ひよりの音楽自己満足

自分の好きなアルバムやアーティストを紹介させていただきます。

佐藤ミツルさん ブルーミング・アローン

2017-09-10 09:58:08 | 四人囃子
 元<四人囃子>の2代目ギタリスト<佐藤ミツル>さん。佐藤さんは<四人囃子>休止後の1982年に初のソロアルバム「ブルーミング・アローン」を発表されました。しかし、なぜかこれまで全くCD化されていなかったんですね。それが2017年にやっとCD化されました。その時点では自分は気づかなかったんですが、先日某通販サイトで偶然見つけて即ポチしました。なにしろ“完全限定盤”との表記もありましたので。
 アルバム参加メンバーは、<四人囃子>の佐久間さん・岡井さん・森園さん。さらに<渡辺健さん>、<青山純さん>、<佐山雅弘さん>、<中村哲さん>、さらに<山本秀夫さん>、<渡辺モリオさん>、<古田たかしさん>、<小野田清文さん>、<難波弘之さん>。さらにはコーラスに<細坪基佳さん>、<宮永英一さん>、<都留教博さん>など、多くの著名ミュージシャンが参加されています。錚々たるメンバーに思わず唸ってしまいます。
 アルバム1曲目は「OPEN・G」。ギターがゆったりとしっとりと奏で、それが一転パワフルなドラムフィルからアップテンポの躍動感たっぷりのノリノリモードになって、リズミカルなリフがスリリングに展開し、シンセがのびやかに奏で、ダイナミックなリフが。ロックしててかっくいいっす。
 2曲目は「LIE・lie・LIE」。ギターのミドルテンポのヘヴィリフとハンドクラップからリズミカルにファンク風にはじまって、シンセがのびやかに奏で、コーラスからパワフルでリズミカルなヴォーカルがはいって、サビではのびやかに。後半にはテクニカルなギターソロが。
 3曲目は「Ho-boy」。華やかなコーラスがのびやかにながれ、爽やかなヴォーカルがはいって、サビは力強くのびやかに。後半にはギターのエモーショナルなソロが。
 4曲目は「SO・うつ」。ギターのアップテンポのヘヴィリフから明るく楽しくドライブ感たっぷりのノリノリモードではじまって、ヴォーカルがリズミカルに、サビでは力強く。さらにドラムも叩きまくって盛り上げて。後半にはアグレッシブな弾きまくりギターソロが。
 5曲目は「F・L・Y」。ギターとヴォーカルの音色が浮遊感たっぷりにゆったりと。そしてミドルテンポのリズミカルなヴォーカルがはいって、サビではコーラスとともに力強く盛り上がって。その後ギターのエモーショナルで爽やかなソロが。終盤ではヘヴィリフと力強いヴォーカルから盛り上がって。そして静かになって、ゆったりと浮遊感たっぷりに。ラストはコーラスがながれるなか、エモーショナルなギターソロが。
 6曲目は「To Mid Town」。ギターのQueen風のオーケストレーションサウンドがゆったりと荘厳に、そしてダイナミックにながれて。1:40の小曲です。
 7曲目は「I came From…」。シンセのオケサウンドがゆったりと荘厳に、そしてダイナミックにながれて。1:40の小曲です。
 8曲目は「STRAP」。ギターのQueen風オーケストレーションサウンドとコーラスからゆったりとはじまって、アップテンポのリズムがはいってギターとヴォーカルがリズミカルに。中盤ではギターのヘヴィサウンドのテクニカルなソロが。終盤では再びギターのオケサウンドが壮大にながれ、ギターがうねって。
 9曲目は「アンド・END」。アップテンポのリズムからダンサブルにはじまって、ヴォーカルがのびやかに爽やかに。中盤ではギターのエモーショナルなソロ、終盤にはギターのテクニカルなソロが。
 10曲目は「Blooming Alone」。ギターのヘヴィリフからアップテンポのノリノリのドライブモードではじまって、リズミカルなヴォーカルがはいって。めっちゃROCKしてますね。後半ギターソロでは、序盤はゆったりとうねりまくってエモーショナルに。その後テクニカルに弾きまくって。
 11曲目は「By the Sea」。ミドルテンポのピアノリフからしっとりとしたヴォーカルがはいって、ドラマティックに盛り上がって。バラード調ですね。後半にはエモーショナルなギターソロが。
 12曲目は「COSED・G」。ギターとシンセがゆったりとしっとりと幽玄に奏でて。後半はギターののびやかでエモーショナルなソロが。
 これほど聴き応えのある素晴らしいアルバムがなぜいままでCD化されなかったのか、まったくもって不思議でなりません。実際に聴くまではテクノっぽい感じなのかなって思っていたのですが、基調はPOPSながらも想像以上にROCKしていてヘヴィに弾きまくっていてビックリ!さらにQueen風ギターサウンドや、ゆったりしっとりした曲もあって、そして聴きどころも満載で何度でも聴きたくなる感じがしました。現在の佐藤さんの状況は確認しておりませんが、ソロアルバムがこの1枚だけだったとしたら、もったいないっす。次作期待したいっす。

