雨をかわす踊り

雨をかわして踊るなんて無理。でも言葉でなら描けます。矛盾や衝突を解消するイメージ・・・そんな「発見」がテーマです。

血統

2006-09-10 23:00:40 | アメリカ
家系図が大事なのは朝鮮だけではない(金達寿さんなど参照)。

アメリカ南部では、南北戦争以降根こそぎ自らの伝統風俗を否定され、Modernity という北部の伝統を強制された。

ポスト・コロニアル的理想像では、Adopt, Adapt, Adept という3つの「アダプト」(採用して適合させて器用になる:日本のことみたいですね)を経ることになっているが、世の中みんながみんなそんなに前向きじゃない。

南部では、移り変わりの激しいModernity のなかで過去に自分を保存しようとした、とFlorence King は述べる。特に南北戦争以降は、自らの家系をヨーロッパの王侯貴族だけならまだしも、Davinch Code じゃないが、Christ にまで求めたりする。

そうした行為がよく「神話作り」などと呼ばれて軽蔑されたわけだが、こうした自慰行為は、荒廃した南部人が生き抜くには役に立った(移民が絶え間なくあるはずのアメリカにあって南部には全く移民が来ない時期が何十年もあった、無論貧しさ故である)。

さて今日紹介したいのは、Genealogy の別の用途である。

Washingtonpost によると、Alex Haley が70年代に発表した『Roots』以降アフリカ系アメリカ人の間でも Genealogy が人気らしい。

しかし奴隷制度を経ているため公的な記録で彼らの祖先を特定することは難しい。そこでDNAを使って最近特定しようという傾向があるらしい。2003年には1000人ほどだったのが、昨年は3倍になった。これによってアフリカのどの地域出身かがわかるということらしい。DNA のデータベースには、25,000のサンプルがあり、アフリカ大陸30ヶ国および300の民族集団が網羅されている。

The National Council of Negro Women が後援しているところが政治的で、Whoopi Goldberg や Quincy Jones といった有名人がそうした検査(?)をうけ、2月にテレビで放映されたりもした。

そうしたBig Names のひとり、Susan KiddというWRCの「大御所アナウンサー=Anchor」は、カメルーンだということがわかったらしい。そしてわかると、アメリカ在住のその国出身者と抱擁し、民族衣装を着てその国の料理を食べ、また母国に旅行したり、ということになるらしい。

日本の場合は、司馬さんほかを読む限りでは、平安時代の墾田永年私財の法で開拓農民が坂東に広がってからは完全にメチャクチャだろう。

僕が平家びいきなのは家紋が平家の「ナントカアゲハ」だからだが、それを教えてくれた叔母にはいわなかったが、その市内には同じ家紋の家庭がたくさんあることを知っている(苗字は全く違うのに)。全く当てにならない。

さてアメリカに話を戻そう。

あるアメリカ人の友人が自分の家族を描写してくれたとき、「兄が黒髪で緑の瞳で、私はブロンドで青い瞳」などと説明してくれたが、日本ではそんな説明の仕方さえない(本来は雑種だからあってもいいのに)。貞操観念は、儒教国としてはゆるやかな方だったりしたからだろうか、と日本の特異性についてまた考えさせられた。

さてさてアメリカでは最近「ムスリム」もどんどん移民して正式なアメリカ人になっている。NY Times によると、昨年だけで4万人いたらしい(過去最高の数字)。

あれだけ中東に対して厳しい態度をとるアメリカになぜ、と思うところだが、それ以上に生存競争がきついことがアメリカへの移民の原因らしい。またアメリカに暮らすにあたって、「ムハンマド」はMoe、「オサマ」はSam などに変えている。

Genealogy 探しは、益々DNA調査などに頼らざるをえなくなりそうである。


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