ひよりの音楽自己満足

自分の好きなアルバムやアーティストを紹介させていただきます。

スパニッシュコネクション 5

2009-05-31 08:02:34 | スパニッシュコネクション
 タブラ・ヴァイオリン・ギターを操って、インドから東欧そしてスペインへのジプシーの道のりを音楽で表現するユニット<スパニッシュ・コネクション>。2005年4月には5枚目のアルバム「337TYO」が発表されます。ヘビ(ワニ?)皮のカバンに美しい女性のお足&ピンヒールのジャケット、ちょっとドキッとしちゃいました。妖しくて色っぽくて・・・足首フェチの貴兄には生唾モノでしょうねぇ。
 このアルバムは全曲伊藤さんのオリジナル曲で構成されています。ライナーノーツによれば、今回伊藤さんは東京を離れて北海道にある知人の別荘を借りて1週間たったひとりで曲作りを行ったそうです。そして生まれ育った東京を外から見ることによって、いままで見えなかったものに気づいたり、その良さを再認識することによって“東京”を表現することになったそうです。
 アルバム1曲目は「(ritmo)337」。ハンドクラップの三三七拍子から威勢よくアップテンポで楽しくはじまります。まずはギターのメロディアスなフレーズがながれ、続いては艶やかなヴァイオリンの音色が響き、ギターが絶妙なフィルを入れて。ラテン系のパーカッションの楽しいリズムも最高っす。中盤まずはテクニカルなギターソロ、続いてタブラ&ヴォイスタブラのソロが。明るく激しく情熱的な曲ですね。
 2曲目は「Aurora」。手拍子とギターソロから楽しくはじまって、威勢のいい楽しそうなコーラスが。そしてヴォーカルがはいって情熱的な歌を聴かせてくれます。アップテンポの楽しい曲です。間奏まずはテクニカルなギターソロ、そしてヴァイオリンのユニゾンも。再び盛大なコーラスがはいったあとはアグレッシブなギターソロ、そしてゆったりとした伸びやかで美しいヴァイオリンソロが。ラストはめっちゃにぎやかに盛り上がってFin。
 3曲目は「Juana Rubia」。アップテンポながらも落ち着いた雰囲気のギターフレーズからはじまって、アダルティなメロディが爽やかに心地よくながれて。そこにヴァイオリンも加わって哀愁を感じる曲調に。中盤はエモーショナルでテクニカルなギターソロが。
 4曲目は「Fanatismo」。哀愁漂うしっとりとしたギターソロからはじまって、そしてアップテンポのリズムが入ってリズミカルで情熱的な曲調に。中盤ではベースソロ、そしてテクニカルなリフのあとはギターソロが。終盤では伸びやかでしっとりとしたヴァイオリンソロが。時折はいる情熱的なヴォイスもより気分を高揚させてくれますね。
 5曲目は「Guajiras del Lirio」。テクニカルながら爽やかで優しく心地よい感じのギターソロからはじまって、そこにタブラ、ヴァイオリンが加わってリズミカルでロマンティックな感じの曲調に。晴れた日に草原をお友達達と楽しくおしゃべりしながらお散歩しているかのような雰囲気でしょうか。
 6曲目は「?Que dice?」。幽玄な感じのギターソロからはじまって、そしてアップテンポのリズムが加わって情熱的な曲調に。ギターたっぷりです。後半にはちょっこっとタブラソロも。
 7曲目は「Isla del trompito」。リズミカルな手拍子からはじまって明るく楽しい元気なコーラスがはいって。そして軽やかで爽やかなギターフレーズと艶やかなヴァイオリンの音色が響き、テクニカルなユニゾンもキメて。中盤にはテクニカルなギターソロ、リフを挟んでエモーショナルなギターソロと続きます。終盤には艶やかなヴァイオリンソロもあり、ラストは再びにぎやかなコーラスで楽しく盛り上がってFin。
 8曲目は「Bule-Samba」。アップテンポの激しいリフからはじまって、ギターのトロピカルで爽やかなフレーズがながれて。そこにヴァイオリンも加わってリズミカルに楽しい雰囲気に。そしてフルートのソロやギターとのユニゾンも。中盤にはホイッスルや様々なパーカッションの楽しいソロも。もちろんタブラもね。そして大勢の陽気で楽しいコーラスが。めっちゃにぎやかで最高に楽しいっす。
 全編通してリズミカルでとっても楽しく、思わず身体が動いてしまう躍動感たっぷりの素敵なアルバムですね。お祭り気分というか、心躍る、気持ちがウキウキしてきちゃいます。
 この年に初期2枚のアルバムからセレクトしたベストアルバムも発表されています。

スパニッシュコネクション 4

2009-05-30 09:24:54 | スパニッシュコネクション
 タブラ・ヴァイオリン・ギターを操って、インドから東欧そしてスペインへのジプシーの道のりを音楽で表現するユニット<スパニッシュ・コネクション>。2001年7月に1stアルバム、2002年7月に2ndアルバム「Caliente/カリエンテ」、そして2003年11月に3rdアルバム「tres/トレス」を発表し、2004年4月には4枚目のアルバム「陽光の街」が発表されます。毎年コンスタントにアルバムを発表される<スパニッシュ・コネクション>、凄い人気ですね。
 鮮烈で瑞々しいジューシーなオレンジの鮮やかなジャケット、いいですねぇ。こういうの大好きです。アルバム1曲目は「Indian Night Train」。金属系の妖しいパーカッション音からはじまり、いきなり吉見さんのヴォイスタブラ&タブラが元気よく先陣を切ってスタート。パーカッション主体のリズミカルかつ神秘的な感もある曲ですね。インドの香りがたっぷりと。
 2曲目は「Piazzollumba」。アップテンポのリズミカルなパーカッションからはじまって、ヴァイオリンとギターの情熱的なリフが奏でられ、そしてテクニカルでエモーショナルなギターソロが。躍動感にあふれ、ダンサブルに展開していきます。が、中盤ではリズムが止まって、ゆったりとしたなかで力強い音色のギターソロが。そこにヴァイオリンの伸びやかで艶やかな音色が加わり、そのままヴァイオリンソロへ。バックではコントラバスの重厚なベース音が響いて。終盤は再びリズミカルでダンサブルな展開に。
 3曲目は「Monaco」。アップテンポのパーカッションサウンドからはじまって、明るくさわやかなギターフレーズが奏でられて。中盤は情熱的なギターソロがたっぷりと。リズミカルでとっても楽しい曲ですね。
 4曲目は「Cifteteli」。ミドルテンポの明るめのアラビアンなユニゾンリフから楽しい雰囲気ではじまります。中盤にはヴァイオリンの妖しく伸びやかな音色が響き、再びユニゾンリフが。それがラストはスピードアップしていって盛り上がってFin。
 5曲目は「Valencia/陽光の街」。アっプテンポのタブラからはじまって、リズミカルで軽快で爽やかなリフが奏でられて。ダンサブルで躍動感があってついつい身体が動いてしまいます。とっても情熱的で楽しい曲です。中盤まずはテクニカルなギターソロが。その後一旦リズムが止まってゆったりとした感じになるも、どんどんテンポアップしていってもとのとっても楽しいノリノリモードに。ラストにはアグレッシブなギターソロも。
 6曲目は「Tiempo Feliz/しあわせの時」。ゆったりとしたおだやかで心地よいギターフレーズから爽やかにはじまります。ギターとヴァイオリンが掛け合いのように、そしてユニゾンでのどかなフレーズを奏でて。タブラのミドルテンポかつ軽快なリズム、とっても心地いいですね。ギターとヴァイオリンの優しく綺麗なメロディもいいですねぇ。天気の良い日の午後に日影でのんびりくつろいでいるかのような感じがします。ラテン系の香りもしますね。
 7曲目は「Elena」。ゆったりとしたギターリフからはじまって、そしてヴァイオリンの艶やかで美しい音色がたおやかにながれて。ゆったりと流れる大河を小舟で下っているかのようです。中盤は抒情的な雰囲気になるも、再び美しいたおやかなながれに。ノンビリとしたとっても心地よい曲ですね。
 8曲目は「Une Nuit De Plus A Paris」。 9曲目は「Primavera」。スパニッシュなギターリフから躍動感たっぷりにダンサブルにはじまります。アップテンポの情熱的な曲ですね。序盤からテクニカルなギターソロが終盤までたっぷりと。伊藤さんのギターを存分に堪能できます。
 10曲目は「Dr,Fripp」。ミドルテンポのタブラソロからはじまって、ヴァイオリンの艶やかで美しく伸びやかな調べがながれ、そしてギターも加わって力強さを醸し出して。まずは明るくリズミカルなギターソロが、そしてゆったりとした妖しげなヴァイオリンソロへ。それがだんだんと美しく艶やかなメロディに。うっとりと聴きほれてしまいます。ラストはアップテンポの軽快なリズムでとっても明るく楽しい曲調に。リフとタブラソロの掛け合いも。
 11曲目は「Ciudad De La Luz」。リズミカルなアップテンポのリフからはじまって、とってもにぎやかな感じに。それが落ち着くとヴァイオリンの伸びやかで艶やかな音色がゆったりと響いて。そして徐々に盛り上がっていってパワフルにダイナミックに、テクニカルなユニゾンもキメて。終盤ではストリングスも加わってぶ厚いサウンドに。そしてヴォイスタブラもはいって。ラストにはコミカルなヴォイスが。
 12曲目は「陽光の街」のヴォーカルヴァージョンです。ちなみにヴォーカルは<大渕博光さん>です。爽やかでパワフルなヴォーカル、かっくいいっす。
 今回のアルバムもバラエティに富んだ内容で、情熱的なフラメンコや、のんびりとした心地よい曲、そしてテクニカルな曲や美しくうっとりするような曲も。とっても素敵なアルバムですね。

