは黒の7弦ギターを抱えて。でもギターの音がよく聴こえないっす。

 続いて2曲目はパワフルなドラムからアップテンポでダイナミックなリフがはいって。そしてミドルテンポの変拍子ヘヴィリフのあと、アップテンポでパワフルになってアグレッシブなオルガンソロが。バックではベースがうねってます。中盤ではゆったりとした展開になるも、スネアロールからミドルテンポのダイナミックでミステリアスなリフが。ラストはアップテンポでドラム叩きまくりでFin。

 ここで熊谷さんがマイクを持ってMCしようとしますが、オフになっていたので、平田さんがMCを。「こんばんは、ウルサイ方のARSNOVAです」って、爆笑です。「マイク慣れてない」っておっしゃってますが、今年初のライブということで「あけましておめでとうございます。今年も宜しくお願いします」って、また爆笑!

 3曲目は「オルガナイジング」っておっしゃったかな?パワフルなドラムからミドルテンポでゆったりとしたフレーズがながれ、そしてオルガンのヘヴィサウンドが響きわたり、ダイナミックなリフが。その後シンセのしっとりとしたフレーズがゆったりとながれるも、パワフルなサウンドになってアップテンポで疾走モードに。ラストはゆったりとなって♪ジャーン!でFin。
 続いてシンセの荘厳なサウンドが響き、パワフルなドラムがはいってミドルテンポでシンフォニックなリフが。パワフルなリズムをバックにメロウなフレーズがながれ、熊谷さんと半田さんが向き合って。そして半田さんがタッピングをキメて、ドラムがタムを豪快に叩き、オルガンのヘヴィサウンドが響きわたって。終盤ではパワフルなアップテンポになるも、ラストはゆったりとシンフォニックなリフが響いて盛大にFin。
 そしてギターのフィードバックのあと、アップテンポでパワフルなドラムがはいって叩きまくって、アグレッシブでダイナミックなリフが。その後ギターの伸びやかなフレーズがながれ、ミドルテンポになってオルガンのテクニカルながらもミステリアスなリフが響き、アップテンポになってシンセのスリリングなフレーズがながれ、そしてアグレッシブなギターソロへ。パワフルなユニゾンリフのあとはアップテンポの疾走モードになって、キーボードのテクニカルなソロへ。中盤ではドラムとベースの力強いリズムにのってキーボードの哀愁ただようフレーズが。終盤では叩きまくりのドラムからアップテンポの疾走モードになって、スリリングに弾きまくり叩きまくりのアツいバトルが繰り広げられてFin。

 「ありがとうございました」「ヘヴィな曲が続いて息苦しい」って熊谷さん。そして「ちょっと予定が変更になりまして」「ここでゲストを呼びたいと思います」「あるがさぁ~ん!」って。ここでお待ちかねのinterpose+の女性ヴォーカリスト<あるがさゆりさん>の登場です。拍手で迎えられます。金髪ウィッグに今日はメガネなしで、そして肩も露わな黒のSEXYなラメドレスといういでたちで、おぢさんもうドキドキ♪そして譜面代わりのiPadをセットして。「それを買いにアメリカに行かれたんですって?」って半田さん。さゆりさんは4月にiPadを手に入れるためにサンフランシスコに行かれたとか。で、買ったときにたまたま写真を撮られて、それがNYタイムスに掲載されたそうで。凄いっすね。ちなみに今日ご持参のiPadは先日銀座で購入されたものだとか。

 ヴォーカルが加わった4曲目は「La Venus Endormie」。まずはキーボードのゆったりとした美しいリフからはじまって、そこにさゆりさんの美しくも力強い歌声がのって。ファルセット、すっごい綺麗です。そして半田さんがカウンターのヴォーカルを。急造とは思えないバツグンのコンビネーションでピッタリ息合ってましたね。その後半田さんのエモーショナルなギターソロ、そしてキーボードとヴォーカルのユニゾンのあと、オルガンソロ・シンセソロと続きます。ソロ中さゆりさんはリズムに合わせて笑顔で楽しそうに踊ってました。中盤ではギターのメロウなフレーズが響き、そしてさゆりさんが♪ランラランってスキャットを。終盤ではアグレッシブなギターソロが。

