ひよりの音楽自己満足

自分の好きなアルバムやアーティストを紹介させていただきます。

FLAT122 KAGEROU

2010-01-30 07:50:38 | 21th J-プログレ
 ベースレスのオリジナリティ溢れるジャズロックバンド<FLAT122>。ギタリストの<平田聡さん>、キーボードの<川崎隆男さん>、ドラムスの<田辺清貴さん>のお3方で2002年に結成されたそうです。そして2005年に1stアルバム「The Waves」が発表されました。それは国内にとどまらず海外でも高評価され、そしてAsturiasの大山曜さんも、大御所の難波弘之さんも絶賛されてました。アルバム発表後は精力的にライブ活動を行っていたそうですが、ここ最近はメンバ-おのおのの活動が主で<FLAT122>としてのライブは休止状態のようです。しかし2008年8月から徐々に2ndアルバムの制作にかかられ、2010年1月にようやく発表されます。それが今回紹介させていただくアルバム「KAGEROU」です。もやのなかに古びたジェットコースターの軌道(レール)が。幻想的であり、また“夢のあと”のような寂しさも若干感じられます。ちなみにデザインはゲスト参加されているアコーディオン奏者佐々木さんの旦那様が手がけられたそうです。さらにこのアルバム、レコーディングではクリックなしの一発録音がほとんどで、オーバーダブも最小限しかやらず、シンセもサンプラーも使わない入魂の直球勝負だそうです。
 アルバム1曲目は「Circle of sound」。運動会の観客席のような歓声やおしゃべりが。
 2曲目は「On the hill」。ゆったりと美しいピアノのメロディがたおやかにながれ、それが徐々に躍動感あふれるダンサブルな感じになって。
 3曲目は「Clouds」。ダイナミックなリフからミドルテンポではじまって、ギターのメロディアスで力強いフレーズがながれ、パワフルなドラムとともに盛り上がって。その後一転静かで幻想的な雰囲気になってピアノのダークなリフが鳴り響き、そこにギターが加わってエモーショナルなソロを。そしてドラムが入ってアグレッシブに展開していきます。終盤はアップテンポでミステリアスな感じのギターフレーズがながれ、そしてハイテンポになってリズミカルでコミカルなリフが忙しくながれ、ラストはゆったりとドラマティックにFin。
 4曲目は「Panorama2」。力強いミドルテンポのギターリフからはじまり、そしてパワフルなピアノリフからギターとのユニゾンリフが。その後アップテンポでテクニカルにリズミカルに展開していきます。そしてマーチングスネアとピアノリフをバックにギターがエモーショナルなフレーズを。ピアノとの掛け合いのあと短いギターソロ、そして再びユニゾンリフのあとテクニカルなギターソロが。ラストはパワフルに盛り上がってFin。
 5曲目は「Sterra lee jones」。アコーディオンの素朴な音色がゆったりと情緒たっぷりにながれます。そして美しい女性のスキャットがピアノをバックにしとやかにながれて。うっとりと聴きほれてしまいますね。その後ピアノの力強い音色をバックにアコーディオンの音色がながれて。中盤からドラムが入ってアップテンポの迫り来るようなスリリングな展開になりますが、その後ワルツリズムでゆったりとした優雅でロマンティックな感じに。とっても素敵な曲です。終盤は再びピアノをバックに美しいスキャットがゆったりとながれ、そしてアコーディオンの素朴な音色が抒情的にながれて。
 6曲目は「Improvisation」。ピアノ・アコーディオン・スキャット、そしてパーカッションの様々な音が空間を浮遊して。前衛の世界ですね。無秩序な弾きまくり叩きまくりのソロバトルが。
 7曲目は「Remembrance/記憶」。ドラムのリムをコツコツ叩く音からはじまって、そこにギターのアグレッシブなソロが。そしてピアノのゆったりとした美しいフレーズがながれ、さらにギターの雄大なフレーズが幻想的に響き渡って。中盤ではピアノリフをバックにギターの力強く太いサウンドがながれ、ゆったりとダイナミックな展開に。とってもドラマティックな曲ですね。終盤ではエモーショナルなギターソロ、そしてピアノソロ&テクニカルなドラムソロも。ラストはピアノの調べがゆったりと静かにながれてFin。
 8曲目は「Matsukura snow [visual]」。ピアノ、そしてギターのエッジの音が神秘的にながれて。
 9曲目は「Matsukura snow [story]」。ピアノのしっとりとした音色がゆったりとながれ、それが徐々に力強くなり、そこにドラムとギターがはいってミドルテンポの幽玄な感じのリフがながれて。そして美しいスキャットも加わって明るく爽やかな感じに。その後、スペーシーかつリズミカルでコミカルな感じになりますが一旦Fin。中盤ではリズムが止まって暗闇のなかに様々な音が飛び交う神秘的な感じに。そしてピアノの美しく穏やかなフレーズがながれ、ギターの力強くしかもドラマティックなフレーズがゆったりと心地よくながれます。終盤は力強いピアノリフからダイナミックな展開になり、ラストはしっとりとFin。
 10曲目は「Kagerou」。雑踏の音とバンドサウンドからはじまって、そしてアップテンポのリズムにのってギターリフ&ピアノリフが。そしてそこにアコーディオンとスキャットがはいって、その後リズムをバックにピアノのアヴァンギャルドなソロが。そしてハイテンポのアコーディオンやピアノのリフがスリリングにながれ、英語のナレーションがはいって。中盤ではアコーディオンのスリリングなリフ、続いてピアノの力強いリフのあと、一転ゆったりとロマンティックで優雅な感じに。美しく優しげなスキャットが心地よくながれ、そしてアコーディオンソロへ。終盤ではハイテンポでせわしなく展開していって、そしてダイナミックでスケールの大きなリフから雄大なフレーズがながれドラマティックにFin。
 11曲目は「The Breeze/時を渡る風」。ゆったりとした浮遊感のあるリフから幻想的にはじまって、情緒たっぷりにしっとりとしたピアノの音色が抒情的にながれて。幻想的な曲です。
 そしてボーナストラックとして12曲目に1stアルバムの「The Waves」のライブ音源が収録されています。 
 今回も非常に複雑な構成ですね。でも聴き終わるとまた再び聴きたくなって、難解ながらも何度も聴いて曲を謎解きしてみたくなるような、好奇心・探究心をくすぐられますね。
 現在、川崎さんは自身のユニット<KTG>等で活動され、平田さんと田辺さんはAsturiasの別ユニット<Electric Asturias>で、さらに平田さんは自身のユニット<Sterra lee jones>でも活躍されています。せっかくアルバムも発表されたことですし、出来れば<FLAT122>としてレコ発ライブを演ってほしいものですね。

※このアルバムは某社M氏より提供していただきました。M様、ありがとうございました。

10.1.26 スパニッシュ・コネクション

2010-01-28 10:28:29 | ライブレポ Jazz/Fusion
◇ 2010.1.26 横浜・野毛DOLPHY
タブラ・ヴァイオリン・ギターを操って、インドから東欧そしてスペインへのジプシーの道のりを音楽で表現するユニット、凄腕ギタリストの伊藤芳輝さん率いる<スパニッシュ・コネクション>。スペインのフラメンコ音楽を基調にあらゆるジャンルの音楽要素も取り入れて素敵なサウンドを構築されています。メインメンバーはギターの伊藤芳輝さんの他、ヴァイオリンの平松加奈さん、タブラの吉見征樹さんのお3方です。
 結成は2000年で、これまでにアルバムを7枚、DVDを1枚発表され、ライブ活動も全国ツアーなど精力的に行われています。また2009年には某国営放送のTV人形劇「新三銃士」の音楽も担当され、現在も放送中で注目を浴びておられるようです。そうそう、そのサウンドトラックアルバムも発売されています。
 自分は2009年2月に初めて<スパニッシュ・コネクション>のライブを観に行って、その音楽の素晴らしさやエネルギッシュな演奏にめっちゃ感動したんですよね。なので次のライブもぜひ観にいきたいと思ってはいたのですが、諸事情(リストラ)によりしばらく断念しておりました。しかし今年になってやっと光が見えてきて、ちょうど1/26にライブがあると知ってすぐ予約して当日を楽しみにしていました。

 さて当日。開演予定時間が19時半なので家で早めの夕食をとってから出発し、19時15分に会場に到着。ここDOLPHYに来るのも半年ぶりかな?開演時間ころにはいい感じで席も埋まってきてワイワイにぎやかになって。お客さんは同年代の方が多く、男性比率高かったですね。
 今回のメンバーはギターの伊藤芳輝さん、ヴァイオリンの平松さん、タブラの吉見さん、そしてベースの伊藤寛康さん。パーカッションはいつもは海沼正利さんですが、今回は仙道さおりさんです。初めて拝見する仙道さんの演奏もめっちゃ楽しみ♪

 19時45分頃、メンバーの皆さまがステージに登場しチューニングを。ステージ向かって前列左からタブラ、中央がヴァイオリン、右がギター。後列中央がベース、左がパーカッションです。伊藤芳輝さんと吉見さんは白系のシャツを。伊藤寛康さんはヘッドホンが描かれたシャツを。平松さんは黒地に赤いお花が描かれた妖艶な衣装です。仙道さんは黒系のお衣装にグレーのショートパンツで、頭にはシルバーラメのカチューシャが輝いています。
 そしてギターのスパニッシュなソロから1曲目「熱い砂」がはじまります。そしてミドルテンポのギターリフからバンドイン。ヴァイオリンとギターのユニゾンメロから、ギターが哀愁ただようメロディを奏でて。その後アップテンポになってヴァイオリンが爽やかなメロディを奏で、そのまま伸びやかなヴァイオリンソロへ。続いてはテクニカルなギターソロが。終盤再びテーマメロをユニゾンで奏で、そこから明るく華やかな感じになってヴァイオリンのメロがながれて。
 続いて2曲目はギターのソロ曲。ゆったりとした哀愁ただよう感じからはじまります。そしてアップテンポのギターリフがはいって、メンバーの皆さんは手拍子を。テクニカルなソロもたっぷりで、時に静かに時にパワフルに激しく弾きまくり、緩急を自在に操っての凄い曲でした。曲が終わると大拍手!