09.5.26 音楽絵ほん

2009-05-28 06:48:54 | ライブレポ プログレ2008-2011
◇ 2009.5.26 吉祥寺Silver Elephant
<優雅なひと時>
 生楽器で美しいアンサンブルを奏でるアコースティック・プログレバンド<Acoustic Asturias>。そのメンバーであるクラリネット&リコーダー奏者<筒井香織さん>。筒井さんは趣味で絵ほんを描くのがお好きなんだそうで。で、CGで描いた絵をアニメにしてみたところ、それに曲をつけたら面白い、と思ってご自身で描かれた絵を動画にしてそれにBGMをつけ、<音楽絵ほん>というタイトルでHPに公開されたそうです。で、その音楽を実際に演奏してみたらどうかということで、同じアコアスのピアニスト<川越好博さん>と、チェロ奏者の<井利智子さん>のお3方で2008年からライブ活動をはじめたそうです。そのライブが5月にあると知って楽しみにしておりました。問題は平日なので仕事の状況によっていけるかどうかというところ。

 さて当日。3日前のAcoustic Asturiasの素晴らしい演奏の余韻に浸っているなかでこの<音楽絵ほん>の演奏が観れるのは嬉しいかぎりです。本日のライブは2バンドで、最初がケルト音楽のアコースティックユニットで、その後が<音楽絵ほん>の演奏です。残念ながら仕事の都合で遅くなり、会場に着いたときは前バンドのライブ終盤でした。ゆったりとしたなかにも躍動感も感じられてとっても素敵なサウンドでしたね。機会があればフルライブを観に行きたいものです。

 ステージ中央にエレピがセットされ川越さんがセッティングを。、向かって左側で井利さんがチェロのチューニングを。そして右側では筒井さんがクラリネットのセッティング。井利さんはオフホワイトのノースリーブワンピースを、筒井さんは黒系の小さいお花柄のお洋服をお召しになってます。
準備が整った20時10分過ぎから<音楽絵ほん>のライブがはじまります。1曲目は「精神宮殿」。ゲームのBGM用に作られた曲だそうです。ピアノの叙情的で美しいピアノリフからゆったりとはじまり、そこにチェロの伸びやかな音色が加わって、そしてクラリネットがはいって深い味わいのメロディを奏でて。それが徐々に盛り上がっていきます。ピアノの哀愁ただようリフレインのあとクラリネットのソロが。そこにチェロも加わってドラマティックにダイナミックに盛り上がっていって。

 曲が終わると大拍手。皆さん丁寧にお辞儀を。「どうもこんばんは!」「今日は平日のお忙しいところ、足をお運びくださいましてありがとうございます」「私達<音楽絵ほん>3人でお送りします」って筒井さんが挨拶を。とっても可愛らしいお声でちょっとドキドキ♪
 2曲目3曲目はメドレーで「草原のルカ」「早春」。ピアノのリズミカルなリフからはじまって、リコーダーの元気のいい跳ねるような音色が響いて。ピアノが1段テンポアップしてさらにリズミカルに楽しく。まるで馬が草原を駆け巡っているかのような疾走感も。その後一旦Finしてピアノのゆったりとした美しいソロが。そこにクラリネットとチェロも加わって。中盤ではリコーダーのゆったりとした素朴な音色が響いて、チェロは指で弦を弾いて。そのままチェロのゆったりとした味わい深い音色のソロへ。そこにクラリネットも加わって。終盤、ピアノソロのあとチェロがリズミカルなリフを刻んでパワフルでダイナミックに。ラストはピアノのゆったりとした美しいリフレインが奏でられてFin。

 拍手に応えてお辞儀したあと「ありがとうございます」って筒井さん。次に演奏する曲は古楽曲で、始めの曲はデュリという作曲家の曲で、次の曲はヴィヴァルディの曲だそうです。まず4曲目「トルコ人の儀式のための行進曲」。リコーダーのリズミカルでパワフルな音色からはじまって、ピアノのリフをバックにチェロが力強いメロディを奏で、そこにクラリネットも加わって。勇ましい行進曲ですね。時折折り込むトレモロ奏法が印象的です。
 続いて5曲目は「モデット~まことの安らぎはこの世にはなく~」。ミドルテンポの明るく爽やかな感じのピアノのリフからリズミカルにはじまります。そしてチェロも加わって、リコーダーの素朴ながらも力強さも感じる調べが。ワルツリズムも優雅な感じの曲です。宮廷で室内楽を鑑賞しているかのような雰囲気がしますね。ピアノのチェロのリズミカルなリフにリコーダーが伸びやかなメロディ奏で、それが徐々にダイナミックになって。雄大な景色が浮かんできそうです。

 拍手にお辞儀して「ありがとうございます」って応える筒井さん。ここで<音楽絵ほん>の説明を。その中から次の曲は「洞くつの森」という組曲の第1楽章第2楽章第3楽章を。物語のあらすじは話すと長くなるから無理のようで。「全部で何楽章あるの?」って川越さん。「全部やると16楽章もあるので・・・」って筒井さん。今日のライブでは時間的に無理ですねぇ。でもいつかフルライブでぜひ!ちなみに物語は筒井さんがみた夢を元に書かれたそうです。
 まず第1楽章。ピアノのリフをバックにチェロのダークなフレーズがながれ、そこにリコーダーの悲しげなメロディがのって。それが徐々に力強い曲調に。そしてクラリネットがミステリアスなフレーズを奏で、ピアノとチェロも加わってオールユニゾンで。その後もクラリネットとチェロがユニゾンでダークなメロディを奏でて。まさに暗闇の洞窟を彷徨っているかのような、スパイラルで堕ちていくかのような不安げな曲調です。チェロが、そしてリコーダーが力強いメロディを。
 クラリネットの調整のあとはじまった第3楽章はピアノのワルツリズムのリズミカルなリフからはじまります。クラリネットが、そしてチェロがゆったりとしたメロディを奏でて。ちょっぴり爽やかで清清しい感じも。森の中を散歩しているような雰囲気かな?
 続いて第2楽章。ピアノの哀愁を感じるリフレインからはじまって、チェロとリコーダーがユニゾンでゆったりとした美しいメロディを奏でて。雄大な景色が見えてくるかのようなおおらかな感じが。その後ゆったりとしたピアノソロが。そしてチェロ・リコーダーが加わって。そしてチェロが深い音色のメロディを奏でて。終盤にはリコーダーのエモーショナルかつ寂しげな音色のソロが。それが明るく爽やかな雰囲気になってドラマティックに盛り上がります。 曲が終わると大拍手。「どうもありがとうございました」って筒井さん。

 筒井さんがマンガを読むもお好きなんだそうで。次の曲は、坂田靖子さんが描かれた「黄金の梨」という、新米の魔法使いの物語にインスパイアされて作られた曲だそうで。9曲目は「ペンクルーズの魔法使い」。ピアノとリコーダーのゆったりとしたメロディからはじまる、爽やかで素朴な感じの曲です。クラシックのガボット、あるいはメヌエットのような優雅な雰囲気も。ピアノとチェロの力強いリフとリコーダーの早吹きソロの掛け合いも。その後ピアノのチェロのユニゾンでのパワフルなリフにのってリコーダーがメロディを乗せて。

 10曲目は「Arch(アーチ)」。不思議な拍子の曲だそうです。筒井さんがクラリネットのリードを調整してからはじまります。ピアノとチェロのゆったりとした爽やかな感じのリフにのってクラリネットの力強いフレーズがながれて。そしてピアノのリズミカルで綺麗なリフレインにクラリネットも加わってユニゾンで。そしてクラリネットの瑞々しい感じのソロも。
 曲が終わると大拍手。「ありがとうございました」って筒井さん。「次は・・・」って言いかけたところで川越さんが本日物販コーナーで販売しているCDの宣伝を促して。CDの説明のあと、筒井さんは次の曲の紹介を作曲者である川越さんに振って。川越さん、まずはここまでMCをがんばってくれた筒井さんをねぎらって。

 次の曲は先日のAcoustic Asturiasのライブでも演奏された「黄源の舞」。“黄源”とは“草原”と“光の源”がかかっていて、そこで“舞”を踊っているイメージの曲だそうです。ちなみに変拍子なので共演者に「迷惑をかけてる」って。「井利さんにとても大変な思いをさせてしまって・・・」って。爆笑です。
 11曲目はその「黄源の舞」。ピアノのリズミカルなリフからはじまって、リコーダーの力強い音色が響いて。フォルクローレ調の複雑なリズムの曲です。リコーダーのソロにピアノも加わってダイナミックな感じに。その後チェロのゆったりとした伸びやかなソロが響き、再びリコーダーのパワフルなメロディがながれて。アコアスのときは自分の席はステージから10m以上離れてましたけど、今日は3mくらいの距離ですからアコアス以上に迫力を感じましたね。

 曲が終わると大拍手。「ありがとうございました」って筒井さん。「MCがまだ慣れてなくて固くなってしまって・・・」って。で、次の曲が最後ということでここでメンバー紹介を。「チェロ、井利智子!」「キーボード、川越好博!」「クラリネットとリコーダー、筒井香織でした」って。メンバーそれぞれに大きな拍手が送られます。
 次の曲も川越さんの作曲ということで筒井さんは再び川越さんに振って。次の「紅河」はAcoustic Asturiasのアルバムにも収録されている曲で、大河に夕日がいい感じで映っている、ゆったりと流れている景色を思い描いて作られたそうです。で、元々は歌って踊る曲を演奏するバンドのライブに参加していたときに、お客さんが退場するときの曲を急遽生演奏でやることを思いついて、そのとき即興で作曲されたものが元になっているとか。「今日初めてバラすんですけど」って。爆笑です。

