雨をかわす踊り

雨をかわして踊るなんて無理。でも言葉でなら描けます。矛盾や衝突を解消するイメージ・・・そんな「発見」がテーマです。

痴漢は文化?

2007-02-27 23:51:18 | 雑談(ジョーク)
「判検交流は不公平」と批判 痴漢実刑に周防監督(共同通信) - goo ニュース

あるアメリカ人と丸の内線に乗っていて訊かれたことがある。電車のなかにぶら下がってる広告を指差して、「あのNOのとなりに書いてあるのは何て漢字だ?」と。「いけないことなら知っておく必要がある」と。

「なんだろ」と思って見上げると、「No 痴漢!」と書いてあった。

意味を説明したあと、彼は質問してきた。

「わからない、なぜそんなことを?だって最後まで果たせないじゃないか?」

僕は、It's a good question といいつつ、「なるほど」と心の内では感心した。確かに性欲は全うされない。

「痴漢」を『広辞苑』で引くと、

①おろかな男。ばかもの。しれもの。
②女にみだらないたずらをする男。

とある。

果たせないのを知っていて②に及ぶわけだから、確かに①の「ばかもの」なのだろうと合点はしつつ、彼には、「これは日本の文化だ」と説明した。

まず日本での女性の貞操観念や肌の露出は金銭価値にすると高く(男は全くない)、そのために水着姿の若い女性(プロレスラーではない)と泥んこプロレスするなんて考えられない。

だから某国に、泥んこプロレスを客にやらせるお店があり、そこで、女性を選ばせるときにセリにかけさせるわけだが、日本人は某国人たちの10倍もの高い値をつける。

この場合も最後まで果たせるわけがないわけだから、現地の人はそれほどまでにやりたいかと思い、「日本人ってのはSkibbyだ!」となるのかもしれないが、日本人としたらそんなことを人前でやるんだからそれなりのお金は払わなきゃ、と思っている。

そんな性の価値観があるから男女はそれなりに距離を置くことが常識のところへきて、日本の電車では、あまりに男女が接近する!いつも遠くにある価値のあるもの、例えば希少な本などが、ショーケースに入らずに目の前にすぐ近くにあるとするとどうなる?あれは、無防備な高価な本の立ち読みみたいなもんだ。

我ながら即興でそれなりに筋が通った説明が出来ているじゃないかと喜んでいたが、彼は「本とか(ほんとうか=駄洒落)?」という顔で、「依然としてまだ痴漢をする気持ちがわからない」といった。

そこで僕は、「とにかく日本で通勤を続けてみろ、それでアメリカに帰るときに日本人はなぜ痴漢をするのか答えがみつかったら教えてくれ」といった。

彼がアメリカに帰るとき、「日本の電車で男は、人参を吊るされた馬だ、仕方ない、よくわかった」といった。

Related Articles: 「快楽」、「文化と文明」ほか。

追伸1:周防監督のこの作品は予告編みたときからミエミエだったので絶対に観まいと思っていた。

追伸2:Townhall にBritney Spears

追伸3:Townhall に『硫黄島からの手紙』!

追伸4:「数字でみる男と女の働き方

追伸5:中国では同性愛者がそうであることを隠すために、異性の同性愛者と結婚する(Washingtonpost)。

追伸6:Boston の公立学校で「同性愛」を教えるべきか否か(Bostonglobe)?

追伸7:「アメリカでは同性愛者がいじめの対象に」(NY Times)

You're the one.

2007-02-27 20:06:09 | 雑談(ジョーク)
姪っ子と午前10時から午後7時まで遊んだ。

子供はどんなにかわいくても殺したくなることがあると聞いたが、子育てを、やらなければならない仕事としては考えたくないとつくづく思った。やるもやらないもない。運命づけられているのか知らないが、ただやるものだと思った。

前回も書いたようにこの姪っ子は僕をヨン様として気に入ってくれてるので、昼寝もとらずに僕と遊び続けた(途中僕がダウンして1時間ほど昼寝した)が、午後7時、彼女も電池が切れたかのように眠りに落ちた。

写真は、エネルギーが切れてそのまま眠った姪。

自衛

2007-02-22 21:23:03 | アメリカ
アメリカの「横暴」(?)について考えるときいつも焦点になるのは、「ブッシュの言い分」である。アメリカに多少暮らしたためか(関係ないとはいえない)、その言い分に肯んぜざるをえない自分がいる。