 ここで伊藤芳輝さんがマイクを持ちますが・・・どうもヴォリュームが上げてなかったみたいで、お店の方がしばし調整。入ったところで「ようこそいらっしゃいました、こんばんは。スパニッシュ・コネクションです」って挨拶を。スパニッシュコネクションは1/21から赤坂・金沢・大阪・京都と廻ってこの横浜はショートツアー5daysの最終日だそうです。ここでメンバー紹介がはじまり、まずは吉見さん。「ヨシミ“マイクロフォン”マサキでございます」って、爆笑!「今日は“ミドルネーム”をいれるんですか」って伊藤芳輝さん。他のメンバーの皆さんは「聞いてないよ」「考えてないよ」って動揺されてます。次は伊藤寛康さん「イトウ”奈良の大仏“ヒロヤスです」って、爆笑!次は平松さん「ヒラマツ“考えられません”カナです」って、爆笑!次は仙道さん「センドウ“海沼”サオリです」って、大爆笑です。最後は「イトウ“ロドリーゴ”ヨシテルです」って。あれ、普通でしたねぇ。でも爆笑!

 3曲目は「鳥の歌」です。ヴァイオリンのゆったりと幽玄な感じからはじまって、そして徐々に盛り上がってパワフルにメロディアスに。そこにギターが合いの手のようにはいって。切ない恋のような曲調でしょうか。その後、ギターとヴァイオリンのパワフルなリフから、ヴァイオリンのゆったりとしたメロディがながれ、他のメンバーは手拍子で盛り上げて。中盤ではギターソロからヴァイオリンとギターのユニゾンのテクニカルなフレーズが。そして情熱的なギターソロへ。終盤ではヴァイオリンのエネルギッシュなソロも。ラストはテクニカルなユニゾンリフでFin。
 曲が終わると伊藤芳輝さんが「(音の)バランス悪くない?」って。伊藤寛康さんが卓を調整して。「お聞き苦しい点が多少あったかもしれません」って。自分は特には気にならなかったけど。

 続いて4曲目は「ファナ・ルピア」。ギターのメロウで優しい感じのメロディからはじまって、ヴァイオリンのゆったりとしたメロディがたおやかにながれて。そしてギターの哀愁ただようメロディがミドルテンポでながれて、ヴァイオリンのゆったりと伸びやかな音色が響いて。仙道さんはシンバルをブラシでたたいて。ボサノバ調のおしゃれな曲ですね。中盤ではギターのテクニカルなソロや、ヴァイオリンのソフトな音色のゆったりとした艶やかなソロが。終盤ではアップテンポでリズミカルにパワフルになってエネルギッシュな演奏が繰り広げられるも、ラストはゆったりとFin。
 曲が終わると「ヴァイオリン、平松加奈!」って伊藤芳輝さんが紹介。大拍手です。

 続いて5曲目。ギターの哀愁を感じるゆったりとしたメロウなソロからはじまります。太いサウンドに引き込まれそうです。その後、アップテンポの軽快なギターリフがはじまって、メンバーの皆さんは手拍子を。そしてテンポアップしてリズミカルで激しくなって、まるで草原を駆け抜けているかのような疾走感です。中盤ではヴァイオリンとギターのユニゾンリフからアップテンポでベースのテクニカルなソロ、ギターソロと続いて、ヴァイオリンとのユニゾンのリフからそのまま伸びやかで艶やかなヴァイオリンソロへ。ラストはパワフルなリフでめっちゃ激しく盛り上がってFin。

 曲が終わると大拍手!「どうもありがとうございます」って。メンバーの皆さんは立ち上がってお辞儀を。伊藤芳輝さんがメンバー紹介をして「しばらく休憩してまた始めます」って。大拍手のなかメンバーの皆さんは楽器を置いて、しばし休憩です。時計を見ると20時35分。約50分の前半でした。休憩が始まると吉見さんと伊藤寛康さんが伊藤芳輝さんのところへ。音の確認でしょうか、アンプを調整されてました。その後は親しいお客様方とご歓談されてました。

 21時10分頃、メンバーの皆様は再びステージに。チューニングのあと「おまたせいたしました、第2部を始めさせていただきます」って伊藤芳輝さん。ここで今後のスケジュールのお話が。6月から北海道から沖縄まで60ヵ所に及ぶ全国ツアーを敢行するそうです。「いわゆる“マグロ漁船”ですね」って吉見さん、爆笑です。そして2月には8人編成でのライブ、4月には町田でもライブを行うそうです。
 ここで人形劇「新三銃士」のお話を。この放送、なかなか好評だそうで、4月から再放送されることが決定したそうで。それにDVDも発売されるとか。また吉見さんのヴォイスタブラに一般の視聴者から「あれは何て言ってるのか?」って問い合わせが結構来てるそうで。

 後半は「新三銃士」のサントラから何曲か披露してくださるそうです(曲名違うかも?)。まずは「愛の剣」。ギターとタブラからはじまって吉見さんのヴォイスタブラが炸裂!さらに掛け声も。そしてアップテンポでギターとヴァイオリンがユニゾンでメロディを奏で、ギターがメロディアスに、ヴァイオリンがゆったりと艶やかに聴かせて。中盤はリフのあとヴァイオリンのメロディ、そしてバンドリフとタブラソロ、さらにテクニカルなギターソロも。終盤はヴァイオリンとベースのユニゾンもあり、ラストには吉見さんが「NHKにいつ行く?きょういく!」って。大爆笑です。
 「久々に上手いこと言いましたね」「いつもしょーもないこと言ってるのに」って伊藤芳輝さん、爆笑です。「しょーもないすか?」って吉見さんが反撃を。ここで再び「新三銃士」の宣伝を。

 7曲目は「疾風の如く」。ギターの力強いリフと他メンバーの手拍子が鳴り響き、そしてテクニカルなギターソロへ。めっちゃスリリングで迫力あります。一旦落ち着くと仙道さんがベルやウインドベルを鳴らし、そしてヴァイオリンとギターのアップテンポのパワフルなリフのあと、ヴァイオリンの艶やかなメロディがながれ、そしてテクニカルなギターソロへ。平松さんは手拍子を。終盤では短いパーカッションソロのあと、ギターのメロディアスなソロ、そしてヴァイオリンとのパワフルなユニゾンリフが。

 続いて8曲目は「アトスのファルーカ」。ギターのゆったりとした哀愁ただようメロウなソロからはじまって、ヴァイオリンの伸びやかな調べがながれ、そしてヴァイオリンの力強く情感たっぷりのソロが。哀しいフレーズですね。その後アップテンポになってギターとヴァイオリンのさわやかなメロディがながれ、ギターのテクニカルなソロ、ヴァイオリンの伸びやかなソロが。

 曲が終わると大拍手!とここで伊藤芳輝さん・平松さん・伊藤寛康さんのお3方は楽屋へ。吉見さんと仙道さんの打楽器ソロバトルがはじまります。まずは仙道さんのカホン中心のパーカッションソロ。これがまためっちゃパワフルでかっこよくて、迫力ありましたね。「仙道さおり!」って吉見さん。続いては吉見さんのタブラソロ。まずはヴォイスタブラからはじまって、そして緩急織り交ぜたタブラソロ。「吉見征樹!」って自分で言って。そしてタブラとカホンのソロ掛け合いバトルです。吉見さんの叩いたフレーズを仙道さんが叩いたり、同じようなニュアンスで返したりとお互いに叩きまくりの白熱したスリリングなソロバトル、見ごたえありました。ラストはぴったり息を合わせてキメのフィルを。もちろんお客さん大拍手です。とあるお客さんが「いまのはアドリブなの?」って素朴な質問を。「最後は決まった譜面でやって、あとは全部アドリブです」って吉見さん丁寧にお返事。

 伊藤芳輝さん・平松さん・伊藤寛康さんのお3方がステージに戻って、そしてはじまった9曲目は「謀略のラビリンス」です。ギターのゆったりとしたアルペジオからはじまって、仙道さんがベルを鳴らし、ベースが味わい深いベースラインを奏でて、さらに仙道さんが風が吹くような効果音を出して。その後、ギターとベースのユニゾンのバックで吉見さんが笑い声やナレーションっぽい語りを。さらに「これもアドリブだぁ」って、爆笑!すると仙道さんが♪ジャジャジャジャーンとドラを豪快に鳴らして、そしてシンバルロールも。その後ヴァイオリンのゆったりとした幽玄なメロディがながれ、それがダイナミックなって。続いてギターの力強くもゆったりとしたソロ、そしてヴァイオリンとユニゾンでテクニカルでパワフルなリフを。終盤ではヴァイオリンがゆったりと艶やかなメロディを。ダークで重厚な感じの曲でしたね。