茂木由多加さん フライト・インフォメーション

2017-09-01 23:08:22 | 四人囃子
 先日、いつものようにツイを見ていたところ、ななんと<四人囃子>や幅広い音楽ジャンルで活躍されたキーボード奏者<茂木由多加さん>の、これまでCD化されていなかった2ndアルバムが発売されるとの情報が!もう超ビックリ!78年発表の1stアルバムはCD化されて、以前にこちらでも紹介させていただきましたが、80年発表の2ndアルバムがその時点ではCD化されていなくて、非常に残念な思いをしましたが、これはほんと嬉しいっす!もちろん即ポチっとしました。
 2ndアルバム「フライト・インフォメーション」。スペーシーかつ近未来的でテクノチックなジャケットで、どんなサウンドか想像するのが楽しくなります。参加メンバーは、ドラムス<岡井大二さん>、ギター・ベース<佐久間正英さん>の<四人囃子>の盟友お二方が脇を固めています。
 アルバム1曲目は「異常接近(ニアミス)」。アップテンポで華々しくはじまって、躍動感たっぷりのノリノリモードで楽しくスリリングに、宇宙を猛スピードで駆け巡っているかのようです。中盤ではヴォコーダーでのナレーションがはいって、その後パワフルなタムドラムがはいってより躍動的になり、ギターがうねって。そこかしこに入るベースのフィルが曲を盛り上げてますね。
 2曲目は「フライト・インフォメーション」。アップテンポのノリノリモードで、まるでサンバのように思わず笑顔になってしまうくらいに明るく楽しく、ダンサブルに。後半ではドラムが叩きまくって盛り上げて。
 3曲目は「パーキング・エリア」。ピアノがミドルテンポでゆったりとムーディにながれ、クリスタルサウンドが甘くメロウに響いて。まるで恋人同士が寄り添っているかのように。後半のブレイクのあとはスペーシー感も加わって深みを増して。
 4曲目は「ベルサイユ」。前曲に続いてピアノがしっとりとムーディに響いて。
 5曲目は「トワイライト・ゾーン」。パワフルなタムドラムから躍動感たっぷりにはじまって、ミドルテンポでファンキーな感じのなか、ギターがうねり、ピアノがリズミカルに、そしてミステリアスな感じに。後半にはギターソロがたっぷりと。
 6曲目は「テルスター」。往年の名曲のカバーです。アップテンポのノリノリモードで明るく楽しく、かつスペーシーにはじまって。躍動感たっぷりのパワフルなドラムにのって、オルガンがのびやかにながれ、ギターものびやかに爽やかに奏でて。後半はドラムが叩きまくってより盛り上げて。
 7曲目は「オーロラ」。電磁波ノイズ風の音がながれるなか、ミドルテンポのリズムが静かにはいって、ピアノがミステリアスに響き、低音のシンセサウンドがのびやかに。まさしくオーロラをみているかのような神秘的な曲ですね。
 8曲目は「ドイツ・イデオロギー」。アップテンポのリズミカルなテクノリズムがダンサブルにながれ、オルガンがのびやかに爽やかに。そしてギターのヘヴィリフがはいって、そこからギターのうねりまくるソロが。終盤にはシンセのアグレッシブなソロが。
 9曲目は「スカイ・ラブ」。ミドルテンポの静かなリズムが奥深くながれ、ピアノのフィルが綺麗に響いて。そしてピアノがしっとりと奏で、ギターがゆったりとほのぼのと奏で、シンセものびやかに奏でて、ドラマティックに盛り上がって。終盤では静かになって、ピアノが綺麗に響き、ギターがのびやかに。当時のFM放送の「クロスオーバーイレブン」のオープニングとエンディングに使われたそうです。
 10曲目は「ベルサイユ<リマインド>」。ピアノのゆったりとしっとりとしたドラマティックなフレーズが繰り返されて、徐々に徐々に静かにフェードアウトして。
 これほどの素晴らしいアルバムがなぜいままでCD化されなかったのか、本当に不思議でなりません。とっても明るく楽しく躍動感たっぷりのノリノリ曲や、しっとりとムーディかつほのぼのした心温まる曲など、アルバム通して楽しませてくれますね。茂木さん・佐久間さんが天国へ旅立ってしまったのが残念でなりません。

