ひよりの音楽自己満足

自分の好きなアルバムやアーティストを紹介させていただきます。

Cichla Temensis

2008-03-31 06:55:57 | 21th J-プログレ
 フルートの素朴な音色って凄く好きなんですよね。でもロックだと他の大音量楽器にかき消されてしまうような印象もありますが、でもでもフルートを主体とするバンドもありまして、世界ではやはりプログレ界の大御所<ジェスロ・タル>でしょうか。奇才Ian Anderson氏のフルート、以前実際にライブを見に行きましたけど、ほんと凄かったしとっても楽しかったし。日本では先日紹介させていただいた<T.E..E.(The Eartn Explorer)>がすぐに浮かびました。今回の<キクラ・テメンシス/Cichla Temensis>もそのフルート主体のプログレバンドです。メンバーはクラシック・ジャズ・ロック等、様々な分野で活躍されているフルート奏者の<深沢晴奈さん>、ベーシスト<国分巧さん>、ドラムス<野口雅彦さん>のお3方です。結成されたのは2005年で、元々はギタリストがいらしたようなのですが、昨年脱退されたようで、現在この3人編成のようです。ちなみに国分さんの師匠は凄腕ベーシストの永井敏巳さんで、野口さんの師匠は“手数王”菅沼孝三さんなのだそうです。超絶テクを誇る最強リズム隊のお弟子さんとのこと、めっちゃ期待してしまいます。 さて今回のCDは昨年(2007年)末に発表された6曲入りのデモ盤です。1曲目は「Strings of tension」。ミステリアスな雰囲気のアップテンポのスリリングな曲です。サスペンスドラマのテーマとかにぴったりかも。 2曲目は「Changing dance」。優雅な雰囲気もありながらどこか不安感を感じるようなミドルテンポのやや暗い曲です。なにか曲の世界に引き込まれそうです。中盤には短いベース&ドラムのテクニカルなソロも。 3曲目は「不思議絵/Mysterious picture」。タイトル通りのゆったりとした幻想的な曲。なにか迷宮をさまよっているかのような不安な雰囲気になりますね。 4曲目は「The Ruin」。神秘的な雰囲気からはじまり、リズム隊のインからアップテンポのサンバを思わせる軽快なリズムに。でもフルートのフレーズにはどこか暗さを感じましすね。後半にはベースとフルートのユニゾン、そしてドラムソロも。これライブで聴きたいっす。ノリノリでしょうね。 5曲目は「三日月湖/Crescent lake」。静かな湖に浮かんでいるかのようなゆったりとした穏やかな優しいメロディの曲。フルートとベースのたおやかな音色に癒されます。 6曲目は「知覚/Chikaku」。シロホンっぽいサウンドからはじまるテクニカルな曲。 う~ん、6曲23分では物足りない!もっと聴きたいっす!超テクニカルな凄腕リズム隊の叩き出す変拍子の上を、泳ぐように自由自在に舞うフルートの音色に酔いしれてしまいます。ちなみに<キクラ・テメンシス>とは、アマゾン・ネグロ川等に生息する淡水魚の名前だそうです。変則的に流れる川をスイスイ泳いでいる感じってピッタリかも。4月にライブがあるようなので、できれば観にいきたいな。。。

HAMOSVORTEN

2008-03-30 08:29:50 | 21th J-プログレ
 エレキギターであるストラトキャスターに、クラシックギター等で用いるナイロン弦を張ってプレイする、という独創的なギタリスト<中島勝さん>率いるバンド<HAMOSVORTEN/ハモスフォルテン>。このバンドは中島さんとキーボードの<森井克彦さん>と、ドラムスの<伊藤修さん>の3人で2000年5月に結成されました。元々クラシックギタリストの中島さんが新たなる試みとして“バロック、ルネッサンス時代よりのクラシック音楽を現代に蘇らせる”という“輪廻”をコンセプトにはじめたそうです。そして2004年4月にこのアルバム「Ain’t No Progress/非プログレ宣言」を発表しました。メンバーのみなさんは“プログレをやっているつもりはない”そうです。CDの帯には“クラシック、ロック、ジャズ・・・ジャンル分けはあなたが判断してください”と。いったいどんなサウンドなのか、ストラトにナイロン弦ってどんなギターサウンドなのか、ドキドキ・ワクワクです。アルバムはクラシック曲のカヴァーとオリジナル曲が入り乱れています。オールインストです。まず、1曲目は「Prologue」。森井さん作曲のピアノによる美しく爽やかな曲です。素敵な序章ですね。 2曲目は「The Rock」。中島さん作曲の「Purple Haze」を思わせるモロに“ジミ・ヘン”しているアップテンポのかっちょいいロックです。想像よりもハードサウンドですね。これハマりそう。ピアノもアグレッシブでパワフルですね。しかも美しい! 3曲目は「Canon」。「パッヘルベルのカノン」のカヴァーですね。一転して落ち着いた感じでスタート。ゆったりとした綺麗なメロディ、ついつい聴きほれてしまいます。ナイロン弦の柔らかな音がたおやかな曲調にピッタリ合ってますね。ドラマティックなアレンジも素晴らしい。 4曲目は「リュート組曲1番、Boure」。J.S.バッハ作曲。この曲はアレンジなしの元曲をギターで忠実に演奏されています。 5曲目は「リュートのための前奏曲1番、Prelude1」。J.S.バッハ作曲。壮大でダイナミックなサウンドです。ギター・ピアノ・ドラムスのたった3人での演奏とは思えない。 6曲目は「無伴奏チェロ組曲1番前奏曲2番、Prelude2」。J.S.バッハ作曲。草原にそよ風が吹いているかのような、爽やかで心地よいメロディの軽やかな曲ですね。終盤はテンポアップして盛り上がります。 7曲目は「貴族と窮民/The Nobility and the Beggars」。ホルストの火星をモチーフにした力強い曲。ハードなギターサウンド、いいですねぇ。 8曲目は「アルハンブラの思い出/Recuerdos de la Alhambla」。F.タレガ作曲。これも原曲は有名ですね。ゆったりとした叙情的で美しいメロディのこの曲、しみじみと聴き入ってしまいます。 9曲目は「Asturias」。I.アルベニス作曲。悲壮感漂うフレーズの力強い曲。中盤にはテクニカルなドラムソロもちょこっと。そしてジャジーなピアノも。この曲では中島さんがあるストーリーを描いたそうです。ダム建設予定の誰もいなくなった村。いつしかそこには鬼が棲むようになったとか。鬼がたまたま見つけた太鼓を叩いていると、いつしか道祖神や先祖の霊も集まって、村祭りの様相に。そのころ都会では役人と業者の癒着が発覚してダム建設が中止になったとか。“祭りの精霊と鬼太鼓”という設定だそうです。なんとなく“ゲゲゲの鬼○郎”のストーリーみたいですねぇ。 10曲目は「Cavatina」。S.マイヤーズ作曲。映画「ディアハンター」に使われていた曲だそうです。たまたまその映画を中島さんが観てこの曲をやろうと思ったとか。ゆったりとしたたおやかなメロディの曲です。スタジオライブのワンテイクものだとか。曲の終わりには観客の拍手とアンコールを求める手拍子が。それに続く11曲目は「Encore Ain’t no Progress」。この曲だけは実際のライブを収録したものです。ワンポイントマイクでの録音ということでややこもった音ですが、めっちゃテクニカルなアツい演奏を聴かせてくれてます。まったくのアドリブでのジャズ的インプロビゼーション合戦だったそうです。 ベースレスということもあって、ちょっぴり軽さというか重みが足りないな、ベースがほしいな、と思うところもありましたけど、素晴らしいアルバムだと思います。ちなみに中島さんはピックを使わず、爪を長く伸ばした指で弾いているそうなのですが、レコーディング直前に爪が割れてしまって、コンディション的にはあまりよくなかったそうです。
 バンド名の“HAMOSVORTEN/ハモスフォルテン”とは、クラシックというキーワードから、ドイツかどこかの地名っぽいのですが、そうではなくて、一説には大衆酒場で“ハモの天ぷら”で一杯やりながらバンドのことをいろいろと語り合っていて、そのときに“ハモの天ぷら”をドイツ語風にもじって“HAMOSVORTEN/ハモスフォルテン”にした、という説とか?ちょっと無理があるような気もしますけどね。でも裏ジャケの通り、バンドの原点は酒場にあるのかも?ちなみにジャケットの“ピンクの象”は、“ヨッパライ”の意味もあるとか。 
これまでベースレスのお3方で活動されていましたが、2005年3月に中島さんが某焼き鳥屋でベーシストの<奥田陽康さん>と出会い、5月から奥田さんを加えた4人で活動しているそうです。いつかライブを見てみたいものです。