 ここで伊藤芳輝さん再び「新三銃士」の宣伝をちょこっと。それと本日の物販のCDの宣伝も。「ライブ会場だけでしか販売しないCDです」「“限定販売”に弱いでしょ」って。爆笑です。
 「最後の曲です」ってはじまった10曲目は「セロニアス」。ギターのアップテンポの軽やかなリフからはじまって、そこにヴァイオリンも加わってユニゾンでテクニカルなリフを。とってもリズミカルでノリノリです。そしてギターの軽快でテクニカルなソロのあと、ヴァイオリンの艶やかで綺麗なメロディがながれ、そのまま激しく身体を揺さぶっての情熱的なソロへ。ラストはテクニカルなユニゾンをキメてFin。

 曲が終わると大拍手大歓声!ここで伊藤芳輝さんがメンバー紹介を。「タブラ、ヨシミ“カワムラ”マサキ!」って。続いて「ベース、イトウ“奈良の大仏”ヒロヤス!」「ヴァイオリン、ヒラマツ“たまに衣装を後ろ前まちがえる”カナ!」って。平松さん、あわてていま着ている衣装をチェックして「今日は大丈夫」って。大爆笑です。続いて「パーカッション、センドウ“DVD2枚”サオリ」って。今回物販で仙道さんの教則DVDが2種類販売されてまして、その宣伝も。「モルジブ撮影?」「水着姿も?」なんて声もあがりましたが、教則DVDですからさすがにそれはないでしょう。「怒られそうだからやめときます」って伊藤芳輝さん。最後は「イトウ“りぃ~だぁ~”ヨシテルでした」って。メンバーそれぞれに大きな拍手が。そしてメンバーの皆様はステージを離れようとしますが、客席一斉のぴったり息の合ったアンコールを求める手拍子の迫力に押されてすぐにスタンバイを。

 「揃ってて美しい手拍子でしたね」「ありがとうございます」って伊藤芳輝さん。そしてはじまった11曲目は「陽光の街」。アップテンポのリズミカルなギターリフからはじまって、ヴァイオリンが優雅なフレーズを奏でて。そして吉見さんがスペイン語のヴォーカルを披露。すっごいかっこよかったっす。間奏ではパワフルでテクニカルなベースソロが。ソロが終わると大拍手!その後リズムが止まってヴォーカルソロが。そこにギターが合いの手のようにフィルを入れて。最後のフレーズを吉見さんがタメにタメてそしてリズミカルなサビに入り、ラストはヴァイオリンのアグレッシブなソロが。

 曲が終わると大拍手大歓声!「ありがとうございました!」って。メンバーの皆様は立ち上がってお辞儀を。そしてステージを離れますが、アンコールを求める手拍子の迫力に伊藤芳輝さんが楽屋へ向かうメンバーの皆様を引き止めて、歓声があがります。そしてスタンバイ。
 オーラス12曲目は、アップテンポのギターのパワフルで激しいリフからはじまり、ヴァイオリンがゆったりと幽玄なフレーズを奏で、そしてギターとパワフルなユニゾンリフを。めっちゃスリリングです。その後ヴァイオリンの艶やかで伸びやかなフレーズがながれて。ラストはギターリフからめっちゃパワフルに激しく盛り上がってFin。しかし吉見さんが再びヴォイスタブラをはじめてもう1回エンディングを。「バラバラでごめんね!」って吉見さん、大爆笑です。
 曲が終わると大拍手大歓声!メンバーの皆様は楽器を置いて立ち上がってお辞儀を。そして拍手のなか楽屋へ・・・時計を見ると22時20分。約70分の後半でした。

 “神技”とも言える伊藤芳輝さんのギター、時にメロディアスに時に激しく、思わず見入ってしまうくらい凄かったっす。平松さんのヴァイオリンも繊細かつエネルギッシュに、しかもアクションも交えて最高でした。吉見さんのタブラもほんといい音してましたね。ヴォーカルもかっこよかったし、ネタも爆笑でしたね。伊藤寛康さんのベースも力強いサウンドを聴かせてくれ、味わい深いベースラインも素敵でした。初めて拝見する仙道さん、とってもキュートでコケティッシュで可愛らしくて。しかもその可愛らしさとは反対にパワフルで歯切れのよいパーカッションサウンドを聴かせてくれました。吉見さんとのバトル、迫力ありましたね。前半50分、後半70分、計2時間のライブとっても楽しめました。ライブ会場限定販売のCDも購入できたしね。またぜひライブ観に行きたいっす。

GONZ

2010-01-25 08:06:12 | 21th J-プログレ
 あちこちのプログレサイトをみていたときにふとこのアルバムが目に止まりました。なかなか興味深いサウンドのようで、いつか機会があったら聴いてみたいなって。そんな折にたまに寄る某CD店で偶然このアルバムを発見。もちろん即購入です。でもこのアルバムがどこのアルバムレビューサイトで紹介されてたか忘れちゃったんですよね。どこだったかな?
 <GONZ>は、2004年12月にベーシストの<Tosh Miyataさん>が中心となって結成されたトリオ編成のバンドです。他メンバーはドラムスの<Sin Tsuziさん>と、キーボードの<Talkey Sakamotoさん>です。Toshさんは中学の頃からベースをはじめ、18歳でライブハウスELLのレギュラーになったそうで。そして78年に<ZETT>というバンドを結成し、某メーカー主催のコンテストで81年と82年にベストベーシストに輝き、バンドも82年にグランプリを獲得したそうです。その後幾多のバンドを経て87年頃にアメリカに渡り、帰国後に<DYNAGON>というバンドを結成されたそうです。そのバンドの進化形がこの<GONZ>のようですね。
 2005年からライブやイベント出演等の活動をはじめ、2007年7月にこのアルバム「INSTRUMENTAL TRANCE PHENOMENA」を発表されます。渦巻く銀河のスペーシーで美しいジャケット、かっくいいすね。めっちゃ期待しちゃいます。
 アルバム1曲目は「Tri Dimensional Force」。パワフルなリフから衝撃的にはじまり、ミドルテンポのヨコノリのグルーヴィなリズムにのってオルガンリフ、そしてオルガンソロが展開されます。バックではパワフルなドラムとうねりまくるベースが響き渡って。中盤では変拍子のアップテンポのリズミカルな感じになるも、ユニゾンのリフから再びミドルテンポにもどってエモーショナルなオルガンソロが。終盤では変拍子テクニカルリフがアップテンポでパワフルに展開されてFin。
 2曲目は「Drop in Visitor」。ダイナミックなリフからミドルテンポでけだるい感じのヨコノリで展開されます。レゲエっぽい感じもちょこっとあるかな。エモーショナルなオルガンソロ、バックではベースがうねって。
 3曲目は「Nag Vibes」。エフェクトのかかったコミカルなベースリフからミドルテンポではじまって、パワフルなリズムをバックにオルガンリフ&ソロ、そしてグルーヴィなリードベースが展開されます。ヨコノリのファンキーな曲ですね。
 4曲目は「Galaxy Diver~Landing~Discoverd」。テクニカルな早いパッセージからアップテンポでパワフルにはじまり、ユニゾンリフがリズミカルにダンサブルに展開されます。その後一旦リズムが止まり、幻想的でスペーシーなシンセサウンドが響き、美しいピアノの音色がながれ、そしてドラムが入ってゆったりとした綺麗なピアノソロが。バックではベースが弾きまくりです。終盤では変拍子テクニカルリフのあとアップテンポでパワフルなオルガンリフが。ドラマティックな曲ですね。
 5曲目は「The Vortex」。アップテンポのパーカッシブなドラムから軽快にはじまり、パワフルにテクニカルに疾走していきます。めっちゃドライブしててかっくいいっす。パワフルなリズムをバックにアグレッシブなオルガンソロ、そしてリズミカルなピアノソロも。ドラムも叩きまくりでベースも弾きまくり。凄いっす。中盤はちょこっと落ち着いてシンセサウンドをバックにベースソロも。終盤は再びテンポアップしてオルガンソロからパワフルにFin。
 6曲目は「Fractalize」。パワフルなドラムからミドルテンポでミステリアスな雰囲気で展開されます。スパイラルに巻き込まれているような感じかな。中盤ユニゾンリフから爽やかな感じのフレーズも。
 7曲目は「Chaos Factor」。パワフルなユニゾンリズムからミドルテンポでけだるい感じでグルーヴィに展開されます。そしてナレーション的なセリフが入って、さらにはUSA風パトカーのサイレンやヘリや機関銃の音も。爆破音から一旦リズムが止まってダークなシンセサウンドが響き、そしてベースリフ、ドラムがはいってダイナミックに展開され、ピアノリフ・ベースソロが。ドラマティックな曲ですね。ラストは劇的にパワフルに盛り上がってFin。
 8曲目は「Circle of Mind」。ゆったりとした穏やかで優しい感じのシンセサウンドからはじまり、ベースの味わい深いサウンドがたおやかに響きます。そしてドラムがはいって美しいピアノの調べが心地よくながれて。とっても美しく優しく、心癒される曲ですね。ベースのメロウでエモーショナルなソロがたっぷりと。そして終盤には美しいピアノソロもあり、ストリングスサウンドもはいってドラマティックに盛り上がるも徐々にフェードアウトされ、静かに消えていきます。この曲のサブタイトルにはDedicated to the late”KATSUMI”と題されています。詳しいことはわかりませんがKATSUMIさんという方に捧げられた曲なのでしょうね。素晴らしい曲です。感動しました。
 “サウンド・シネマ”というコンセプトで展開され、終始鳴り響くシンバル&パワフルなドラムとうねりまくるベースのグルーヴィなリズムにどんどん引き込まれていき、さらに独特の展開のキーボードサウンドにもう酔ってしまいますね。
 アルバム発表後にはプログレ界の大御所<AIN SOPH>の前座も務められたそうで。ライブでは演奏だけでなく、独自の映像も映して観客を視覚的にもイマジネーションの世界に誘うそうで。いつか機会があればライブ観に行きたいっす。