 本編最後の12曲目はその「紅河」。アコアスでは歌入りですが、今回はインストで。ピアノのゆったりとした美しいリフレインからはじまって、そこにチェロの深く伸びやかな音色が響いて。ピアノの綺麗なソロのあと、チェロとクラリネットの深い音色が。たおやかに美しくながれ、それが徐々に盛り上がってドラマティックな展開に。再びピアノの綺麗な音色のソロのあと、ピアノとチェロのユニゾンのリフにのってクラリネットのメロディがながれ、ラストはピアノのしっとりとした調べが。

 曲が終わると大拍手。メンバーの皆さんは立ち上がって深くお辞儀を。そして拍手とアンコールを求める手拍子のなかメンバーの皆さんは一旦楽屋へ行こうとしますが・・・井利さんがチェロを持って行こうか置いて行こうか迷って。チェロスタンドは用意されなかったんですね。なので仕方なく床に横にして置こうとしますが、先に行っていた筒井さんを川越さんが呼び戻して、そのままアンコールへ。
 「暖かい拍手をありがとうございます」って筒井さん。そして川越さん「すいません、段取を失敗しました」「ハケるつもりでしたが、チェロのことすっかり忘れてました。ごめんね」って。爆笑です。「予定通りの(アンコール)ありがとうございます」って。

 オーラスのアンコール曲は「un chat~灰色猫」。パリの下町に住む灰色のネコの物語で“アンニュイ”な曲だそうです。
 ピアノのワルツリズムのリフからはじまって、クラリネットのゆったりとした深い味わいのあるメロディがながれ、チェロの伸びやかな音色が響いて。なんとなくネコが路地裏をこっそり歩いているような雰囲気も。ピアノのリフをバックにチェロの深い音色のソロが。続いてクラリネットのテクニカルなソロ、そしてピアノのミステリアスな感じのソロも。終盤再びチェロのソロ、クラリネットのソロと続いて、ラストはオールユニゾンでゆったりとFin。
 曲が終わると大拍手!「ありがとうございました」って筒井さん。メンバーの皆さんは立ち上がって深くお辞儀をして楽屋へ・・・時計を見ると21時20分。約70分のすっごい素敵なライブでした。

 とっても優雅で瑞々しく、爽やかで心地よく、しかも優しく美しいサウンドでほんと素敵でした。川越さんのエレピの綺麗な音色、井利さんの味わい深く繊細なチェロの音色、そして筒井さんのときに鋭く、ときにまろやかなクラリネットの音色&良く通る素朴で美しいリコーダーの音色、たっぷりと堪能させていただきました。まさに“至福のひと時”でしたね。そうそう、筒井さんの初々しいMCも可愛くていい感じでしたね。
 また機会があれば観にいきたいっす。できれば今度は生ピアノでも聴いてみたいかな。あとスクリーンで絵も映し出してもらえたら視覚聴覚両方でより楽しめるかもしれませんね。

愛新覚羅溥儀さん EASTERN~

2009-05-26 06:50:22 | ゲーム・アニメMusic
 “不気味の世界へようこそ”とオビに書かれた<愛新覚羅溥儀さん>の2006年に発表されたアルバム「EASTERN FAIRY TALE」が手に入ったもので早速紹介させていただこうかと。詳しいことは全くわからないのですが、アリスの世界を題材に描いたコンセプトアルバムとのことです。ではアルバムのほうへ。
 1曲目は「おてんば恋娘/Prelude-Fairy Tale」。ゆったりとした幻想的なシンセサウンドからはじまり、そして透明感のある美しく瑞々しいキーボードサウンドがたおやかにながれて。中盤からはオルゴールのような可愛らしい音色がながれ、そこに重厚なストリングスが加わって。そしてキーボードのリズミカルで力強いリフが。気持ちがウキウキしてきそうな高揚感がありますね。
 2曲目は「ファンファーレ/Fanfare」。地響きのような重低音からはじまり、そこにバグパイプのような妖しい音色が。イメージ的には中近東系の妖しいサウンドのファンファーレですね。
 3曲目は「東方妖々夢/Devilish Dream」。アップテンポのリズミカルで楽しいパーカッションからはじまって、そのリズムにのってキーボードの跳ねるようなダンサブルなフレーズがながれて。そしてSaxのような素朴で味わいのある音色がはるかな山々を望むかのように響いて。その後お琴のような音色で和風になったあと、クラリネットのような音色がアイリッシュなフレーズを奏でて。ノリのいいビートに思わず身体が踊ってしまいます。
 4曲目は「明治一七年の上海アリス/Shanghai Alice」。洞窟の抜ける風のような音からはじまって、そこに可愛らしい木管系の音色がリズミカルに響いて、そしてストリングスもくわわりますが、一旦テンポがとまって幻想的な感じに。そして再びリズムが入ってダイナミックなキーボードリフが響いて、アップテンポのピアノリフにのってキーボードがポップで楽しいフレーズを奏でて。終盤ではストリングスのリフのあと、元の風の音が響いてFin。
 5曲目は「月時計/Tykho Blue Moon」。力強い太鼓の音とコンピューター音が響いたあと、パワフルなピアノmのリフレインがはいって、そこに幻想的なシンセサウンドがくわわって一気に音が広大な感じになって。壮大なスケールのパワフルでダイナミックな曲調に。
 6曲目は「亡き王女の為のセプテット/Nightmare All Over The World」。重厚なストリングスサウンドとハンドクラップのような音からはじまって、そしてアップテンポのストリングスのメロディアスなリフレインがリズミカルにながれて。中盤ではそのリフレインが透明感のあるパーカッションサウンドに替わり、終盤ではそのフレーズが徐々に暗くなっていって。
 7曲目は「人形裁判/Alice Doll」。妖しく神秘的なグロッケンのような音色が響き、そしてマリンバのような音色が妖しく美しいフレーズを奏でて。時々はずれる音が不安感をかきたてますね。
 8曲目は「少女綺想曲/Shrine Maiden」。遠くで雷鳴が轟いているかのような音と水が流れるような音からはじまって、そしてシンセとストリングスの幻想的なサウンドがはいって、それが徐々に大きくなって。一旦収まると今度はオーボエのような音色が素朴に響き、そこにパーカッションのワルツリズムがはいって。そして重厚でダイナミックなオーケストラサウンドが轟いて。
 9曲目は「恋色マスタースパーク/Delirium Stargazer」。リズミカルな低音キーボードリフからパワフルにはじまって、そこにパーカッションも加わってアップテンポで躍動感たっぷりに展開していきます。ストリングスにグロッケンにと神秘的なフレーズを奏で、さらにケーナのような素朴な音色も。次にどう展開していくのかとってもスリリングで手に汗握るような感じですね。
 10曲目は「六十年目の東方裁判/Heart Queen」。ドラマティックなストリングスサウンドと美しく力強いキーボードのフレーズからはじまってアップテンポのリズムがはいって。歯切れのよいキーボードサウンドと独特なリズムのタメが躍動感をよりたっぷり感じさせてくれますね。
 11曲目は「幽雅に咲かせ、黒染の桜/Cherry Blossom Girl」。アップテンポでストリングスのリフをバックにお琴のような音色がリズミカルに響いて。アップテンポながらもしっとりとした和の雰囲気を感じます。中盤ではお囃子の太鼓が威勢よく打ち鳴らされて凄い迫力を感じます。その後太鼓が止んでしっとりと美しい雰囲気に。そして再びアップテンポのストリングスのリフがはじまって美しいフレーズがリズミカルにながれ、そこにお囃子太鼓もはいってダイナミックに盛り上がります。
 12曲目は「ヴォヤージュ1969/Voyage 1969」。アップテンポの透明感のあるきらびやかで美しい音色のリフレインが繰り返される短い曲。
 13曲目は「おてんば恋娘/Fairy Tale」。美しいピアノのしっとりとした雰囲気からはじまって、それが徐々に高揚していき、リズミカルに楽しい感じに。ラストは再びしっとりとした感じになって静かにFin。 
 “不気味”というよりも“不思議”な、素敵な音楽のストレンジ・ワールドに迷い込んだような感覚でしょうか。夜の遊園地みたいな、楽しいけどちょっぴりスリリングな雰囲気もあって。とっても美しく楽しい、めくるめく音の世界をたっぷりと堪能できますね。

09.5.23 Acoustic Asturias

2009-05-24 18:01:54 | ライブレポ プログレ2008-2011
◇ 2009.5.23 池袋・江古田BUDDY
<アコースティック・プログレ・アンサンブル>
 ピアノ・ヴァイオリン・クラリネット&リコーダー、そしてガットギターのアコースティック楽器で美しい曲を綺麗なアンサンブルで聴かせてくれるバンド<Acoustick Asturias>。アルバムを聴いてそのとっても綺麗で清清しく瑞々しいサウンドに魅了され、2008年秋に初めてライブを観にいってその美しさと、アルバムで聴くよりもはるかにダイナミックでドラマティックなサウンドにめっちゃ感動したんです。メンバーはリーダーのガットギター<大山曜さん>、ピアノ<川越好博さん>、ヴァイオリン<伊藤恭子さん>、クラリネット&リコーダー<筒井香織さん>の4人編成です。
 あまりの素晴らしさに次回のライブをずっと心待ちして、毎日のようにHPをチェックしていました。そんなときに5月のライブの告知をみたときにはほんと喜んじゃいましたね。で・・・前回はおそくなって予約したもので、立ち見の後ろのほうでステージがあまりよく見れなかったんですよね。なので今回はなんとかイス席は確保しようと早めに前売りチケットを手に入れて準備万端で当日を楽しみにしていました。そうそう、今回のライブではスペシャルゲストとしてチェロ奏者の<星衛さん>が参加されるとのこと。どんなアンサンブルになるのかすっごい楽しみです。