MIDAS 4

2008-03-28 07:00:35 | ジャパン・プログレ
 残った右遠さんと田路さんはめげずに新メンバーを探しながらも作曲活動を続け、11月にようやく後任ドラマーに<金本武年さん>が決定し2000年を迎えます。ベーシスト不在のままバンドは4thアルバムの制作にとりかかります。アルバムのコンセプトを“ポップス”として、コンパクトでキャチーな曲のなかにプログレッシブな要素を織り交ぜる(これって初期ASIAを目指したのかな?)ことに重点をおいた“歌物”を目標に。3月にはようやく後任のベーシストが<藤野ヒデアキさん>に決定。そのままレコーディングとリハを進め、12月にニューアルバム「International Popular Album」が発表されます。ポップス主体となったアルバムは賛否両論の評価に分かれたものの、完成度の高い楽曲群であることには変わりなく、バンドの新たなカラーとして受け入れられたようです。アルバム1曲目は「ごく自然なこと/Natural Sight」。なんとなく某国営放送の“みんなのうた”を聴いているような感じですね。かわいらしい曲です。 2曲目は「Waiting For a Cross Wind」。ゆったりとした優しいメロディの哀愁たっぷりの曲です。 3曲目は「煉瓦色の町/My Brick Scenery」。フォークっぽい曲ですね。 4曲目は「蓮の花咲く池のほとりで/By The Lotus Pond」。ピアノとヴァイオリンからはじまるゆったりとした綺麗なメロディの叙情的なインスト。うっとりと聴きほれてしまいます。 5曲目は「Through My Heart」。シンプルなビートからはじまる透明感のあるしっとりとした曲。 6曲目は「緑の丘/An Emerald Hill」。可愛らしい感じのシンセサウンドのアップテンポのポップス。タイトル通りに、天気の良い日に“緑の丘”を軽やかにお散歩しているような感じですね。 7曲目は「Atelier」。ピアノとヴァイオリンの優しい感じのフレーズからはじまるほのぼのするようなポップス。 8曲目は「Midas Touch」。アップテンポの軽快なポップス。ウキウキ♪してきちゃいます。 アルバム全体を通して、やはり“プログレ”というよりもヴォーカル主体の“ニューミュージック”って感じですね。
 翌2001年2月に再び激震が。金本さんと藤野さんが脱退してしまいます。(いつもアルバム発売後にメンバーが辞めちゃうんですねぇ。なんでかな?) 4月のイベントには急遽ドラマーの<逸見勝さん>とセッションベーシストを迎えて、ライブを敢行し、その後、逸見さんと友人のベーシスト<武田泉さん>が正式に加入して、この年の10月に新メンバーによるライブが行われたそうです。翌2002年は精力的にライブ活動を行って、11月には初のライブアルバム「IN CONCERT (Live!)」が発表されます。これまでの集大成的な内容で、しかもライブの凄さにも定評があったこともあり、高い評価を得たそうです。12月にはレコ発ライブも行いますが、ここでこれまで右遠さんを支えてきた田路さんが脱退してしまいます。その後はレヴォルツォーネやラウンドハウス等で活躍された<片岡祥典さん>を迎えて活動しますが、2004年9月に片岡さんが脱退。後任にキーボード奏者<後藤英見さん>を迎えて活動を続けます。そして2007年暮れになんと11年ぶりにキーボード奏者<林睿昌さん>の復帰が決定。すでに脱退が決まっていた後藤さんと入れ替わりになったようです。しばらくアルバムを発表していない<MIDAS>。新作が待ち遠しいです。

MIDAS 3

2008-03-27 06:56:58 | ジャパン・プログレ
 この年96年の12月と翌97年1月にレコ発ライブが行われますが、こののちにこれまでバンドを支えてきた林さんがバンドを脱退してしまいます。後任にはギタリストの<加藤雅春さん>さんが緊急加入してライブ活動を続けますが、加藤さんは8月には脱退してしまいます。バンドはメンバーを探しながらも3人のメンバーで3rdアルバムの制作にとりかかり、98年4月よりレコーディングにとりかかります。5月にやっと後任のキーボード奏者<田路康介さん>が決まり、そのままレコーディングとリハを続けて、翌99年4月に3rdアルバム「第三の処置~Third Operation」が発表されます。キーボードの交代もあり、サウンドはこれまでのシンフォニックさは薄れて、シンプルなロックが主流に。歌詞もファンタジックな内容から現実的なものに変わります。しかしこれまでの2作よりも音楽の幅が広がり、音質も向上しており、この作品を<MIDAS>の代表作と称す方も多いようです。アルバム1曲目は「TVイリュージョン」。寝息のような効果音から目覚ましの電子音が。それが切れると激しいヴァイオリンとパワフルなドラムがイン。ミステリアスな雰囲気のハードサウンドで幕開けです。ヴァースはミドルテンポで、ダンディなヴォーカルのアダルトポップスのような感じですね。サビではアップテンポの爽やかな雰囲気に。 2曲目は「Flying DentureⅡ」。不気味な雰囲気のイントロからはじまるベースが印象的なミドルテンポのインスト。後半のヴァイオリンの奏でるゆったりとした綺麗なメロディ、聴き応えあります。 3曲目は「光の雨/Angelie Lights」。アップテンポのメロディアスなポップス。終盤のヴァイオリンの優しく美しい調べには感動すら覚えます。 4曲目は「Common Factor」。機関銃の銃声からスタートするミドルテンポのパワフルな曲。中盤ではゆったりとした和やかな場面も。そして再びハードにドラマティックに。 5曲目は「冬の印象~Lovers」。寂しげなアコースティックギターのメロディからはじまり、ヴァイオリンと叙情的な美しいメロディを。アコースティックギターとヴォーカルの素朴なフレーズにうっとりとしてしまいます。12分に及ぶ大作、感動モノです。 6曲目は「Strings Conversation」。アラビアン調メロディを奏でるヴァイオリンの軽快なテンポではじまりますが、すぐにスローテンポになってメロディアスなフレーズを楽しませてくれます。中盤には可愛らしいコミカルなサウンドも。エンディングでは再び軽快なテンポでノリノリにさせてくれます。 7曲目は「地球にて」。アップテンポの明るい曲調でスタートしますが、ヴァースではゆったりとメロディアスなヴォーカルを聴かせてくれます。中盤からはアップテンポの軽やかなポップス調に。壮大なイメージの素敵な曲ですね。最後には波の音とカモメの鳴き声が。 どれもが美しいメロディで満たされ、ドラマティックな構成でハイレベルな音楽性を見せつけてくれます。アルバムごとに進化していくバンド。評価が高まります。そしてアルバム発売後レコ発ライブを行いますが・・・ここで松浦さんがこれまでの疲労の蓄積や諸事情によりバンドを脱退してしまいます。これでバンドは再び停止状態に・・・

MIDAS 2

2008-03-26 06:57:23 | ジャパン・プログレ
 バンド脱退後もセッション等の音楽活動は続けていた右遠さん。91年、残ったメンバーが再三にわたって右遠さんに<MIDAS>に復帰するようはたらきかけたそうです。そして翌92年2月、右遠さんは、セッション活動のなかで知り合ったドラマー<川勝健次郎さん>と、スティック奏者の<松浦正平さん>、そして唯一残ったメンバーの林さんと<MIDAS>を再開します。メンバーも大幅に入れ替わったことからしばらくはリハに専念して、11月に実に4年ぶりとなるライブを行います。その後、93年・94年は不定期ながらも順調にライブ活動を行いますが、95年は1月の阪神大震災の影響もあり、ライブ活動は7月より再開したそうです。 翌96年は1月にまずライブを行ったあと、2月からは2ndアルバムのレコーディングにとりかかります。そしてこの年の11月、8年ぶりとなる待望のアルバム「MIDASⅡ」が発表されます。前作のような10分を超える大作は1曲のみとなり、ややコンパクトに。サウンドもドラマティックさは少し抑えられてアコースティカルなタイプの曲もありますが、前作同様に非常に完成度の高い楽曲群です。アルバム1曲目は「Bigining」。ピアノとキーボードの奏でる美しいメロディの短いインスト。 2曲目は「Flying Denture」。アップテンポのハードなナンバー。アグレッシブなヴァイオリンと迫力の増したヴォーカル、かっくいいっす。パワフルでテクニカルなドラムも歯切れがよくてタイトですね。唐突に終わってしまうのはビックリ。 3曲目は「昇天/Live to Die」。なだらかなリズムの伸びやかなヴァイオリンサウンドが心地良いです。アンビエント系っぽい透明感のあるサウンドと優しいヴォーカルのミドルテンポの曲。 4曲目は「Pure Days」。爽やかなピアノの調べからはじまる綺麗なポップス。アコースティックギターの音色もナチュラルな雰囲気を醸し出していますね。美しいコーラスもいいですね。 5曲目は「Into the Silence」。ドラムからはじまるキーボードのリフが印象的なミドルテンポの力強いポップス。コーラスも綺麗ですね。終盤のヴァイオリンとキーボードのソロにもうっとりです。 6曲目は「祭典/La Festa」。軽快なリズムのとっても楽しげで爽快な曲。でもかなりテクニカルで聴き応えあります。中盤はスローテンポで広大な広がりを感じる美しいメロディを聴かせてくれます。 7曲目は「静かな夜と無言の空/The Night Sky Lies Without a Word」。神秘的な奥深いサウンドからはじまりアップテンポのパワフルなリフに。中盤はゆったりとしたテンポで幻想的なキーボードサウンドが響き、艶やかなヴァイオリンサウンドも。 8曲目は「Future Life」。パワフルなドラムと力強さを感じるヴォーカルのミドルテンポのポップス。パワーバラードって感じですね。 9曲目は「Line~LineⅡ」。パーカッシブなドラムとファンキーなベースからはじまるビートの効いたミドルテンポの曲。やや暗さを感じる重い感じもありますが、サビでは盛り上がります。一旦盛大なフィナーレを迎えたあと、幻想的なキーボードとドラムロールから再びはじまりアップテンポでハードなサウンドに。そして終盤ではゆったりと壮大なサウンドを聴かせてくれます。伸びやかなヴァイオリンサウンドが広大な音の広がりを感じさせてくれます。ドラマティックなエンディングです。 この作品も前作と同じく海外でも評判だったそうです。