人間椅子 6th 無限の住人

2010-01-22 08:22:27 | 人間椅子
 初期Black Sabbathをベースとしたドゥーミーなサウンドに、日本文学&おどろおどろしい歌詞をのせ、津軽弁の節回しで聴かせてくれる青森発の和製ヘヴィロックバンド<人間椅子>。
 1990年にデビューアルバムを発表。その後アルバム4枚を発表し、メルダックとの契約が切れるも、95年にフライハイトより5thアルバム「踊る一寸法師」を発表し活動を続けます。
 翌96年には<沙村広明氏>の漫画「無限の住人」のイメージアルバムがポニーキャニオンより発表されます。このアルバムはBlack Sabbathのファンであり、人間椅子のファンでもある作者の沙村先生のたっての希望で実現したとか。このジャケットもかなり恐いっす。内ジャケットには沙村先生作のイラストがたくさん描かれています。
 このアルバムにはゲストに日本プログレロック界屈指のキーボーディスト<永川敏郎さん>と、フルート&龍笛奏者<篠原猛さん>が参加されています。
 アルバム1曲目は「晒し首」。アップテンポの♪ジャンジャカジャンジャカのノリのいいリズムのギターリフからはじまって、鈴木さんのパワフルなヴォーカルがはいって。サビは♪い~けないんだ、いけないんだ~のメロですね。間奏最初はエモーショナルなギターソロが。その後ややテンポダウンしてワウの効いたギターリフと鈴木さんのメロウなヴォーカルがはいって。終盤では再び元のリズムにもどって力強いリフ&ヴォーカルが。ラストはアグレッシブなギターソロがたっぷりと。
 2曲目は「無限の住人」。ミドルテンポのパワフルなリフからはじまるも、ギターのしっとりとした美しいアルペジオリフをバックに和嶋さんの抒情的なヴォーカルがながれて。サビはメロディアスに盛り上がります。中盤はギターリフが徐々にテンポアップして三味線調の激しいリフに。そしてそのリフと鈴木さんの浪曲調のヴォーカルが交互に。和の情緒たっぷりのドラマティックな曲ですね。
 3曲目は「地獄」。ダイナミックなリフからはじまるアップテンポのパワフルな曲。鈴木さんが不気味な歌詞を力強く歌って。ライブ終盤でよく演奏されてめっちゃ盛り上がります。中盤はバスドラのリズムをバックに様々な音が暗黒空間を彷徨って神秘的な雰囲気に。そして再びパワフルモードになって一気になだれこんでFin。
 4曲目は「蛮から一代記」。タイトル通りの蛮カラ応援歌風の曲で、鈴木さんがかっこよく歌い上げます。ライブでは弟さんから借りたというガクランを着て演奏してましたっけ。おもいっきりハラ出てましたけど。中盤は民謡風に歌って、そして和嶋さんのブルースハープソロも。ミドルテンポのヘヴィロック応援歌ですね。ラストはテンポアップして三味線調のアグレッシブなギターソロが。
 5曲目は「莫迦酔狂ひ」。スローテンポの引きずるようなリズムのリフとアップテンポのザクザクリフが交互に。そしてアップテンポで和嶋さんの力強いヴォーカルがはいって。パワフルでかっくいいヘヴィロックです。間奏ではズルズルリズムのあとややテンポアップしてドゥーミーな雰囲気に。そして和嶋さんのパワフルなヴォーカルが曲を盛り上げて、さらにテンポアップしてメロウなフレーズとアグレッシブなギターソロが。終盤ではパワフルなミドルテンポのシャッフルリズムでヨコノリで展開していき、ラストは元のリフに戻って。ダークながらもドラマティックな曲です。
 6曲目は「もっこの子守唄」。ミドルテンポの太鼓のリズムにのって大正琴の情緒たっぷりの音色が響いて、そして和嶋さんの郷愁ただようヴォーカルがはいって。間奏では笛やフルートの音や大正琴の音色も。寂しげな民謡調の曲です。異色ですね。
 7曲目は「刀と鞘」。パワフルでダイナミックなリフからミドルテンポではじまって、鈴木さんの応援歌風のヴォーカルがはいって。力強い和風ヘヴィロックですね。間奏ではまずはナチュラルトーンのエモーショナルなギターソロ、そしてそれがアグレッシブになって。
 8曲目は「辻斬り小唄無宿編」。アップテンポのミステリアスなギターリフからはじまって、♪ズンタタズッタ~のリズムでコミカルなロック調に。ドラム、叩きまくってますね。間奏では津軽三味線風ギターソロが。
 9曲目は「宇宙遊泳」。スペーシーな電子音からはじまってアップテンポの明るく楽しい感じのギターリフがはいって、鈴木さんのエコーの効いた伸びやかなヴォーカルがはいって。ここまでモロ硬派和風の流れでしたがいきなり宇宙へ飛んじゃいましたね。曲はキャッチーなポップロックです。間奏ではスペーシーなシンセサウンドをバックにエモーショナルなギターソロがたっぷりと。
 10曲目は「黒猫」。ZEPのMobydickに似たミドルテンポのリフからパワフルにはじまって、ダークでドゥーミーな雰囲気のなか和嶋さんの伸びやかなヴォーカルがはいって。そしてサビはアップテンポになって盛り上がり、パワフルなリフとネコの鳴き声のようなギター音も。中盤ではギターリフからテンポアップしてノリノリモードで和嶋さんの早口ヴォーカル、そして爽やかモードのメロも。終盤は再びミドルテンポのヘヴィロックモードになり、エモーショナルなギターソロも。 
 素浪人が主人公の時代劇漫画のイメージアルバムということで、和風の暗くしかも力強い曲で占められていますね。さらには情緒たっぷりのしっとりした雰囲気もあって。もっとも1曲だけ全く異なる曲もありましたけど、でも聴き応えは十二分にあります。そうそう、「刀と鞘」がシングルで発売されますが、それには「桜下音頭」というアルバム未収録曲が。残念ながらこのシングルはまだ手に入れてません。ファン倶楽部ライブで1回だけ聴いたことありますけど。
 このアルバムもこれまで廃盤になっていてかなり手に入りにくかったんですよね。オークションでも高額だったような。しかしこちらも漫画のアニメ化に伴って2008年に再発売され、だいぶ流通したのではないかと。