森園勝敏さん with BIRD’S EYE VIEW  ESCAPE

2016-02-27 20:13:12 | 四人囃子
 70年代の日本プログレッシブロックの礎を築いた、ともいえる<四人囃子>。そして和田アキラ師匠率いるフュージョンブームの先駆け<PRISM>でも活躍のギタリスト<森園勝敏さん>。78年に初のソロアルアルバム「BAD ANIMA」を発表し、好評を得て2ndソロアルバム「Cool Alley」を翌79年に発表。そして1980年にはソロアルバム2枚に参加されたミュージシャンを元に自身のバンド<森園勝敏 with BIRD’S EYE VIEW>を結成されます。メンバーはキーボード<中村哲さん>、ベース<秋元良一さん>、ドラムス<相良宗男さん>、パーカッション<マック鈴木さん>、この5人が基本メンバーだったそうです。ちなみにバンド名の“BIRD’S EYE VIEW”とは、江戸時代に日本地図を作り上げた伊能忠敬さんの話をしているときに“鳥みたいに空を飛べたら地図なんてすぐに出来ただろう”って話からこのバンド名が思いついたんだとか。そしてこの年にバンドとしてのデビューアルバム「エスケイプ」を発表されます。
 アルバム1曲目は「The Cadillac Kid」。次々と車が行きかう道路の音やクラクションの音からはじまって、ミドルテンポのリズミカルなリフからダイナミックなリフがはいって、ギターとキーボードがユニゾンでのびやかに奏でて。その後シンセの幻想的かつテクニカルなソロが。中盤ではキーボードとSaxがユニゾンでのびやかに奏で、そこからソフトトーンのギターソロへ。序盤はエモーショナルに、それが徐々にテクニカルに。終盤ではアップテンポのSWINGモードになってジャジーな感じのテクニカルなギターソロが。
 2曲目は「Bathyscaphe」。ミドルテンポのリズミカルなリフからファンキーな感じではじまって、ブレイク&叩きまくりドラムがはいってダイナミックなリフが。そしてギターのパワフルでテクニカルなソロ、シンセのテクニカルなソロと続いて、ブレイク&叩きまくりドラム。中盤ではSaxのテクニカルなソロが。そしてダイナミックなリフと叩きまくりドラムが。終盤ではパワフルなドラムフィルからベースのテクニカルなソロ、続いてパーカッションのソロが。
 3曲目は「Some Kind Of Love」。ミドルテンポのゆったりしたリフからはじまって、アップテンポのノリノリモードになって、爽やかなヴォーカルがはいって。そしてダイナミックなリフからギターのパワフルでテクニカルなソロが。終盤ではパワフルなリフとギターのテクニカルなフィルからのびやかなヴォーカルがはいって、ダイナミックなリフからラストはSaxソロが。
 4曲目は「Blue Funk」。アップテンポでファンキーにリズミカルにはじまって、ギターとキーボードの爽やかリフがながれ、ダイナミックなブラスリフが。その後ギターのテクニカルなソロが。中盤ではダイナミックなリフからドラムが叩きまくり、そこにSaxがはいって吹きまくり、ドラムとSaxのアツいソロバトルで盛り上がって。終盤ではノリノリのファンキーなリフからシンセソロへ。
 5曲目は「Untitled Love Song」。ミドルテンポのリズミカルなリフからはじまって、ギターがのびやかに奏で、リズミカルなヴォーカルがはいって。そしてキーボードの綺麗な音色が響き、女性コーラスがのびやかに幻想的にながれて。その後ギターのエモーショナルかつテクニカルなソロが。終盤では女性コーラスがゆったりとながれ、ギターフィルからSaxソロへ。
 6曲目は「Night Bird」。ゆったりとしたピアノとギターからはじまって、ギターとキーボードがムーディにアダルティに奏で、Saxフィルからギターのソフトトーンの甘くエモーショナルなソロが。
 爽やかなフュージョン感覚でありながらも、テクニカルに弾きまくり吹きまくり叩きまくりもあれば、POPな面やファンキーな面もあり、さらにムーディーにと全6曲ながらも楽しませてくれる素敵なアルバムですね。 

四人囃子 NEO-N

2010-12-20 23:22:18 | 四人囃子
 時代と共に進化していく<四人囃子>。77年に「PRINTED JELLY」、78年に「包/bao」とコンスタントに作品を発表し、そして79年にこのアルバム「NEO-N」を発表します。が、坂下さんが脱退され、キーボードには以前ちょこっと在籍された<茂木由多加さん>が参加されています。
 このアルバムが発表されたのはレコード時代ということもあり、A面が「NEGATIVE FACE」、B面が「COLOR FACE」と題されています。
 A面「NEGATIVE FACE」、1曲目は「NOCTO-VISION FOR YOU」。綺麗なクリスタルサウンドが鳴り響き、そしてとっても楽しいマーチ風のリフがながれ、力強いヴォーカルがパワフルな変拍子リフと共に。プログレ風テクノポップって感じでしょうか。聴いていると、勇気が湧いて力がみなぎってくるかのようです。
 2曲目は「NAMELESS」。ダークで力強いリフからミドルテンポではじまって、テクノサウンドも交えながらパワフルにスリリングに展開していきます。中盤ではスペーシーで幻想的な感じになり、そして元のフレーズに戻って。この時代のYMOっぽいテクノサウンドのインスト曲ですね。
 3曲目は「NERVOUS NARRATION」。アップテンポのパワフルなリフからスリリングにはじまって、迫力のある力強いヴォーカルがはいって。かっくいいハード気味のポップロックですね。間奏ではパワフルな変拍子リフからリコーダーソロもちょこっと。そしてアヴァンギャルドでアグレッシブなギターソロとシンセソロの掛け合いも。
 4曲目は「NOTION-NOISE」。パワフルでダイナミックなリフからはじまってミドルテンポでゆったりとしたリフがながれて。目の前に広大な景色が広がるかのような曲調です。中盤ではバンドリフとドラムソロの掛け合い、そしてテクニカルなユニゾンも。爽やかかつどっしりとした感じのインスト曲ですね。 
 B面「COLOR FACE」となる5曲目は「9th NIGHT」。ダイナミックなリフからパワフルにはじまって、力強いミドルテンポでスペーシーなサウンドが響き、落ち着いた感じのヴォーカルがはいって。後半では力強いリフとヴォーカルがパワフルに響き、一歩一歩大地を踏みしめるかのようなサウンドに。
 6曲目は「NEO POLIS」。アップテンポのとっても明るく楽しいポップサウンドが響き、爽やかなヴォーカルがながれて。中盤ではシンセの爽やかで澄んだ綺麗なサウンドがながれて。聴いていて思わず笑顔になって身体でリズムをとってしまうような気持ちいい曲ですね。
 7曲目は「NILE GREEN」。哀愁ただようギターサウンドからゆったりと叙情的にはじまって。伸びやかなギターサウンドとリコーダーの素朴な音色が郷愁を感じさせます。後半には情感たっぷりのギターソロが。しっとりとしたインスト曲です。
 8曲目は「N・P・K」。ガムランのような神秘的な音色かたはじまって、そしてパワフルなリフがはいって。その後一転ゆったりとした哀愁ただようフレーズがながれ、そして再びパワフルなリフがはいって、そこに力強いヴォーカルが乗って。中盤ではアップテンポになって爽やかなサウンドがながれるも、再びゆったりとした哀愁ただようフレーズが。4分半と短いながらも複雑な展開、久々に“プログレ”を感じる曲ですね。
 9曲目は「♮ (NATURAL)」。ゆったりと幻想的なサウンドが抒情的にながれ、そしてミドルテンポのパワフルなリフがはいってヴォコーダーサウンドのヴォーカルが。サビはメロディアスに盛り上がっていきます。壮大かつとってもドラマティックな曲ですね。
 10曲目は「NEO NATURE∴450」。前曲の早廻しサウンド風のリプライズ的な50秒の小曲です。 
 このアルバムを最後にバンドは解散してしまいます。そして佐久間さんはテクノポップバンド<プラスチックス>で成功をおさめ、その後プロデューサーとしても大活躍。岡井さんもプロデューサーとしても活躍され、他メンバーもそれぞれ音楽界で活躍されます。
 89年には佐久間さん・岡井さん・坂下さんのお3方で再結成され、アルバム「DANCE」を発表。そして佐藤さん・森園さんを迎えてライブを行い、そのライブを収録したアルバム「LIVE FULLHOUSE MATINEE」も発表されます。
 2002年には森園さん・岡井さん・佐久間さん・坂下さんの2期メンバーでライブが行われ、そのライブもアルバムで発表されます。そして茂木由多加さんが天国へ旅立ってしまうという悲しい知らせも。
 2008年にはついに復活宣言されて不定期ながらもライブが行われています。