MIDAS 1

2008-03-25 06:56:27 | ジャパン・プログレ
 “優雅で艶やかな音色” ヴァイオリンの入ったプログレバンドってすっごい好きなんですけど、プログレ系のサイトを見ていて特に気になったバンドが今回の<MIDAS>です。アルバムを手に入れるのに少々手間取りました。
 <MIDAS>は、ハードロック系のコピーバンド<DAMNATION>が元になって、1982年の7月に結成されました。オリジナルメンバーはヴォーカル&ギターの<右遠英悟さん>、ベースの<三島克章さん>、キーボードの<坂野美佐さん>、ドラムスの<福島和智さん>の4人です。最初の1年は作曲やリハに専念し、翌83年6月に大阪のライブハウスで初のライブを行ったそうです。このころのサウンドはまだプログレというよりはハードロックだったとか。その後、月1回のペースで順調にライブをこなしていったそうですが、この年の12月に福島さんが脱退してしまい、後任にはのちに<夢幻>等でも活躍されるドラマー<形山和夫さん>が迎えられます。翌84年2月から再びライブ活動をはじめますが、この年の4月ころから右遠さんがヴァイオリンを用いるようになり、ハードロックから徐々にプログレ色が強くなっていったそうです。秋にはいくつかのプログレイベントにも参加されますが、12月のライブのあと、坂野さんが脱退してしまいます。後任には元マリノの<筒井佳二さん>が迎えられ、早くもこの年の大晦日のプログレイベントでお披露目となったそうです。 85年には4月にはデモテープのレコーディングを行いますが、5月のライブのあと加入したばかりの筒井さんが脱退してしまいます。しかし8月に自主企画のライブの予定があったために、急遽、形山さんの友人である<林睿昌さん>にピンチヒッターを依頼してその場をしのぎ、そのまま林さんに正式加入してもらったそうです。その後しばらくはリハに励み、シンフォプログレサウンドの礎を築いていったとか。 86年から再びライブ活動を行いますが、秋からは翌年の夏まで再びリハに励んで、87年の6月と7月にライブを行い、再度リハに没頭されたそうです。 88年はまず1月にライブをやったあと、プログレバンドのオムニバスアルバムに参加すべく、レコーディングを行い、「夜光天女」という曲を完成させてアルバム「Progressve’s Battle 1988」に収録となったようです。そしてこのアルバムのレコ発ライブを行ったあと、7月から1stアルバムのレコーディングにとりかかります。そして11月、ついに1stアルバム「風そよぐ心の丘へ/Beyond The Clear Air」を発表します。優雅でファンタジックな欧州系のプログレサウンドながら日本語の歌詞でハードさも併せ持つオリジナリティ溢れる傑作です。アルバム1曲目は「Sham Noctiluca」。いきなりダイナミックなオープニングです。そして美しいヴァイオリンの音色が流れてそしてヴォーカルイン。アップテンポの爽やかな感じの曲。とってもナチュラルな声です。シンフォプログレのこのサウンドに合ってますね。中盤のヴァイオリンとキーボードのソロとユニゾンも素晴らしい!終盤は再び壮大なサウンドが響いてFin。 2曲目は「The Slough of Despond」。叙情的なキーボードのリフからはじまり、ヴァイオリンのゆったりと伸びやかなサウンドが。それがテンポアップしてしかも変拍子で。そこにヴォーカルが入ります。中盤では美しくもハードなキーボードソロもあり、そのあとピアノをバックに美しいファルセットのヴォーカルが。そして優雅な音色のヴァイオリンソロも入り、ロマンティックに展開していきます。ラストは美しいキーボードソロ。15分を超える大作です。 3曲目は「Mortuarg」。ヴァイオリンからはじまるアップテンポの曲。中盤にはストリングスソロもあり、とてもシンフォニックな曲ですね。 4曲目は「Beyond The Clear Air」。ゆったりと素朴なサウンドからはじまり、艶やかなヴァイオリンが。哀愁を感じさせますね。そのままヴォーカルイン。4分くらいからテンポアップしてすさまじいヴァイオリンソロを。そのあとヴォーカルが入ってそしてキーボードソロも。9分くらいからドラムがオフとなりキーボードによる神秘的なサウンドに。10分過ぎからゆったりとドラムイン。再び優雅なヴァイオリンサウンドが。とっても艶やかで伸びやかでうっとりと聴き惚れてしまいます。15分過ぎからテンポアップ。ラストはゆったりと優しいメロディがながれてFin。18分を超える大作です。 5曲目は「Green Forest」。ハイテンポのメロディアスな雰囲気からスタートしますが、すぐにテンポダウンして哀愁のヴァイオリンソロに。そして美しいピアノソロも。後半では再びテンポアップしてファルセットのヴォーカルが。7分くらいから再びテンポダウンして小鳥のさえずりとともにヴァイオリンソロが。 このアルバムは海外でも評価が高かったそうです。いよいよ飛躍のときか、と思いきや・・・右遠さんが仕事の事情もあり、心労も重なってしまい、しばらくバンド活動を休止したい、と申し出たそうです。しかしメンバーの反発あり、仕方なく右遠さんはバンドを脱退してしまいます。と同時に、あとを追うように三島さんも脱退してしまうことに。その後残ったメンバーはバンドを存続させるべく奔走し、メンバーチェンジを繰り返しながらも活動を続けたそうですが、努力のかいもなく、バンドは解散状態に陥ってしまったそうです。