人間椅子 5th 踊る~

2010-01-20 08:14:27 | 人間椅子
 初期Black Sabbathをベースとしたドゥーミーなサウンドに、日本文学&おどろおどろしい歌詞をのせ、津軽弁の節回しで聴かせてくれる青森発の和製ヘヴィロックバンド<人間椅子>。
 <人間椅子>は、ギター&ヴォーカルの<和嶋慎治さん>と、ベース&ヴォーカルの<鈴木研一さん>が中心となって1987年に結成されました。
 1990年にデビューアルバムを発表。その後アルバムを3枚発表するもドラマーの上館さんが脱退してしまいます。バンドは凄腕ドラマー後藤マスヒロさんをサポートメンバーに迎えて93年10月には4thアルバム「羅生門」を発表。そしてライブ活動を続け、94年9月にベストアルバム「ペテン師と空気男」がリリース。が、しかしここでメジャーレーベルであるメルダックとの契約が切れてしまいます。
 しかしめげることなく、バンドはドラマーに<土屋厳さん>を正式メンバーに迎えてニューアルバムのレコーディングと全国ツアーを敢行。そして95年12月、インディーズ・レーベルのフライハイトより5thアルバム「踊る一寸法師」が発表されます。このジャケットは・・・自分、ちと苦手かも。
 アルバム1曲目は「モスラ」。ダイナミックなリフからシャッフルビートではじまるスケールの大きなヘヴィロック。中盤は変拍子でスリリングに展開して、エフェクトのかかった特異なサウンドのギターソロも。ラストにはアグレッシブなギターソロが。
 2曲目は「暗い日曜日」。ミドルテンポのダークでパワフルなリフからはじまり、哀愁ただよう和嶋さんのヴォーカルが。歌詞はフォークっぽいかな。寂しげでメロディアスな曲です。サビの前のベースのフィルが印象的ですね。間奏はベースのヘヴィなリフからはじまってギターと変拍子ユニゾンをキメて、そしエモーショナルなギターソロへ。
 3曲目は「どだればち」。ミドルテンポのうねるようなヘヴィなリフからはじまって、鈴木さんの民謡調のヴォーカルが。時折♪アラドシタァ~って合いの手がはいって。中盤にはエモーショナルなギターソロが。そして鈴木さんのハイトーンの民謡調の唄が一節。その後ミドルテンポのギターリフをバクにベースソロ。続いて津軽三味線調のギターソロへ。
 4曲目は「ギリギリ・ハイウェイ」。ミドルテンポの明るく華やかなリフからはじまるストレートなドライヴィンロック。間奏ではエモーショナルなギターソロが。シンプルな曲ですね。
 5曲目は「エイズルコトナキシロモノ」。ダークでヘヴィなベースリフからはじまって、鈴木さんの不気味なヴォーカルがはいるミドルテンポのドゥーミーな曲。サビはメロディアスでバラード調ですね。間奏は一転アップテンポのノリノリモードになってアグレッシブなギターソロが。その後ユニゾンリフでめっちゃ盛り上がったあと、再びスローテンポに戻ってダークに。終盤には鈴木さんの狂気の叫びも。
 6曲目は「羽根物人生」。ミドルテンポの華やかなギターリフからおだやかにはじまって、哀愁ただよう鈴木さんのヴォーカルが。70年代のフォーク調って感じかな。間奏では和嶋さんの寂しげなハーモニカソロが。終盤には泣きのギターソロも。
 7曲目は「三十歳」。ミドルテンポのヘヴィなリフからはじまって、鈴木さんのパワフルなヴォーカルがはいって。最初の間奏はリフとベースソロの掛け合いも。2ヴァースは和嶋さんの力強いヴォーカルが。次の間奏はリフとギターソロの掛け合いが。その後、鈴木さんのヴォーカルと和嶋さんの裏声ヴォーカルの掛け合いが。終盤の3ヴァースでは土屋さんのパワフルなヴォーカル、そしてリフとドラムソロの掛け合いも。
 8曲目は「時間を止めた男」。ミドルテンポのめっちゃパワフルでヘヴィでグルーヴィな感じではじまって、間奏ではワウを効かせたギターソロが。中盤ではテンポアップして盛り上がってドラマティックな展開に。その後一旦Finしてギターのアルペジオのゆったりと幻想的な感じになり、エモーショナルなギターソロが。メロウで素敵な曲です。
 9曲目は「ダイナマイト」。鈴木さんのパチンコシリーズの曲。ライブオーラス曲の定番です。ハイテンポスラッシュモードでパワフルに怒涛のように一気に突っ走ってFin。
 10曲目は「踊る一寸法師」。パワフルでドゥーミーなリフからはじまって、鈴木さんのヴォーカルがスローテンポで不気味に響いて。狂気の笑い声もたまらないっす。人間椅子の真骨頂ここにあり、ですな。間奏ではアグレッシブなギターソロが。その後ダークなベースリフが響くなか、狂気の笑い声や不気味なお経のような声が響いて。終盤ではヘヴィでパワフルなリフがドコドコザクザクと。そして元のドゥーミーなリフに戻ってFin。 
 全体的にダークで不気味でドゥーミーな雰囲気たっぷりで、人間椅子らしさが溢れてますね。ドゥームマニアには堪えられないアルバムでしょう。このアルバムの曲調には土屋さんのシンプルなドラムが合ってるかな。このアルバムはずいぶん手に入りにくかったんですよね。オークションでも結構高額だったような。しかし2008年に再発売されてだいぶ流通したのではないかと。

Roses Rivisited

2010-01-18 08:04:20 | 21th J-プログレ
 以前から他のプログレレビューサイトを見て興味を持ち、自分も聴いてみたいなってバンドがありました。ある日、そのバンドの音源がとある方から送られてきてビックリ!「お、やったぁ!」って思わずガッツポーズしちゃいました。そのバンドとは関西のシアトリカルプログレバンド<Roses>です。
 <Roses>は、1998年に結成され、その年に大阪で開催された8バンド出演のプログレイベントにも参加し、そして11月にデモテープを東名阪で発売し、関西だけでなく東京にも進出して精力的にライブ活動を行います。2000年6月にはデモCDRも発表するも2001年11月にギターとキーボードの方が脱退してしまい、バンドは休止状態になってしまいます。その1年半後の2003年4月にギター・キーボード・コーラスの方が新加入して再び活動を再開。しかし関西で数回ライブを行ったのちの2004年1月にギターとコーラスが脱退。バンドは再び休眠状態になってしまいます。
 3年後の2007年11月。2001年に脱退したギターとキーボードの方が復帰してバンド活動が再開され、待望の1stアルバムのレコーディングに入ります。
 そして2009年5月にこの5曲入り1stミニアルバム「Revisited」が全国発売されました。メンバーはヴォーカルの<燐夢さん>、ドラムスの<森功さん>、ベースの<猪上一郎さん>、キーボードの<辻康三さん>、キーボード&ヴォーカルの<後藤貴史さん>、そしてギターの<田村励武さん>の6人編成です。ジャケットがちょっと怖いですけど、その分どんなサウンドを聴かせてくれるのか興味津々です。
 アルバム1曲目は「歌劇、N氏の華麗なる復讐劇より、第三幕 美しき復讐の円舞曲~あざらし男の電脳仕掛け復讐劇~」。開幕前の観客が雑談等でくつろいでる様子からはじまって、そして幕が開き万雷の拍手が。威勢のいいティンパニの打撃音からパーカッションとストリートオルガン等の華やかなパレードのオープニング。そしてピエロの前説のような歌が入ります。途中幼い子供がはしゃぐ声も。なんかサーカスがはじまるみたいな感じでウキウキ♪してきちゃいます。
 2曲目は「Follow Me Follow You」。アップテンポのディレイの効いたギターリフからパワフルなドラムとヴァイオリンが入って、そして甘く艶っぽいヴォーカルが。明るく楽しくメロディアスでパワフルな曲ですね。ヴァース間や節間に美しいヴァイオリンのフィルも。間奏にはテクニカルかつメロウなギターソロが。そして終盤ではギターとキーボードのソロバトルも。ちょっとキーボードの音が小さいかな?うちの再生機が悪いのかな?
 3曲目は「聖なるマリア」。ミドルテンポのメロディアスかつパワフルな曲です。間奏では力強いリズムに乗ってアグレッシブなキーボードソロが。途中からアップテンポになってテクニカルに。
 4曲目は「さくら さくら さくら」。レコードのノイズのような音をバックに美しいピアノリフがゆったりとながれ、そしてしっとりとしたヴォーカルがはいって抒情的に。それが一転アップテンポのパワフルなドラムからハードにスリリングに展開していき、エフェクトをかけたうねるヴォーカルが。サビはメロウに歌い上げて。間奏はうねりまくるベースをバックにエモーショナルなギターソロが。その後バンドが止まってヴォーカルソロ。そして様々な音が飛び交う幻想的な雰囲気になってナレーションのようなヴォイスが。終盤では再びアップテンポのスリリングな展開になって盛り上がってFin。とってもドラマティックな曲ですね。
 5曲目は「Water Mother」。ゆったりとした浮遊感のあるやさしい音色のキーボードリフからソフトにはじまり、しっとりとしたヴォーカルがはいって。それがヘヴィなギターリフと共に徐々に盛り上がって。メロディアスで美しいバラードです。間奏にはエモーショナルなギターソロが。その後幻想的なコーラスも。終盤はドラマティックに展開していき、感動のフィナーレを迎えます。
 素晴らしい楽曲群ですね。いやぁ~、5曲では全然物足りないっす。ぜひとも、いやすぐにでもフルアルバムを熱望します。もっともっと聴きたいっす。音だけでなく映像も!DVDもぜひぜひお願いします。
 ライブではアルバムのシンフォニックなテクニカル&ハードサウンドを聴かせてくれ、さらに燐夢さんを中心としたミュージカル・オペラ・能を取り入れたシアトリカルなステージを魅せてくれるそうで。いつか機会があればぜひともライブを観に行きたいっす。
 このアルバムは某社M氏より提供していただきました。M様、ありがとうございました。

10.1.10 GERARD

2010-01-15 08:04:26 | ライブレポ プログレ2008-2011
◇ 2010.1.10 沼袋サンクチュアリ
<Galaxy!New year Progressive Rock Night 2010>
 昨年10月に<interpose+>のワンマンライブを観に行ったんですよね。そのときに次回のライブは1/10って告知されてたので、ライブの詳細発表を楽しみにしておりました。そして11月末には<GERARD>が参加する3バンド出演のプログレイベントを観に行ったのですが、会場では次回行われる1/10のライブチケットが販売されてたんです。その日は3バンド出演ということもあって、トリの<GERARD>のライブは自分は帰りの時間的に観るのが難しい状況だったんですよね。なので1/10のライブを観ることにしてそのチケットを買って今回はあきらめようと。でも1/10って<interpose+>とカブるじゃん!マズいなぁ~って悩んでいたら・・・なんと1/10は<interpose+>と<GERARD>の対バンではないですか!好きなバンドを両方いっぺんに観られて、しかも¥3000-.とは超お買い得!なので即チケットを購入して当日を楽しみにしてました。