四人囃子 包

2010-12-17 06:20:48 | 四人囃子
 ギター&ヴォーカルに<佐藤満さん>を迎えて再出発し、77年にアルバム「PRINTED JELLY」を発表した新生<四人囃子>。78年には早くも次のアルバム「包/bao」を発表します。中国語(?)のタイトルの通りというか、ジャケットは万里の長城が描かれているようですが・・・よく見るとこれってPAが積み上げられているんですね。表が夜明け間近で、裏が朝の風景でしょうか。複雑なプログレ風路線からストレートなロック&ポップス風に近寄ったサウンド、今回も楽しみです。
 アルバム1曲目は「眠たそうな朝には」。佐久間さん作曲です。ダイナミックかつ爽やかなリフからアップテンポのノリのいいビートではじまって、爽快感たっぷりのヴォーカルがはいって。とっても楽しく爽やかなポップスですね。でもそういう曲ながらもドラムは複雑に叩きまくってます。間奏ではシンセの清清しいフレーズからリズミカルなピアノソロ、そしてエモーショナルなモーグソロと続いて。2ndヴァース後の間奏では掛け合いのようなアグレッシブなギターソロがたっぷりと。
 2曲目は「君はeasy」。岡井さん作曲です。ミドルテンポのパワフルなリフからはじまって、躍動感のあるビートにのってやや落ち着いた感じのヴォーカルがはいって。パワフルながら心地のよいポップスですね。間奏ではエモーショナルなギターソロが。
 3曲目は「Sweet Lover Song」。坂下さん作曲です。ドラムとハンドクラップからはじまってミドルテンポで爽やかなポップサウンドが広がって。ヴォーカルは坂下さんかな?爽やかで楽しいサマーポップスって感じですね。間奏ではピアノリフをバックに清清しいハーモニーのギターソロが。
 4曲目は「ビギニング」。佐藤さん作曲です。ミドルテンポの多重ギターリフからしっとりとはじまって、哀愁ただようヴォーカルがゆったりとながれて。間奏ではエモーショナルなモーグソロが。しっとりとしたアダルティな曲ですね。終盤にはテクニカルなギターソロも。
 5曲目は「MONOGOLOID-TREK」。佐藤さん作曲です。激しいドラムソロからダイナミックにはじまって、そしてアップテンポの跳ねるようなシャッフルリズムでややけだるい感じのギターリフがはいって。中盤ではパワフルな変拍子リフ、そして終盤ではバンドリフとパーカッションソロの掛け合いも。テクニカルな短いインスト曲です。
 6曲目は「機械じかけのラム」。佐久間さん作曲です。シロホン風のキーボードリフからアップテンポではじまってダイナミックなリフが。そしてパワフルでスリリングな曲調になって力強いヴォーカルがはいって。間奏ではバンドリフとパーカッションの掛け合いからモーグのうねりまくるサウンドをバックにアグレッシブなギターソロが。
 7曲目は「モロッカン ダミーズ」。佐久間さん作曲です。哀愁漂うストリングスオーケストラのゆったりとした荘厳な室内楽曲。中盤からはそこに隠し味的にエレクトリックサウンドが加わって。2分強の短いインストです。
 8曲目は「ファランドールみたいに」。坂下さん作曲です。ゆったりとほのぼのした感じの心地よいフレーズからはじまって、しっとりとしたヴォーカルがおだやかにながれて。間奏ではエモーショナルかつテクニカルなギターソロ、続いて軽快でジャジーなピアノソロが。バックのベースラインもJAZZしていてかっくいいっす。ラストではテクニカルなピアノリフをバックに伸びやかなサウンドのギターフレーズがながれてフェードイン。
 9曲目は「クリスタル ボム」。佐久間さん作曲です。アップテンポのパワフルできらびやかなシンセリフからはじまって爽やかで力強いヴォーカルがはいって。とっても明るく楽しいポップロックですね。間奏ではテクニカルなギターソロとモーグソロの掛け合いが。後のテクノポップの先駆けですね。
 10曲目は「Vuoren Huippu」。岡井さん作曲です。パワフルでダイナミックなリフから華々しく盛大にはじまって、アップテンポのシャッフルビートで明るく楽しい曲調に。“カーニバルがやってくる”みたいな感じでしょうか。どんどん展開していくのかと思いきや2分ちょっとでおしまい。アルバムのエンディング曲なのにオープニングみないな感じの曲ですね。続きがあるならばもっと聴きたいっす。 
 今回は長くても5分半というコンパクトな作品でまとめられていて、前作以上にポップ寄りになり、テクノ風エレクトリックサウンドがより多く取り入れられて、進化したサウンドが楽しめますね。