 さて当日。昨今新型インフルエンザが関東圏でも流行の兆しをみせていたものですから、もしや中止になりやしないかと心配してバンドや会場のHPを逐次チェックしましたけど、幸いそういう記載もないようでひと安心。開場時間が18時なので途中の交通トラブルも見込んで早めに家を出発。幸い順調に行って17時半ころには江古田駅に着いちゃいました。会場は駅のすぐ前のビルの地下2階。時間まで辺りをブラブラして5分前に会場へ。そしてチケットの番号順に並んで開場を待ちます。年齢層は30-50代中心かな。カップルやご夫婦や家族連れの方々もいらしてましたね。やはり音楽的におとなしそうな方が多かったかも。なかにはややメタル系なファッションの方もいらしてちょっと嬉しくなったり。自分はもちろん地味なカッコですがね。

 そして順番でフロアーへ。受付でマスクを配ってました。でも着ける方は2割くらいだったかな。席はステージから10mくらいの席をGET。今回はゆっくりじっくり楽しめそうです。で、まずは物販へ。CDは持っているものばかりだったのでパス。ひとつ気になったのは見慣れないお名前の方が書かれた本が売ってたんですよね。メンバーの方とどういうつながりなのかな?って不思議に思っていました。そうそう飲み物を受け取るのにすごく時間かかりましたねぇ。客席はほぼ満員です。やっぱり早めにチケットを手に入れてよかったっす。でもでも今回は全てのお客さんにイスが用意されて立ち見はナシでしたね。

 18時40分頃、大山さんがステージに。「ども、今日はいらしていただいてありがとうございます」って挨拶を。大拍手です。そしてシャッター音が他のお客さんに迷惑で耳障りだから専属カメラマン以外撮影禁止とか録音禁止とか注意事項を述べられて。そしてインフル対策は、ここが発生源にならないように各自で防御してくださいっておっしゃってました。でもステージから見てお客さんがみんなマスクしてたら異様な光景でしょうねぇ。自分は廻りに咳をしてる人が居なかったのでマスクはせず。配られたマスクはおみやげ(?)に持って帰ります。いま使い捨てマスクは貴重品ですもんね。それにしても今よくこれだけの数を確保できましたねぇ。最後に「皆さん座れてますか?」「どうそゆっくりお楽しみください」って。
 大山さんは一旦楽屋に戻って。するとほどなくメンバーの皆さんが楽器を持ってステージに登場!拍手で迎えられます。ステージ向かって左からピアノ・ヴァイオリン・クラリネット・ギター、そして右端にチェロ用のセット。で、なぜか立位置にマイクが。

 そしてはじまった1曲目は「Global Network」。ゆったりとした美しいピアノのリフレインとギターのアルペジオからはじまって、ヴァイオリンの伸びやかで美しい音色と、クラリネットの味わい深い音色が響いて。叙情的な雰囲気でしょうか。そして哀愁を感じるギターソロ、素朴な感じのクラリネットソロ、美しい音色のピアノソロと続いて、そこにクラリネットも加わって。終盤は再びヴァイオリンの美しいメロディがながれて、ラストはしっとりとFin。

 続いて2曲目は「黄源の舞」。メロウなピアノのフレーズからはじまってリコーダーの素朴な音色が響いて。フォルクローレ調のやや物悲しい雰囲気でしょうか。その後、ギターとヴァイオリンのパワフルなリフがはいって躍動感に満ちた曲調に。そこでリコーダーのテクニカルなソロが。そしてゆったりとしたヴァイオリンの艶やかな音色のソロへ。ラストは元のリコーダーの素朴なメロディがながれて、そこにヴァイオリンも加わって。ラストはダイナミックにFin。

 曲が終わると大拍手。「今日は大勢の皆さんに来ていただいてありがとうございます」って大山さん。ここでちょとっこMCです。ここ江古田BUDDYは5年前にアコアスを立ち上げたころにデモテープを送って初めてライブをした思い出深い会場なんだそうで、感慨深いそうです。
伊藤さんは黒のレースをあしらった素敵なドレスすがたで、筒井さんは黒系のゆったりしたお洋服。川越さんと大山さんは黒系のお洋服で。
客席を見渡した大山さん、「皆さん、固いですよ」って。爆笑です。「では固いのをさらに固くさせるような曲を」って。

 はじまった3曲目は「Waterfall」。ピアノ、そしてヴァイオリンのパワフルなリフからはじまって、リズミカルなピアノのリフにのってクラリネットの綺麗なメロディがながれ、そこにヴァイオリンも加わって。ユニゾンやハーモニーを心地よく聴かせてくれて。そしてパワフルなユニゾンリフのあとヴァイオリンソロへ。伸びやかで瑞々しい感じですね。勢いよく水が流れているようなスリリングさや躍動感も感じます。そしてピアノリフにのってエモーショナルなギターソロが。終盤は再びクラリネットの瑞々しいメロディがながれ、そこにヴァイオリンも加わってユニゾンで。
 筒井さん、額や首筋に汗をかいていてすっごい暑そう。でもでも熱演で汗が輝いてすっごいかっこいいっす。惚れ惚れしちゃいますね。

 続いて4曲目は「神の摂理に挑む者たち」。ピアノの美しいリフレインからはじまって、ヴァイオリンとギターのアップテンポのパワフルなリフ、そしてクラリネットの変拍子リフが。そのあとヴァイオリンの艶やかで美しいメロディがながれて。力強くも美しい感じですね。オールユニゾンのパワフルなリフのあと、クラリネットのゆったりとした綺麗なソロが。そこにヴァイオリンも加わってそのままヴァイオリンソロへ。
 曲が終わると大山さん「ちょっと(ステージが)暑いんで、多少温度を下げてもらえると・・・」って。そして筒井さんの汗だくすがたを見て「お風呂に入ったみたいだね」って。爆笑です。

 ここで大山さんがスペシャルゲストのチェロ奏者の星さんを紹介され、大拍手で迎えられます。大山さんが以前あるライブを観に行ったときにその星さんの素晴らしい演奏に感銘を受けて“くどき”に行ったそうで。大山さんは前からチェロを加えた編成をやってみたかったそうで、それで念願かなって今回の共演となったようです。「どういうことになるのか」「こういう解釈もあるのか」って楽しんでほしいそうで。「それではお願いします」って大山さん。

 そしてチェロを加えてはじまった5曲目は「Distance」。ピアノのアップテンポのテクニカルで綺麗な音色のリフ、ギターのパワフルなリフからはじまって、ヴァイオリンの艶やかなリフレインがながれて。やはりチェロが加わったことでサウンドに厚みが増しますね。ピアノのテクニカルなソロ、ヴァイオリンの艶やかなソロ、そしてクラリネットも加わってユニゾンでメロディを奏でられたあと、ピアノのリフにのってお待ちかねのチェロのソロが。底深く、しかも雄大な音色で思わず聴き入ってしまいます。そしてクラリネットが加わって掛け合いのように。終盤はクラリネットとヴァイオリンのユニゾンのゆったりとしたメロディがながれたあと、ヴァイオリンのテーマメロディ、そしてピアノのテクニカルなソロも。とっても明るく爽やかな楽しい曲ですね。

 続いて6曲目は「Woods(迷いの森)」。ギターのゆったりとした素朴なメロディからはじまって、チェロの抒情的な音色が響いて。そしてピアノの綺麗なリフレイン、クラリネットの美しいメロディ、そしてヴァイオリンのゆったりとした伸びやかな調べが。ヴァイオリンとクラリネットの掛け合いのようなメロディのあと、チェロのソロへ。深い音色でとってもドラマティックです。終盤ではピアノとヴァイオリンのリフのあと、綺麗で力強い音色のピアノソロが。ラストはゆったりとFin。
 曲が終わると大拍手!ここで星さんは一旦楽屋へ。大きな拍手で送られます。「なんかすごい雰囲気でしたね」って大山さん。

 前半最後の7曲目は「Bloodstained Roses」。ピアノのゆったりとした哀愁ただようメロディからはじまって、ヴァイオリンののびやかで優雅なメロディが。そしてクラリネットも加わって美しいメロディを奏でて。一旦Finしたあと、ギターのアップテンポのリフがはじまって、ヴァイオリンも加わってパワフルなフレーズを弾いてそのままソロへ。続いてはクラリネットのパワフルなソロも。再び一旦Fin
したあとピアノの優雅なソロがながれ、そこにギターも加わってメヌエット調に。ラストはしっとりとFin。
 曲が終わると大拍手。メンバーの皆さんは立ち上がって深々とお辞儀をして大拍手のなか楽屋へ・・・ここでしばし休憩です。時計を見ると19時半。約50分の中身の濃い前半でした。
 休憩中、客席はワイワイガヤガヤと賑わってました。

 19時50分ころ、客席の照明が暗くなって、ステージが明るくなってメンバーの皆様が再び登場!拍手で迎えられます。伊藤さんは白系の爽やかなブラウスを、筒井さんはクリーム系のお花柄っぽい可愛らしいお洋服をお召しになって登場です。そしてはじまった後半1曲目は「ベタスプレンデス」。パワフルなユニゾンリフからはじまる、ダークでまるで迷宮を彷徨うかのような感じの曲。ヴァイオリンとクラリネットがフレーズを奏でたあと、ヴァイオリンのゆったりとした艶やかメロディがながれて。そしてスリリングで躍動感たっぷりのリフのあと、テンポダウンしてゆったりとダークなフレーズが。そしてパワフルなユニゾンリフが。ラストはダイナミックにFin。

 曲が終わると大拍手!「ありがとうございます」「多少リラックスできましたでしょうか?」って大山さん。今回は大人の感じのJAZZホールでいつもと違う雰囲気でいいですねっておっしゃってました。
 そうそう、伊藤さんがお相撲が好きなんだそうで日馬富士のファンらしいです。で今日の相撲の結果が凄く気になっているそうですが、勝敗はまだ言わないでって。爆笑です。

