雨をかわす踊り

雨をかわして踊るなんて無理。でも言葉でなら描けます。矛盾や衝突を解消するイメージ・・・そんな「発見」がテーマです。

Monk

2005-06-20 00:01:40 | 音楽
ずいぶん前に購入してずっとみてなかったStraight No Chaiser(DVD) をみた(廉価版が今1500円)。このタイトルは曲名だが、この曲の作者のジャズ・ピアニスト、Thelonius Monk(1917-1982)のドキュメンタリーで、監督がジャズ好きで有名なクリント・イーストウッド。あまり派手な構成ではないが、モンク好きにはたまらない出来映えではないか。

モンクといえば、ジャズのBe BopやModern Jazzの創始者で、それまでの世の中にはなかったものを作り出したオリジナリティがその魅力である。その芸術的な独創性は、このDVDによってあらためて認識された感じがする。Pianoを楽器として弾いている感じはない。何か生身のもの、下世話な言い方をすれば、男性が性欲ではなく好奇心から未知なる女性の肉体をまさぐるように、ピアノの88鍵の可能性を、ひいては音楽の、人間の可能性をピアノから引き出そうとしているようにさえみえた。したがってピアノの88鍵は、あまりにも可能性が狭められた触媒にみえてしまう。

ほかに新たな発見といえば、先日観た天才 Ray Charles 以上に、神経過敏ということ。鬱病ということもあったが、一緒にいる人間はさぞ疲れたろう。そしてRay同様、そんなモンクを支えたのが、女性(Rayの場合は母と妻だったが、モンクは妻ネリーのみ)。平山郁夫さんの奥様も、平山さんより早く画家として認められながら平山を大成させるために筆を折ったが、ネリーも、一度も表に出ることなく、夫の天才を開花させることだけを考えていたらしい(知り合ったのがお互い10代)。モンクの甘えぶりは、ネリーが母でもあるかのようで、Ray同様情けなくみえることもあったが、モンクとネリーの場合、2人の間には誰も入れない強固な絆が感じられた。

亡くなったのが、1982年2月17日。脳溢血で倒れ、その12日後息を引き取った。

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2 Comments

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ありがとうございました。 (バブ)
2006-02-19 22:25:25
TB、コメントありがとうございました。



モンクの命日は、じつは2月29日だったということですか?

私はずーーっと2月17日と思いこんでおりました。

来年は間違えないように酒を用意します。(笑)



ネリーのような奥さんが、私は理想ですね、大声では言えませんが、どこかの誰かさんとはぜんぜん違います.....
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17日です。 (Stone)
2006-02-19 23:14:31
紛らわしい書き方でしたね。亡くなったのは、17日です。その12日前に倒れたということです(このDVDによると)。
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