 「楽しい雰囲気でやりましたけど」「やっぱりあるがさん、華やかで」って熊谷さん。
本編最後5曲目は17分に及ぶ大作「Salvador Syndrome」。メロウでしっとりとしたリフからゆったりと始まって、そして中音域の力強いヴォーカルが響き、キーボードのダイナミックなリフが。ミドルテンポのスケールの大きな曲調で展開していきます。その後アップテンポになってギターのテクニカルなリフが。そしてミドルテンポになって、さゆりさんの妖しげなスキャットがながれ、それが美しく力強い歌声に。パワフルでダイナミックなリフからアップテンポでスリリングに展開していき、アグレッシブなギターソロが。ドラムも叩きまくってます。中盤ではゆったりと素朴でメルヘンっぽい音色が響き、ワルツリズムのロマンティックな雰囲気のなか、さゆりさんの力強いスキャットが心地よくながれて。そしてリズミカルなキーボードリフがはいって、ファルセットながら力強いヴォーカルが。オペラチックな曲だけにその太くよく通る美しい声が光ってますね。その後、ギターとシンセのヘヴィリフ、そしてスライドギターもながれ、アップテンポになってパワフルなドラムが叩きまくりで。終盤ではパワフルかつテクニカルなリフからダイナミックでスケールの大きな展開になり、ゆったりと力強いヴォーカルがドラマティックに響き渡って劇的にFin。

 曲が終わると大拍手大歓声!「いかがでしたでしょうか?」って熊谷さん。「またこうしてゲストにあるがさんを招いて明るく楽しくライブやりたいと思います」って。そして「ちょっと金髪対決になりましたが」って、爆笑です。「皆様またお逢いしましょう。今日はありがとうございました」って。拍手と歓声が飛び交うなか、メンバーの皆さんは楽屋へ。もちろんアンコールを求める手拍子が鳴り響きますが・・・時計を見ると21時50分。自分はもう限界です。なのでアンコールを観ずに惜しくも退席することに。このあともう1曲さゆりさんが歌われたそうですね。観たかったなぁ・・・あ~あ、もっと家が近かったらなぁ・・・残念です。

 オペラチックな曲でのファルセット主体のさゆりさんの美しくも太く張りのあるヴォイスに感動しちゃいました。しかも可愛らしい笑顔でとても楽しそうでしたね。やっぱり観にきてよかった!次回9月のinterpose+のライブもめっちゃ楽しみです。
もちろん本隊ARSNOVAの演奏もパワフルでドラマティックでかっこよかったっす。特にHazimeさんのドラム、良かったですねぇ。ギターは良かったと思うんですけど前半あまり聴こえなかったったのが残念。よく聴こえるようになった後半はほんとかっこよかったっす。キーボードの熊谷さんはとにかくその妖艶なおすがたにクラクラしちゃいました。ベースの柴田さんもそのキュートな美しさにポッ♪もちろん演奏も力強くいい音してました。またいつか機会があればライブ観に行きたいっす。