四人囃子 Printed Jelly

2010-12-14 21:03:32 | 四人囃子
 1974年、アルバム「一触即発」で日本ロック界に大きな衝撃を与え、そのハイレベルな演奏力とオリジナリティ溢れる楽曲で人気を博した、日本を代表するロックバンド<四人囃子>。75年にはこれまた名盤の誉れ高い2ndアルバム「ゴールデン・ピクニックス」を発表するも、なんと中心人物であるギタリスト<森園勝敏さん>が脱退してしまいます。存続の危機に見舞われたバンドですが、札幌で活躍していたギター&ヴォーカルの<佐藤満さん>を迎えて活動を再開。そして77年8月に新たな出発となるアルバム「PRINTED JELLY」を発表します。ひとつグニャリと曲がって崩れてしまったJELLYの、カラフルで綺麗ながらもどこか意味深なジャケットです。あらためて、メンバーはドラムス<岡井大二さん>、キーボード<坂下秀実さん>、ベース&ヴォーカル<佐久間正英さん>、そして佐藤さんの4人編成です。ライナーノーツによると、岡井さんは“よりシンプルにストレートに伝わる音創りをして行こうしている”と。
 アルバム1曲目は「ハレソラ」。パワフルでダイナミックなリフにマンドリンの爽やかな音色が加わってすっごく新鮮で晴れ晴れしたオープニングですね。素晴らしい!ヴァースに入ってミドルテンポではじまるも途中アップテンポになって。佐藤さんの力強くしかも味わいのあるヴォーカル、いい感じですねぇ。とってもポップなヴァースです、がギターはヘヴィサウンドで音に厚みがありますね。間奏まずはカラフルなキーボードソロ。そしてロックンロールギターリフから再びヴァースへ。次の感想ではミドルテンポのファンキービートにのって左右ギターの掛け合いソロが。バックではベースが力強くうねってめっちゃかっくいいっす。ラストはドラムも叩きまくりで盛り上がって。
 2曲目は「昼下がりの熱い日」。伸びやかでムーディなギターフレーズからミドルテンポでゆったりとはじまって、メロウなヴォーカルがはいって。爽やかながらしっとりとした感じで心地いいっす。間奏まずはメロディアスなギターソロが。途中からギター2本になって美しいハーモニーを聴かせてくれます。ヴァースの後の間奏は伸びやかで清清しいシンセのフレーズがながれ、そしてギターがアグレッシブに弾きまくって。ドラマティックでステキな曲ですね。
 3曲目は「シテール」。しっとりとしたアコースティックギターのリフから哀愁たっぷりにはじまって、ゆったりとしたヴォーカルが叙情的にながれて。佐藤さんの歌、しみじみと伝わってきますね。間奏まずは郷愁ただようリコーダーソロが。ヴァース後の間奏は泣きの情感たっぷりのギターソロが。
 4曲目は「N・Y・C・R・R・M」。アグレッシブなドラムからアップテンポでスリリングにはじまって、いきなりテクニカルなモーグソロが。そしてドライブ感たっぷりのビートにのって爽やかなヴォーカルが。サビではパワフルに。間奏まずはアップテンポでシンセソロ、続いてミドルテンポでベースソロ。そしてアップテンポに戻って力強いベースラインをバックにアグレッシブなギターソロが。中盤短いドラムソロのあとテクニカルなモーグソロがちょこっと。四人囃子では珍しい典型的なハードロックスタイル、意外ですけどかっくいいっす。ラストもギター&シンセ弾きまくりでFin。
 5曲目は「気まぐれの目かくし」。パワフルにはじまるも、ヴァースはしっとりと落ち着いた感じで。味のあるヴォーカル、いいですねぇ。間奏まずはメロウなギターアルペジオからはじまって伸びやかでエモーショナルなモーグソロが。続いてはメロウでテクニカルなギターソロ。あの時代のニューミュージックタイプの曲ですが、他より遥かにハイレベルですね。
 6曲目は「ヴァイオレット・ストーム」。9分の大曲です。アコースティックギターのゆったりとしたリフからフェードインしてきて、けだるい感じのヴォーカルがしっとりとながれて。そしてサビでは歌い上げてドラマティックに盛り上がって。間奏まずは伸びやかなシンセサウンドが雄大にながれ、そしてスネアがボレロリズムを刻んで、ダイナミックなリフへ。再びしっとりとしたヴァースに戻って、そしてサビで華やかに盛り上がり、ボレロリズムで盛大なフィナーレを迎えます。
 これまでの作品のような複雑な構成や変拍子はあまりなく、たしかにストレートで分かりやすい曲が多いですね。よりプログレッシブな曲がお好みの方々には物足りないかもしれません。しかしながらとっても楽しい爽やかな曲からはじまって、メロウな曲やしっとりとした曲、そしてドラマティックな曲などどれも非常に完成度の高い素敵なアルバムですね。佐藤さんのヴォーカル、力強くしかも独特の味わいがあり、ギターはテクニカルでヘヴィでかっくいいっす。森園さんとは異なるスタイルながら、いいサウンドを聴かせてくれてます。