08.3.22 TOTO & Boz Scaggs

2008-03-23 15:55:07 | ライブレポ ROCK
◇ 2008/3/22 横浜パシフィコ・国立大ホール

<Boz Scaggsさん>、ダンディーで艶があって深い味わいの魅力的なシルキー・ヴォイスに魅了された方も多いことでしょう。最も有名な曲は「We Are All Alone」でしょうね。美しいラブ・バラードはいま聴いても心にジーンときます。Bozさんは1944年アメリカ・オハイオ州で生まれ、その後すぐにテキサス州ダラスに引っ越して幼少を過ごし、15歳のときに高校でスティーブ・ミラー氏に出会って、ミラー氏の当時のバンドに加入してギターを教えてもらったとか。でミラー氏を追ってウィスコンシン州のマディソン大学に入学。しかしうまくいかず再びテキサス州の大学に入りなおして友人たちとバンドを結成。これが当たってイギリスでレコーディングというチャンスがめぐってきてロンドンに行くものの失敗してバンドは解散。ボズさんはひとりイギリスに残ってフォークシンガーとして旅をし、66年には初のソロアルバムを発表してそこそこ売れたそうです。 67年にミラー氏によばれてアメリカに戻り、スティーブ・ミラー・バンドに加入し、ギタリスト&ヴォーカリスト、そしてソングライターとしてアルバム2枚の制作にかかわったそうです。その後バンドを脱退してソロ活動にはいり、69年にアルバムを発表。音楽家の間では評価が高かったものの売り上げには結びつかず。翌70年に発表した2ndアルバムはヒット曲もあってそこそこ成功したそうです。その後3枚のアルバムを発表し、1976年。写真左のアルバム「シルク・ディグリーズ/Silk Degrees」を発表。都会的な香りのする洗練されたサウンド・リズム・メロディは世界中の音楽ファンを魅了し、ビルボードのアルバムチャートでなんと2位まで上昇し、全世界で500万枚ものセールスを記録。ボズさんは一躍世界のスーパースターに。大成功を収めました。ちなみにこのとき「We Are All Alone」はシングルカットされず、リタ・クーリッジさんが歌ってヒットしたとか。
このアルバムで演奏していたのが、キーボード<デヴィッド・ペイチさん>、ドラムス<ジェフ・ポーカロさん>、ベース<デヴィッド・ハンゲイトさん>。そう!翌77年にスーパーバンド<TOTO>を結成するメンバーなのです。そもそもこのボズさんのアルバムのレコーディング・セッションがキッカケとなってバンド結成を決めたとか。で・・・ なんと32年のときを経て2008年の3月にこの日本でBozさんとTOTOの競演が決定しました!残念ながら・・・デヴィッド・ハンゲイトさんはとっくに脱退してしまい、ジェフさんは天国に旅立ってしまって、デヴィッド・ペイチさんはここ数年TOTOの活動には参加せず。このときのレコーディングメンバーはもう誰もいない・・・ところが、来日前にTOTOが今回のツアーでTOTOとしての活動を休止すると宣言。するとBozさんとの共演&TOTOラストということもあったからか、なんとデヴィッド・ペイチさんがゲスト参加で来日することが急遽決定!どんなコンサートになるのか、すっごい楽しみにしてました。
今回のコンサートは当初の発表は東京方面は3月20日・21日のJCBホール2日間のみだったんですよね。なので即Sold outになったそうで。するとどんどん追加公演が発表され、22日のパシフィコ横浜、29日の東京フォーラム、さらに再追加で31日の東京フォーラムと。22日と29日もSold outになったようです。大盛況ですな。

自分はまず21日の東京ドームシティ・JCBホールに行ってきました。新しく出来たこのホールがどんなところなのか興味もあったし。ただ、時間の都合でTOTOは観ることができなくてBozさんだけ観たんです。その感想は今回は割愛させていただいて、22日横浜公演のレポートを・・・
さて当日。今日は土曜日で仕事休みだし、会場が横浜だし、しかも開演が17時なので長丁場になっても最後まで思う存分ゆっくり楽しめます。ちょっと早めに行こうと15時半に家を出発。会場である横浜パシフィコ国立大ホールには16時40分に着きました。グッズは昨日買ったので今日はなにも買わず。ホールで少しのんびりしたあとに客席へ。今回はなんと前から3列目という凄い席。しかし端のほうなので目の前には高くそびえるPAが。この次点でもう音質はあきらめてました。耳栓買ってくればよかったかなぁ?なんて。客席を見渡すとSold outということもあってか超満員です。客層はやはり中高年の方がほとんどですね。6:4で男性が多いかな。

<Boz Scaggs>
まずはBozさんのライブです。17時ちょいすぎに客席が暗くなって、そしてステージにメンバーが登場!大拍手で迎えられます。お客さんは座ったままです。セミアコギターを抱えたBozさん、まず1曲目は「Lowdown」。ミドルテンポの爽やかなポップスです。ロマンスグレーのスリムで長身のジェントルマン、Bozさんめっちゃかっくいいっす。ダーク系のスーツでキメてノーネクタイで首廻りを少し開けて。もちろんあの往年のシルキーヴォイス健在です。ほんといい声ですねぇ。聴きほれてしまいます。で、思ってたよりも音いいです。PAから4mくらいなのにそれほどうるさく感じなかったし、わりとクリアーに聴こえましたね。
曲が終わると大拍手!「Thank you!」ってBozさん。2曲目は「Jojo」。ミドルテンポのロック。サビのファルセット、綺麗でしたねぇ。バックの間奏のSaxソロ良かった!バックの演奏もタイトで素晴らしいっす!Bozさんの右側に見た目が“エルヴィス・コ○テロさん”みたいなギタリストが。Bozさんの後方には見た目“プ○チン首相”みたいなキーボードプレーヤーが。そして同列にトランペット奏者とフルート兼サックス奏者が。Bozさんの左側には黒人の女性コーラスのお2人。ド迫力バストの方とスレンダーな方で、黒のSEXYタンクに黒パンツというスタイルで。そしてリズム隊は黒人のベーシストとドラマー。タイトでかっちょいいリズムを刻んでいます。総勢9人の大所帯です。そしてこのあとさらに・・・

 短いMCのあとの3曲目は「Slow Dancer」。タイトル通りのスローバラード。聴きほれてしまいます。この曲ではBozさんはフルアコギターを抱えて。間奏のオルガンソロもほんと良かった!続いてギターをセミアコにチェンジしての4曲目は「Desire」。スローテンポの曲で、ここではBozさんのワウを聴かせたギターが聴けました。
 MCのあとの5曲目は「Hercules」。ミドルテンポのファンクです。ベースめっちゃかっくいい!ここではBozさんはストラトを抱えて。この曲ではベースだけでなくトランペットもSaxも目だってましたね。女性のパワフルなヴォーカルも凄かったし、ギターも素晴らしかった!

 次の曲にいく前に・・・ここでBozさんが「Dear Friends!」ってデイヴィッド・ペイチさんを紹介。ペイチさんがステージ登場して大拍手で迎えられ、演奏に加わります。6曲目は「Miss Sun」。ミドルテンポの曲です。Bozさんはセミアコを抱えて。間奏ではペイチさんのピアノソロが。Bozさんがペイチさんの傍に寄ってきます。そして終盤ではBozさんのワウを効かせたギターと女性ヴォーカルの掛け合いも。続いて7曲目は「Harbor Lights」。トワイライトっぽい雰囲気のスローなJAZZっぽい曲。ドラマーはブラシでいい感じです。この曲ではBozさんはフルアコで。間奏のソプラノSaxのソロでは一転アップテンポでリズミカルに。続いて8曲目は「Vanishing Point」。ブギー調のRock’n’Rollです。この曲ではBozさんはセミアコを抱えて。間奏ではペイチさんのピアノソロやトランペットのソロも。

 そしてここであの名曲が。9曲目は「We’re All Alone」。この名曲を聴けるなんてもう夢のようです。美しいメロディ、素晴らしい歌声に感激!もうウルウルしちゃいそうでした。ちなみにこの曲ではBozさんはギターなし。ちょっと手持ち無沙汰っぽかったかも。 続いて10曲目は「Georgia」。アップテンポのロックです。めっちゃかっくいい!ギターソロも素晴らしい!
 そうそう、ステージをよく見るとBozさんの右側の白人チームは皆ダーク系のスーツを着こんでいて、Bozさんの左側の黒人リズム隊は黒パンツに白シャツというコーディネートです。ペイチさんはさらにグラサンにボルサリーノみたいな帽子を被っていて、なんがブルース・ブラザーズみたい。それと曲の終わりやリズムチェンジなどでは全てベースのひとが合図を出してましたね。ベーシストがバンマスのようです。

 本編ラストの11曲目は「Lido Shuffle」。メンバーが観客に手拍子を促して。ここでかなりのお客さんが立ち上がってましたね。ヘヴィでパワフルなシャッフルビートでもうノリノリです。曲が終わるとメンバーは手を振りながらステージ袖へ・・・お客さんはもちろんアンコールを求める手拍子を。するとほどなくメンバーがステージに戻ってきて大拍手大歓声で迎えられます。ここでBozさんが出身地を交えてメンバー紹介を。ペイチさんにはBozさんと同じくらい大きな拍手が。
 「Blues fou you」ってBozさん。アンコール最初の12曲目は「Loan Me a Dime」。シブいスローブルーズです。Bozさんはセミアコを抱えて。ここではメンバーのソロがふんだんに披露されます。ギターソロ・ピアノソロ・オルガンソロなどなど。もちろんBozさんのギターソロもたっぷりと。途中テンポチェンジもあって楽しい場面も。

 「One more!」ってBozさん、ここでスティーヴ・ルカサーさんを紹介します。ルークさんが大拍手大歓声で迎えられて。ルークさんはBozさんの前でひざまづいて。まるでマリア様を拝むように。あわててBozさんもひざまづいて同じポーズを。そしてルークさん、お客さんを煽って。もう総立ちです。始まったオーラス13曲目は「Breakdown Dead a Head」。アップテンポのハードロック、もう超ノリノリ!ルークさん元気いっぱいですね!ちなみにこの曲はオリジナルバージョンのレコーディングでもギターを弾いたのはルーク氏だそうです。ルークさん、盟友ペイチさんの傍に寄って、ペイチさんの帽子を奪いとって自分で被って。ペイチさんは悔しがって頭をかきむしって。笑わせてくれますねぇ。もちろんルークさん、すぐ帽子は返したけど横向きにかぶせてました。そしてギターソロも目一杯聴かせてくれて。

