思惟石

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【読書メモ】2010年8月 ①

2019-03-22 16:54:44 | 【読書メモ】2010年
<読書メモ 2010年8月 ①>
カッコ内は、2019年現在の補足コメントです。


『マークスの山』高村薫
この人の作品の中では一番読みやすくておもしろかった。
直木賞受賞も納得。
しかし長い。登場人物一覧が欲しかったよ…。
もしくは検索機能。

(『レディ・ジョーカー』を先に読んでしまったけど、
 間を開けずに合田シリーズ第一作を読みました。えらいぞ私。
 ちなみに私は文庫版で読みましたが、文庫化の際に全面改稿されているようです。
 特に犯人の造形?心理?が修正されているとか。
 私は、犯人の心理がちょっとピンと来なかったというか、
 そういうものかな…と適当に納得した記憶があるのですが
 ハードカバー版を読みなおした方がいいのかもしれません。
 どうでもいいけど、合田警部補がたまに関西弁でしゃべるのかわいいな。
 あと警察・検察メンバー全員に「あだ名」があるの、
 ちょっと古い感じがして、個人的に好きです。
 第109回直木賞(1993)、「このミス」国内編第1位(1994))


『ラットマン』道尾秀介
軽く読める文体と内容。
なぜかタイトルがピンとこなくて、読みしぶっていた。
この人、タイトルと装丁で損してるんじゃないか。

(アマチュアロックバンドのギタリストが主人公で、
 現在の事件と、過去の事件とが複雑に絡んだり、ミスリードしたり、
 なんか色々展開したり、というエンタメ小説です。
 どんでん返し祭りですが、さくさくっと読め進められるので
 軽い気もちで手に取るといいんじゃないかと思います)


『イニシエーション・ラブ』乾くるみ
読後は楽しめた。読み直しつつ、構成のトリックを紐解くので。
しかしまあ、内容がひどい。安っぽい恋愛小説。読んでる間は苦痛そのもの。
それが作者の狙いらしいのだけど。

(これは叙述系の名作として何かと話題に出ますよね…。
 というわけで、「最後にひっくり返るんだなあ」という
 心の準備完了状態で読みました。
 それが正しい読書姿勢なのかは謎ですが、それくらいの心構えが無いと、
 私は途中で放り出すタイプの激甘恋愛小説です。
 ミステリとして有名だから読了するか…という気合いだけで読了しました)


『告白』湊かなえ
先生の人物造型がすごい。
こんな突き抜けた人はなかなかいないだろうと思う。
対照的に、他の登場人物は全員、どこにでもいそうな性格。
で、その中にある沼の掘り下げ方が深い。怖い。

(湊かなえのデビュー作にして出世作ですね。当時、すごい話題になったよなあ…。
 この人の作品、全部は読んでないですが、いわゆるイヤミス作家ですよね。
 私は読書くらい楽しい気分になりたい派である。
 週刊文春ミステリーベスト10 第1位(2008)、2009年本屋大賞受賞)

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