これまでも70年代の優れたバンドや、日本独自の和音階や情緒を取り入れたバンドをいくつか紹介させていただきましたが、今回もそのなかのひとつ、<新月>というバンドを紹介させていただきます。(新月サイトを参考にさせていただきました。)
バンドの中心人物である、ギタリスト<花本彰さん>。花本さんは、小学生の高学年くらいからギターを始めたそうです。そして作曲も行うようになり、高校時代には所属していたブラスバンドでバッハの曲にドラムを入れてポピュラーっぽくしたりと、アレンジの才能にも目覚め、音楽の本質を見抜く力を養われていったとか。そしてギターも毎日練習していたそうで、市でも凄腕ギタリストとして名を馳せていたそうです。その頃からブルーズが苦手で、メロディの綺麗なポップスのほうがお好きだったとか。で、自分の進路を音楽に決め、音楽大学に入学したそうです。
ちょうどその頃はプログレ全盛期だったようで、花本さんは<YES>のコーラスの美しさやオーケストラアレンジが琴線にふれたそうです。そして友人と<OUT OF CONTROL>というバンドを組んでオリジナル曲を作ったり、フォーカスのコピーをやっていたとか。で、初ライブをやったのちに、楽器店に“ヴォーカル募集”のはり紙をしたとか。それを見て花本さんにTELしたのが、ヴォーカリスト<北山真さん>だったそうです。北山さんの繊細な歌詞と素晴らしい声に満足されたようで、そこから北山さんと作曲活動を始めたそうです。
その後いろいろとあったようで、花本さんは生活拠点を福生に移して、北山さんと新たに<セレナーデ>というバンドを組んだそうです。ベースには<鈴木清生さん>が。<セレナーデ>は2年ほど続いたそうなのですが、ライブはたった3回だったとか。ほとんど作曲活動にいそしんでおられたようで。なので後の代表曲もこの時期に作られたものも多いようです。
ある日<OUT OF CONTROL>のときの友人が、とあるカセットテープをくれたそうです。それにはギタリストの<津田治彦さん>と、ドラマー<高橋直哉さん>が参加されている、<HAL>というバンドの演奏がおさめられていたそうです。その高度なテクと曲の独創性に花本さんはビックリされたとか。ちなみに<HAL>のほうにも<セレナーデ>の音源が渡っていたそうです。そしてあるイベントで<セレナーデ>と<HAL>が一緒になり、目の前で<HAL>の演奏を見て、花本さんは決心。<セレナーデ>を辞めて<HAL>の津田さんと高橋さんと新たなバンドを組むことになったそうです。ニューバンドは3人でスタートしたものの、ベースとヴォーカルがなかなか決まらずにいたそうで。そして新しいバンドの名前が<新月>に決まったころに、ベーシストが鈴木さんに決まったとか。ヴォーカルは面白いパフォーマンスをする人や、オペラ歌手のような歌い方の女性とか様々な候補がいたしたようですが、最終的には北山さんに決まったそうです。それまでの曲を来北山さんが歌った瞬間に新たな世界が広がったようで、このバンドは“イケる!”と確信されたようです。 1978年ころからライブ活動も本格的にはじまり、よく平山進さん率いるマンドレイクと一緒になったそうです。<新月>は、日本の情緒たっぷりのアコースティックでフォークっぽい歌詞やメロディ、そしてジェネシスを彷彿させるユーロプログレのシンフォニックサウンドで聴衆を圧倒。しかも演劇を学んでいたという北山さんの魅惑のヴォーカル&パフォーマンスもあって人気を博したそうです。
1979年、ついにアルバム「新月」が発表されます。満を持して登場のこのアルバム、1曲目は「鬼」。電子音とアコースティックなサウンドから静かにしっとりと始まり、そしてパワフルにバンドイン。ヴァースは再びしっとりと。北山さんの繊細で美しいヴォーカルがアコースティックギターのリフにのって。そして徐々に盛り上がっていきます。中盤では変拍子リズムでギターリフにのって美しいキーボードソロが。それが落ち着くとフルートのような音色の静かで素朴な感じに。再び美しい繊細なヴォーカルがはいって、そしてエンディングに向かって盛り上がっていって、パワフルなドラムにのってハードなギターソロが。 2曲目は「朝の向こう側」。アコースティックギターのリフと爽やかなヴォーカルのゆったりとした心地よいポップス。後半はパーカッションも入ってリズミカルに。爽やかなフュージョン系のギターやフレットレスベースの音色もいいですねぇ。