 曲が終わるとメンバーのみなさんがステージ前へ並んでお辞儀を。そして手を振りながらステージ袖へ消えていって・・・時計を見ると18時30分すぎ。90分強の素晴らしいライブでした。Bozさんのシルキー・ヴォイス、全盛期と同じとまではいかなくても充分満足できる素晴らしい歌声でした。バックの演奏もタイトでしかもバランスも良くて最高!音響も自分的には思っていたよりも遥かに良かったですね。結構クリアーに聴け、昨日のJCBホールよりも良かったように感じましたね。
 ここでセットチェンジのため、しばらく休憩です。


<TOTO>
 19時ころ、なんの前触れもなく急に客席の照明が暗くなってビックリ!ステージが青い光に包まれて・・・そしてまずはドラマー<サイモン・フィリップスさん>登場!リズムを刻みはじめます。サイモンさんはTAMAのクリスタル仕様のドラムセットです。そしてメンバーが続々と登場!キーボード<グレッグ・フィリンゲインズさん>、ギター<トニー・スピナーさん>、ベース<リー・スクラーさん>、そして、ペイチさんと最後にルークさん登場です。大拍手大歓声!そして始まった1曲目は「Gypsy Train」。ミドルテンポの曲。まずはルークさんがヴォーカルです。序盤はキーボードの出番がないのでペイチさんはベースを弾くマネをしてます。そしてグレッグさんがステージの前まできて観客を煽ります。ペイチさんは先ほどのBブラザーズルックから一転してポロシャツに野球帽というラフなスタイルです。ファッションはおのおのバラバラですな。ベースのリーさんはZZTOPのような、ながぁ~い真っ白なお髭とながぁ~い白髪の紳士です。そしてコーラスにはいると、ヴォーカリスト<ボビー・キンボールさん>登場です。小太りでおヒゲで“マリオ”みたいな風貌で愛嬌たっぷり。でもでも凄い表情でシャウトしてます。続いて2曲目は「Caught in The Balance」。これもドラムからはじまるミドルテンポの曲。ヴォーカルはボビーさんです。ルークさんとボビーさんが肩を組みながらステージ最前を左から右へ縦断していきます。

 「コンバンハ!ヨコハマ!」ってルークさん。そのあとなにかしゃべってましたが、今回のツアーに参加していないベーシスト<マイク・ポーカロさん>のことをなにか言ってたみたいです。マイクさんは怪我でこれないとか。早く治るといいですね。そしてBozさんのことを何か言ったあと、グレッグさんかペイチさんがBozさんの曲を弾きだして。するとBozさんの声マネしてルークさんが1コーラスくらい歌って。大歓声大爆笑です。そして始まった3曲目は「Pamela」。ヴォーカルはボビーさん。ダンサブルで優雅な曲ですね。続いてルークさんがアコースティックギターに持ち替えて4曲目「Bottom of Your Soul」です。アフリカンっぽいリズムのムーディな曲。ペイチさんが観客に手拍子を促してます。5曲目は「Falling in Between」。ミドルテンポで変拍子炸裂の曲。ボビーさんのシャウトが聴けます、がちょっと苦しそう。ペイチさんはベースを弾くマネをしてリーさんを煽ります。
 グレッグさんのピアノソロのあと始まったのは、スロージャズモードでなんか聴いたことないような感じの曲。で、コードと歌メロが合ってないような感じ。ま、素人の自分の耳が悪いんでしょうけど。でもよく聴くとそれはあの名曲「Rosanna」でした。1コーラスをそんな感じで流して、あらためてオリジナルバーションで「Rosanna」を聴かせてくれました。大好きな曲なのでちゃんとオリジナルでやってくれて嬉しいっす。ただ、ボビーさんは高い部分の歌はかなりキツそう。間奏ではペイチさんのピアノソロが楽しめました。そうそう、ペイチさん、わざわざグレッグさんのセットに移って弾いてました。ペイチさんのセットはピアノモードにしてないんですね。

 「Good Time?」ってルークさん。もちろんお客さんは「Yeah!」って。「アリガトゴザイマス!」ってルークさん。それをしゃがれ声とかいろいろな声で。するとグレッグさんがピアノでなぜか“とおりゃんせ”のフレーズを弾き始めて。また爆笑です。ここからはメドレーで、まず7曲目は1stアルバムの「愛する君に/I’ll Supply The Love」。これも好きな曲なのでめっちゃ嬉しい!キーを下げてるみたいですけど、でもボビーさんキツそう。続いて8曲目は「Isolation」。おしゃれな曲ですね。そして9曲目は「Gift of Faith」。ルークさんヴォーカルのミドルテンポの曲。そして10曲目は「Kingdom of Desire」。同じくルークさんヴォーカルのミドルテンポの曲です。このあとリーさんのベースソロ、そしてルークさんのギターソロに。めちゃめちゃ弾きまくり!かっちょいいっす!
 そしてルークさん、リーさんがグレッグさんとペイチさんのとこに行って4人で「Hydra」のリフを弾いて。それに合わせてサイモンさんがドラムを叩いて。そして自分的におまちかねのサイモンさんのドラムソロです。やはりほんと凄い!速く正確なストローク、抜けの良いスパーン!って感じでキマる音、アクセントも凄い!しかもパワフルでド迫力!音の強弱も緩急も素晴らしい!それにクリスタル仕様のドラムセットに照明が反射してすっごい綺麗できらびやかでもう感動モノです。もちろんお客さん大歓声大拍手!最高っす! そしてそのまま11曲目の「Taint Your World」に突入。ハードなアップテンポのドライヴィングナンバーです。めっちゃかっくいいっす。超ノリノリ!

 ルークさんが観客を煽ります「Yeah?」「Yeah!」って何度も繰り返して。そしてルークさんがメンバー紹介を。最後にサイモンさんがステージ前に出て来てルークさんを紹介します。そして1stアルバムの代表的な曲「Hold The Line」が始まります。そのときのメンバーであるボビーさん、ペイチさん、ルークさんが3人肩を組んで1コーラス演奏。なにか感慨深いものがありますねぇ。もちろんサビは♪Hold The Line~!ってお客さん大合唱です。めっちゃ盛り上がり!
 本編ラスト13曲目は「Drag Him To The Roof」。ミドルテンポのグルーヴィな曲。グレッグさんとトミーさんのツインヴォーカルです。後半はジャジーなソロ合戦!プログレッシブになったりJAZZっぽくなったり、弾きまくりもあったり。途中ルークさんがお客さんを煽る場面も。
 曲が終わるとメンバーは手を振りながらステージ袖へ消えていって・・・

 お客さんはアンコールを求める手拍子と歓声をあげて。するとすぐにサイモンさんが戻ってきてアフリカンなリズムを叩き始めて。すると他のメンバーも続々とステージに。ルークさんは「Hey!Hey!」ってお客さんを煽ります。そして始まった14曲目は大ヒット曲「Africa」。オリジナルの通り、ヴォーカルはペイチさんです。ペイチさんのヴォーカルでこの曲が聴けてめっちゃ嬉しいっす!ボビーさんがサビを観客に歌うようマイクを向けるんですけど・・・高くて唄えないっす。ラストは1人づつ演奏をやめてお辞儀をしてステージから去っていって、一番最後はドラムのサイモンさん。大拍手です。

 するとすぐメンバーはステージに戻ってきます。そしてルークさんがまたしゃがれ声で挨拶を。するとなぜか前回同様に“横綱ルーク海”と“大関サイモンの山”が向かい合って四股を踏んで。行事はボビー庄之助。「ノコッタ!ノコッタ!」って二人は四つに組んで。笑わせてくれますねぇ。
最後はTOTOとBozさんのジョイントライブです。ルークさんがまずはBozさんのバンドの女性コーラス隊を招きます。スレンダーな方のほうは白のタンクに着替えてました。ルークさんが近寄って軽くハグを。そして・・・大御所Bozさんを招きます。もちろん大拍手大歓声で迎えられます。Bozさんはスーツジャケットではなく黒のYシャツすがたです。TOTOとBozさんのジョイント、最高っす!ほんと夢のよう。そして始まったジョイントソングはめっちゃドラマティックなバラードソング。The Beatlesの「With a Little Help My Friends」です。1ヴァースはBozさんが歌い、2ヴァースはボビーさんが、そして間奏のあとの3ヴァースは女性コーラス隊とルークさんが歌い、最後はみんなで。でもでもやはりBozさんの歌唱力が抜きん出てますね。素晴らしい!もちろんボビーさんもがんばってシャウト!してました。