つまり自衛のためのミスジャッジに合法も違法もない、ということだ。だからRumsfeld とMcCain を比較して、Rumsfeld 支持もありうる(Townhall)し、リアルにもみえる(「Big Empty」)。

そもそも我々はすべてがみえるわけではない。もしかしたら隣にヤバイ奴がいるかもしれない。しかもその隣人はみかけても挨拶さえせず、時々あなたの娘をいやらしい眼つきでみる。先日新車を買ったときも、その隣人は窓の隙間からじっとみていた。

しかし何もしていない以上、踏み込むことは出来ないし、警察もその心配だけではしょっ引けない。

果たして車が盗まれたとき、娘が襲われたとき、わき腹に短刀が突き刺された瞬間、手を打っておけばよかったと後悔するのかもしれない。

事件後警察がそいつを逮捕しても、自分があの世行きになったり、娘が自殺したのでは意味がない。

移民の国アメリカではそうしたことを考えざるを得ない(「アメリカ保守2」の下の方参照)。いろいろな国の人間が来るということは価値観が異なるし(最近日本映画が海外に出ているが、オスカーにノミネートされる外国産映画は、アメリカ人からみるとPolitical Correct への配慮が欠けるらしい。これも価値観の多様を表すものでは?:NY Times)、大体成功している人間は移民してこないから(ムスリムさえもアメリカに来る:「血統」の最後参照)、大きな格差も生まれるし、Race(競争)が絶えない。

そして力をつければ、アメリカの既得権益者とぶつかる(宗教上だがドイツでも最近そんな問題があるらしい)から、差別が公然となされるようになったんだと思う(法制化は、1641年のMassachusettsが最初だが、アフリカ系アメリカ人の暴動を鎮圧させる目的もあった)。

といって人種差別の件で南部やいにしえのひとばかり責められない。20世紀にはいって南部のアフリカ系アメリカ人が北部に移り住んだときも、労働組合の多くは人種差別を事実上規制化した。白人の食い扶持を確保するためだった。

しかし50年前に公民権運動があって以来ずっとホットな話題でありつづけ(「アメリカ保守4」)、昨今では全米中でみればかなり改善され(「Dynamism」)、いわゆる chitlin circuit (なんて和訳するんだろ:アフリカ系アメリカ人用の夜の娯楽施設?)が全米中でもはやメジャーになっているそうな(NY Times)。

そしてアメリカは現在、2008年の民主党大統領候補 Barack Obamaによってその罪悪感を払拭したいのかもしれない(Townhall)。

今回はリベラル陣営の民主党大統領候補最右翼のHillary もその辺が頭が痛いだろう(Townhall)。去年前半はHillary 一色だったが大統領候補が確実になるにつれ、Obama も対抗馬として浮上してきた(ただし「民主党は人種問題にはダブルスタンダード」なんて記事あり)。Hillaryとしたら、せめてMinorityの一翼、Feminists が応援してくれればと思うところだが、Feminist 自体Hillary で一本化しているわけではない。NARAL(中絶権獲得運動連盟)のリーダーだった Kate Michelman は、John Edwards(前NC上院議員)を推している模様である(Bostonglobe)。

Kate Michelman いわく、Feminists の代弁者が女性と決まっているわけではない。Feminists のために最も有能な、やってくれそうな人間を選ぶ、といっている。

また最近では、キリスト教を支持するのは黒人で、白人の利益を代弁するのはユダヤ教だなんて記事もある(Bostonglobe)。

自衛、自衛、自衛。。。

追伸1:Washingtonpost によると、アメリカでも喰いッぱぐれない(=自衛)という理由で公務員人気。

追伸2:Bostonglobe によると、Al Quaeda は Muslim World のなかでかなり立場が悪くなり、各国は共同戦線を張っているらしい。また、Bin Laden らは、Pakistan から支持その他をしている。

追伸2:松坂のGyroball(NY Times)。

Katrina 33

2007-02-19 21:52:59 | アメリカ
New Energy for Hurricane Katrina(Bostonglobe) という題名の通り、風化しつつある New Orleans 復興のためには、新しいエネルギーが必要だった。

それなのに、ほぼ1週間前の火曜日、New Orleans をTornadoらしきものが襲い、Fema Trailerにで暮らしていた85歳の老婆が亡くなり、その付近では、10~15前後の建物が倒壊し、30人前後が負傷した模様(NY Times)。