 次の曲は新曲だそうで、「切なくて激しい、アコアスらしい曲」だそうです。「やってみると大変な曲で・・・」「上手くいくかどうか・・・」って大山さん。9曲目は新曲の「レジェンド(伝説)」。アップテンポの綺麗なピアノのリフレインからはじまるとっても綺麗で瑞々しい感じの曲。力強いリフはダイナミックで躍動感ありますね。テクニカルなリフはピアノ→クラリネット→ヴァイオリンと続いて。川の上流の流れのように勢いを感じますね。スリリングなユニゾンもかっくいいっす。タイトルの通りに歴史の重みや歴史の歩みといった力強さを感じました。

 曲が終わると大拍手!「ありがとうございました」って大山さん。ここで再び星さんが迎えられます。が・・・星さん、立位置のマイクに合わせて譜面台を高く調整して???
 次の曲は大山さんがチェロ用にアレンジしたそうなんですが、なんと星さんは“篠笛”の大家でもあるとのことで。(東京の無形文化財ともおっしゃっていたような)“日本の伝統文化の一端を担っておられる”とも。そこで急遽チェロの譜面をボツにして篠笛用に書き換えて、おとといリハして決定されたようで。お客さん大うけでしたね。なので本来は筒井さんのリコーダーのパートを、星さんが篠笛で演奏されるようで、「筒井さんはリコーダーのパートはお休みして、じっくり観察していただいて・・・」って。

 そしてはじまった10曲目は「邂逅」。和風プログレ曲です。ギターの哀愁ただようアルペジオのリフレインからはじまって、篠笛の厳かな音色が響きわたって。思わず背筋が伸びてしまいます。透き通るような音色、いいですねぇ。そしてピアノとヴァイオリンもくわわって。その後一転アップテンポのギターリフそしてピアノリフがはいって躍動感たっぷりに。まずはヴァイオリンのアグレッシブなソロ、続いてはクラリネットのテクニカルなソロが。そしてヴァイオリンのクラリネットの掛け合いやユニゾンも。そして篠笛のソロ。ここでは一噌さんを彷彿とさせる高速吹きも披露してくださってビックリ!凄いっすね。終盤はピアノのリズミカルなソロのあと、一転元のゆったりとしたテンポに戻って和風の平安調のような音色を響かせて、しっとりとFin。

 曲が終わると大拍手!「どうもありがとうございます」って大山さん。「凄い!本物ですね!」って。星さは多才な方で本も執筆されているとか。ここで星さんのインフォメーションコーナーに。今日物販コーナーで販売されている本は実は星さんが書かれた本なんだそうで。名前が違うと思ったら本はペンネームの“奥澤竹彦”名で出版されているんだそうです。「ペンネームが普通の名前で、本名の“星衛”のほうがペンネームっぽい」って。爆笑です。ここで15秒ほど本の内容の説明を。興味深そうなので後で買っちゃいました。それと今後のライブ予定も案内されてました。

 星さんは再びチェロの準備をして。はじまった11曲目は「ユハンヌス」。リコーダー大フューチャーの曲です。ギターのカッティングリフからはじまるアップテンポのとっても楽しい曲で、リコーダーの素朴で爽快感のある音色が響き渡って。そしてフィドル調のヴァイオリンのリフも。まるで草原を思いっきり駆け巡っているかのような楽しさ心地よさですね。その後ゆったりとしたリコーダーのフレーズがながれて。雄大な景色な目に浮かぶ感じです。そこにヴァイオリンも加わって、そしてギターのアップテンポのリフからチェロのダイナミックなソロへ。その後ヴァイオリンが加わってそのままソロへ。終盤はリコーダーの爽やかなメロディのあとチェロとのユニゾンも。ラストはゆったりとFin。

 曲が終わると大拍手!「星さん、ありがとうございました」って大山さん。ここで星さんは楽屋へ。拍手で送られます。「大変多才な方ですね」って賞賛する大山さんです。
 今回のライブの前売り券はかなり遠方の方からも問い合わせがあったそうです。「北海道の帯広の方からも」って。客席からはどよめきも。すると最前列のとあるお客さんが「はい!」って。本当にこのライブのために本日東京にいらしたそうで。もう大拍手大絶賛です。凄いっすね。「これだけだと何ですから、プログレお好きなら新宿のプログレッシブ館とか目白のレコード店とか・・・」ってプログレ三昧してってくださいって大山さん。優しいですねぇ。さらに東京タワーの蝋人形館のことも。

 12曲目は「凍てついた記憶」。初演では“静寂の湖水”ってタイトルだったとか。まだどちらがいいか決めかねていらっしゃるようで、「よかったらアンケートに書いてください。どっちでもよければ“どうでもいい”って書いていただければ」って。爆笑です。
 ピアノの跳ねるようなリズムながらも冷たく悲しい感じではじまって、ヴァイオリンの叙情的な音色が響いて。そしてクラリネットのリフのあとヴァイオリンとのユニゾンが。その後ピアノの綺麗なリフレインがながれ、そのままソロへ。水の雫が落ちるかのような透明感のある音色です。ラストは冬景色のような寒々しいフレーズがながれてしっとりとFin。
 続いて13曲目は「パペチュアル・モーション」。ギターのパワフルなリフからはじまって、ユニゾンのダイナミックなリフへ。とっても爽やかな曲調ですね。そしてクラリネットとヴァイオリンのスロー&クイックのテクニカルなユニゾンリフが。そして広い草原を見渡しているかのような雄大な感じになって、クラリネットのゆったりとしたソロが。

 曲が終わると大拍手です。ここで大山さんがメンバー紹介を。「ピアノ、川越好博!」「ヴァイオリン、伊藤恭子!」「クラリネット&リコーダー、筒井香織!」「ギター、大山曜でした」って。それぞれに大きな拍手が送られます。ここで筒井さんが今後のライブインフォメーションを・・・ですがまだクラリネットの調整中です。で、クラリネットを持ったまま可愛らしい声で挨拶を。今度の26日に吉祥寺で川越さんとのユニット<音楽えほん>のライブがあるそうです。観に行きたいけど・・・平日はちと難しいっすね。
 そして大山さん、今後は半年に1回くらいのペースでアコアスライブをやっていきたいとのこと。ぜひぜひお願いします。そしてエレアスのほうはまだはじまってないんですが、やる方向で進むようで。こちらも楽しみですね。

 本編最後の14曲目は「Marching Grass on the Hill」。ピアノのゆったりとした綺麗なフレーズからはじまって、ヴァイオリンとクラリネットも加わって優雅でロマンティックな雰囲気に。ヴァイオリンの伸びやかなフレーズ、ピアノの優雅なリフ、そしてクラリネットのゆったりとした美しいフレーズが。そこにヴァイオリンも加わって。その後一転ピアノのアップテンポのパワフルなリフがはじまり、クラリネットもリズミカルなリフを。そこにヴァイオリンが艶やかなフレーズをのせて、そして今度はヴァイオリンがパワフルなリフを弾き、クラリネットがメロディをのせて。躍動感のある力強い曲調です。終盤はヴァイオリンとクラリネットがゆったりと美しいメロディをハーモニーで聴かせてくれて。

 曲が終わると大拍手!メンバーの皆さんは立ち上がって深々とお辞儀をして楽屋へ・・・もちろん場内はアンコールを求める手拍子が鳴り響いて。するとほどなくメンバーの皆さんがステージに戻ってきて大拍手で迎えられます。星さんももちろん一緒です。「アンコールありがとうございます」って大山さん。「チェロが登場しちゃうとアンコール用にあらかじめ準備しておいたようで気がひけますが・・・」って。爆笑です。
 アンコール1曲目は「Asturiasのチェロといえば、3rdアルバムの“Cryptogam Illusion”という曲がありまして・・・」って大山さん。以前はヴァイオリンでアレンジして演奏したそうですが「チェロでやるのはリリース15年目にして初めて」って。大拍手です。
 チェロの奥深い音色とギターのアルペジオリフから叙情的にはじまって、バンドがはいってだんだんと力強い曲調に。ピアノとヴァイオリンのユニゾンリフ、そしてピアノの美しいリフレインのあと、チェロのゆったりとしたソロが。
 曲が終わると大拍手!星さんはここでおしまいです。大拍手に応えてちょこっと篠笛を吹くポーズをしてから楽屋へ。茶目っ気のある方なんですね。そうそう、神田囃子の研究もされているとか。

 いよいよオーラス。「どうも今日はありがとうございました」って丁寧に挨拶される大山さん。そしてはじまった最後16曲目は「かげろう」。ピアノのリズミカルなリフからはじまってヴァイオリンが躍動感のあるフレーズを奏でて。そこにクラリネットも加わってユニゾンで。まるで新緑いっぱいの鮮やかな森とそよ風に揺れて木漏れ日がキラキラと輝いているような光景が目に浮かんでくるようです。クラリネットのパワフルなソロ、ピアノの優雅で華やかなソロが。その後ヴァイオリンとギターのパワフルなリフがはいって力強く盛り上がって。終盤にはヴァイオリンのソロが。序盤はゆったりとい艶やかに、それが徐々にパワフルにアグレッシブに。ラストはユニゾンでFin。

 メンバーの皆さんは大拍手のなか、立ち上がって深々とお辞儀をして楽屋へ・・・すると程なく客席が明るくなってライブ終了。時計を見ると20時55分。前後半合わせて2時間弱計16曲の素晴らしいライブでした。帰り際に星さんの本を買って。そしてお店の人に今日は何人くらい入ったんですか?って尋ねたら「120-30人くらいかな」っておっしゃってました。もっと多かったような気もしますが・・・まいっか。

 川越さんの透明感のある綺麗なピアノの音色、伊藤さんの艶やかで美しいヴァイオリンの音色、筒井さんの味わい深くしかもダイナミックなクラリネットの音色&素朴で透き通るようなリコーダーの音色、そして大山さんの全体を見渡しながらもテクニカルで躍動感のあるギターの音色、さらには星さんの奥深いチェロの音色&篠笛の音色、それら全てのアンサンブル、まさに至高のひと時でしたね。アコースティックアンサンブルの美しいハーモニーに酔ってしまいました。もっとも自分に席からは川越さんと伊藤さんがよく見えなかったもので、ほとんど筒井さんと大山さんを見ていたかも。
 次回は秋くらいにあるのかな?あるといいな!