スパニッシュコネクション 新三銃士

2010-06-07 06:26:37 | スパニッシュコネクション
 タブラ・ヴァイオリン・ギターを操って、インドから東欧そしてスペインへのジプシーの道のりを音楽で表現するユニット<スパニッシュ・コネクション>。凄腕ギタリストの伊藤芳輝さんが2000年にヴァイオリンの<平松加奈さん>、タブラの<吉見征樹さん>らとともに結成されました。2008年に7枚目のアルバムを発表され、続く8枚目のアルバムを期待していたときに入ってきたニュースは<スパニッシュ・コネクション>がNHKの新人形劇の音楽を担当される、とのこと。これには正直ビックリしました。スパコネを起用するなんて、センスのいい方がいるんだなって感心したりして。
 NHKはこれまでに“ひょっこりひょうたん島”や“プリンプリン物語”など素敵な人形劇をいくつも放送されましたが、今回あらたに“一人は皆のために、皆は一人のために”の名台詞でおなじみの<三銃士>の人形劇を2009年に放送すると。今回はアレクサンドル・デュマ氏原作の「ダルタニアン物語」の1・2巻を、かの三谷幸喜氏が脚色され、個性豊かな人形たちのキャラを生かした見所たっぷりの素敵な物語になっているようです。
 物語の主な登場人物は・・・ちょっとうぬぼれもあるも血気盛んな若者の主人公ダルタニアン。その兄貴分的存在の三銃士で、沈着冷静なリーダーのマトス。クールで美青年のアラミス、ふとっちょで愛嬌のあるボルトス。対するは国王を操り国政を意のままにするリシュリュー枢機卿。その親衛隊長のロシュフォール。女スパイのミレディー。そして、スペイン王朝からルイ13世に嫁いできたアンヌ王妃。その侍女でこの物語のヒロインであるコンスタンス。
 「新・三銃士」。物語は、リシュリューの悪政に国を憂い、国を守るために立派な銃士になることを夢見るダルタニアンが英雄である三銃士たちに支えられながら、悪の権力に立ち向かっていく冒険活劇です。
そして<スパニッシュ・コネクション>が音楽担当された全19曲のオリジナル・サウンドトラックアルバムが2009年11月に発表されました。
 アルバム1曲目は「The Sword of Love/愛の剣」(ダルタニアンと三銃士のテーマ)。哀愁ただようギターのリフからタブラのアップテンポのリズムがはいって情熱的にスリリングに展開していきます。ギターメロ・ヴァイオリンメロと続いて、まずはギターソロ。ヴァイオリンとのユニゾンリフのあとは艶やかなヴァイオリンソロが。中盤、躍動感のあるパーカッションリズムのあとにギターソロがちょこっと。パワフルでスリリングな曲ですね。
 2曲目は「疾風の如く」(アラミスのテーマ)。アップテンポのギターリフと激しいハンドクラップからはじまる、これも緊張感ただようスリリングな曲ですね。思わず手に汗握ってしまいます。テクニカルでアグレッシブなギターがたっぷりと堪能できます。ラストは激しく盛り上がってFin。
 3曲目は「英雄」(トレヴァル英雄のテーマ)。ダイナミックなオーケストラサウンドから壮大にはじまり、オケをバックにヴァイオリンの哀愁ただよう音色がゆったりとながれて。そして落ち着いたあとはタブラのゆったりとしたリズムをバックにヴァイオリンの伸びやかな音色がしっとりと情緒たっぷりにながれて。サビでは再びオケがはいってダイナミックに。中盤には哀しげで情感あふれるギターソロが。美しい感動的なバラード曲です。
 4曲目は「旅立ちの時」(勇気のテーマ)。テクニカルなタブラリフからアップテンポで爽やかながらも情熱的にはじまります。テクニカルなギターソロのあと、ヴァイオリンの艶やかなメロディがながれて。リズミカルでノリノリな感じもありますね。中盤にはエモーショナルなギターソロ、そしてメロウなヴァイオリンソロ&ユニゾンが。
 5曲目は「The whisper behind the mask」(ロシュフォールのテーマ)。激しいティンパニロールからダイナミックにはじまるも、ゆったりとしたリズムで暗く抒情的なメロディがながれて。その後ドラの音が奥深く響き、そしてゆったりとダークなギターメロがながれ、ヴァイオリンとギターのユニゾンメロも。中盤からギターリフがパワフルかつ激しくなるも、再びゆったりとヴァイオリンのしっとりとした響きが。ラストはめっちゃ盛り上がってFin。
