雨をかわす踊り

雨をかわして踊るなんて無理。でも言葉でなら描けます。矛盾や衝突を解消するイメージ・・・そんな「発見」がテーマです。

Big Empty

2007-02-08 00:16:53 | 時事
官房長官をはじめとする政府要人のことばをきちんとカバーしているわけじゃないが、本当にその出来事に対峙した結果吐かれたことばだと最近感じない。ひとの話は最後まで聞かなきゃ本当にいいたいことはわからないが、たとえ断片的であっても真摯な声にはそれなりの力がこもる、と思う。

そんなわけでリアルなものを探して一昨日から読み始めた、Mailer の The Big Empty を読了した。この本は、齢80は超えているMailer が息子さんと時事問題を対談形式で語っているのだが、ところどころでリアルを感じないと書いている。

まず前書きで、左は理想的なことばっかりいって右はとにかくイケイケドンドンで、それぞれ型にはまった発言でしかない。にもかかわらず一般のアメリカ人も確信してもいないのに頷いたりする、こんなのアメリカじゃない、といってる。

もちろん現実は複雑でよくわからん。スタインベックがアメリカを車で放浪したときくらいから、アメリカ人はまわりがみえなくなっているらしい(もちろんアメリカだけじゃないが)。

そんな延長上にあるのが、本のタイトルのThe Big Empty という状態なんだろう。これは、みなが大きな機構の一部でしかなくなって、部分的な視点しか持たないから、全体の有機的なつながりを見通した発言がない、という「室町ふたたび6」に書いたようなこと。

面白かったのは、唯一リアルな発言とMailer が感じたのは、ラムズフェルドで、彼の意見には全く賛成できないかもしれないがリアルだった、というところ。逆にいうとリアルな発言の方が最近問題視されるようになったと感じるのは気のせいだろうか。

ここ最近で最も鼻持ちならなかったのが、添加物のプロだった人間がその悪さを本に書いてベストセラーになってること。

著者は、おそらく30年前頃だろうが、添加物をつかっていろいろなものをコストを落としてつくった。みな生きるために必死でその要望に応えていろいろアドバイスしたらしい。

しかしそうして出来上がった食品を彼の息子が食べようとしたのをみて、彼はその食品をひったくって食べさせなかった。これは自分の子供には食わせられない、と思ったのだそうな。

そこから一転、添加物の働きもよく知っている著者としていろいろ書いているらしいが、お前はそのベストセラーの金でちったぁ罪滅ぼししてるのか。

アトピーその他のアレルギーで、どれだけ苦しんでいるやつがいると思う。もちろん出ない奴はでないが、添加物が認可されはじめた昭和47年前後に生まれた方からアレルギーのひとが増えているという数字をみたことがある。

添加物で儲けて、今度は添加物反対で儲けるのかよ、と腹立たしくなった。

そして昨日だったかテレビでしたり顔で喋ってるのをみて余計腹立たしくなった。

が、リアルではあった。

結局自分の子供が関係しなければ対峙できない(良心がわかないというのではない)というのはリアルだ。そして少子化じゃ、余計そんな気持ちは生まれにくい、と思った。

そんなわけでアメイジング・グレイスを口ずさんだ(この歌はアメリカ南部で暮らすひとは丸暗記しなければいけないといわれている)。なぜ歌ったのかといえばその歌詞。「神の恩寵、ありがたや」という歌だが、なんで有難いかといえば、海で嵐にあってもう絶体絶命と思ったのに助かったから。これは神が恩寵を下さったに違いないと考えてこの歌の作者は家業をやめる。家業は奴隷の密輸である!これが人間なんだな、と思った。

追伸:リアルといえば、ブッシュが予算案を提出した。なんとなく金というのはリアルなものを表す感じがするのだが、Washingtonpost によると、2006年のアメリカの赤字は、2500 億ドル (GDPの2%弱)という破格でこんなんでやっていかれるのだろうか。赤字は2012年まで続く見通しらしい(「歳出と歳入」、「予算赤字」)。

ブッシュの提出した予算案は、テロを含めたSecurity と社会保険にそれぞれ21%と破格で、農業系の人事や諸経費は削られている。どこでもメシが一番軽んじられるらしい。

それからTownhall で「世界で一番自由な経済圏を作っている国は?」結果に基づいた分析が載っている。分析は単なる右でしかない。


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