 演奏が終わるとメンバー全員ステージ前に並んで肩を組んでいっせいにお辞儀を。もちろん大拍手大歓声です。ボビーさんはサイモンさんのスティックを1本持ってきて最前列にいる障害者の方に渡してました。いいひとだなぁ。。。メンバーは手をふりながらステージ袖に消えていきます。なぜかルークさんはBozさんと肩を組んで小走りに。あはっ!これで全終了です。
 時計を見ると20時40分。素晴らしいコンサートでした。TOTOのほうはインスト部分が多かったので、歌モノを期待してた方には物足りなかったかも。たしかにもっと聴きたい曲はいっぱいあったけど、自分的には音も良かったし満足です。

08.3.16 人間椅子

2008-03-21 06:59:03 | ライブレポ HR/HM
◇ 2008/3/16 渋谷O-WEST

<春と修羅 全国ツアーpart4 東京>
 3/2の千葉のあと、3/7の名古屋・3/8の大阪と廻って、今回はツアー最後の3/16の東京です。場所は渋谷のO-WEST。昨年9月のレコ発ツアーのときは休日ということもあってか超満員だったんですけど、今回も休日だけにいっぱいファンが集まるかな? ファン倶楽部から今回のツアーのチケット申し込み案内が届いたときに速攻で送金したんですけど、このO-WESTのチケットが届いて、そのナンバーを見てビックリ!なんとひと桁でした。開場時間に行けば最前列をGETできるのよね。でも・・・自分のようなおやぢが最前列に居たらメンバーの方々もやる気なくしちゃうよねぇ。それにもう最前列でヘドバン&ジャンプなんてできるような体力ないもんね。自分は後ろのほうでいいのだ。それにしても、こういうとこで運を使ってしまうとはねぇ・・・

 さて当日。所用で朝から静岡市に行ってたもので、静岡から渋谷へ駆けつけることに。東海道線で小田原へ。小田原から小田急線の特急で新宿へ。そして山の手線で渋谷へ。ちょっぴり長旅でした。渋谷駅に着いたのは17時半。開演が18時なので早足でO-WESTへ。そういやなぜかアチコチにおまわりさんが立ってましたねぇ。なんかあるのかな?ま、いいや。17時40分にO-WEST到着。中へ入ると・・・8割くらい埋まってました。で、女性が多かったですね。6:4くらいかな。まずは物販へ。するとこれまでの在庫セールやってました。ひと通り見たけど持ってるものも多かったし、あまり古いのもなんなので特になにも買わず。あとはドリンクを受け取って飲み干してから後ろのほうで開演を待つのみ。

 18時を過ぎるといつの間にか後ろのほうも埋まって超満員状態に。凄い人気ですにゃ。O-EASTのほうでも良かったかも? 18時10分ころ、SEが変わってフロアーの照明が消えて・・・メンバーがステージに登場!凄い歓声です。そして始まった1曲目は「青森ロック大臣」。まさかこの曲が1曲目にくるとは思わなかったっす。ちょっとビックリ!でもでもこれで最初からもうノリノリです。自分は後ろのほうに居たつもりなのにどんどん押されて中央付近に。下がろうにも下がれず、がんばっちゃいました。音響は割といい感じで聴きやすかったです。それにしても超満員のお客さんのノリは凄いっす。めっちゃ楽しい~♪ 続いて2曲目は「涅槃桜」。ミドルテンポのビートの効いたヘヴィな曲。 さらに続いて3曲目は「桜の森の満開の下」。暗く重く不気味な雰囲気からはじまって、それがアップテンポのハードロックに。そして元の重いリズムに戻ったあと再びアップテンポのノリノリモードに。ドラマティックな構成の曲です。

 「こんばんは!人間椅子です!」「今日はこんなにたくさんのお客さん・・・ありがたいですね。こんなに人いるはずないんだけど・・・もしかしてネットで“人間椅子解散!?なんてデマでも流れてるのかな?」って研ちゃん。「解散なんてしませんよ!」って和嶋尊師。「今日は2時間、2時間半、3時間、いやオールナイトでいきます!」って。
ここで和嶋尊師のお話が。小学生のころ、図画の時間に先生が「なんでも好きな絵を書いていい」と言ったので尊師は空と太陽の絵を描いて太陽に顔を書いたそうですが、先生に「太陽に顔なんかあるわけないじゃないか!書き直しなさい!」って注意されたとか。なんでも書いていいって言ったのになんで書き直しさせられるんだ!って憤慨されたとか。「岡本太郎の太陽の塔だって太陽に顔を書いているのに・・・」って。たしかにそうですねぇ。

 「次の曲はニューアルバムから・・・」って、4曲目は「夜が哭く」。これも好きな曲なので嬉しいっす。サビの♪チュッチュル、チュッチュッチュル~って。それと途中のレゲエリズムもね。続いて5曲目は「暁の断頭台」。ドゥーミーな曲、いいですねぇ。中盤のハイテンポ部もかっくいいっす。さらに不気味な6曲目は初期の「賽の河原」。これも聴きたかった曲なので嬉しいっす。スローテンポではじまり、中盤ではアップテンポでしかも変拍子バリバリで。

 ここで和嶋尊師はあのダブルネックギターの準備を。すると歓声が!「ダブルネックギターを持っただけで歓声があがるなんて、ジミー・ペイジか和嶋慎治かってくらいですか。」って。再び歓声が。すると「いいなぁ、オレもダブルネックのベース買おうかなぁ。」って研ちゃん。「でもダブルネックでも両方とも4弦なんだよねぇ。」って。
 そしてこのお客さん満員状態に、「年末の“イカ天特番”を見て今日見に来てくれてる人もいるのかな?」「あの映像のころとは全然違うから“ニセモノ”と思われるんじゃないかな。」って和嶋尊師。「研ちゃんはもっと痩せてたし、オレもヒゲ伸ばしてなかったし。」って。そして「オレなんか人ごと違うからね。」ってノブさん。「“イカ天”はオレもGENってバンドで出てたんですよ。」って。「あの当時はバンド同士でもライバル意識もたいのがあって、あまり口利かなかったよね。」って和嶋尊師。すると研ちゃんが「あれっ、GENと一緒になったことありましたっけ?」って。「ない!」って和嶋尊師。場内爆笑!「すいません、ありもしないことでまかせ言ってしまいました。」って。場を察した研ちゃん「あっ、口裏合わせればよかった!“そうそう!”って言っとけばよかった!」「あぁ~、またあとで楽屋でダメ出しだぁ。和嶋くんに怒られるなぁ・・・この前もクソ流すの忘れてダメ出しされたし・・・」って。あのねぇ・・・
 12弦大活躍の7曲目は「夜叉が池」です。序盤は悲壮感ただようゆったりとメロディアスな曲調、そしてそれが徐々に盛り上がっていって後半はアップテンポでノリノリ状態に。ドラマティックな曲です。

 ここで研ちゃんがパチンコにまつわるお話を。4枚目のアルバムのころからパチンコにハマっていったそうです。人間椅子4人目のメンバーともいえる川端さんがその頃「研ちゃん、“たぬきちくん”って面白い台があるんだよ。」って研ちゃんをパチンコに誘ったとか。ストレス解消にもなるし、「ダイナマイト」「エキサイト」そして「膿物語」とパチンコシリーズの曲も書けたし、と。もしもパチンコをやってなかったら、好きな電車のNケージの模型とか、あるいは昆虫採集とかしてたかもって。「バンドやってるでしょ?」って和嶋尊師。「いや、バンドも辞めて、いなかに帰って○○鉄道の運転手してたかも。」って。なんかしんみりしちゃいましたねぇ。
 で・・・「なんでこんなにここで長くMCやってるかというと・・・和嶋くんが12弦のチューニングをしてるからなんですよね。もう終わったかなぁ~って見ると、まぁ~だやってるし。弦が12本ですからねぇ。」って研ちゃん。「チューニングが趣味なんですよ。」って和嶋尊師。で、先日新しいチューナーを買ったそうで、どうせなら研ちゃんにも同じものを、ってことで和嶋尊師は研ちゃんにチューナーをプレゼントしたそうです。「いつもうちに遊びに来てもコーヒーすら買ってこない和嶋くんがチューナーをくれたんですよ。」って。そうそう、先日安いスニーカーを買ったら、和嶋尊師も同じものを買ってたとか。おそろなんですねぇ。仲良くていいなぁ。