 6曲目は「剣の舞い」(決闘のテーマ)。タブラのアップテンポのリズミカルなリフから、重厚なストリングスサウンドがながれて。そしてギターのヴァイオリンの追っかけリフ&掛け合いリフ、さらにユニゾンも。変拍子もあってとってもスリリングに展開していきます。
 7曲目は「Jeunesse~青春」(ダルタニアン喜びのテーマ)。明るく爽やかな心地よいギターリフからミドルテンポではじまって、タブラが入ってヴァイオリンとギターのユニゾンが。聴いていてとっても清清しい曲ですね。
 8曲目は「ダルタニアン哀しみのテーマ2」。重厚なストリングスの音色からゆったりと重く暗くはじまります。悲壮感がただよってくるような。美しくも悲しい感じの曲ですね。
 9曲目は「Icareponchino~イカレポンチーニョ」(ボルトスのテーマ)。かっくいいギターリフからミドルテンポではじまって、ヴァイオリンのアラビアンなメロディが妖しく響いて。その後吉見さんのヴォイスタブラとギターソロが躍動感たっぷりに。中盤はパワフルなリフのあと、ヴァイオリンとギターのユニゾンで妖しいメロディが奏でられて。
 10曲目は「アトスのファルーカ」(アトスのテーマ)。哀愁ただようギターソロからゆったりしっとりとはじまる、メロウな曲です。途中からヴァイオリンも加わって艶やかに伸びやかに。中盤からはテンポアップしてテクニカルなユニゾン、そしてタブラがはいってリズミカルに展開し、アグレッシブなギターソロや艶やかでメロウなヴァイオリンソロがたっぷりと。終盤はパワフルなギターリフから盛り上がってFin。
 11曲目は「可憐な瞳」(コンスタンスのテーマ)。優雅な室内楽風のヴァイオリン&ストリングスオーケストラのゆったりとしたエレガントなサウンドが心地よく響きます。中盤からテンポアップして明るく華やかでダンサブルな感じに。中世貴族のダンスパーティーの光景が目に浮かんできそうです。
 12曲目は「ダルタニアン哀しみのテーマ1」。コントラバスのダークなベース音からヴァイオリンのゆったりと抒情的な音色がしっとりと響いて。心に染入る美しい音色、しみじみと聴き入ってしまいます。終盤から徐々に盛り上がっていってFin。
 13曲目は「愛すべき人」(ルイ13世のテーマ)。ミドルテンポの明るく楽しいギターリフ&手拍子のリズムからはじまり、時折鐘の音やカウベルも聴こえたり。昼下がりのスペイン郊外風景のような感じでしょうか。爽快感のあるカラっと晴れた空のような素敵な曲ですね。
 14曲目は「謀略のラビリンス」(謀略のテーマ1)。ゆったりとミステリアスな感じからはじまります。迷宮にはまり込んでしまったような不安感をあおるようなサウンドですね。中盤にはエモーショナルなギターソロが。不気味にうねるベースサウンド、いい味だしてますね。タブラの音の絶妙なアクセントに。
 15曲目は「風が運んだ匂い」(ミレディーのテーマ)。ギターの哀愁ただよう音色がゆったりとしっとりと響き渡ります。そしてヴァイオリンの美しい癒し系の音色がながれて、そしてギターと寄り添うようにしっとりと。あまりの美しさにうっとりと聴きほれてしまいます。中盤にはメロウなギターソロも。 16曲目は「リシュリューの親衛隊」(リシュリュー親衛隊のテーマ)。ミドルテンポのパワフルなリフからミステリアスな感じではじまります。静かに迫って来るようなスリリングな感もありますね。中盤にはヴォイスタブラもはいって盛り上がっていきます。
 17曲目は「やわらかきその手に」(アンヌ王妃のテーマ)。ギターの優雅でロマンティックな音色からはじまって、ヴァイオリンの艶やかで美しい音色が響いて。優しく包み込むような温もりを感じる曲で、心が和らいできます。女性の優しさや暖かさが伝わってきますね。
 18曲目は「哀しみのギター」。叙情的で郷愁だだようギターの音色からしっとりとはじまります。そして徐々に明るく穏やかな感じの音色に。たおやかにながれる心地よいメロディ、聴き入ってしまいますね。とっても素敵なギターソロ曲です。
 19曲目は「新・三銃士オープニングテーマ」。憂いを感じるギターリフ、そして一転威勢のいいヴォイスタブラからアップテンポでパワフルにメロウにはじまり、あっという間に終わってしまいます。 
サントラということで短い曲が多いですが、それでも時に情熱的に激しく、時に繊細で美しく、場面や人物に合った素敵な“スパコネ”サウンドをたっぷりと堪能できますね。