森園勝敏さん Downforce

2009-09-19 09:04:57 | 四人囃子
 70年代にプログレバンド<四人囃子>、そしてフュージョンバンド<PRISM>で活躍され、その後はソロで、そしてセッション等で音楽界で幅広く活躍されているギタリスト<森園勝敏さん>。1989年には<四人囃子>の再結成ライブに参加されたそうで。そして91年にイタリア空軍のアクロバット飛行チーム“フレッチェ・トリコローリ”のドキュメンタリービデオのサウンドトラックアルバム「DOWNFORCE」を発表されます。このアルバムで作曲その他全面的に協力されたのが<四人囃子>の元メンバーの故<茂木由多可さん>です。さらにはスーパーバイザーとして<四人囃子>のドラマー<岡井大二さん>が協力され、そして2曲のベースを同じく<四人囃子>の<佐久間正英さん>が演奏されるという<四人囃子>ファンには感涙モノのアルバムです。
 アルバム1曲目は「JET」。シンセのシークエンスとヘヴィなギターリフからはじまるアップテンポのノリノリの爽快感たっぷりのかっちょいいハードロック。
 2曲目は「one of these MAGNETIC」。ミドルテンポのシャッフルっぽいリズムからはじまるヨコノリの壮大なスペーシーロック。中盤はスネアのボレロリズムでパワフルに。
 3曲目は「WONDERFUL」。アップテンポのファンキーなリズムでトロピカルで楽しくはじまる軽快なフュージョンロック。時折オーバードライブしたパワフルなヘヴィギターリフがはいって。
 4曲目は「LUNATIC」。美しい幻想的なコーラスのようなサウンドからゆったりとはじまるスペーシーでファンタジックな曲。そこにエモーショナルなハードギターサウンドがはいって。バックのベースラインもいい味だしてますね。
 5曲目は「WARNING」。パワフルなドラムからはじまるミドルテンポのヘヴィロック。中盤はファンキーリズムで。ハードなギターサウンドをたっぷり楽しめます。
 6曲目は「MAGNETIC」。ミドルテンポの跳ねるようなリズムのベースリフからはじまり、スペーシーで幻想的な雰囲気がただよって。その中をナチュラルトーンのギターサウンドが泳ぐようにながれて。
 7曲目は「HARU NO ARASHI」。ゆったりとしたスペーシーなシンセサウンドがながれ、そして透明感のあるメロウなギターフレーズが心地よく響いて。しっとりとした抒情的な雰囲気ですね。中盤からはエモーショナルな泣きのギターソロが。とってもドラマティックな曲です。
 8曲目は「timeless」。ベース音からゆったりとはじまって、メロウなギターサウンドが静かにながれて。なにか神秘的な雰囲気ですね。
 9曲目は「SUPERSONIC LINE」。幻想的なシンセリフからゆったりとはじまって、ギターのメロディアスなフレーズがたおやかにながれて。とってもファンタジックでドラマティックな曲です。 
 “ロック・ギタリスト”森園さんのテクニカルでパワフルでかっちょいいギターサウンドがたっぷりと楽しめ、さらには故・茂木さんのポップ&スペーシーサウンドもたっぷり堪能できる素敵なアルバムです。