そしてついに、New Orleans をあきらめたひとたちが出始めた(NY Times)。

同記事に掲載されている30代半ばの夫婦が出て行く直接の原因を話している。

奥さんが勤めていた仕事先のオーナーがいなくなること、妊娠した友人がカージャックされかけたこと、家の屋根に人糞がまきちらされていること、1週間に2度も不法侵入があったこと、警官を呼んでも一晩経っても来ないこと、、、

これじゃ、留まれるはずがない。

人口も戻ってくるのは貧しい人々ばかりで、ある調べでは、大学卒業者の3分の1が2年以内にNew Orleans を出て行くことに決めているらしい。

New Orleans は、Katrina以前から教育を受けた人がいないことがひとつの問題とされてきたが、その傾向は更に強まると同記事は試算している。

出て行くことを決めたのも、回復の可能性が全くない、という絶望的なもの。犯罪率は高く、家賃があがり、保険料も当然上がる。上述の夫婦は、昨年11月に初めて家を買ったそうだが、翌12月にこれも初めてハンドガンを買った。しかも今度は出て行くわけだから家を売るわけだが、売れる見込みがないらしい。

既述の夫婦もそうだが、それなりに投資しているからなかなか出て行く踏ん切りがつかないのだが、それでも出て行くことに決めた。

これが何を意味するか。

以下が、記事の最後に載っていた、夫妻の妻の言葉。

「依然としてNew Orleansに居残っているひとたちは、さらにもうひとつ不幸な出来事が起こるのを待っているみたい」

これまでのKatrina。 1234567891011121314151617181920212223242526272829303132

室町ふたたび 7

2007-02-19 20:50:47 | 時事
1週間あまり前のミュンヘンでのプーチンの演説は、まさに室町戦国の様相を伝えていた。

Today we are witnessing an almost uncontained hyper use of force - military force - in international relations, force that is plunging the world into an abyss of permanent conflicts. As a result we do not have sufficient strength to find a comprehensive solution to any one of these conflicts. Finding a political settlement also becomes impossible.今日我々が目撃しているのは、力、軍事的な力が、全く自制が効いていないといった状態で国際間で用いられているということだ。そしてその力が世界を永遠に奈落の争いの底に突き落としている。その結果私たちには、世界中で起きている争いのひとつでも、包括的に解決する手段をみつける強さを持ちえない。政治的な解決案をみつけることもまた不可能になっている。

まさにNo Police に書いたことだが、こうなった最大の要因はアメリカの一国独裁の価値観を世界に押し付けようとするところにあるといっている。そしてその淵源には、そうしたアメリカのやり方には道徳的な基盤(moral foundations)がないからだという。

だからこそ、

In international relations we increasingly see the desire to resolve a given question according to so-called issues of political expediency, based on the current political climate. 国際間ではますます、いわゆる日和見主義で、与えられた問題を処理したい願望が目に付くようになっている。

というわけだ。

まさかアメリカもプーチンに「道徳上の問題」で非難されるとは思わなかったろうが、まさしく先日の6カ国協議の結末は好例である(個人的には、世界が北朝鮮を孤立させる決意を示すことが有効だったと思う)。

更に続けよう。

だからみなが不安定なので、つい「文明としての暴力」にその解決策を求め、我も我も、と核兵器をはじめとした軍事力強化を求めている、と世界を説明している。

プーチンはとにかく前半でアメリカのルールが国を超えて世界に拡げられることに不快感を示して世論にのってはいるが、最終的にいいたいのはそんなことではない。世界の中心はアメリカでもEUでもない、なぜならロシア、中国、インドほかのGDPを合わせると、すでにEUやアメリカをしのぐものになることが確定しているからであり、ロシアとしては次代の中心のひとつを担う国として、公正にやっていく力がある、なぜならソ連崩壊という革命だって我々は平和裏にやったではないか、というわけである。

アメリカとしてはすぐにRobert M. Gatesほか何人かがその場で反論し(Washingtonpost)、Charles Krauthammerもいつものように紙(ウェブ)上で応酬し、ブログでも「コメディのなかのプーチン」(Powerline)なんかが面白い。

が、彼らには彼らの反論に任せて、全体像を俯瞰しようとするなら、イランのTehran Timesがわかりやすかった。2001年から緊張関係にある米ロのあらましが載っている。まさしく「室町ふたたび」である。

こういう時代には、室町を範とすれば、「文明としての暴力」に書いたように「個」を確立させた市民が自らの手で模索するしかないように思う。まだまだこういう不安定な時代は続く。