TRIX 6

2010-06-04 06:27:14 | TRIX
 CASIOPEAのドラマー<熊谷徳明さん>、そしてT-SQUAREのベーシスト<須藤満さん>の超テクリズム隊のお二人が中心となって結成されたスーパーポップフュージョンバンド<TRIX>。他メンバーは、キーボード奏者の<窪田宏さん>と、メンバーのなかでは一番若い新鋭のスゴ腕ギタリスト<平井武士さん>です。
 凄腕メンバーによる超テクニカルな演奏&ハイレベルなアンサンブルが満喫できますが、単にテクひけらかしではなく、曲がめっちゃポップでとっても明るく楽しく、さらにはおちゃらけたコミカルな面もたっぷりで聴き手を最高に喜ばせてくれますね。特にライブは超テク演奏に圧倒されながらも、様々な演出で楽しませてくれ、爆笑MCもあり、最後にはお客さん全員が笑顔で踊りまくったり、メンバーが演奏しながら客席になだれこんだりともう至れり尽くせりの最高のパフォーマンスを披露してくれます。
 で、今回は2009年に発表された6枚目のアルバム<FANTASTIC>を紹介させていただこうかと。タイトル・ジャケットからしてまたたっぷり楽しませてくれそうです。
 アルバム1曲目は「4.2.5.1.」。アップテンポのめっちゃ楽しいファンキーリズムにのって♪好き?好き?しつこーい。イヤーン!ってコミカルなヴォイスが。そしてとっても明るくさわやかでキャッチーなメロディがながれて。中盤にはヴォイスをバックにテクニカルなドラムソロ、終盤にはアグレッシブなギターソロも。ノリノリのめっちゃ楽しい曲です。
 2曲目は「Skip Away」。パワフルなリフ&ドラムフィルからアップテンポではじまるとっても爽やかで清清しい感じの曲ですね。澄み渡った青空の下で草原を走り回っているかのような光景が浮かんできます。中盤まずはエモーショナルなムーグソロ、その後テクニカルなギターソロが。ラストにはバンドフィルとドラムソロの掛け合いも。
 3曲目は「Super Latino」。アップテンポのテクノリズムと女の子の掛け声からめっちゃ楽しいラテン系ファンキーリズムではじまります。真夏にオープンカーで海岸線をぶっ飛ばしているかのようなホットなスピード感がありますね。中盤のハイテンポな変拍子&ユニゾンリフはスリリングでかっくいいっす。終盤にはアグレッシブなギターソロも。
 4曲目は「volare via」。ダイナミックなリフからミドルテンポでパワフルにはじまり、ゴージャス感ただようシンセサウンドをバックにメロディアスなギターサウンドがながれて。その後浮遊感のある心地よいキーボードサウンドのメロディ、そしてファンキーなベースソロも。綺麗なメロディのとっても素敵な曲です。
 5曲目は「5」。透明感のあるキーボードサウンドからゆったりと美しくはじまり、ギターのムーディなメロディが心地よくながれて。夕暮れの海辺って感じがしますね。中盤にはメロウで美しいピアノソロ、終盤にはエモーショナルなギターソロが。うっとり聴きほれてしまうバラード調の曲です。
 6曲目は「White Fairy」。パワフルでセンセーショナルなリフからシャッフルリズムで心地よいヨコノリではじまります。力強いリズムにのってメロディアスなギター&キーボードのメロディがながれて。中盤まずはテクニカルなムーグソロ、その後パワフルなバンドリフとドラムソロの掛け合いも。
 7曲目は「Circulars」。心地よいベースリフから変拍子ミドルテンポで落ち着いた感じではじまって、力強いギターのメロディがながれて。パワフルながらもしっとりとした感じの曲ですね。中盤にはエモーショナルなベースソロ、テクニカルなムーグソロ、そしてユニゾンリフ&叩きまくりドラムも。終盤にはアグレッシブなギターソロが。
 8曲目は「Bos(t)on!」。アップテンポのテクノリズム&テクニカルドラムソロからはじまってヘヴィなギターリフがはいって。ノリノリの思わず踊りたくなるようなファンキーな曲ですね。サビでは♪Boston!ってパワフルなヴォイスが。中盤まずはハードなギターソロとテクニカルなムーグソロの掛け合いが。続いてファンキーなチョッパーベースソロがたっぷりと。その後なぜか窪田先生の英語の授業がはじまります。終盤にはバンドリフと叩きまくりドラムの掛け合い、そしてギターソロも。
 9曲目は「Adoration」。リズミカルなキーボードリフからミドルテンポで落ち着いた感じではじまり、哀愁ただようギターのメロディがながれて。アダルティな感もありますね。中盤にはリズミカルなピアノソロ、そして終盤にはエモーショナルなギターソロが。
 明るく爽やかで聴いていてとっても楽しい曲満載で、しかもそれだけでなくメロディも綺麗で、またじっくり聴かせてくれるムーディな曲もある、聴き手を飽きさせずに楽しませてくれる素敵なアルバムですね。
 2004年から毎年コンスタントにニューアルバムを発表している<TRIX>。次のアルバムもめっちゃ楽しみです。またあの面白すぎるライブも観にいきたいっす。みんなで踊りまくりたいっす!