<GERARD>
 70年代から第一線で活躍されている日本ロック界最高峰に君臨するキーボーディストの御大<永川敏郎さん>率いる最強プログレバンド<GERARD>。それまでベーシスト<長谷川淳さん>とドラマー<藤本健一さん>とのトリオ編成でしたが、昨年にはそれまでゲストメンバーだったヴォーカリスト<佐々井康雄さん>が正式メンバーに迎えられ、4人編成になってよりパワーアップしての登場です。

 19時40分頃、フロアーの照明が暗くなってステージの幕が開いてメンバー登場!今回皆さん花柄シャツをお召しになっての登場でした。藤本さんは花柄ノースリーブでしたね。そして皆さん頬には6角星マークが書かれていました。
♪ジャーン!と華々しいダイナミックで盛大なオープニングが鳴り響いて。そして1曲目がはじまります。キーボードのテクニカルなリフからアップテンポでパワフルにスリリングに展開していきます。伸びやかなヴォーカル・ヘヴィなベースサウンド・タイトなドラム、かっくいいっす。中盤、パワフルなリフから佐々井さんがハイトーンシャウトをキメたあと、ゆったりとメロウな感じになって美しいスキャットがながれ、そのまま綺麗なシンセソロへ。終盤では一転激しいリフになり、ベースとユニゾンをキメて、そしてアグレッシブなオルガンソロが。

 「こんばんは!」って永川さん。お客さんもちゃんと「こんばんは!」ってお返事。こういうのいいですねぇ。そして「お正月がねぇ、とってもキライなんですよ」って意外なお言葉。なんでもお正月に街じゅうにながれるお琴や尺八の音色にうんざりされるそうで。「皆さんは楽しいお正月を過ごされましたか?あそうですか」って返事をさせてもらえず。「何も言ってないじゃないですか」って佐々井さんがツッコミを。そしてお年玉のお話のなりますが「もうあげる側なんですけど、今日は全然OKなので、お年玉もらってもいいよ」って永川さん。「俗にいう“投げ銭”とか“おひねり”ってことですか?」って佐々井さん。爆笑です。「佐々井さん、お正月の間に面白くなってますよ」「なんかあった?」って永川さん。「いや特に・・・なにもないですよ。気のせいです」って佐々井さん。「こういうときなんて言ったらいいんですかねぇ?」って。すると永川さん「“ありがとう”じゃない?」って。爆笑です。そして「最後までGERARDはおもいっきり頑張りますので、宜しくお願いします!」って永川さん。お客さん大拍手です。

 そして2曲目「Justice and The Face」が始まります。シークエンスのリズムからベースのテクニカルなチョッパーリフがはじまって、そしてアップテンポの変拍子のパワフルなリフ、そして力強いヴォーカルがはいって。中盤ではアグレッシブなムーグソロが。そしてヴァース後の終盤ではベースのテクニカルでヘヴィなソロが。
 続いて3曲目は「Long Long Way To Your Soul」。ハイハットのカウントからミドルテンポのパワフルでヘヴィなリフからはじまり、ヴァースは落ち着いた感じのヴォーカルが。リズムにあわせて永川さんと長谷川さんがアクションをキメ、そしてアグレッシブなシンセソロへ。その後、キーボードとベースのテクニカルなユニゾンリフからドラマティックなパワーバラード風の展開に。ラストは永川さん、ノリノリでハネまくって、そして佐々井さんがハイトーンシャウトをキメてFin。

 GERARD、待望のニューアルバムが4月に発売されるそうで。前のアルバムが2004年でしかもドラマーがまだマスヒロさんの頃のですから、ファンの方々は6年もの長い間待ちくたびれたことでしょう。「なんか・・・楽しい」って永川さん。「去年の暮れから“幸せホルモン”が出るらしいんですよ」って佐々井さん。なんでも鶏肉を食べると“幸せホルモン”が出るんだとか。誰も知らないみたいなんですけど。「永川さんの身体から出てます」って。「カッコ悪る」って永川さん。「普通の人には見えないんですよ。宇宙を旅していろいろな星を巡って・・・」ってちと別世界へ行ってしまいそうな佐々井さんですが、永川さんが「佐々井さん、痛い!」「何言ってるの、もう」って。爆笑です。
 で、前回のライブでは皆さんサンタコスをされたそうで。で、そのときに次のライブではお正月にちなんだ“何か”をするってことになったんだそうで。「ボクはウソはつきません」って永川さん。すると佐々井さんが「“ウス”はつくけど?」ってボケて爆笑!でも「ヤスオ!いい加減にしなさい」って笑顔で一喝する永川さんです。
 そして“お正月”にちなんだことというのが・・・なんと佐々井さんによる“書初め”。机がステージ前に用意されて、佐々井さん、解説しながら硯で墨をするところからはじまります。なんだか結構時間かかりそう。紙4枚使って4文字を書くとのことです。その間に永川さんがおしゃべりで場をつなぎますが・・・お習字、ちと時間かかりすぎ。永川さん「なにかウチらヒマやからインストでも演る?・・・Caosでもやろうか」って言ってくれたんですけど「台本にありません。スケジュール通りいきましょう」って却下。やってほしかったなぁ。
 4文字ということで“謹賀新年”って声もあがりましたが、イベントタイトルにちなんでの“銀河新年”でした。途中“巻き”の指示がでたので急いで書かれたせいで、とめハネは抜群なんですけどバランスがイマイチでしたね。でもでも佐々井さん、お疲れ様です。お客さんも大拍手!後ほど当てた方にプレゼントされるそうですが。
 で、今度夏には何をやろうかって話になって「夏ですから“ヤング”な方に」って佐々井さん、藤本さんをご指名。すると永川さん「ステージに水槽を作ってそこで泳いでもらおう」って。それってかな~り無理があると思うのですが・・・

 ながれ的に「曲やったりします?なんかやりにくいんですよ・・・明るい曲ならいいんだけど・・・暗い曲だし・・・」って永川さん。爆笑です。でも予定通りにはじまった4曲目は「My Heart To The Past」。しっとりとした美しいヴォーカルからはじまって、シンセの荘厳な響きが。ゆったりとしっとりと美しいメロディアスなバラードです。間奏はピアノリフをバックにベースの味わい深いメロウなソロが。
 続いて5曲目は「Prelude」。ピアノの明るく華やかなリフが響き、ゆったりと伸びやかなヴォーカルがながれ、そしてドラマティックに雄大に展開していきます。さらに続いて6曲目は「Don’t Leave Me Now」。アップテンポのスリリングなリフからパワフルにはじまるかっくいいメロディアスハード。力強いヴォーカルがはいってサビではノリノリで盛り上がっていきます。中盤ミドルテンポになってエモーショナルなムーグソロが。そして終盤は佐々井さんがドラマティックに歌い上げて。

 「がんばったね」って永川さん。ここで4月にニューアルバムが発売されるというお話と、今後のライブのお話が。「アルバムが出たら“ひとり”でライブをしなきゃいけないじゃないですか」って。すると佐々井さん「そうですね。“単独興行”」って。爆笑です。ちなみに5月だそうです。あと3月にESPのイベントに出演されるとか。そのあと“永川商店”の物販の宣伝も。この頃になると佐々井さんの頬の星マークが汗でにじんできて、ほとんどゴシックメタル調メイクになってたかも。

 7曲目は「Analysis of Life」。パワフルでダイナミックなベースリフからアップテンポの変拍子ではじまって、パワフルなリフをバックに力強いヴォーカルがはいって。間奏まずはバンドリフとベースフィルの掛け合いのあとオルガンソロ、そしてエモーショナルなシンセソロが。その後キーボードとベースのテクニカルなユニゾンも。バックではドラム叩きまくりです。
 続いて本編最後の8曲目ですが・・・なんとKing Crimsonの超名曲「21世紀のスキッソイドマン」。まさかこの曲が聴けるとは思わなかったので超ビックリ!プログレマニアには嬉しいお年玉ですね。ミドルテンポのヘヴィなリフからダイナミックにはじまって、佐々井さんのややダーティでめっちゃパワフルなヴォーカルがはいって。中盤はアップテンポでテクニカルに展開していきます。ドラムも叩きまくってます。まずはエモーショナルなシンセソロからアグレッシブなベースソロへ。その後、右ひざで弾く激しくエネルギッシュなオルガンソロからテクニカルなユニゾンをキメて、ぴったりと息の合ったブレイクもキメて。めちゃめちゃかっくいいっす!凄すぎ!