追伸1:これまでの「室町ふたたび」123456

追伸2:トヨタ関連が本当に多い。From 0 to 60 to World DominanceThe Toyota Way・Is Translated for a New Generation of Foreign Managers、ともにNY Times。

認知

2007-02-18 17:53:55 | 音楽
トイレに行きたかったが、ミュンシュのブラ1があまりにもよくて、途中で席を立つわけにはいかなかった。

用をたして部屋に戻りその話をすると、怪訝そうな顔をされ、「それにしては我慢してる風じゃなかった」といわれた。

確かにタクト(taktstock)は持っていなかったが、ミュンシュとともにパリ管弦楽団を指揮してこの寒いのに頭から湯気が立っていた。

ヘッドフォンをしながら指揮をする。

ひとがみていても気がねなくこんなことができるようになったのは、ドラマ『結婚できない男』(阿部寛主演)をみてからだった。

それまでは自分の部屋であってもひとの目があるときは(あんまり)しなかった。

しかし阿部寛があんなに楽しそうに思いっきり振るのをみると(ただし阿部はひとりで住んでいる設定だから視聴者にみられても他人にはみられていないが)、クラシックを聴かないひとにもタクトを振る愉しみの存在が認知されることになる。

先日も電車の中でふと気づくとブルックナー8番第4楽章をヴァントとともに振っていたが、笑われるだけで済んだ。

クラシックを聴かない同僚にその話をして、「やっぱりやめた方がいいよね」と訊くと、「いや、でも阿部寛がやってたんだからいいんじゃない」といってくれた。

カッコいい俳優による認知は捨てたもんじゃないと思った。

追伸1:阿部寛主演の『バブルへGo!』はずっと前からみると決めていたが、最近の宣伝をみるにつけいきたくなくなった。なぜかわからないが。下の『蟲師』は依然として行くつもり。

追伸2:1861年の今日は、Jefferson Davis が、USAに対抗するいわゆるCSAの大統領になった日(NY Times)。関連記事は、「南北戦争前夜」、「Lincoln」、「日本と米南部」。




民主主義という宗教

2007-02-15 23:52:49 | 宗教
Townhall に「なぜクリスチャンに愛国者が少ない?」という記事があった。書いたのはクリスチャンで、この国(アメリカ)の基盤は、宗教のはずなのに、愛国者が少ないことを憂い、更にその問題についてまじめに対談し、その結果得られた発見を述べている。

彼はその対談で、キリスト教に忠実になることでアメリカがあるべき姿に戻れる、と口火を切った。しかしその対談者に次のように切り替えされたという。「神もローマ人も力のあるものに従えと教えているのに、なぜそう教えられているクリスチャンがわざわざ18世紀にアメリカをつくる必要があったのか」と。

確かにアメリカは、Christianity の純粋種ではない。アメリカ史というと、Pilgrim Fathers が17世紀前半にPlymouth に来てなどという話から始まることが多いが、実際A City on a Hill を求めてやってきた彼らは21000人前後で、イギリス系移民のなかでは最も少ない。

イギリス系で最も多いのは、17世紀後半から18世紀にかけてやってきたIreland からの移民で25万、ついで南部の基礎になった上流階級の45000(内75%は下層民)、そしてQuakers 主体のグループが23000である。宗教的にいえば、このQuakers と18世紀にあらわれたMethodists の方が勢力・影響力ともにでかい。

そしてほかにも国を問わず続々と入植し、それぞれ自分たちのColony をつくっていくが、建国時の時点でWASPが60%をこえていた。といってそのなかのリーダー格は、北東部の連中というのではなく、Virginia で、俗に言うVirginia Dynasty が18世紀から19世紀にかけて出来上がるのはそのためだ。

また確かにHarvard Univrsity は1636年に創設され、その目的はきちんとした聖職者の育成にあったが、その渾然とした収拾のつかない雑多な集まりにひとつの共有点を見出すためという側面もあったようだ。ユダヤ教信者もいたわけだから、公的な場では、旧約重視にならざるをえなかったのかもしれない(教育の上ではドイツ移民の果たした役割も大きいらしい)。