3曲目は「発熱の街角」。不協和音的なシンセサウンドからはじまり、マーチングスネアのリズムにのってミドルテンポながらも軽快なサウンドが。ちょっぴりコミカルで爽やかな楽しいポップスですね。 4曲目は「雨上がりの昼下がり」。静かにちょっと暗めのか細いヴォーカルからはじまり、中盤からはパワフルに。間奏ではクラリネットのソロも。ラストは劇的にFin。
5曲目は「白唇」。ゆったりと叙情的にはじまり、ヴァースはしっとりとしたサウンドとヴォーカルが。サビはとっても爽やかで綺麗ですね。間奏はアコースティックサウンドをバックに素朴で綺麗なキーボードソロが。そして一転パワフルにハードなギターリフとともに厚いコーラスが。ラストは再びゆったりしっとりとFin。 6曲目は「魔笛“冷凍”」。強風の吹き荒れる効果音から始まり、不気味なベース音とキーボードの音色が響いて。悲鳴のような音も。ミステリアスでダークなインストです。ホラーっぽいっす。これ夜真っ暗な部屋でひとりで聴いていたらかなり怖いかも。
7曲目は「科学の夜」。一転アップテンポのパワフルなサウンドからはじまります。♪ダンダカダンダカって、躍動感のあるリズムでなんだかワクワクしてきちゃいます。間奏ではゆったりとしたリズムで囁くようなヴォーカルとヴァイオリントーンのギターが。そして再びリズミカルに元気よく。 8曲目は「せめて今宵は」。可愛らしいキーボードサウンドからはじまり、ロマンティックでゆったりとした優雅な雰囲気に。ピアノとアコースティックギターのリフが心地よいですね。間奏はアコースティックギターのクラシックっぽいソロが。マンドリンのような音色もいいですねぇ。ラストは劇的にドラマティックに幕を閉じます。
レコ発ライブも行い、セカンドアルバム制作に向けこのまま順調に活動していくかと思いきや・・・リズム隊が脱退してしまったり、なんとバンドのプロダクション会社が倒産してしまい、プログレがこの時代は低迷していたこともあって、81年に解散してしまったそうです。その後は個々に音楽活動を続け、21世紀に入ってから徐々に再結成の兆しをみせはじめ、2006年にはついに完全復活をはたし、ライブを行ったそうですね。現在は北山さんが多忙のため、4人で活動し、そのつどサポートヴォーカリストを募って活動していく方針とか。今後の活躍も、そして幻のセカンドアルバムも期待したいです。
バンドの中心人物である、ギタリスト<花本彰さん>。花本さんは、小学生の高学年くらいからギターを始めたそうです。そして作曲も行うようになり、高校時代には所属していたブラスバンドでバッハの曲にドラムを入れてポピュラーっぽくしたりと、アレンジの才能にも目覚め、音楽の本質を見抜く力を養われていったとか。そしてギターも毎日練習していたそうで、市でも凄腕ギタリストとして名を馳せていたそうです。その頃からブルーズが苦手で、メロディの綺麗なポップスのほうがお好きだったとか。で、自分の進路を音楽に決め、音楽大学に入学したそうです。
ちょうどその頃はプログレ全盛期だったようで、花本さんは<YES>のコーラスの美しさやオーケストラアレンジが琴線にふれたそうです。そして友人と<OUT OF CONTROL>というバンドを組んでオリジナル曲を作ったり、フォーカスのコピーをやっていたとか。で、初ライブをやったのちに、楽器店に“ヴォーカル募集”のはり紙をしたとか。それを見て花本さんにTELしたのが、ヴォーカリスト<北山真さん>だったそうです。北山さんの繊細な歌詞と素晴らしい声に満足されたようで、そこから北山さんと作曲活動を始めたそうです。
その後いろいろとあったようで、花本さんは生活拠点を福生に移して、北山さんと新たに<セレナーデ>というバンドを組んだそうです。ベースには<鈴木清生さん>が。<セレナーデ>は2年ほど続いたそうなのですが、ライブはたった3回だったとか。ほとんど作曲活動にいそしんでおられたようで。なので後の代表曲もこの時期に作られたものも多いようです。