徳久恵美さん INVERNO

2010-06-01 06:26:00 | NOVELA系
 <マグダレーナ>や<テルズ・シンフォニア>等で素晴らしい歌声を聴かせてくれている女性ヴォーカリスト<徳久恵美さん>。徳久さんが1991年に発表した4曲入りのソロアルバム「INVERNO」がやっと手に入ったもので紹介させていただきます。
 このアルバムでは徳久さんはヴォーカルとキーボードを。平山さんはコンピュータープログラミングでバックアップされています。2曲目と4曲目にはフレットレスベースとしてT.Nという方がクレジットされています。おそらくスーパーベーシスト永井さんではないかと。
 アルバム1曲目は「Snowing」。紅茶かコーヒーでも淹れているかのような音からはじまって、アカペラの美しいコーラスが幾重にもかさなって爽やかできれいなハーモニーを聴かせてくれます。
 2曲目は「大きな木」。テルズ・シンフォニアの曲の別バージョンです。しっとりとしたキーボードのリフからゆったりと叙情的にはじまって、艶っぽく美しいヴォーカルがはいって。うっとりと聴きほれてしまいます。中盤から力強いベースリフ、そしてドラムがはいってドラマティックに盛り上がっていき、ラストはしっとりとFin。
 3曲目は「讃美歌 –Hymn-」。ドアが開く音や人の足音が聞こえてきて、そしてパイプオルガンの荘厳な響きと美しいコーラスがながれ、そして讃美歌の力強い合唱がはじまります。
 4曲目は「Break of Dawn」。キーボードの透明感のあるサウンドのリフからリズミカルにはじまって、そしてベースとともに囁くようなヴォーカルがはいって。ゆったりとした優雅でロマンティックな雰囲気の曲ですね。サビではドラマティックに歌い上げます。中盤ではベースがメロディを奏で、美しいスキャットが寄り添うように。終盤ではピアノも加わってしっとりと美しくFin。
 これで終わりかと思いきやシークレットトラックで幻想的なスキャットがちょこっと収録されています。
 たった4曲の20分足らずですけど、徳久さんの透明感のあるとっても美しい歌声が味わえますね。徳久さんは現在もバンド活動やヴォイス・トレーナーとして活躍中だそうです。