 曲が終わると大拍手大歓声!「どうもありがとうございました。GERARDでした」って永川さん。メンバーの皆さんはお辞儀をして手を振りながら楽屋へ。場内はもちろんアンコールを求める拍手が鳴り響いて。するとほどなくメンバーの皆さんはステージに戻ってきて大拍手で迎えられます。
 「ありがとうございます!とっても嬉しいな」って永川さん。「最後の“21世紀~”の曲は、プログレマニアの人たち見てたら、もう揺れまくりね」「あんたらおかしいよ」って。爆笑です。

 「最後の曲、聴いてください」ってはじまったオーラス9曲目は「Dirty Hunters」。ダイナミックなシンセリフと佐々井さんのハイトーンシャウトからはじまるミドルテンポ変拍子のパワフルかつメロディアスな曲。間奏は美しいピアノリフをバックにエモーショナルなベースソロが。ラストはめっちゃ盛り上がってハイトーンシャウトもキマってFin。「みんなどうもありがとう!」って佐々井さん。
 曲が終わると大拍手大歓声!「どうもありがとうございました。GERARDでした」って永川さん。メンバーの皆さんはステージ前に並んで手をつないでお辞儀を。そして大拍手のなか、手を振りながら楽屋へ・・・時計を見るとちょうど21時。約80分の見所たっぷりのライブでした。

 時に静かに美しく、ときにアグレッシブにエネルギッシュに弾きまくる永川さん、テクニカルでヘヴィなベースサウンドを聴かせてくれる長谷川さん、パワフルでタイトで超かっこよかったドラムの藤本さん、メッチャかっこよかったっす。そして佐々井さんのヴォーカルも繊細でクリアーで、しかも綺麗なハイトーンも聴かせてくれてました。曲間のMCもめっちゃおもろかった!佐々井さんってゲストの頃は大人しい物静かな方って感じでしたけど、今回はおやぢギャク炸裂でハジけてましたね。あんな面白い方だったとはビックリです。でもまさかステージで“書初め”まで披露するとはねぇ。ただあの時間はできればインストを1曲やってほしかったかも。でも永川さんが盛り上げてくれましたね。アンコール1曲を含めての約80分のライブ、とっても楽しめました。

10.1.10 interpose+

2010-01-13 09:44:32 | ライブレポ プログレ2008-2011
◇ 2010.1.10 沼袋サンクチュアリ
<Galaxy!New year Progressive Rock Night 2010>
 昨年10月に<interpose+>のワンマンライブを観に行ったんですよね。そのときに次回のライブは1/10って告知されてたので、ライブの詳細発表を楽しみにしておりました。そして11月末には<GERARD>が参加する3バンド出演のプログレイベントを観に行ったのですが、会場では次回行われる1/10のライブチケットが販売されてたんです。その日は3バンド出演ということもあって、トリの<GERARD>のライブは自分は帰りの時間的に観るのが難しい状況だったんですよね。なので1/10のライブを観ることにしてそのチケットを買って今回はあきらめようと。でも1/10って<interpose+>とカブるじゃん!マズいなぁ~って悩んでいたら・・・なんと1/10は<interpose+>と<GERARD>の対バンではないですか!好きなバンドを両方いっぺんに観られて、しかも¥3000-.とは超お買い得!なので即チケットを購入して当日を楽しみにしてました。ただひとつ気になったのは・・・<interpose+>と<GERARD>って客層が微妙に異なるような。<GERARD>のイケメンリズム隊&佐々井さんの女の子ファンが客席前列を占める状況のなかで<interpose+>がどんなステージを魅せてくれるかも楽しみです。

 さて当日。17時半開場18時開演です。今回はイス席を確保できたらいいなって思い、早めに家を出たのですが会場に着いたのは開場15分前。すでに長い列ができていたのでイスはあきらめ。15分くらいすぐだろうと思ったんですけど、なにせすっごい寒くてガタガタ震えながら開場を待ってました。かなり長く感じたかも。そして開場になって受付を済ませてフロアーへ。すると後列のイス席がいくつか空いていたので超ラッキー!即確保です。物販には特に目新しいものはなかったのでなにも買わずのんびり座って開演を待ちます。イス席は40席くらいあったのかな?8割以上早い時間から寒いのをガマンして並んでいた女の子ファンたちが占めてました。開演時間が近づく頃には後ろの立ち見のお客さんも増えてきてほぼ満員状態。狭いハコながら結構入ってましたね。

<interpose+>
 とってもピュアで可愛らしい女性ヴォーカル&凄テクミュージシャンズによるとっても素敵なJ-POP+プログレを聴かせてくれるバンド<interpose+>。メンバーはバンドリーダーでドラムスの<佐藤カツさん>、ベース<Daniさん>、キーボード<渡辺のぶをさん>、ギター<飯島丈治さん>、そして女性ヴォーカルの<あるがさゆりさん>の5人編成です。

 18時5分過ぎにステージの幕が開いて・・・いきなりビックリ!なんとさゆりたんが弁士の山崎バ○ラさんのような金髪のボブスタイルのウイッグでしかもメガネをかけての登場!まさかそうくるとは思わなかったっす。でも似合ってて可愛いのだ。それにシルバーラメのタンクトップにサンドベージュのハイウエストバルーンロングスカート、そして同色のカーデをまとって。男性メンバーはいつもどおりのシブくクールなスタイルです。

 はじまった1曲目は「Lunar halo(月暈/つきがさ)」。パワフルなドラムからはじまりミドルテンポのリフが。ギターリフ・ピアノリフ、そしてギターとピアノのユニゾンリフも。雄大でダイナミックな曲調で伸びやかなヴォーカルがいきいきとながれて。ヴァースのあとはエモーショナルなギターソロ、そして再びヴァースのあとはムーグソロ。幽玄でロマンティックな曲ですね。

 「あけましておめでとうございます。Interpose+です」「昨年中も大変お世話になりました」「本年もどうぞ宜しくお願いいたします」ってさゆりたん、挨拶してお辞儀を。「今日はじめてお逢いするお客様が多いと思います」「最後まで楽しんでいただけたら」って。

 2曲目はミドルテンポのヘヴィなベースラインからはじまる「熟れた憂鬱」。重いグルーヴィなヘヴィロック調の曲ですね。さゆりたんはタンバリンでリズムをとって、ギターの幻惑的なフレーズのあとパワフルなさゆりたんのヴォーカルが。中盤ではギターリフとピアノをバックにムーディなベースソロが。続いてゆったりとしたリズムでエモーショナルなギターソロ、ムーグソロと続き、再びメロディアスなギターソロへ。

 続いて3曲目はカツさんのカウントからはじまる「エゴイスト」。ミドルテンポで落ち着いたメロウな感じではじまります。ギターがたおやかなフレーズを奏で、ピアノのメロウなリフがはいって、そしてしっとりとおだやかなヴォーカルが。バックでは味わい深いベースラインが響きますが・・・ステージが狭いのでベースネックのヘッドがさゆりたんに当たりそうです。左隣のぢょぢさんのギターにもぶつかりそう。でも上手く避けてます。間奏まずはおだやかなムーグソロ。そしてヴァースのあとはギターソロ。なんとなくフワフワとした浮遊感がただよう素敵な曲ですね。

 「寒いですよねぇ。寒いなか足を運んでくださいまして本当にありがとうございます」ってさゆりたん。ここでメンバー紹介を。まずはぢょぢさん。そしてカツさんを紹介しようとするも一瞬ド忘れ。ちょっとウケてました。そしてDaniさん・のぶをさんを紹介したあと「ヴォーカルあるがさゆりです。宜しくお願いします」って。それぞれに大きな拍手が。で、前列のお客さんのなかに同じようなメガネをかけてる方を見つけて話しかけて。さゆりたんはメガネをかけてライブをやるのは初めてなんだそうで。「いつもはコンタクトなんですけど」って。ちなみにウイッグは以前にも付けたことはあるそうで。

 4曲目は「Gethsemane」。パワフルなドラムソロからはじまってミドルテンポのヘヴィなリフがはいって、そしてヴァースでは落ち着いた感じに。哀愁ただようブルージーな曲調ですね。パワフルなヴォーカルのヴァースのあと、さゆりたんがキーボードに手を向け、アグレッシブなオルガンソロ。その後のロマンティックなヴァースのあとは味わい深いベースソロ。ヴァースのあとのラストはアームをグイングイン効かせたハードなギターソロが。

 続いて5曲目は「Time Limit」。アップテンポの複雑でパワフルでダイナミックな曲。リズミカルなヴォーカルでスリリングに展開していきます。サビは軽快でノリノリでかっくいいっす。間奏まずはオルガンソロ、続いてアグレッシブなムーグソロを披露。続いてテクニカルなベースラインをバックにギターソロ。まずはJAZZ的なアプローチを見せて、そしてハードな弾きまくりソロを。滑らかな指使いに見入ってしまいました。ラストはダイナミックにFin。

 ここでさゆりたんが今回の物販のCD&DVDの宣伝を。でも「今日やった曲は1曲も入っていない」って。爆笑です。ここまですべて新曲ですもんね。そして客席後方の親子のお客さんを見つけて「お子さん、おっきい音なので大変かなって思いますが」って気遣って。

 6曲目は「風の記憶」。ゆったりとしっとりとピアノのリフレイン、幻想的なギターサウンドがながれ、そして味わい深いベースラインがはいって、美しいヴォーカルが。叙情的な曲ですね。カツさんはブラシでドラムを。ヴァースのあとはエモーショナルなギターソロが。再びヴァースのあとは綺麗でロマンティックなピアノソロが。とっても美しい曲です。ラストはしっとりと静かにFin。

 続いて7曲目は「あなたに知ってほしかった(仮)」。アップテンポのパワフルでファンキーなノリノリモードではじまり、ヴァースはさゆりたんがリズミカルな早口ヴォーカルを。パンキッシュな感じもしてスリリングでかっくいいっす。ヴァースのあとはミドルテンポのヘヴィロック調になってアグレッシブなベースソロが。そして再びアップテンポになってノリノリのピアノリフにのって早口ヴォーカル。ヴァースのあとはアグレッシブなピアノソロ、エネルギッシュなギターソロが。ドラムも叩きまくりで凄いっす。