そのうえでヨーロッパの価値観はそのまま移植されている。すなわちギリシャ・ローマの人文教育が社会の指導者およびエリート層に必要な知識とみなされていた。

このようなアメリカ史理解では、その対談者がいうように、America の存在意義がない、ということになる。

そこで同記事の著者による、アメリカの意義が展開される。

まず古代においては各地域に神々がいて、あらゆる法をつくった。だから彼らが王であり牧師の役割を果たしていた。やがてローマ帝国ができると、各地の宗教を統合し、一神教を世界の人々が受け容れる基盤をつくった。「普遍的な帝国が、普遍的な宗教のためにそれが容易に行われるようにした。A universal empire made it easier for a universal religion.」(「カソリック」は「普遍的な」という意味)。だがそうしたBorderless になった世界で、誰が統治するかが問題になっていく。結局それができるのは、個人がそれぞれ平等の状態であれば、民主主義という形態でそれがなされる。平等こそが民主主義に必要不可欠である(この辺はQuakersやMethodistsですね、思いっきり)。だからアメリカができた。そしてこう考えてくると、奴隷制度は平等を奪うものだから、アメリカは唯一の内戦、南北戦争を経験した。

つまりアメリカのクリスチャンが愛国者になれないのは、アメリカ建国のそもそもの目的がEqualityを目指すためだったことを知らない、アメリカという存在がキリスト教の延長にあることを理解していないからだ、ということになる。そして愛国者であれば保守でアメリカの場合は自由主義経済を思いっきり肯定するひとがTownhallにはゴロゴロいるわけだが、そうした経済もキリスト教の流れの中にある。

「カエサルのものはカエサルに返せ、神のものは神にかえせ(マタイ22:21)」

これがJesusの言葉だから、教会と国が分離し、私有財産を認め、小さな政府を肯定することになった、というわけだ。

そして市民としてしっかりと考えて投票をすることが、平等な市民の証なのだから、これはキリスト教徒こそがしっかりやるべきことだ、と述べて終っている。

取り敢えず面白い。この考え方は、仏教に近い。仏教は誰かを信じてただ追随することではない(「信仰」参照)。最終的に、個人が全員確立されることを目指す。

追伸1:Conservatives Assail North Korea Accord(Washingtonpost)、North Korea: Again(Townhall)。

追伸2:仕事を早めに切り上げて、『寝ずの番』を鑑賞。当分映画いいや、という気分になった。

No police

2007-02-14 22:32:01 | 時事
I'm stunned that Six Party Talk has ended in that way. What a deal is it that Norht Korea would be offered much oil while letting them know and permitting IAEA to inspect the institutions where nuclear weapons are said to have been produced! Neither justice nor cause-and-effect coherence can be found there. North Korea would not lose anything while the other countries would pay.

What they are saying is Japan needs to have nuclear weapons to claim the abductees should be returned to their home country. And I will tell China and South Korea that they haven't been qualified to blame Japan for what it did because they have allowed North Korea to do the same evil things as the alleged atrocities Japan did against them during the first half of the 20th century. Evil is evil. In their countries, can they tell their children the resolution can be called fair?

North Korea, I'm adamant, must be a regular rogue toward civilians. The world has no police to arrest villains. The US may have failed in Iraq but should not have learned how he made the mistake. In both cases, no justification in cutting deals has been made. North Korea is one of those countries like Russia, as described in "Potemkin Justice"(Washingtonpost), though it's much poor in power and quality.

P.S. A Good Deal with North Korea (Boston Blobe), Nuclear Bargaining and U.S. Flexibility Credited in Nuclear Deal With N. Korea (Washingtonpost), Pact With North Korea Draws Fire From a Wide Range of Critics in U.S. (New York Times).





Jazz Master

2007-02-14 00:27:29 | 音楽
秋吉敏子さんのJazz Master 記念コンサートに行ってきた。

1946年から日本で、56年からアメリカに渡って半世紀以上Jazz pianist として活躍した秋吉さんに降り積もった雪は、いろんなでこぼこをやわらかく包んでいる、そんなことを感じさせる演奏だった。

秋吉さんというと、Bud Powell が好きで、彼らしさと、Powell が好きなMonk っぽいところが秋吉節の3分の2は占めているような気がする(Monkほど不協和音ではない和音をPowell のようにジャンジャンいったりする)。明日(もう今日だけど)がバレンタインで、My Funny Valentine もやったのだが、いいアレンジだった。

Dizzy Gillespy や Oscar Peterson の話も新鮮だったが、別府から福岡、東京、アメリカと自分が妥協することなくJazz を追いかけて、自分のスタイルを確立したわけだが、その妥協なしの態度とそれによる成功を感謝する態度と、上述した雪のような軽快な年輪が重なっていてよかった。

とてもいい顔をしていた。元気が出た。

追伸1:「Bill Evans の思い出」(僕がつけた題)がBostonglobeにあり。

追伸2:James Brown まだ埋葬されてなかった!(Townhall)