森園勝敏さん spirits

2009-09-17 08:09:25 | 四人囃子
 70年代の日本プログレッシブロックの礎を築いた、ともいえる<四人囃子>。そして和田アキラ師匠率いるフュージョンブームの先駆け<PRISM>でも活躍のギタリスト<森園勝敏さん>。78年に初のソロアルアルバム「BAD ANIMA」を発表し、好評を得て2ndソロアルバム「Cool Alley」を翌79年に発表。そして1980年にはソロアルバム2枚に参加されたミュージシャンを元に自身のバンド<森園勝敏 with BIRD’S EYE VIEW>を結成されます。メンバーはキーボード<中村哲さん>、ベース<秋元良一さん>、ドラムス<相良宗男さん>、パーカッション<マック鈴木さん>、この5人が基本メンバーだったそうです。ちなみにバンド名の“BIRD’S EYE VIEW”とは、江戸時代に日本地図を作り上げた伊能忠敬さんの話をしているときに“鳥みたいに空を飛べたら地図なんてすぐに出来ただろう”って話からこのバンド名が思いついたんだとか。そしてこの年にバンドとしてのデビューアルバム「エスケイプ」を発表され、翌81年に2枚目となるこのアルバム「スピリッツ/Spirits」が発表されます。収録曲は全て森園さんのオリジナル曲だそうです。愛嬌のあるジャケット、さわやかでいい感じですねぇ。
 アルバム1曲目は「Give It Uo Love/恋にお手上げ」。アップテンポのとっても明るく爽やかで軽快なポップロック。パワフルでメロウなハイトーンヴォーカルもいいですねぇ。間奏はテクニカルなドラムをバックにエモーショナルなギターソロを展開。
 2曲目は「Nothing Could Ever Change Your Mind/とどかぬ想い」。ミドルテンポの力強いビートではじまるメロウなポップロック。ちょっぴり哀愁を感じる味のあるヴォーカルを聴かせてくれます。間奏でもメロディアスなギターソロが。
 3曲目は「Shining Dawn…Yesterday’s Dream/昨夜の夢」。アップテンポの心地いいリズムではじまる爽やかでメロディアスなインストロック。中盤からはリズムが止まって幻想的な雰囲気になってエモーショナルなギターソロが。
 4曲目は「Night Lights」。アップテンポながらもちょっと落ち着いた雰囲気のアダルティなインスト。ギターとSaxがユニゾンでリフを奏で、そしてギターのナチュラルトーンの甘い音色が響いて。その後Saxのエモーショナルなソロ、そしてギターソロと続きます。終盤はギターがメロウなフレーズを、そしてSaxが情熱的なソロを。
 5曲目は「Imagery」。カリンバの神秘的な音色からはじまって、そこにアップテンポのアフリカンなパーカッションリズムがはいって。さらには風の吹く音やベースのパワフルなフィルも。民族音楽のような、アヴァンギャルドっぽい曲ですね。
 6曲目は「Strikin’」。アップテンポの力強いリフからはじまるパワフルでファンキーで楽しく爽やかなインストロック。中盤にはテクニカルでハードなギターソロ、リフを挟んでエモーショナルなSaxソロが。終盤にはパワフルかつテクニカルなベースソロ。ラストはエモーショナルなスライドギターソロが。
 7曲目は「Moon Gazer」。チャイナ風のミドルテンポのキーボードのフレーズから異国情緒たっぷりにはじまって、ギターもオリエンタル風のフレーズを奏でて。ラテン&チャイナの明るく楽しい面白い曲ですね。
 8曲目は「Love In A CAN」。パワフルなピアノリフからはじまるアップテンポの軽やかで爽やかなポップロック。軽快なヴォーカル、かっくいいっす。トロピカルなトーンのギターソロもいいですねぇ。 
 明るく楽しく爽やかなフュージョン&ロックがたっぷりと楽しめ、さらにバラエティに富んだ曲も楽しめる素敵なアルバムですね。しかし残念なことに<BIRD’S EYE VIEW>はこのアルバムを最後に解散してしまいます。その後、森園さんはソロで、そしてセッションギタリストとしても多方面で活躍されます。

森園勝敏さん Bad Anima

2009-09-15 07:51:37 | 四人囃子
 日本プログレッシブロックの礎を築いた、ともいえるバンド<四人囃子>。その創始者であり、オリジナルギタリストである<森園勝敏さん>。森園さんは小学校5年生ころにベンチャーズに影響されてロックを聴くようになり、中学のときにエレキはまだ高額だったのでまずフォークギターをバイトして購入し、ひたすら練習されたそうです。そして近所のエレキギターを持ってる人に貸してもらってエレキも練習されたとか。そのうち音楽仲間と知り合ってバンドも始めたそうです。高校になるとそのバンド仲間とは別の高校になってしまったそうですが、その仲間からのちに一緒に<四人囃子>を結成することになるドラマー<岡井大二さん>と知り合って、そこから発展して晴れてバンド結成となったそうです。まずは1973年に映画サントラの「二十歳の地図」、そして74年には「一触即発」を、76年には「ゴールデン・ピクニックス」というプログレ史に残る名盤を発表されます。が、その後脱退し、和田アキラ師匠率いる<PRISM>に参加されます。そして78年に脱退されるまでにアルバムを3枚発表されます。
 今回紹介させていただくのは1978年に発表された森園さん初のソロアルバム「BAD ANIMA」です。タイトルの“ANIMA”とはラテン語で“生命、魂”を意味するそうです。いまでいう“フュージョン”がブームになりつつあるとき、森園さんはこれまでの音楽経験を踏まえて独自のサウンドを追求しはじめた、それがその最初の一歩となるこのアルバム「BAD ANIMA」ですね。参加メンバーはキーボードがPRISMの盟友<久米大作さん><伊藤幸毅さん>、ベースが<秋元良一さん>と<小原礼さん>、ドラムスが<相良宗男さん>と<村上秀一さん>、パーカッションが<マック鈴木さん>、Saxが<白尾泰久さん>と<中村哲さん>、ホーンセクションが<新田一郎さん>と<兼崎順一さん>です。
 アルバム1曲目は「Dear Harvey」。久米さんの作曲だそうです。ミドルテンポのピアノリフからはじまる、ゆったりとした爽やかでほのぼのとするような曲。心地よいギターのナチュラルトーンの音色のなかに時折はいるホーンセクションのパワフルなリフ、絶妙ですね。中盤にはクリスタルな感じのキーボードソロ、そしてトランペットのパワフルなソロも。そしてSaxとギターの掛け合いも。海にプカプカ浮かんでいるかのような心地よい揺れ心地が感じられますね。
 2曲目は「You’ll Stay In My Heart」。イギリスのキーボード奏者ブライアン・オーガーさんが1974年に発表されたアルバムに収録されている曲だそうです。ベースのパワフルなリフからはじまって、ミドルテンポでポップでさわやかなヴォーカルがはいって。ソフトで心地よい曲ですね。間奏ではT・Saxの味わい深い音色のソロが。
 3曲目は「Dark Side Of The Fish/魚の裏側」。リズミカルなピアノリフとベースのフィルからミステリアスな雰囲気ではじまって、ミドルテンポのパワフルでファンキーなリフがはいって。そしてギターの力強いフレーズも。ラテン系の汗がほとばしるかのようなアツくパワフルな曲ですね。終盤にはアグレッシブなギターソロも。
 4曲目は「Midnight Walts」。ゆったりとしたムーディな曲。夕暮れの海辺で寄り添っているカップル、といった光景が目に浮かんできそうです。
 5曲目は「High Tide」。ラテンパーカッションから軽快にはじまってリフとSaxの掛け合いが。ノリノリの心ウキウキしてくるようなリズムで楽しく展開していきます。そのリズムにのってアヴァンギャルドなギターソロ、そして軽やかなキーボードソロ、さらにはパワフルなSaxソロ、華やかなムーグソロと続き、それが繰り返されます。アツいソロバトル、かっくいいっす。中盤ではテンポダウンしてゆったりとムーディな雰囲気になり、ベースソロやエモーショナルな泣きのギターソロも。それが徐々にテクニカルにアグレッシブに。終盤には情熱的なSaxソロも。
 6曲目は「Space Traveller」。ギタリストであるジェイムズ・ヴィンセントさんの曲だそうです。ミドルテンポでアダルティな雰囲気ではじまり、ソフトでムーディなボーカルが。しっとりとした哀愁ただよう素敵な曲ですね。中盤には素朴な音色のアコースティックギターソロも。
 7曲目は「Last Tango In Memphis」。ブッカーT&MG’Sの曲だそうです。ゆったりとした重いベースリフからはじまって、オルガンの味のある音色がたおやかにながれて。中盤にはナチュラルトーンのエモーショナルなギターソロ、続いてムーディばムーグソロも。 
 ときに激しくエネルギッシュに、ときに美しくメロディアスに奏でられる楽曲の数々。ハイレベルな演奏が楽しめ、そして森園さんの“魂”が垣間見える素敵なアルバムですね。