 ここでチューニングならしに和嶋尊師がThe Beatlesの「ノルウェイの森」を弾き出して。なんかすっごくいい感じですねぇ。続いてZEPの「Living Loving Maid」の替え歌も披露。「なんか文化祭みたいになっちゃいました!」って和嶋尊師。でもでもこれらは和嶋尊師が独断でやっているそうで、「ボクたちは予習もしてないんですよ。」って研ちゃんボヤいてました。そうそう、研ちゃんは昔ZEPのコピーをしようとタブ譜を買って練習したそうなんですけど、どうも上手くいかないと。6弦で全部ハーモニクスなんてできるわけない、と。でよく考えたらジミー師匠は12弦だったって、納得されたそうです。

 「ここで休憩タイムです。」ってはじまった8曲目は「羽根物人生」です。ゆったりとしたレトロなフォークって感じの曲ですね。合間にこういう曲ってのもなかなかオツなものですな。コーラスも綺麗だし、和嶋尊師のハーモニカってのも初めてみたかも。「なんか“ゆず”みたいだったね。」って研ちゃん。するとノブさんが「研ちゃんの口から“ゆず”ってバンド名がでてくるとは思わなかった。」って。「いや、別に“コブクロ”でもよかったんですけどね。」って研ちゃん。「“狩人”とかのほうが・・・」ってノブさん。「“ヒデとロザンナ”とか“チェリッシュ”とか・・・」って和嶋尊師。研ちゃんはなんか一生懸命デュオを考えてます。でも・・・「いまなぜか頭に“アグネス・チャン”が浮かんでるんだよね。」って。全然違うじゃん。

 「人間椅子は暗い曲がほとんどなんですけど、日曜日にわざわざこんな暗い曲を聴きにきてくれてるみなさんに・・・」って和嶋尊師。始まった9曲目はそのまんま「暗い日曜日」です。たしかに暗いけどミドルテンポのヘヴィな曲。かっちょいいっす。続いて10曲目は短いイントロから超スラッシュではじまる「サバス・スラッシュ・サバス」。♪Black Sabbath!の掛け声からのテンポチェンジのノリも最高!そして今回もこのままのノリでメドレーで11曲目Black Sabbathの「Children of The Grave」に。千葉のときもそうだったけど、この流れはほんと素晴らしい!超ノリノリっす!

 「ボクちょっと鼻かみタイム。花粉症の時期にライブなんかやるもんじゃないな。」って、研ちゃんはステージ袖へ。「鼻かむだけじゃなくておなかすいたんじゃないの?“フードタイム”なんじゃないの?」って和嶋尊師。「なんか食べにいってるのかも。」「ライブ中にどこかにメシ食いに行ったらすごいよね。」「研ちゃんならできそう。パッと行ってパッと食ってくる、みたいな。」「牛丼ならできるんじゃない?研ちゃん、“牛丼は飲み物だ”って言ってたし。」って。もう爆笑です。ステージに戻ってきた研ちゃん。いつも牛丼は“大盛り2杯”だとか。すると川端さんがなぜか寿司桶にローソクの立っている小さなバースデーケーキを入れて登場!ファンの方からの差し入れだとか。そうそう、先週研ちゃんは42歳の誕生日を迎えたそうです。今日はお祝いですね。もっともハッピーバースデーの曲はなかったけど。研ちゃんローソクをひと吹きで消してイチゴの部分だけ一気にほおばって。するとさらにもうひとつケーキ登場!これも研ちゃん一番美味しいとこだけがっついて。

 口のまわりに生クリームいっぱい付けたままの研ちゃん。始まった12曲目は「肥満天使」。♪食っても!食っても!食っても!食っても!って大合唱!めっちゃノリノリです。続いて13曲目はもうおなじみの「どっとはらい」です。そして14曲目は自分は久々の「相剋の家」。これも好きな曲。♪オォ~エオ、エェ~エオ!って始まってテンポチェンジいっぱいのどんどん展開していく超プログレ曲。研ちゃん、ジャンプしまくりのノリノリ♪めっちゃ元気ですねぇ。

 研ちゃんは口のまわりを拭きに一旦ステージ袖へ。和嶋尊師はチューニングでご自分の世界に浸かっているもので、しばし沈黙の時間が。「もうしゃべらないのにも慣れてきました。」ってノブさん。チューニングに没頭の和嶋尊師。「NHKで“趣味のチューニング”とか5分の番組やってみたら?」ってノブさん。「今日は12弦のチューニングです、って延々とチューニングしてるとか。」って和嶋尊師。そういうのもいいかも。深夜とかね。

 ここまでまだ唄ってないノブさん。そろそろ出番ですね。「オレが歌ってもいいですか!オレの歌でノってくれますか!オレ、渋谷のみなさんのために力いっぱい歌います!それじゃ聴いてください!ロックンロール特急!」 ちょ、ちょっと待って!まだ研ちゃんが戻ってきてないっす!和嶋尊師があわててノブさんにSTOPかけます。これにはお客さんもビックリ!ノブさんマジで研ちゃんがいないことに気がつかなかったみたいです。「お客さんも研ちゃんがいないの知ってたんですよねぇ。も~イケズだなぁ~」ってノブさん。いやぁ~、そう言われても・・・ねぇ。ステージに戻ってきた研ちゃん、「いやぁ~、もう始まっちゃったかと思った。あせった~。」って。研ちゃんもビックリだったようです。

 あらためて仕切りなおして15曲目「ロックンロール特急」スタートです。もちろんノリノリ♪ステージ上では和嶋尊師と研ちゃんのダッグウォークの競演も。すっごい楽しそう♪そして中盤ではメンバー紹介とともに短いソロタイム。研ちゃんはほんのちょこっと。でその次はノブさん。よく考えたらいままで自分が見に行った人間椅子のライブでドラムソロって初めてかも。照明効果もありでノブさんかっこよかったっす。最後はもちろん和嶋尊師。ギターソロおもいっきり聴かせてくれました。
 続いて16曲目は「愛の言葉を教えよう」。♪ダン・ダン・ダン・ダダダン・ダダダダンのあの楽しいリズムの手拍子いっぱいの曲です。もちろんノリノリです。そしてそのままエンディングまっしぐら!本編ラスト17曲目は「地獄」です。超盛り上がり!

 曲が終わると大拍手大歓声!メンバーの皆さんは手を振りながらステージ袖へ・・・お客さんはアンコールを求める手拍子を。最初は手拍子だけでしたけど、そのうちに女の子の可愛い声で♪アンコール!アンコール!って。
 しばらくしてメンバー登場!大拍手大歓声で迎えられます。和嶋尊師は着物を脱いでシブい花柄っぽいシャツすがたで。しかもハーモニカを2本首からぶら下げて。そして研ちゃんはなんと素肌にガクランで登場!もう爆笑!でもメタボおなかがキツそうです。「新しいジャンルですね!」って和嶋尊師。「ウ~ス!ウ~ス!」って掛け声から始まった18曲目は「蛮カラ一代記」。応援団の応援歌っぽい“男”の曲ですな。 続いていつもより長いギターイントロの19曲目「人面痩」。初期の代表曲だけにめっちゃノリノリです。

 曲が終わると大拍手大歓声!メンバーの皆さんは手を振りながらステージ袖へ・・・お客さんは再びアンコールを求める手拍子を。しばらくするとメンバー再び登場!「ありがとぉ~!」って。研ちゃんはガクランのボタンを外して全開で。「あぁ~苦しかった!」って。そのガクランは弟さんのを借りてきたとか。ちなみに弟さんはスリムなんだそうです。そして始まった20曲目は「針の山」です。これずっと聴きたかったのよね。いつも時間の関係で最後までいられない自分はいままでこのアンコール定番曲を聴けなかったのよね。なので初めて聴けてめっちゃ嬉しいっす!すっげーかっちょいい~!

 曲が終わると大拍手大歓声!メンバーの皆さんはステージ前に並んでお辞儀を。それぞれにメンバー紹介を。和嶋尊師は研ちゃんを「スズケン!」って。「つい、ガクランすがたをみて中学時代の“スズケン”って愛称で呼んでしまいました!」って。そして研ちゃんがおなかを掴んで揺らすと「今日はいつもよメタボってます!」って。ノブさんは上半身裸。「ノブくん、いいカラダしてるよねぇ」って和嶋尊師。ノブさんはすかさずマッスルポーズです。そして前をはだけた研ちゃんとハダカで抱き合って。女性陣から♪きゃぁ~!って嬌声が。そして手を振りながらステージ袖へ・・・

 お客さんは再度アンコールを求める手拍子を。そのうちに客出しのSEが流れて・・・今日はこれで終わりなのかな?とも思ったけど、今回のツアーでは3回以上のアンコールをどこでもやっているようなので、きっと戻ってくるだろうとみんな手拍子&歓声で待ち構えています。
 するとほんとにメンバー登場!研ちゃんはメイクを落としてすっぴん状態です。「今日はもう3回目のアンコールはやらないつもりだったからもうメイク落としちゃった。」って研ちゃん。「オレなんかタバコ吸ってたし」って和嶋尊師。「研ちゃん、なんか人間ポンプのひとみたいだね。」「それじゃ金魚もってきてください。」って。あはは!オーラス21曲目は「ダイナマイト」。連チャン攻勢に場内が揺れてます。めっちゃ盛り上がり!