09.5.20 早坂紗知&minga

2009-05-22 06:56:44 | ライブレポ Jazz/Fusion
◇ 2009.5.20 横浜野毛DOLPHY
<パワフルSaxサウンド>
 女性Sax奏者<早坂紗知さん>。とっても可愛らしくて綺麗で小柄な紗知さんの、その体型からは信じられないくらいのパワフルなSaxサウンドに魅了されております。そして紗知さんの夫であるベース奏者の永田利樹さんの躍動感溢れる力強いベースサウンドもすっごい好きなんですよね。さらにはコスマス・カピッツアさんのド迫力のパワフルなパーカッションと、新澤健一郎さんのテクニカルかつエレガントなピアノサウンドも見逃せません。で、今回たまにおじゃまするJAZZスポットでライブがあると知ってすぐ予約して当日を楽しみにしていました。

 さて当日。早坂紗知&mingaのライブを観るのは昨年の暮れ以来ですから半年ぶりかな。19時過ぎに仕事を終えて、会場には19時半過ぎに到着。飲み物を注文して本を読みながら開演を待ちます。
 20時頃、客席の照明が暗くなってステージが明るくなってメンバー登場!セッティングであわただしいなか紗知さんが「こんばんは、mingaです!」って元気よく挨拶を。そして落ち着いたところでメンバー紹介。それぞれに大きな拍手が送られます。
 1曲目は新曲で“パワーストーン”をモチーフに作曲されたそうで、「曲を聴くと元気になる」ってことで。タイトルは「ゴールデン・カルサイト」っておっしゃったかな?パワフルなピアノのリフからはじまって、S・Saxの力強いフレーズがなめらかに響いて。そしてラテン系のミドルテンポで爽やかなメロディが。まずはパワフルなS・Saxソロ、続いてメロディアスなピアノソロが。紗知さんは小さいマラカスで盛り上げます。ピアノはだんだんとリズミカルで力強くなって。ラストはテーマリフに戻ってFin。

 拍手に「どうもありがとうございます」ってお辞儀して応える紗知さん。2曲目はブラジルの作曲家のセザール・マリアーノさんっておっしゃったかな?紗知さんの大好きな作曲家の曲で「(奇数偶数)」っておっしゃったかな?紗知さんはMCでマイクを使われなかったので、はっきりとは聞きとれなかったっす。
 A・Saxのゆったりとしたムーディなフレーズからはじまって、そこにピアノが絡んで掛け合いのように。そして一転ミドルテンポのリズミカルな明るく楽しい感じになって。ちょっぴりほのぼのした感じも。まずはピアノソロ。エレガントな感じではじまってだんだんとパワフルに。続いてはベースソロ。躍動感あふれる力強いサウンド、かっくいいっす。ラストはA・Saxのテーマメロに戻ってfin。

 続いて3曲目は韓国の伝統的な変拍子を用いた曲で、その拍子を聴くと韓国国民はみんな興奮するとか。曲自体は20年くらい前に作られたそうですが、演奏するたびにこなれてきて進化していると。曲名は「カナビスの環」。パワフルなオリエンタル風パーカッションソロからはじまります。紗知さんはイスに座ってヒザを叩いて。新澤さんは鈴を鳴らして。そしてパワフルなピアノリフがはじまって、そこにS・Saxが加わって。アップテンポのリズミカルで情熱的な曲調に。まずはパワフルでリズミカルなピアノソロ、そしてS・Saxのリフのあと、一転スローモードになってムーディなS・Saxソロが。それが徐々にパワフルになってエネルギッシュな展開に。ラストはバンドリフとパーカッションの掛け合いで盛り上がってFin。

 「どうもありがとうございます」って紗知さん。次の4曲目はチャーリー・パーカー氏のバラード曲で「Lover man」っておっしゃったかな?ダークで力強いピアノフレーズからはじまって、A・Saxのトレモロ吹きや掛け合いも。そしてA・Saxのゆったりとしたブルージーなメロディがながれて。コスマスさんはブラシでムーディなシブい感じの演出を。途中テンポアップしてジャジーな雰囲気になってしだいに情熱的に盛り上がります。その後、くだけた感じのピアノソロや、ムードたっぷりのベースソロ、そしてラストはA・SaxのソロでFin。

 1部最後となる5曲目は子供たちのために作られたという「Children Children」。落ち着いた感じのベースソロからはじまります。パーカッションは神秘的な雰囲気を醸し出して。新澤さんはピアノ線を弾いたり、線の上にトライアングルみたいな金属を置いてチェンバロみたいな音も出したり。そしてS・Saxのパワフルなテーマリフがはいって明るく爽やかな雰囲気になり、そのままS・Saxソロへ。早吹きも織り交ぜたエネルギッシュな演奏も。続いてはピアノソロ。迷宮をさまようかのようなミステリアスな雰囲気ではじまって明るく爽やかな感じに。さらにベースと呼応して力強く波が押し寄せるかのような感じや、パーカッションと呼応して反応しあって盛り上げてめっちゃアグレッシブになり、ラストはS・SaxのパワフルなリフでFin。
 曲が終わると大拍手。「ありがとうございます」「ちょっと休憩します」って紗知さん。そしてCDの宣伝も。約50分の第1部でした。休憩中は新澤さんと紗知さんがお客さん1人1人に今後のライブ予定のビラを配ってました。

 21時半頃、客席の照明が暗く、ステージが明るくなってメンバー登場!「それでは2ndステージをはじめます」って紗知さん。
第2部最初の曲は「花吹雪」っておっしゃったかな?弓によるベースのゆったりとした幽玄な響きからはじまって、A・Saxがメロウなフレーズを奏で、ベースが掛け合いのように絡んで。そしてピアノの透明感のあるゆったりとしたメロディがながれて。なんとなく朝もやのような情景が浮かんできます。荘厳な雰囲気のベースソロ、続いては美しく清清しい感じのピアノソロが。ラストはA・Saxのゆったりとしたメロディが徐々に盛り上がっていってFin。

 続いて7曲目は「Desert Rose」。パーカッションの迫力あるパワフルなソロからはじまって、そしてアップテンポでA・Saxのパワフルなリフ、リズミカルなピアノリフが。まずはA・Saxのソロ。めっちゃパワフルでエネルギッシュなソロで超かっくいいっす!続いては躍動感あふれるベースリフにのったピアノのテクニカルなソロ。ラストはA・Saxのリフのあと再びパーカッションのパワフルで激しい叩きまくりソロが。「パーカッション、コスマス・カピッツア!」って紗知さん。大拍手です。

 「ありがとうございます」って紗知さん。続いては「静かな曲を」って、チャーリー・ヘイデンさんの曲で「ヘレン・レディ」っておっしゃったかな?ちょっと聴き取れなかったっす。S・Saxのゆったりとした哀愁ただようフレーズからはじまって、ブルージーでエモーショナルなソロが。続いてはピアノソロ。しっとりとした感じからはじまって徐々に力強くなって。そしてベースソロへ。ムーディで情感たっぷりで、そこにS・Saxもくわわってムードたっぷりに聴かせてくれます。“夜のとばり”って感じでしょうか。

 「では、最後2曲続けてお送りします」ってはじまった9曲目は「アンモナイト・セレモニー」。弓弾きベースからはじまって、S・Saxの力強いダイナミックなテーマフレーズが。とっても明るく華やかで楽しい曲ですね。まずはリズミカルなピアノソロ。途中からベースとの掛け合いも。続いてはS・Saxソロ。まるでカーニバルのようにとっても楽しくエネルギッシュに。続いて叩きまくりのパーカッションソロ。ベースとピアノのリフとの掛け合いも。ラストはS・Saxのテーマメロに戻ってFin。
 続いて本編最後の10曲目は「エグザイル」。メヌエット調のゆったりとした幽玄なS・Saxのフレーズ&ベースラインからはじまって、一転アップテンポの明るく爽やかなピアノとS・Saxのユニゾンのリフが。まずは弓弾きのベースソロ。新澤さんは♪チリンチリンって自転車のベルを鳴らして、紗知さんはトライアングルを叩いて盛り上げます。続いてピアノのミステリアスな雰囲気もあるテクニカルなリフが。それがカオス的になるも、ダイナミックに盛り上がってSaxとのユニゾンリフになり、そのままリズミカルでパワフルなピアノソロ、エネルギッシュなS・Saxソロへ。ラストは情熱的なメロに戻って盛大なエンディングへ。

 曲が終わると大拍手!「どうもありがとうございました!」って紗知さん。そしてメンバーの皆さんは立ち上がって、紗知さんが「ピアノ、新澤健一郎!」「ベース、永田利樹!」「パーカッション、コスマス・カピッツア!」「Sax早坂紗知でした」ってメンバー紹介を。そして拍手のなか一旦楽屋へ入りますが、場内はもちろんアンコールを求める手拍子が鳴り響いてます。楽屋に入りかけた新澤さんがメンバーを呼んで、皆さん再びステージに登場!拍手で迎えられます。「ありがとうございます!」って紗知さん。
 そしてはじまったオーラスアンコール曲。ピアノのアップテンポのリズミカルなリフからめっちゃ楽しくはじまります。紗知さんは最初トライアングルを叩いて、そしてS・Saxに持ち替えて爽やかかつパワフルなリフを奏でて。紗知さんは新澤さんのほうへいってパワフルなS・Saxソロを。続いてはピアノのダンサブルなソロ、そしてパーカッションのパワフルなソロが。曲の終盤で紗知さんが再びメンバー紹介。ラストはテーマメロに戻ってFin。拍手のなか「どうもありがとうございました」って紗知さん。
 時計を見ると22時30分。約1時間の2部で、計1時間50分のとっても楽しいアツいライブでした。