茂木由多加さん

2008-05-31 07:49:18 | 四人囃子
 2008年4月、<四人囃子>の復活ライブを観に行きましたが、ステージにはこの方はいらっしゃいませんでした。いや、ひょっとするといらしたのかもしれません。
 キーボード奏者<茂木由多加さん>は、70年ころから音楽活動を始めて、のちに<四人囃子>に加入する<佐久間正英さん>とバンド活動をされてたそうです。茂木さんは75年2月から同年11月までの短い期間でしたが<四人囃子>に在籍し、シングル「空とぶ円盤に弟が乗ったよ」にも参加されたそうです。脱退後も多く関わっていたそうですね。77年ころからセッション活動や作曲・編曲等も手がけ、佐久間さんが四人囃子のあとに組んだテクノバンド<プラスティックス>や<ジューシーフルーツ>に協力したり、<早見優さん>の83年から85年にかけてのヒットシングルも手がけておられたそうです。
今回紹介させていただくアルバムは78年に発表された茂木さんの1stソロアルバム「デジタル・ミステリー・ツアー」です。The Beatlesのアルバムにひっかけたこのアルバム。78年といえば、<YMO>が1stアルバムを発表した年で、シンセサイザー・ミュージックがポピュラー化する直前だったようですね。茂木さんは様々なキーボードを用いて、佐久間さんが数曲参加している以外は全部お一人で多重録音によって制作されたそうです。シンセサイザーで新たな音世界を探求された、とか。
 このアルバムはレコードでいうところのA面はThe beatlesの曲を、B面では映画音楽等スタンダードな曲を、独特のアヴァンギャルドなタッチでカヴァーされています。 A面1曲目は「Magical Mystery Tour」。この電子音のシーケンスは懐かしいですねぇ。きらびやかなシンセサウンドでえがかれているこの曲、目の前に眩しいくらいに光り輝く世界が広がっているかのようです。 2曲目は「Flying」。透明感があって、ふわふわと浮いているかのような感覚のゆったりとした音世界。いいですねぇ。 3曲目は「Your Mother Should Know」。物を落としたような音から始まる、なんともコミカルな曲。チャッ○リンの無声映画をみているような感覚かも。後半には盛大な拍手音も。 4曲目は「Blue Jay Way」。小鳥のさえずり音や赤ちゃんの鳴き声からはじまって、独特のパーカッション的な電子音が響いて。ゆったりとしたやや暗い幻想的な感覚でしょうか。 5曲目は「Fool on The Hill」。ピアノによる神秘的なサウンドからはじまる、ゆったりとした美しいメロディの叙情的な曲。
 そしてB面1曲目は「星に願いを」。軽快なビートにのってのこのメロディもいいですねぇ。とってもスペーシーでロマンティックでもありますね。 2曲目は「スケーターズ・ワツツ~美しき青きドナウ~」。ストリートオルガンのようなほのぼのとしたサウンド、いいですねぇ。 3曲目は「2人でお茶を」。オシャレでコミカルでポップな感じですね。 4曲目は「Star Dust~Moonlight Serenade」。ゆったりとした幻想的で心やすらぐ感じですね。 5曲目は「“白鳥の湖”より、白鳥の踊り」。 世に知れ渡った名曲をカヴァーする場合、アレンジしすぎるのも、オリジナルに忠実すぎるのも評価されにくいでしょうけど、茂木さんはあえて大胆に“自分らしさ”を出したようです。通常カヴァーする場合は“メロディ”を主体としてアレンジするそうなのですが、茂木さんはあえて“リズム”に主観をおいてアレンジされたそうで。茂木さん独自の解釈、奥が深いです。
 茂木さんは80年にもソロアルバムを発表され、その後も活躍されますが・・・2003年に天国へ旅立ってしまったそうです。謹んでご冥福をお祈りいたします。