ある日<OUT OF CONTROL>のときの友人が、とあるカセットテープをくれたそうです。それにはギタリストの<津田治彦さん>と、ドラマー<高橋直哉さん>が参加されている、<HAL>というバンドの演奏がおさめられていたそうです。その高度なテクと曲の独創性に花本さんはビックリされたとか。ちなみに<HAL>のほうにも<セレナーデ>の音源が渡っていたそうです。そしてあるイベントで<セレナーデ>と<HAL>が一緒になり、目の前で<HAL>の演奏を見て、花本さんは決心。<セレナーデ>を辞めて<HAL>の津田さんと高橋さんと新たなバンドを組むことになったそうです。ニューバンドは3人でスタートしたものの、ベースとヴォーカルがなかなか決まらずにいたそうで。そして新しいバンドの名前が<新月>に決まったころに、ベーシストが鈴木さんに決まったとか。ヴォーカルは面白いパフォーマンスをする人や、オペラ歌手のような歌い方の女性とか様々な候補がいたしたようですが、最終的には北山さんに決まったそうです。それまでの曲を来北山さんが歌った瞬間に新たな世界が広がったようで、このバンドは“イケる!”と確信されたようです。 1978年ころからライブ活動も本格的にはじまり、よく平山進さん率いるマンドレイクと一緒になったそうです。<新月>は、日本の情緒たっぷりのアコースティックでフォークっぽい歌詞やメロディ、そしてジェネシスを彷彿させるユーロプログレのシンフォニックサウンドで聴衆を圧倒。しかも演劇を学んでいたという北山さんの魅惑のヴォーカル&パフォーマンスもあって人気を博したそうです。
1979年、ついにアルバム「新月」が発表されます。満を持して登場のこのアルバム、1曲目は「鬼」。電子音とアコースティックなサウンドから静かにしっとりと始まり、そしてパワフルにバンドイン。ヴァースは再びしっとりと。北山さんの繊細で美しいヴォーカルがアコースティックギターのリフにのって。そして徐々に盛り上がっていきます。中盤では変拍子リズムでギターリフにのって美しいキーボードソロが。それが落ち着くとフルートのような音色の静かで素朴な感じに。再び美しい繊細なヴォーカルがはいって、そしてエンディングに向かって盛り上がっていって、パワフルなドラムにのってハードなギターソロが。 2曲目は「朝の向こう側」。アコースティックギターのリフと爽やかなヴォーカルのゆったりとした心地よいポップス。後半はパーカッションも入ってリズミカルに。爽やかなフュージョン系のギターやフレットレスベースの音色もいいですねぇ。
3曲目は「発熱の街角」。不協和音的なシンセサウンドからはじまり、マーチングスネアのリズムにのってミドルテンポながらも軽快なサウンドが。ちょっぴりコミカルで爽やかな楽しいポップスですね。 4曲目は「雨上がりの昼下がり」。静かにちょっと暗めのか細いヴォーカルからはじまり、中盤からはパワフルに。間奏ではクラリネットのソロも。ラストは劇的にFin。
5曲目は「白唇」。ゆったりと叙情的にはじまり、ヴァースはしっとりとしたサウンドとヴォーカルが。サビはとっても爽やかで綺麗ですね。間奏はアコースティックサウンドをバックに素朴で綺麗なキーボードソロが。そして一転パワフルにハードなギターリフとともに厚いコーラスが。ラストは再びゆったりしっとりとFin。 6曲目は「魔笛“冷凍”」。強風の吹き荒れる効果音から始まり、不気味なベース音とキーボードの音色が響いて。悲鳴のような音も。ミステリアスでダークなインストです。ホラーっぽいっす。これ夜真っ暗な部屋でひとりで聴いていたらかなり怖いかも。
7曲目は「科学の夜」。一転アップテンポのパワフルなサウンドからはじまります。♪ダンダカダンダカって、躍動感のあるリズムでなんだかワクワクしてきちゃいます。間奏ではゆったりとしたリズムで囁くようなヴォーカルとヴァイオリントーンのギターが。そして再びリズミカルに元気よく。 8曲目は「せめて今宵は」。可愛らしいキーボードサウンドからはじまり、ロマンティックでゆったりとした優雅な雰囲気に。ピアノとアコースティックギターのリフが心地よいですね。間奏はアコースティックギターのクラシックっぽいソロが。マンドリンのような音色もいいですねぇ。ラストは劇的にドラマティックに幕を閉じます。
レコ発ライブも行い、セカンドアルバム制作に向けこのまま順調に活動していくかと思いきや・・・リズム隊が脱退してしまったり、なんとバンドのプロダクション会社が倒産してしまい、プログレがこの時代は低迷していたこともあって、81年に解散してしまったそうです。その後は個々に音楽活動を続け、21世紀に入ってから徐々に再結成の兆しをみせはじめ、2006年にはついに完全復活をはたし、ライブを行ったそうですね。現在は北山さんが多忙のため、4人で活動し、そのつどサポートヴォーカリストを募って活動していく方針とか。今後の活躍も、そして幻のセカンドアルバムも期待したいです。