 曲が終わると大拍手大歓声!メンバーの皆さんはステージ前へ。「ありがとうございました~!気をつけて帰ってくださ~い!」って。大拍手大歓声のなかメンバーはステージ袖へ消えていって・・・全終了です。時計を見ると20時50分、2時間40分強の内容の濃いとっても楽しいノリノリの最高のライブでした。音も良かったしね。めっちゃアツかったっす!きてよかったぁ!

小松亮太さん&鬼怒さん

2008-03-19 06:58:12 | 鬼怒無月さん
 こちらもギタリスト<鬼怒無月さん>の参加されてるアルバムをチェックしていたときに見つけたアルバムです。バンドネオン奏者<小松亮太さん>が1999年に発表された<来るべきもの/La Que Vendra>です。日本タンゴ界の若手リーダーとして活躍されている小松さん。小松さんは14歳のころからバンドネオンを独学ではじめられたとか。なんでも、ご両親はお二人ともタンゴ奏者なのだそうです。生まれたときからタンゴにふれる環境にあったのですね。16歳から一流奏者のもとで本格的に修練し、音楽理論は大学教授から学んだそうです。そして98年7月にデビューアルバムを発表。一躍、日本タンゴ界のトップに。自身のバンド「ザ・タンギスツ」を結成して活躍し、その他にも様々なジャンルのミュージシャン(葉加瀬太郎さん・沢田研二さん・The BOOM・ゴンチチ等)との共演も積極的に取り組んでおられるようです。今回のアルバムは、ご自身のバンドに、バンドネオンの師であるポーチョ・パルメル氏らを迎えて<小松亮太&スーパーノネッツ(九重奏団)>としての演奏のようです。タンゴ界に革命を起こした<アストル・ピアソラ氏>。ピアソラ氏は、“聴くためのタンゴ”を極めるなかで試行錯誤の末に、バンドネオン・ヴァイオリン・ピアノ・ベース・ギターの”五重奏団“に行き着いたそうですが、その試行錯誤中には”九重奏団“も試していたころがあったようで、小松さんはこのアルバムではその九重奏時期の演奏を目指したとか。参加ミュージシャンは
 アルバム1曲目は「来るべきもの」。艶やかなヴァイオリンの音色からはじまる、リズミカルな部分ももちつつも悲劇的なメロディの曲。 2曲目は「茶色と水色」。力強いリフとゆったリとしたフレーズが交互にやってくるような起伏の大きい曲。 3曲目は「私の隠れ家」。優雅な雰囲気のロマンティックな曲。中盤のギターはエモーショナルですね。 4曲目は「天体」。歯切れのよいリフの力強い曲。 5曲目は「パリの秋」。タイトル通りのロマンティックな曲。中盤はリズミカルで楽しい展開に。 6曲目は「秋のテーマ」。にぎやかな部分とゆったりとした部分のある曲。後半の艶やかなヴァイオリンの音色もいいですねぇ・・・ 7曲目は「タンゴロジー」。叙情的なゆったりとした曲。後半はにぎやかに。ナチュラルトーンのギターの音色が綺麗ですね。 8曲目は「現実との3分間」。モダンバレーのために書かれた曲だそうです。パワフルなリフの力強い曲ですね。とってもスリリングな展開です。 9曲目は「タゴネアンド」。これぞタンゴ、という感じの歯切れのよいリズミカルな曲ですね。後半からのツインバンドネオンはやはり音の厚みが違いますね。 10曲目は「シルエット」。哀愁を感じるちょっぴり寂しげな曲ですね。 11曲目は「スム」。スクラッチノイズがはいったり、ちょっぴりアヴァンギャルドっぽいミステリアスな曲ですね。 12曲目は「赤と黒」。テクニカルなアップテンポではじまり、中盤では艶っぽいヴァイオリンやピアノが聴け、終盤ではエネルギッシュでスピーディな演奏が楽しめます。 小松さんは、タンゴという音楽を未来永劫にわたって継続・発展するよう後継者を育てたい気持ちがあるそうなのですが、肝心の“バンドネオン”が足りないそうなんです。なんでも良いバンドネオンじゃ60年以上前にドイツで作られたものに限るそうなので、某TV番組の“お宝買います”コーナーにも出演されて全国に呼びかけたり、懸命に探しているそうです。そしてタンゴが世界中に広まるよう世界を飛び回って普及に尽力なされているとか。小松さんの活躍、これからも目が離せませんね。

瀬木貴将さん&鬼怒さん

2008-03-18 06:57:52 | 鬼怒無月さん
 ギタリスト<鬼怒無月さん>の参加されてるアルバムをチェックしていたときに偶然見つけたのがこのアルバム<水のイルシオン>です。このアルバムはサンポーニャ&ケーナ奏者の<瀬木貴将さん>が1995年に発表した日本での2枚目のソロアルバムで、鬼怒さんの他にも<福岡ユタカさん(Vo.)><ヤヒロトモヒロさん(Per.)><青木智仁さん(Bs.)><谷川賢作さん(pf.)>が参加されています。 瀬木さんは13歳のころからサンポーニャ&ケーナを独学ではじめて、15歳のころからライブハウス等で演奏するようになったとか。そして19歳のときに南米ボリビアで演奏活動を行って、なんとボリビアのレコード会社と契約し、4枚ものアルバムを発表したそうです。91年には帰国して日本で音楽活動を。そして95年にこのアルバムを発表したようです。 自分はなによりも鬼怒さんが参加されている、ということでこのアルバムに興味を持ったのですが、なんといってもサンポーニャ&ケーナの素朴な音色に浸ってみたくなったのと、某通販サイトのレビューでも絶賛されていたこともあって購入していました。 アルバム1曲目は「プルラル/purlar」。軽快なとっても楽しい短いインストです。なんだかワクワクしてきます。 2曲目は「カピバラの旅/capibara」。美しいピアノの調べからはじまる、透明感のある幻想的で澄んだ音色の爽やかな曲。ゆったりとしたヴァースとリズミカルなサビが心地良いですね。 3曲目は「美しい瞳/ojos bellos」。タンゴモードのギターからはじまるダンサブルでパワフルな曲。 4曲目は「エル・スール/el sur」。哀愁ただようメロディをパワフルに聴かせてくれます。中盤にはエネルギッシュなギターソロも。 5曲目は「レクエルド/recuerdos」。素朴な音色で優しい感じのメロディを奏でて、それがしだいにポップス調に。心地良いですねぇ。 6曲目は「フィエスタ/fiesta」。フェスティバルのオープニングのようなファンファーレっぽい短いオーバーチュアです。 7曲目は「どうぶつ/los ninos」。ギターからはじまる、ゆったりとした叙情的な曲です。素朴な音色にうっとりです。 8曲目は「地平線/horizonte」。躍動感あふれるギターリフからはじまる軽快で爽やかな曲。コーラス(雄叫び?)が広大な景色を思い浮かべさせますね。丘の上から広大な草原を眺めているかのようです。ノリノリのパーカッション最高! 9曲目は「フエルサ/fuerza」。ラテン系のアップテンポのめっちゃリズミカルな曲。ブラジルのサンバみたいな感じかな。情熱的ですね。 10曲目は「パイサヘ/paisaje」。ギターからはじまる落ち着いた綺麗なメロディのバラード曲。フレットレスベース・ピアノ・アコースティックギター等、哀愁のメロディを瀬木さんを引き立ててしっとりと聴かせてくれます。 11曲目は「イルシオン/ilusion」。寂しげなピアノからはじまる叙情的な短い曲。エピローグですかね。 実際に聴くまでは、てっきり素朴で静かな曲ばかりでイージーリスニングというかBGMにいいかなぁ~なんて思っていたのですが、つい聴き入ってしまって、思わずリズムに合わせて身体を揺らしてました。想像以上に躍動感あふれる楽しくなるような曲も多く、思わず鼻歌を歌ってしまうようなキャッチーなメロディの曲もあり、じゅうぶんに堪能できました。もちろん鬼怒さんのギターもすばらしい! 瀬木さんはもちろん現在も活躍中で、これまでに10枚以上のアルバムを発表し、ライブも含めて精力的に活躍されています。