 GW明けの平日ド真ん中ということもあって客入りはイマイチでしたけど、その分Saxのサウンドが会場いっぱいに生音でおもいっきり響いて、素晴らしいアツい演奏を存分に堪能できました。欲を言えばもうちょっとピアノの音量を上げてほしかったかな。でもでもラテン系の明るく爽やかでノリノリの曲などたっぷり楽しめて、なんだか元気をもらったような気分になりました。

Truth and Reality 2

2009-05-20 06:54:26 | 21th J-プログレ
 人類が真剣に取り組まなければならない大きな問題である“地球温暖化”を、音楽を通して世間に訴えていくことをコンセプトに結成された<Truth and Reality>。バンド名の“Truth”は“真実”、“Reality”は“現実”、つまり地球温暖化が進行しているとういう真実。それに人類が目を向けていないという現実を意味しているそうです。
 2007年12月に1stアルバム「The Truth And Reality 1」が発表され、翌2008年にこの2ndアルバム「The Truth And Reality Ⅱ」が発表されました。今回のジャケットには空と都会の風景が描かれており、前作以上に問題提起が全面に表されているようです。
 アルバム1曲目「Metamorphosisi」。15分に及ぶ10部構成の組曲です。a).Birth, b).Crime, c).Punishment, d).The past and preset age, e).Oath, f).Malice and Sincerity, g).Messenger of Justice, h).Modern futuristic, i).Prayer, j).Conclusion, いきなりテクニカルで複雑なリズムのリフレインからはじまります。そしてパワフルでスリルとサスペンスあふれる緊張感のある雰囲気に。そして一旦落ち着いてピュアでクリアなヴォーカルが。それが徐々にパワフルに、そして歌い上げて。そしてマーチングスネアをバックにキーボードの爽やかな音色が響き、そして一転再びパワフルでテクニカルでスリリングな展開に。その後、アップテンポの明るく爽やかなフレーズがながれ、力強いヴォーカルが劇的にドラマティックに歌い上げます。一旦落ち着いたあと、ダークで幻想的な雰囲気になるも、すぐにパワフルモードになってヘヴィでアグレッシブなギターソロがたっぷりと。そしてテクニカルなリフと短いドラムソロをはさんで、一転アップテンポのファンキーで楽しい感じになって、軽快でリズミカルでパワフルなヴォーカルが。それに続いてリズミカルなオルガンソロが。ソロの後、爽やかなヴォーカルがはいって、そして再びドラマティックに歌い上げて。バックもボレロリズムで盛り上がってます。ラストは元のスリリングな変拍子リフに戻ったあと劇的にFin。
 2曲目は「Noah」。明るく爽やかでパワフルなリフからはじまり、スペーシーなシンセサウンドが。そしてアップテンポでキャッチーなメロディのギターフレーズがながれて。そしてスリリングなリフが。めっちゃかっくいい疾走感のあるスリリングなメロディアスハードのインストです。後半にはかっくいいオルガンソロや、アグレッシブなギターソロも。ネオクラシカルメタルっぽくて最高っす。
 3曲目は「Nostalgia」。ゆったりとした美しく抒情的なギターソロ曲。とてもメロディアスでドラマティック。哀愁ただよう切ないメロディ、思わず聴き入ってしまいます。
 4曲目は「Alone」。ドラムフィルからはじまって、哀愁ただようメロトロンの音色が響き、そして素朴な可愛らしいヴォーカルなしっとりとながれ、サビでは力強くドラマティックに歌い上げて。美しいバラードですね。メロトロンの響きがたまらないっす。古きよき時代のプログレを思い起こさせますね。後半にはエモーショナルでパワフルなギターソロも。
 5曲目は「Vain」。アップテンポのパワフルなピアノのリフレインからスリリングにはじまるピアノソロ曲。凄い迫力で、しかも緊張感たっぷり。Emerson級の破壊力、思わず手に汗握ってしまいます。 
 前作は全曲英語の歌詞でしたが、今回は全て日本語の歌詞なので、曲にこめられた地球温暖化のメッセージがより鮮明に、より強く聴き手に訴えかけているようです。前作同様、いやそれ以上に素晴らしい楽曲とハイレベルな演奏がたっぷりと楽しめます。ぜひとも多くの音楽ファンに聴いていただきたいっすね。いつかライブを観にいきたいっす。

Truth and Reality 1

2009-05-19 06:53:52 | 21th J-プログレ
 自分はいつもCDを買うときは音楽雑誌の広告やレビュー、そしてあちこちの音楽サイトのレビューを見て判断して購入してます(お金のあるころはよくジャケ買いとかしてましたけどねぇ。今は無理っす)。で、とあるプログレレビューサイトを見たら“名盤”と太鼓判のアルバムを見つけたんです。となるとこれはもう買わないわけにはいかないと、即バンドサイトで注文して手にいれました。それがこのバンド<Truth and Reality>の2007年12月に発表された1stアルバム「The Truth And Reality 1」です。
 <Truth and Reality>は、人類が真剣に取り組まなければならない大きな問題である“地球温暖化”を、音楽を通して世間に訴えていくことをコンセプトに、キーボードの<大久保治信さん>と、ギタリストの<池田邦人さん>が中心となって結成されました。他のメンバーはドラムス<八木一美さん>、ベース<高石真樹雄さん>、そして女性ヴォーカリスト<木瀬“Reebow”りえ子さん>。5人編成です。
 まずは綺麗な空と澄んだ海中、そして虹のラインが描かれたとっても爽やかで清涼感ただよう美しいジャケットに目を奪われます。
 アルバム1曲目は「Monica」。ゆったりとした雄大でダイナミックなサウンドからはじまります。そして伸びやかなギターの音色が広大な大地に力強くながれて。このDown to Earth感覚、最高っす!聴いていて力がみなぎってきそうです。中盤からはスケールの大きなシンセサウンドが加わって音に厚みが増してドラマティックに展開していき、鐘の音やパイプオルガン調の音色が荘厳に響いて。なんか、地球に生まれて良かった!って感じっすね。素晴らしい曲です。感動しちゃいました。
 2曲目は「Destruction and Creation」。キーボードのほんわかしたサウンドからミドルテンポではじまるけだるい感じのポップ調の曲。ヴァースは篭った感じのヴォイスで、サビではクリアでピュアなヴォーカルが。間奏ではヘヴィでアグレッシブなサウンドのギターソロが。エモーショナルでかっくいいっす。
 3曲目は「Truth and Reality」。ゆったりと抒情的なピアノのリフレインからはじまり、スローテンポの哀愁ただようダイナミックなサウンドでメロディアスに展開していきます。中盤では一旦静かになり、そしてスペーシーで幻想的な感じに。ハウリング音が響き、そして宇宙のうねりのようなサウンドが響いて。
 4曲目は「Us」。ゆったりと哀愁ただようフォーク調のサウンド&ヴォーカルからはじまります。可愛らしいソフトヴォイスのほのぼのするような優しく包み込むような感じの心休まる曲ですね。
 5曲目は「The Bringer of War」。元気よくパワフルにダイナミックにはじまるミドルテンポのかっくいいロック。この曲ではややハスキーな力強いヘヴィなヴォーカルが。サウンド的には爽やかシンセのポップ風ですけど、ヴォーカルはめっちゃパワフル。中盤の間奏ではEL&PowellのMarsみたいなフレーズが。すっげーかっくいいっす。
 6曲目は「Leave’EM Alone」。ザクザクギターリフのミドルテンポのダークなヘヴィロック調ではじまります。まずはパワフルでエモーショナルなギターソロ。そしてDPのPerfect Strangers風のリフをはさんで、ムーグソロ・オルガンソロも。メロディアスでドラマティックなインスト曲です。
 7曲目は「No Fairy Tale」。ゆったりとした素朴な雰囲気からはじまります。メロトロンの独特の響き、風情があっていいですね。それにのって歌い上げるヴォーカルもパワフルでエモーショナルで素晴らしい。叙情的でドラマティックな展開の美しいバラード。
 8曲目は「Ice Walk」。ゆったりとダイナミックなサウンドからはじまって、ミドルテンポでEmerson風のキーボードとエモーショナルなスライドギターが交互にメロディアスなフレーズを奏でて。中盤では無線通信のナレーション&ギターリフのあと、テクニカルなオルガンソロ、そしてエモーショナルなギターソロと続いて。哀愁を感じるドラマティックなインスト曲です。
 9曲目は「Lush」。テクニカルなドラム&バンドリフからはじまって、変拍子のメロディアスなリフレインが。そしてヘヴィなギターとオルガンが掛け合いのように短いソロを交互に。そしてアップテンポの疾走感のある展開になってスリリングでハードなギターソロ&ムーグソロが交互に。全編アツいバトルをたっぷり聴かせてくれます。これなんかぜひともライブで観てみたいっすね。
 10曲目は「Home」。パワフルなドラムからはじまって、ゆったりと明るくほのぼのとするような感じの心地よいポップサウンドに。跳ねるようなリズムのアコギのリフにのってソフトなヴォーカルが気持ちよくながれて。鐘の音がとっても効果的な、なんか幸せいっぱいって感じの嬉しい感じの素敵なポップソングですね。 
 コンセプトからして暗く難しい感じなのかと思いきや、ジャケットと同じくすっごく明るく爽やかでしかもさほど複雑でもなく、ハードロックサウンドやポップサウンドやバラードもある、バラエティに富んだ楽曲群でめっちゃ楽しめましたね。曲も演奏も最高っす!超素晴らしい作品です。一般に流通していないのがもったいないっす。