Dynamism

2007-02-13 09:35:40 | アメリカ
アメリカで Social Security Card をもらうとき、申請書の項目に、White かColor に○をつけろというのがあった。これは何のための区別だろうと思った、「日本人」までいかなくても、「アジア人」くらい選択肢があってもいい、と。

つまり結局 Binary Thinking (二項対立)であって、Pluralism (複数主義:多様に異なるものがその違いが残されつつ相互依存する状態)は扱いにくいということだ。

というのもPluralism は無秩序に似ている。

日本も白村江の戦い以前は、タタラ衆で知られる鉄を作る連中が朝鮮から、また以降は百済をはじめとする渡来人が続々とやってきて、17世紀のアメリカに似ていた。

はじめは近江など京都からそれほど遠くない場所に入植したが、だんだんと坂東にまで進出していく。その際、そうした渡来人よりもずっと早くからきていた、大陸人や南アジアの人々との混血が進む。

ただし表立っては、平安の四姓(源平藤橘)のなかに吸収されていく。つまり御門を中心とした土地安泰システムのなかに併呑され、混乱期(室町~)を経て、江戸を経て、明治維新を経て、日本人が出来上がり、みな素性がひとつでなくなっている。

アメリカも同じで、5年ごとに行われる国勢調査では、人種は自らの申告制になり(2000年)、インディアンが増えたことは「多様な人間」や「ハワイ王国復活」でも触れた。 

アメリカの象徴のひとりであるエルビスからして、自分の人種がわからないのだから、人種は国勢調査の指標にはなりえない。そのうえで自分で勝手に選んでいいというのであれば、意味自体がない。

というわけでNY Times のOpinion欄に、「2010年から国勢調査の調査項目に人種をなくしたら」で始まる記事があった。

面白いのは、それに反対するのは、Racist (差別主義者)のほかに黒人自体がいること。リベラル陣営の大きな政治集団がひとつ消滅することになるのだから確かに大変で、そんな話を聞くと、Washingtonpost のこの記事(Slavery and Remorse)もうがった見方をしたくなる。

同記事によると、Virginia とMaryland で奴隷制度を反省する発現があった。Virginia の州歌からは、darkies などの黒人を連想させる言葉が削除され、Maryland は、奴隷制度に対する profound regret (心からの後悔)が顕された。ただし100年以上も前のことなんだから、現在生きている人間がそれによって罪悪感や法的な報酬は得られないという言明はしっかりとあるらしい。

更にもうひとつWashingtonpostから「Jamestown 400歳を目前に」。

この記事でも黒人の立場は向上したけど・・・という二面性が書かれているように思う。Jamestown での黒人の生活はまさに市民そのものになっているし、大統領候補としてObama もいるとした一方で、Ivy League の大学の学長にはじめて黒人がなったといった話が並んでいるが、こういうことが問題になるうちはまだまだ差別から解き放たれていない。

今挙げたのは、保守対革新という構図の問題だが、僕はなぜかもっと奥深い対立を考えざるを得ないように思う。

回答と思しききっかけを与えてくれたのが、Townhall に「リンカーンの誕生日によせて」と題する記事。リンカーンについて書けば、当然のことながら南北戦争に触れるが、全く南部に配慮がない記事だったので、Lincoln ほか著者もコメント欄でこき下ろされた。

それはいいとして、この記事の著者があるイタリア移民からアメリカを理解するには何をみればいいの問いに、Jazz を挙げているところ。

Jazz 」にも少し書いたが、Jazz という文化がこんなにも世界規模で受け容れられたのは、全く正反対の価値観が衝突しているのに、融合しているところだ。

音楽的には楽器も機能和声も完全に「普遍な」西洋だが、それの用い方に「刹那」(即興)が投入されている。ひとはその両方を求めて葛藤するものだが、この音楽はそれでひとつになっている(もちろん日本の懐石もそうだと思うが)。

もちろんほかにも最下層から経済の上層部へという切り込みもあったろうが、ほかの人種にもないわけじゃなかった。

問題は、既存の「中心」と対決する「周縁」が、「中心」が最も大事にする「普遍」に拮抗させられる哲学である「刹那」によって、「周縁」に属すグループだけでなく、「中心」に属するグループまでをまとめたところにあり、その区分けを消滅させるということは、アメリカ自体が誇るダイナミズムも霧散すると感じるからじゃなかろうか。

追伸:松坂がこれから受けるであろう注目を高校の頃と比較(NY Times)。