 「おなかいっぱいですね」ってさゆりたん。「まだデザートがあるよ」「いやメインがまだだよ」ってDaniさんとのぶをさん。ここでさゆりたんから次回のライブの告知が。5/23にシルエレで水鏡と対バンだそうで。続いてDaniさんがtaikaとKBBのライブの告知とCDの宣伝を。

 「次が最後の曲です。本日はどうもありがとうございました」ってさゆりたん。ラスト8曲目は「Neo Aircon」。ゆったりと壮大なスケールのサウンドを聴かせてくれ、ギターのエモーショナルなソロが。そしてアップテンポの軽快なリフがはいって、パワフルなベースソロやテクニカルなキーボードリフ、さらにギターとユニゾンでリフをキメて。その後、落ち着いた雰囲気になってピアノリフをバックにロマンティックモードのヴァースへ。間奏ではアップテンポでパワフルなドラムをバックにアグレッシブなオルガンソロやエネルギッシュなギターソロがたっぷりと。そしてエンディングはめっちゃドラマティックにFin。

 曲が終わると大拍手!「どうもありがとうございました。Interpose+でした」「またぜひお逢いしましょう」ってさゆりたん。メンバーの皆さんはお辞儀をしてステージ袖へ。時計を見ると19時15分。アウェイのような状況のなかでも約70分のとっても素敵なアツいライブを披露してくれました。

 さゆりたん、ビックリのコスながらピュアで力強いヴォーカルをたっぷりと聴かせてくれましたね。モニターが聞き辛いせいかちょっと音程が危ういとこもありましたけど、それもまた“いい味”ですね。そしてカツさんの緩急織り交ぜたタイトでパワフルなドラム、Daniさんのテクニカルで力強くしかも味わい深いベース、のぶをさんの美しく、しかもアグレッシブなキーボード、丈治さんのときに滑らかで繊細に、ときにヘヴィでスピーディなギターも最高っす。特に後半のソロバトルは皆さんめっちゃ激しくエネルギッシュで圧倒されちゃいました。すごい気迫を感じましたね。
 ほとんど新曲のセットでしかも完成された演奏。となるとそろそろ3rdアルバムを期待しちゃいますが・・・なんと2月からレコーディングに入るとのこと。めっちゃ楽しみ♪です。

人間椅子 best ペテン師と~

2010-01-11 08:15:07 | 人間椅子
 初期Black Sabbathをベースとしたドゥーミーなサウンドに、日本文学&おどろおどろしい歌詞をのせ、津軽弁の節回しで聴かせてくれる青森発の和製ヘヴィロックバンド<人間椅子>。
 1990年にデビューアルバムを発表。その後アルバムを3枚発表し、93年10月には4thアルバム「羅生門」を発表。そしてライブ活動を続け、94年9月にこのベストアルバム「ペテン師と空気男」が発表されます。
 このアルバムには全15曲がリマスタリングされて収録されています。
1. 審判の日
2. 心の火事
3. 幸福のねじ
4. あやかしの鼓
5. 夜叉が池
6. なまけ者の人生
7. 太陽黒点
8. 青森ロック大臣
9. 天国に結ぶ恋
10. 人面瘡
11. 大予言
12. 走れメロス
13. もっと光を!
14. りんごの泪
15. 埋葬蟲の唄
 これまでのアルバムの中から選りすぐりの13曲、そしてこれまでのアルバムには収録されていない曲が2曲収録されています。その2曲を今回紹介させていただこうかと。
 まずは12曲目に収録されている「大予言」。これは3枚目のシングル「もっと光を!」に収録されていた曲です。ハイテンポのヘヴィなベースリフからはじまるパワフルでスリリングなハイスピードかっとび疾走スラッシュメタルです。が、中盤はスローテンポになってダークでドゥーミーな雰囲気になり、エモーショナルなギターソロが。ヘヴィなリフのあとは再びバリバリスラッシュに。♪ガッテンガッテン!ってめっちゃかっくいいっす。
 もう1曲は13曲目に収録されている未発表曲の「走れメロス」。インスト曲です。この曲は93年頃に某オートバイメーカーの欧州向けのPRビデオのBGM用に作られた曲だそうです。パワフルでヘヴィなギターリフからはじまるアップテンポのシャッフルリズムのノリのいい曲です。中盤ではベースリフにのってとっても明るく爽やかなギターフレーズがながれ、そして短いベースソロも。これできればライブでも聴いてみたいっすね。これもかっくいい曲です。

 残念なことに、このアルバムを最後にメジャーレーベルであるメルダックとの契約が切れてしまいます。

人間椅子 4th 羅生門

2010-01-09 07:51:09 | 人間椅子
 初期Black Sabbathをベースとしたドゥーミーなサウンドに、日本文学&おどろおどろしい歌詞をのせ、津軽弁の節回しで聴かせてくれる青森発の和製ヘヴィロックバンド<人間椅子>。
 1990年にデビューアルバムを発表し、その後2枚のアルバムを発表。92年6月には3rdアルバム「黄金の夜明け」を発表するも、ここで上館さんが脱退してしまいます。バンドはこの頃に鈴木さんがロックイベントで知り合った凄腕ドラマー<後藤マスヒロさん>をサポートメンバーに迎えてライブ活動を続け、93年に4thアルバム「羅生門」を発表します。乱世を思わせる暗雲をバックに屹立する柱のてっぺんに君臨する、創造者のように神々しい和嶋さんと鈴木さん。さらには椅子が包まれたシャボン玉が廻りを浮遊するジャケット、凄いっす。
 アルバム1曲目は「もっと光を!」。いきなりアップテンポのパワフルなリフからはじまるスリリングでかっくいいストレートなハードロック。鈴木さんの力強いヴォーカルが冴えます。時折はいるギターのスイッチング奏法が印象的ですね。中盤はもちろんアグレッシブなギターソロが。
 2曲目は「人間椅子倶楽部」。ミドルテンポのドラムフィルからはじまってベース・ギターがはいって、和嶋さんのべらんめえ調のヴォーカルが。2ヴァースは鈴木さんのうねるヴォーカルが。そして中盤には妙なナレーションが入ります。その後スペーシーな雰囲気になってエモーショナルなギターソロが。この曲のギターリフ、聞き覚えがあるんですけど思い出せないっす。3ヴァースはマスヒロさんのダーティ気味なヴォーカルも。
 3曲目は「なまけ者の人生」。ミドルテンポの哀愁ただよう暗めの雰囲気ではじまり、ズンズンと響くリフをバックに鈴木さんの演歌調のヴォーカルがのって。間奏のギターソロはしっとりとはじまり、そしてエモーショナルに。
 4曲目は「埋葬蟲の唄」。ゆったりと引きずるようなヘヴィなギターリフからドゥーミーにはじまります。鈴木さんの不気味なヴォーカルがたっぷりと。サビはテンポアップして“カエルの歌”の替え歌っぽく。間奏のギターソロは明るく爽やかな雰囲気で。そしてアップテンポになってアグレッシブなギターソロが。バックのベースもうねりまくってリードベースのようです。テクニカルなユニゾンリフをキメたあとは再びスローテンポでダークに。ドゥーミーで人間椅子らしい曲ですね。
 5曲目は「青森ロック大臣」。ゆったりとしたギターリフから一転鈴木さんヴォーカルのアップテンポで明るく楽しくコミカルなポップロックに。中盤には弾きまくりギターソロも。
 6曲目は「ナニャドヤラ」。ミドルテンポのパワフルなドラムからはじまって、一転ハイテンポのザクザクドコドコのスラッシュモードに。ここでは大正琴が効果的に使われてますね。中盤では一転スローテンポになってヘヴィなギターリフが響き、そしてテンポアップしてアグレッシブなギターソロが。ラストは唐突にFin。
 7曲目は「ブラウン管の花嫁」。ズルズルと引きずるようなギターリフからスローテンポでドゥーミーにはじまり、和嶋さんの抒情的なヴォーカルがはいって。中盤では美しいギターリフと、エフェクトをかけた和嶋さんのヴォーカル、そしてワウをめいっぱい効かせたハードなギターソロも。これも人間椅子らしい曲ですね。
 8曲目は「憧れのアリラン」。パワフルでダイナミックな変拍子リフからミドルテンポで力強くはじまります。重厚なコーラスの応援歌風のヴァース、そしてダイナミックなリフが。中盤では一転静かになってドラムが小さくリズムを刻み、そして再びパワフルなリフがはいって。
 9曲目は「羅生門」。♪ダダダン!ってパワフルなリフと大正琴の時代がかった音色のリフからはじまって、そしてスローテンポでダークでヘヴィなギターリフと鈴木さんの引きずるようなヴォーカルが。この曲のリフはOZZY氏のNo more tearsに似てるような?とってもダイナミックでドラマティックな曲です。中盤には♪とおりゃんせ~のフレーズも。そしてエモーショナルなスライドギターソロも。その後一転ベースリフからテンポアップしてパワフルにヘヴィに展開していきます。ラストは再びスローテンポに戻ってしっとりとFin。 
 ドゥーミーな曲も多く、さらにストレートなロックやコミカルな楽しい曲などもあって、聴き応えのあるアルバムですね。そしてマスヒロさんの存在。さりげなく入るテクニカルなフィルやツーバスドコドコなどドラムの音数が増えて、なにかバンド全体にレベルアップしたかのようにも感じます。