スパニッシュコネクション 3

2009-05-17 07:16:03 | スパニッシュコネクション
 タブラ・ヴァイオリン・ギターを操って、インドから東欧そしてスペインへのジプシーの道のりを音楽で表現するユニット<スパニッシュ・コネクション>。2001年7月に1stアルバムを、翌2002年7月に2ndアルバム「Caliente/カリエンテ」を発表。そして2003年11月には3rdアルバム「tres/トレス」を発表されます。毎年コンスタントにアルバムを発表されるって凄いっすね。
 アルバム1曲目は「Arena/熱い砂」。リズミカルなギターリフ、そしてアップテンポのタブラのリズムがはいって、そこにヴァイオリンが加わって。情熱的な躍動感あふれるダンサブルな曲です。中盤はエネルギッシュなギターソロが。終盤では美しく艶やかなヴァイオリンの音色が響いて。
 2曲目は「Jujo」。おだやかな感じのゆったりとしたギターのフレーズからはじまり、軽やかなダブラのリズムがはいって。ミドルテンポのほのぼのするような曲調ですね。のびやかでたおやかにながれるヴァイオリンの音色にもうっとりです。心地よくながれ、心安らぐ感じです。
 3曲目は「Paso a paso」。力強い音色のギターリフからはじまり、アップテンポで明るく楽しく爽やかな感じに。その後ヴァイオリンとギターのアラビアンなフレーズが。続いてはスパニッシュな力強いリフとタブラソロの掛け合いに。クラシカルで優雅な雰囲気のヴァイオリンのフレーズも。どんどん展開していく曲ですね。
 4曲目は「Angelica」。ギターのゆったりとした哀愁ただようリフレインからはじまって、ヴァイオリンの切ない音色が寂しそうにながれて。静かな叙情的な曲ですね。中盤にはエモーショナルなギターソロ、そして哀しげなヴァイオリンソロが。
 5曲目は「Salsa de soja」。リズミカルなタブラのリズムからはじまり、哀愁ただようフレーズがながれ、そしてギターソロ、テクニカルなユニゾンと続きます。中盤には力強いギターソロ、そして艶やかなヴァイオリンソロが。終盤には短いタブラソロも。ラストはダイナミックにユニゾンをキメてFin。
 6曲目は「Aroma de luna/月の香り」。幽玄な雰囲気からはじまって徐々に力強くしかもメロディアスに。緩急織り交ぜたギターの魅力たっぷりのソロ曲です。
 7曲目は「My favorite things」。JAZZの超有名なスタンダード曲ですね。パワフルでテクニカルなユニゾンからはじまって、あの馴染み深いゆったりとした綺麗なフレーズが心地よくながれて。中盤にはパワフルなギターソロ&艶やかなヴァイオリンソロが。終盤にはリフとパーカッションの掛け合いも。
 8曲目は「Violin por solea」。哀愁ただようギターソロからはじまって、そしてヴァイオリンの哀しげなフレーズがゆったりとながれて。中盤は美しいメロディがゆったりと響き、終盤にはアップテンポになってパワフルで情熱的な展開に。ヴァイオリン主体のドラマティックな曲です。
 9曲目は「Toma que」。アップテンポで躍動感たっぷりにはじまり、そしてパワフルなヴォイスタブラも。吉見さんの迫力のあるタブラソロ曲です。
 10曲目は「Anda!」。エモーショナルなギターフレーズからはじまって、アップテンポのリズミカルなリフが。ギターとタブラのバトルのような激しい応酬みたいな展開ですね。めっちゃエネルギッシュでパワフルな曲です。
 11曲目は「A lover’s concerto」。タブラのリズムと力強い楽しいコーラスからはじまります。超有名な曲ですね。原曲は優雅なワルツですが、アップテンポのダンサブルでとっても明るく楽しいアレンジに。中盤まずは軽快で爽やかなギターソロ、続いてはクラシカルで優雅なヴァイオリンソロが。艶やかで綺麗なヴァイオリンの音色にうっとりし、パワフルなコーラスにウキウキ♪しちゃいます。踊りたくなるくらいにとっても楽しくて思わず笑顔になっちゃいますね。
 今回もバラエティに富んだ楽しく激しく美しく情熱的な曲が目白押しで、しかも一般のひともなじみ深いフレーズがいくつも飛び出して。めっちゃ楽しめる素敵なアルバムですね。

スパニッシュコネクション 2

2009-05-16 07:43:10 | スパニッシュコネクション
 タブラ・ヴァイオリン・ギターを操って、インドから東欧そしてスペインへのジプシーの道のりを音楽で表現するユニット<スパニッシュ・コネクション>。2001年7月に発表された1stアルバムも大好評で、翌2002年7月にこの2ndアルバム「Caliente/カリエンテ」が発表されます。
 アルバム1曲目は「Libertango/リベルタンゴ」。ピアソラ氏の代表曲。シタールの音色のような音がかすかに聴こえてきて、そしていきなり吉見さんのヴォイスタブラが勢いよくはいって、アップテンポのテクニカルで激しいリフが。その後軽快なリズムにのってロマンティックで艶やかなメロディが心地よくながれます。中盤ではエネルギッシュなヴァイオリンソロ、ギターとのユニゾン、軽やかかつテクニカルなギターソロと続きます。ダンサブルで情熱的な曲ですね。
 2曲目は「(alegrias de) GAROTO/ガロート」。タイトルはブラジルの大作曲家の愛称で、そのガロート氏がもしもフラメンコを作曲したら?というモチーフで作曲されたそうです。アップテンポのタブラと手拍子からはじまって、ギターのメロディアスなフレーズがながれ、そこにヴァイオリンも加わって艶やかな音色を響かせて。軽快なリズムでやさしくおだやかなメロディが心地よくながれます。途中途中はいる掛け声も面白いですね。中盤まずは軽やかでテクニカルなギターソロ、続いて優雅でロマンティックなヴァイオリンソロが。軽やかで綺麗な曲ですね。
 3曲目は「Via Dolorosa/悲しみの道」。ギターソロ曲。おだやかでほのぼのとするような感じではじまり、徐々に力強い音色に。そして終盤では哀愁ただよう切なげな感じになるも、再び力強い音色に。ドラマティックな展開の曲ですね。
 4曲目は「Capricho Arade/アラビア風綺想曲」。フランシスコ・タレガ氏の代表作。アップテンポの哀愁ただようフレーズからはじまります。サウンド的にはパワフルですね。中盤は軽快で明るく爽やかな雰囲気に。そして終盤は元の力強い哀愁メロディに。
 5曲目は「Molino de Consuegra/コンスェグラの風車」。平松さんがスペインの旅で触発されて作曲されたそうです。悲しげなギターのリフレインからゆったりとはじまって、ヴァイオリンの悲しげなフレーズがしっとりとながれて。中盤からはタブラのアップテンポのリズムがはいって、ギターのテクニカルなソロが。そしてその軽快なリズムをバックにヴァイオリンの艶やかなメロディがながれて。終盤はアップテンポでパワフルに盛り上がってFin。
 6曲目は「Omoi Afurete/想いあふれて」。スペインの大作曲家イサク・アルベニスに捧げた曲だそうです。ギターの哀しげなフレーズからゆったりとはじまって、ヴァイオリンの切なげなフレーズが艶やかにながれて。そしてそれがうっとりするくらい美しいフレーズに。中盤ではギターとヴァイオリンが掛け合いやユニゾンで美しいフレーズを奏でて。ゆったりとした美しい曲です。
 7曲目は「Kriti~Zigeunerweisen/クレタ~チゴイネルワイゼン」。軽快なアップテンポでアラビアンなリフレインがリズミカルにながれます。そしてそれがハイテンポの“チゴイネルワイゼン”に。ユニゾンでテクニカルな早弾きフレーズをたっぷり聴かせてくれます。
 8曲目は「Picaro/ピカーロ」。タイトルは”いたずらっ子“という意味だそうです。ギターが軽快なテンポでポップでコミカルなフレーズを。そしてアップテンポのリズムが入ってカントリー風のとっても楽しい曲調に。中盤にはエネルギッシュなタブラソロが。途中からはヴォイスタブラも。終盤ではパワフルな掛け合いが。
 9曲目は「Thelonious/セロニアス」。ジャズ・ピアニストであるセロニアス・モンク氏がもしもフラメンコを作曲したら?というモチーフで作曲されたそうです。アップテンポのタブラのリズムからはじまって、ギターの哀愁を感じるフレーズがながれて、そこにヴァイオリンも加わって。ロマンティックなフレーズと激しいリフが交互に奏でられて。中盤では短いタブラソロのあと、エモーショナルなギターソロが。そしてリフのあとには艶やかで美しい音色のヴァイオリンソロ。ラストはパワフルにFin。ドラマティックな曲ですね。
 10曲目は「Caliente/カリエンテ」。音楽ショーのなかで世界的なフラメンコダンサーであるマリア・パペスさんが踊るシーンに触発されて作曲したそうです。タブラの軽快なフラメンコリズムではじまって、そしてギターのヴァイオリンのメロディアスなフレーズがながれて。優雅で華やかな雰囲気ですね。中盤ではリズムが止まってゆったりと抒情的な雰囲気に。ヴァイオリンとコントラバスの伸びやかで美しい音色が響き、ギターとハープの音色が花を添えて。そしてタブラとカスタネットの軽快なリズムがはいって再びフラメンコ調の情熱的なフレーズが。そしてそれが明るく爽やかで美しいフレーズに。めっちゃドラマティックです。ラストは劇的に盛り上がってFin。
 情熱的な激しい曲や、楽しい曲、そしてゆったりと美しい曲、ドラマティックな曲など通して聴いてもとっても楽しめる素敵なアルバムですね。